22日、早稲田大学ア式蹴球部(ア式)は、2023シーズンよりOBである兵藤慎剛(平20スポ卒=長崎・国見)が監督に就任することを発表した。兵藤新監督は2004年にア式に入部すると、最終学年である4年時には大学選手権優勝、自身もMVPに輝くといった成績を残す。大学進学後には横浜Fマリノスを中心にプロの舞台でも活躍した。この度は実に15年の時を経てア式蹴球部に監督として帰還するかたちとなった。
2021年限りで14年続いた現役生活の幕を下ろした兵藤新監督。昨年は「指導者だけではなく、サッカーから一歩離れたビジネスなど、いろんなところで学ばせてもらった」と言う。コンサートなどの設営を一から行う業務に携わったり、地元・長崎の地で自らの手で企画・運営・営業などを行うイベントも手掛けてきたりした。一方で、自分を成長させてくれたサッカーに対して何かできないかという現役時代からの思いもあった。さまざまな経験を積みながら10月にはア式のコーチに就任。そんな中、退任を決めた外池大亮前監督(平9社卒=東京・早実)の後任として、OBの推薦もありオファーが来たという。そして「チャンスをもらえるのならやってみたいという気持ちがすごく強かった」と今回の監督就任に至った。
練習を見つめる兵藤新監督(右)
昨シーズン2部降格を味わい、1年での1部復帰が至上命題となっている今シーズン。「結果を出すための集団をつくる」ことに兵藤新監督も着手していくという。そして「基準や軸というものを整える作業が監督としては一番大事」と語る。ア式として目標は明確であるからこそ、その共通の目標に組織として向かえるチームづくりを目指していく。また今年は、翌年、創部100周年という記念すべき年を控える大事な1年でもある。「学生と一緒に目標を達成できる組織に1年間を通して成長していきたい」。ア式にとって重要な1年が兵藤新監督のもと今始まろうとしている。
(記事、写真 髙田凜太郎)
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