10月も終わりに差し掛かり、関東大学サッカーリーグ戦は大詰めを迎えている。優勝を目標に掲げた早大はここまで3勝5分11敗、勝ち点14の11位。優勝はおろか1部残留へ向け後がない状況となっている。残り3試合となるリーグ戦、1部への生き残りをかけた戦いをライバルチームの状況も踏まえながら展望していく。
関東大学サッカーリーグは12チームで構成されており、全試合終了時点で11位・12位が自動降格、10位は2部・3位との入れ替え戦に進むレギュレーションとなっている。現在残留を争っているのは、9位・流通経大、10位・駒大、11位・早大、12位・順大の4チーム。ライバルチームの状況に目を向けると、まず最下位の順大はここ8試合白星から遠ざかっている。前節は4位・法大相手にドロー、また首位・明大相手にも善戦するなど間違いなく地力はあるが、肝心なところでの失点が響き厳しい戦いが続く。また総得点も14とリーグ最下位、攻守が上手く嚙み合っていない状況にある。次に10位の駒大。直近6試合勝利をあげられておらず、前節は流通経大との直接対決を落としてしまった。しかし、明大や桐蔭横浜大といった上位陣相手に勝ち点1を奪うなど、要所要所でその強さを発揮している。守備では球際で相手に負けないことを徹底している中、FW松本ケンチザンガを中心とした攻撃陣が得点をどれだけ奪えるかが、今後の行方を左右する。そして昨季のリーグ王者でありながら、残留争いを強いられている流通経大。今季は大量失点をする試合が目立ち、総失点はリーグ最多の51とDF陣の崩壊が顕著に現れている。一方で現在は2連勝中、さらに前節、駒大との直接対決を制するなど調子はうなぎ登り。加えてここ2試合はいずれも無失点と、守備面の改善も見られる。法大戦では、一時3点差の状況から同点に追いつくなど攻撃陣は爆発力を持つ中、いかに守備陣が安定したパフォーマンスを見せられるかが重要だ。
残留争いのキーマンとなる駒沢。後期は4試合4ゴールと好調だ。残り3試合、ゴールでチームを勝利に導くことができるか注目
前述したように早大は現在11位と自動降格圏内。10位駒大との勝ち点差は2、残留圏の9位・流通経大との勝ち点差は3と詰まってはいるが、現状このままでは降格が決まってしまう位置にいる。ここから先一戦も落とすことが許されない早大は残り3試合、順大、流通経大、拓大と対戦。間違いなく山場となるのは順大、流通経大との残留争い直接対決だ。前期のリーグ戦では順大に3-1と勝利、流通経大とスコアレスドローと良い内容の試合ができている。結果次第でライバルとの差が大きく変わってしまう、いわゆる「6ポイントマッチ」で2連勝を収めることができるか、ここに早大の残留の可否がかかっている。この2試合のキーマンとなるのはFW駒沢直哉(スポ2=ツエーゲン金沢U18)。ここ4試合4ゴールと波に乗るストライカーが、この大一番でも早大を救うゴールを奪えるかがカギとなる。またJリーグに内定している、DF鈴木俊也副将(商4=東京・早実)、DF監物拓歩(スポ4=清水エスパルスユース)といった実力者の離脱が相次ぐ中、ここ4試合スタメンに名を連ねるDF神橋良汰(スポ2=川崎フロンターレU18)にも注目だ。前節の筑波大戦では無失点勝利に貢献した長身CB。セットプレーから得点を狙うこともでき、早大の今後を担う存在としても期待がかかる。
円陣を組む早稲田イレブン
残留に向けて、各チーム後がない状況にあることは間違いない。特に次節の順大は早大に敗れた瞬間、2部降格が決定してしまうため死に物狂いでかかってくることが予想される。それでも負けられないのはこちらも同じ。相手の気迫を上回るプレーを見せ、勝ち点3を手繰り寄せて欲しい。そして、早大のア式蹴球部のプライドと誇りにかけて、1部残留を成し遂げたい。
(記事 髙田凜太郎、写真 水島梨花、前田篤宏)