ICCワールドカップ開催! サッカーで国際交流

ア式蹴球男子

 ICCワールドカップが東伏見グラウンドで開催された。主催はICC、協催はア式蹴球部。参加者は国境も性別も年齢も多様だ。イベントのテーマは「国境を越えたサッカー交流」。サッカーを通じた国際交流、早大生同士の交流を図る目的だ。

 17時30分から始まったイベント。各々が準備体操を行い、ア式蹴球部と参加者が混ぜこぜになり、6チームに分かれた。開会の前にはチームごとで談話が行われ、交流を深める。主催のICCスタッフ、ア式蹴球部の中津留正大(教4=大分・上野丘)、渡邊奈美(スポ4=埼玉・大宮開成)からそれぞれ自己紹介と挨拶が終わった後、試合が始まった。

試合後にチームメイトと拳を交わすヒル袈依廉(スポ2=鹿児島城西)

 どの試合も拮抗した展開に。言葉が通じなくても、”Good”など簡単な英語や「頑張ろう」など簡単な日本語で意思疎通を図る参加者たち。「何か伝える気持ちとノリである程度コミュニケーション取れた」とGK生方聖己(スポ4=高崎経大付)語る。試合後にはハイタッチをして相手を称えあう。佐藤慧一マネジャー(政3=東京・早実)がキーパーを務め、見事なセーブを見せ、GK生方が華麗なボール捌きを見せるなど普段は目にすることができないシーンもみられた。

 雨脚が強まり始めた頃から「ピープルビンゴ」というミニゲームを開始。目的の人物を見つけるために多くの人に声をかける。言葉が完璧に理解できなくとも、身振り手振りで会話を繰り広げていた。見事、ビンゴを勝ち取った9人はICCベアを獲得。中には、ICCベアを記念撮影時に大事に掲げる参加者も見られた。

参加者とゲーム内で談笑する竹浪良威(スポ4=国学院久我山)

 昨年もオンライン上でのイベントは行われたものの対面での開催は叶わなかった。主催者の1人であるICCスタッフは「対面で開催できて本当に嬉しい。応募は100人を超えていました。毎年、大人気のイベントです」と笑みを浮かべていた。「言葉が通じなくても良いプレーにはナイスって盛り上がる感じなどはボール一つでいろんな人とつながれるのだと改めて感じた」と近澤澪菜副将(スポ4=JFAアカデミー福島)。「サッカーの楽しさを思い出した」(生方)が述べるように参加者全員が試合中常に笑顔でプレーをしていた。コロナ禍を越え、対面での開催となった本イベント。直接触れ合い、サッカーをすることでオンライン上での交流以上のつながりが生まれただろう。サッカーは人をつなぎ、世界をつなぐということを改めて感じさせられるようなひと時であった。

(記事 水島梨花、写真 髙田凜太郎、宮下幸)

ICCワールドカップに参加した部員、スタッフ、参加者

コメント

近澤澪菜副将(スポ4=JFAアカデミー福島)

――今回のイベントに参加した経緯は何かありますか

 前もICCのイベントをやっていたことは知っていました。その時は女子部は参加していなくて、男子部がやっているのを横で見てたという感じでした。留学生の方たちと楽しそうにしているのを見ていて、いつか機会があればやりたいなと思っていました。今日、このような機会を設けていただいて是非参加しようとなりました。

――実際参加してみての感想はいかがでしたか

 日本人にはないフレンドリーさがありました。自分たちも最初は「どうする、緊張するね」みたいな感じでしたが、実際一緒にプレーしてみたら、「ナイス」という声掛けや終わった後グータッチしたりとか、コミュニケーションがすごく多かったです。一緒にやっていてすごく楽しかったです。

――色んな国籍の方がいた中でコミュニケーションの難しさはあったと思いますがいかがでしたか

 そうですね。やはり言葉の壁の部分で難しいところはありました。それをあちら側も分かっているからこそ、ボディランゲージでカバーしたり簡単な単語で話したりとかがあったので、そこまで難しいとは感じなかったです。

――コミュニケーションという点では、サッカーというスポーツは世界共通だと思います。そこで通じ合えるなというのは感じましたか

 はい。感じましたね。やはり良いプレーは良いプレーだし、そこへの称賛だったり、言葉が通じなくても良いプレーにはナイスって盛り上がる感じなどはボール一つでいろんな人とつながれるのだと改めて感じました。

――普段ア女でやっているサッカーとはまた違った雰囲気で今日はプレーされていましたがいかがでしたか

 日頃自分たちがしているサッカー、バチバチしているのもすごく楽しいんですが、こうやって色んな人とコミュニケーションを取りながらワイワイした感じでやるのもすごく楽しいです。良いリフレッシュになったなと思います。

生方聖己(スポ4=高崎経大付)

――今回のイベントを通しての感想をお願いします

 シンプルに楽しかったなと思います。ア式だけにいつもいるので、そういうコミュニティの中にずっといる中で、いろんな考えとかいろんな多様性がある中で、考えを広げなきゃいけないと普段から思っていました。どうしてもコミュニティが狭いと、広がらなくなってしまいます。もうすごい良い機会になったなと思います。あと改めてサッカーの楽しさを思い出しました。

――今回はいろんな国籍の方がいた中で、コミュニケーションの部分など難しい部分もあったと思いますがいかがでしたか

 そうですね。やはりコミュニケーションのところは英語とか全然かじった程度でしかできないのですが、何か伝える気持ちとノリである程度コミュニケーションは取れました。そこが学べたのはすごく大きいかなと思います。

――外池監督を中心にア式は日頃からこういった交流を大事にされていると思いますが

 外池さんが常にア式だけじゃないよというのは言っています。それこそサッカー部なんですけど、サッカーだけにとどまっちゃ駄目だという話をずっとしている中で、こういう機会を与えてもらいました。今日はそういうことを本当に実感する機会になったなと思います。

――普段ア式でやっているサッカーとはまた違った部分があると思うのですがいかがでしたか

 普段からア式の時もこういう時にやるサッカーも差はなく、やはり根本的にサッカーは楽しいものだという自分のポリシーがあります。前期個人的に勝てない中で、そういうことを見失ってて潰れてしまって改めてサッカーって楽しいものだよなって思い直しました。そういうことは俺は普段から出していますが、他の部員とかは結果がずっと追い求められる中で、どうしてもその楽しさっていうのを見失う機会があると思います。今日みたいなことをやったらサッカーって本当に原点はこういうところだと思います。勝ちとか負けとか関係ないと思っているし、そういうのを思い出すことができた人はたくさんいるんじゃないかなと。自分も1年の時に1回参加して、そのときはもっとしんどいことがたくさんある中で、こういう機会があって参加した時に改めてもう1回サッカーを楽しみたいなと思います。今年もそういう意味ではいい機会になった人がたくさんいるんじゃないかなと思います。

――先程コミュニケーションの話もあった中で、サッカーのルールは世界共通という中で通じ合えた部分はありましたか

 個人的な話になるのですが、昨年の冬に1回ドイツにサッカー留学していました。その時にそれをもうわかったというか、言語の壁とかそういう文化、サッカーやればどうにかなるなというのが共通のルールのもと。だから今日とかも本当に正直細かいこと何言っているかとか全然わかんないのですが、サッカーをやる中で何か感情の部分なので、感情とかも言語だけじゃなくて全世界の人共通してるものです。本当にサッカーとスポーツってその感情に訴えかけられる数少ないものだなと。そういう感情に訴えかけることこそが、人のつながりを生むというのは改めて今日感じられました。

竹浪良威(スポ4=国学院久我山)

――今日参加してみて、いかがでしたか

 ICCという企画もコロナでできていなくて 、久しぶりではあったのですが、多くの方がいらっしゃってくれました。ア式からも多くの参加者が出て、盛り上がった企画になったと思います。(後ろで参加者の一部とア式で試合を行っている)このように終わった後も仲良くなれるような企画になりました。

――参加された経緯はどういったものでしたか

 僕自身は来年留学するので英語を学びたいというのもあって参加しました。

――どこに留学行かれるのですか

 アメリカのサンディエゴです。なので、このイベントは良い機会だと思いました。

――多様な文化との交流ということで、コミュニケーションという部分においては難しい部分もあったと思います。どのような部分を工夫されましたか

 工夫したところとしては参加された方の気持ちのメンタル面が分からないので、試合前から声かけを行いました。最初から仲良くなれるようにというのは意識しました。

――今回のイベントで感じたことは

  ア式では色々な方々と関わり、様々な経験をするということを大切にしています。このような経験ができてよかったです。他大学だけでなく世界に向けた企画というのもすごく良い企画だと思いました。

佐藤慧一マネジャー(政3=東京・早実)

――今日の感想をお願いします

すごく楽しかったです。言語が違うという部分に難しさも感じたのですが、それでも身体で表現したりとか、表情で表現してコミュニケーションを取れたりしたので、やはりサッカーって良いスポーツだなと思いました。

――コミュニケーションを取る上で工夫はされましたか

 いやー、もうナイスとグレイトしか言ってないですね(笑)。

――他言語を話すという点で難しい部分もあったと思いますが、いかがですか

 結構留学生の方も日本語を理解しようとしてくれて、ハイタッチや一緒に喜ぶってことが出来たので、そこはすごい良かったかなと思います。

――外池監督も「交歓」という言葉を使われると伺いましたが、今回のイベントで「交歓」を感じる場面はありましたか

すごく感じました。ア式って”Association Football”と言うのですが、このようなイベントでコミュニティを新しくどんどん作れていくっていうのは、サッカーの良さでもありますし、早稲田大学という大きな大学の良さでもあるので、それをこういった形で実現できたのは、一つの未来につながる良いイベントだったかなと思います。