9日、J2・徳島ヴォルティスがMF山下雄大(スポ4=柏レイソルU18)の来季新加入内定を発表した。早大の4年生では8月12日にサガン鳥栖に内定を決めたDF平瀬大(スポ4=サガン鳥栖U18)に次ぐ5人目、早大全体としては7人目のプロ内定者となった。
早関定期戦で前線へパスを送る山下
アンカーやボランチなど、主に中盤のポジションで抜群のサッカーセンスを遺憾(いかん)なく発揮する山下。その足元の技術の高さには、同じくJクラブのユースチームに所属した早大のチームメイトたちも舌を巻く。早大では入学当初から頭角を現し、学年を重ねるごとに主力の座を確固たるものにしていった。今季はじめのデンソーカップチャレンジでは、関東選抜Bに選出され、他大学の強者たちとしのぎを削った。
「やっとスタートラインに立てた」。内定に対する率直な感想を聞くと山下は、驚きや喜びの思いではなく安堵や使命感を口にした。小学生から志したプロの道。チームメイトたちが先に進路を決めても焦ることなく、ただ自分のやるべきことに取り組み続けた。内定先の徳島に対しては「クラブのスタイルそのものもそうですし、スタイルをブラさない姿勢に自分は惹かれた」と印象を語った。
明大戦で味方へ指示を出す山下
徳島ヴォルティスは今季J2で奮闘中。昨季を含め2度のJ1経験を持つ、名実ともに四国最強のJクラブだ。昨季はMF藤田譲瑠チマ(現・横浜F・マリノス)が同クラブで活躍を見せ、日本代表にも選出された。山下は「ビルドアップなどで攻撃にかかわって、徳島のスタイルをより活性化できたらいい」と徳島が志向するポゼッションスタイルへのフィットに向け自信をのぞかせる。
東国大戦で味方へパスを出す山下
自身のポテンシャルを考えれば、決して選択肢は一つでは無かっただろう。それでも山下にもう迷いはない。「プロになることがすべてではない」と表情を引き締めた若武者の眼は、プロ入りにとどまらぬ野望を見据えている。柏からア式、そして徳島へ。紆余曲折の道程で得た経験や自信をその手に携え、山下はプロの世界に身を躍らせていく。
(記事 大幡拓登、写真 栗田優大、前田篤宏)
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2000(平12)年8月23日生まれ。179センチ。柏レイソルU18出身。スポーツ科学部4年。関東大学リーグで、1部通算50試合出場