真夏の早関定期戦 攻守で闘いウノゼロ勝利

ア式蹴球男子
第98回早関サッカー定期戦
早大 0-0
1-0
関西学院大
【得点】
(早大)68’植村洋斗

 真夏の暑い日差しの中、「第98回早関サッカー定期戦」が行われた。この先に控える早慶戦、後期リーグ戦に向け、弾みをつける戦いをしたい早大。序盤は相手の攻撃に手を焼くが、徐々に自分たちの時間をつくれるようになる。MF山下雄大(スポ4=柏レイソルU18)やMF安斎颯馬(社2=青森山田)が惜しいシュートを放つも、得点には結びつかず0ー0で前半を終える。後半開始早々、相手DFが退場し数的優位に立つと流れは早大に。68分、ペナルティエリア内で安斎が相手のファウルを誘いPKを獲得。これをMF植村洋斗(スポ3=神奈川・日大藤沢)が冷静に決め先制に成功する。攻勢を強める早大であったが、その後迎えた決定機では追加点は奪えず。逆に終盤には自陣でのミスからピンチを招くが、最後まで1点リードを維持し、見事勝利を収めた。

 

試合に臨む早稲田と関西学院両チーム

 立ち上がり直後は関西学院大の時間が続く。何度か早大ディフェンスラインの裏を狙われるが、この日Aチームデビュー戦となるDF増田健昇(スポ1=横浜FCユース)のシュートブロックもあり、失点は許さない。徐々に流れをつかんだ早大は16分、中盤でボールを受けた山下が柔らかいパスを送ると、背後に抜け出した安斎が振り向きざまにシュート。しかし、これは相手GKの好守に遭う。続く23分、クロスのこぼれ球を拾った山下の巧みなフェイントからのミドルシュートは、枠の上に外れる。44分、安斎がMF山市秀翔(スポ1=神奈川・桐光学園)とのワンツーからシュートまで持ち込むが、これもGK正面に。互いに均衡を破れないまま0-0で前半を折り返した。

Aチーム戦初出場となった増田

 後半53分、ピッチ中央でFW奥田陽琉(スポ3=柏レイソルU18)が倒されると、相手DFがこの日2枚目のイエローカードをもらい退場となる。1人少なくなった相手に対し、ここから猛攻を仕掛ける早大。左サイドのDF鈴木俊也副将(商4=東京・早実)を起点に攻撃のかたちをつくる。60分、その鈴木が奥田とのパス交換で左サイドを突破し、自らシュートを放つも相手GKに阻まれる。66分には高い位置からのディフェンスで相手のパスミスを誘発すると、FW駒沢直哉(スポ2=ツエーゲン金沢U18)がGKと1対1に。しかし、この絶好のチャンスも決められない。迎えた68分、右サイドでボールを受けた安斎がペナルティエリア内に侵入すると、相手DFがたまらずファウル。PKを獲得する。このPKを植村が決め待望の先制点を奪う。勢いに乗る早大は、交代カードを切りながら追加点を狙いにいく。80分、左サイドでボールを受けたMF平野右京(人3=兵庫・滝川)のクロスに駒沢が合わせるが、これは惜しくも枠の右へとはずれる。終了間際には関西学院大に攻め込まれる時間が増えるも、最後のところでやらせない守備を見せた早大。1点リードを守り切り、早関定期戦を勝利で飾った。

PKを沈めた植村

 酷暑の中、両者ともに90分間走り続け、強度の高い試合が展開された。その中で、勝利という結果を手にできたことは早大にとって大きな自信になるだろう。またここ最近、無失点試合がなかった中、「最後まで(失点)0で抑えれたというのはすごく大きなこと」(鈴木)、「とりあえず(失点)0で終えたというのは良かった」(山下)と守備面で一定の手応えを得れた。ただ、「相手が1人少なくなったが、結果1点しか取れなかった」と植村が言うように、前期リーグからの課題である「得点力」というところはまだまだ改善の余地がある。それでも後期リーグ初戦の東京国際大戦から「内容としてはいいゲームが続いている」(鈴木)とチームの状態は確実に上向いている。この先、早慶戦、後期リーグ戦と負けられない戦いが続くが、「みんなで強い意識を持ってやっていきたい」と山下。課題と手応えの両方を得れたこの一戦を、この先の戦いに確実に繋げていく。

(記事 髙田凜太郎 写真 前田篤宏、野中美結)

 

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK ヒル 袈依廉 スポ2 鹿児島城西
→HT 16 平田 周 スポ4 東京・国学院久我山
DF ◎鈴木 俊也 商4 東京・早実
DF 13 中谷 颯辰 基理3 静岡学園
→78分 23 平野 右京 人3 兵庫・滝川
DF 32 増田健昇 スポ1 横浜FCユース
→78分 27 神橋 良汰 スポ2 川崎フロンターレU18
MF 安斎 颯馬 社2 青森山田
→83分 35 光田 脩人 スポ2 名古屋グランパスU18
MF 10 植村 洋斗 スポ3 神奈川・日大藤沢ス
MF 12 藤本 隼斗 スポ3 柏レイソルU18
→78分 23 平野 右京 人3 兵庫・滝川
MF 14 山市秀翔 スポ1 神奈川・桐光学園
→70分 33 小松 寛太 教3 東京・早実
MF 24 西尾 颯大 スポ4 千葉・流通経大柏
MF 31 山下 雄大 スポ4 柏レイソルU18
FW 奥田 陽琉 スポ3 柏レイソルU18
→63分 17 駒沢 直哉 スポ2 ツエーゲン金沢U18
◎=キャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
コメント

DF鈴木俊也(スポ4=東京・早実)

――今日は早関定期戦に勝利することができましたが、試合全体を振り返ってみていかがでしたか

まず普段やらないような関西のチームがわざわざ来てくださって、このような機会を設けてくださったことは本当にありがたいことですし、ゲーム通して相手の勢いだったりとか、戦術的な部分もすごくいいチームだなと思って思いましたし、普段やらない関西のチームだからこそ情報がないというか、うまくこっちも分析できない中でのゲームだったので、少し難しいところもあったんですけど、最後までゼロで抑えれたってのはすごく大きなことだと思いますし、またそれと同時に1点しか取れなかったっていう課題も見えてすごくいいゲームだったかなとは思います。

――今日はそのセンターバックのラインが鈴木選手と中谷選手、増田選手となかなかリーグ戦でコンビをあまり組んでないメンバーだと思うんのですが、そこで意識していたことはありましたか

練習から一緒にやることもありますし、誰かが常に声かけながらやることは変わらないですし、健昇も颯辰も本当に声掛け合って、自分たちにできることを最大限やってくれたので、そんなにやりづらさとか感じず、良かったかなと思います。

――相手は早稲田の背後を狙ってくる攻撃が多かったと思いますが、そこについて何か対策など考えたことはありますか

ウチは5枚で守ってる中で、誰かが前にチャレンジしたときの背後のは少し狙われやすいというか、そのラインもバラバラになっちゃうところがあって、今日も実際何本かそこのスペースに入れられて、ピンチみたいなところあったんで、もっとそこはコミュニケーションとって改善しないといけないですしただ同時にそれも含めてゼロで抑えたというのは、かなり収穫かなと思います。

――ディフェンスライン今日は3枚であったり、4枚だったりかたちを変えながらだったと思うのですが、選手の判断なのか監督から指示があったのですか

中からも意見ありましたし、ただ外から見ててもうまくいってないとか、うまくいってないからはまってないというよりは、こちら側がより優位になるように戦術的に優位に立てるようにこっちのがいいんじゃないかという意見だったので、すごくポジティブな変化だったのかなと思います。

――後半はサイドを駆け上がって攻撃の部分に厚みをもたらしたところがあったと思うのですが、攻撃で何か意識していたことありますか

攻撃に関しては自分のストロングなので、チーム全体として、そこを許容してくれるというか自分が上がったスペースってのはもちろん逆にピンチになることもあるので、そこはリスクあるんですけど逆サイドのセンターバックであったりとか、ウイングバックとかも理解して絞ってくれたりっていうチームとして生かそうとしてくれているので、そこは答えたいなと思っています。

――今日の試合を踏まえて、ここから先早慶戦それから後期リーグ戦と続いていきますがどのように準備していきたいですか

東京国際大戦から内容としてはいいゲームが続いてますし、ただどちらも1点しか取れてないというところで引き続き得点のところに関しては元々こだわって全員でやっていきたいと思いますし、早慶戦とか本当にこれから特別なゲームがありますけど、結局、戦術であったりとか、技術よりもこの試合に勝ったりとか、今後どうなっていきたいっていう、そういう思いだと思うので、そこは副将として最大限みんなに発信できるところは発信してというのを意識してやってきたいなと思います。

山下雄大(スポ4=柏レイソルU18)

――今日は1-0の勝利ということになります試合全体を振り返ってみていかがでしたか

チャンスも何回かあったし、逆にピンチもあった中でとりあえず(失点)0で終えたというのは良かったと思います。

――ご自身としては結構、中盤でボールを受けて結構背後へのパスとかサイドへのロングパスみたいなのが目立っていたんですがどういったことを意識してそういうパスを狙っていましたか

まずどんどんボール自分が受けて、テンポを作って、前に供給するっていうのは自分の強みでもあるんで、それは出そうっていう気持ちでやっていました。

――その中でパス精度とかもだいぶ上がってきてるのかなと思ったんですが、コンディションはいかがですか

体も90分(出るの)久しぶりだったのですが動いたし、まだまだ強度とかでもっと中盤で勝っていかなきゃいけないんで、中盤のセカンド(ボール)とか奪い合いみたいなところはもっと意識してやっていかなきゃいけないと思います。

――今日は植村選手のボランチでコンビでしたがその2人でのコンビみたいなのはいかがでしたか

お互い多分、パスライン常にひけてたので、多少プレッシャーを受けても剥がせたりとか、プレッシャーを受けないで逃しながら前にボールを運べたんじゃないかなと思います。

――チームとしては3バックなど新しいフォーメーションに取り組んでいる中、手応えはいかがですか

3のときの守備でちょっとあんまりうまくいかずに4に変えたりとかしてたんで、かたちかえて修正することも大事だけど、自分たちの中で相手の変化とかにもっと対応できるように持って状況とかを読むことが大事だと思います。そういうところは率先して、自分からどんどん引っ張っていければいいかなと思います。

――ここから先早慶戦後期リーグ戦と試合が続いていきますが、どのように準備していきたいですか

まずはもう本当、勝たなきゃいけない状況なので結果にこだわって、その中でチームとしてどうやって戦うのかっていうのは合わせて普段練習からやっていくしかないと思うの本当後がないっていう気持ちで、もうみんな強い意識を持ってやっていきたいと思います。

増田健昇(スポ1=横浜FCユース)

――今日の早関定期戦でAチームのデビューとなりました。どのような気持ちで試合に臨まれましたか

 練習からずっとAサブなどに出ていてなかなかAチームに関わることはありませんでした。今回、4年生がケガと練習参加でラッキーだったという部分もあります。スタメンとして出場できて率直にうれしかったです。

――手応えはいかがでしたか

 まだ守備や攻撃の部分で至らない点もありました。全体としては恐ることなく堂々とやれました。そこは1つ良い点であったと思います。

――関西学院大学はかなり裏にボールを送り込んで狙うということが多かったと思います。そこに対する対策はどのようにされましたか

 基本自分が首を振って相手を認知することもそうです。1度ゴール前で裏を取られて危ないシーンもありました。しかし、慌てずに体を寄せてシュートさえ打たれなければ良いなと考えていました。最後のところだけこだわっていました。

――足りなかったと感じた部分はありましたか

 先程言った背後の部分もそうですし、チーム全体ではめに行った時の自分のスライドが遅い場面もありました。そこはもう1度試合の映像を振り返って改善していきたいです。

――右サイドには西尾選手がセンターバックは鈴木選手と4年生がいる中で声をかけてもらったことや気にしてもらった部分というのはありましたか

 颯大君が出た後の自分のスライドが遅かったのでそのスピードの部分は言われました。前半の途中からは少しずつ改善できました。しかし、まだもう少し早くスライドをしてということを言われました。そこはまた映像で俯瞰的に見て改善したいです。

――最後に後期リーグ、早慶戦への意気込みをお願いします

 まず、個人としてはAチームにどんどん関わっていきたいです。早慶戦でもまずベンチ入りを目指して、メンバー入りを目指したいです。後期もまだベンチに入ったことがないのでメンバー入りをまず目指していきたいです。