今季、Aチームのキーパー長を務める平田周(スポ4=東京・国学院久我山)とビックセーブで何度もチームを救ってきたヒル袈依廉(スポ2=鹿児島城西)。ア式の守護神として君臨する2人のGK論について迫る。
※この取材は8月24日に行われたものです。
「信頼感をもっともっと上げていかないといけない」(ヒル)
今季はチームを救うセーブを多く見せるヒル
――今シーズンここまでを振り返ってください
ヒル 前期は9試合出さしてもらって、チーム全体としてはなかなか勝てないというか上手くいかない時間帯がほとんどで、その時間帯の中でもキーパーとしては逆に活躍するという場面が多くて、セットプレーだったりカウンター攻撃を受けたりした中でいかに守るというところでの課題というのが浮き彫りになったシーズン前半だったのかなと思っていて、そこで試行錯誤していく中でちょっとずつ課題を修正していったりして後期に今向かっているところなんで、Aチームのキーパー全体でコミュニケーションをとったりしていくことが求められることかなと思います。
平田 僕はまだ前期試合に出ていないんですけど、袈依廉とかのプレーを見ていて、ゴールキーパーとしてはかなり積み上がっているなというのは感じていて、それは僕とか他のキーパー含めてAチームのゴールキーパーは難しい試合とかも多いからこそ個々の能力が成長してきているなと感じるんで、結果は出ていないんですけど一人の選手としてかなり良い経験をしているなというのを袈依廉を見ていても思うし、自分自身も他のゲームとかに絡んでいて思うので、パフォーマンスに着目するなら悪くはないんじゃないかなと前期振り返って思います。
――ア式蹴球部としては前期結果がなかなか出ませんでしたが、考えられる要因は
ヒル 全員言うと思うんですけど、得点力不足が一番の課題かなと思っていて、ゴールキーパーはそこに直結するようなポジションじゃないですけど、一番近いディフェンスラインにコミュニケーションをとっていくことが、小さいですけど少しは得点に絡む要因かなと思います。
平田 難しいですけど、今の得点力不足とかサッカー的なところに着目するとどのチームでも無数にあって、その中で自分たちが特段勝てていないというのはゲームによって波があったりとか、後期の1節みたいに良いゲームをすることもあれば、入りから終わりまで何もできないっていうゲームもあって、自分たちで初めからエネルギーを作り出すことができてなくて、そういうゲームをつくったりしてるなというのはすごく思っていて、相手どうこうではなくて自分たちがどんどんネガティブになっているというかネガティブな自分に対して、それを盛り上げるモチベーションやパワーみたいなのがなかなか出せていないなというのがすごいあって、やっぱり自分たちは下位だからこそ状況的に相手に押し込まれることも多いし、相手に先制点を取られる状況というのが多いんですけど、順位を見ればそういった状況に陥りやすいことがわかりやすいし自分たちが下から追い上げなきゃいけないチームなので、そういった状況を分かってこそ苦しい状況でも一旦冷静になってやらなきゃけないと思うので、そこで空回りしている選手が多いかなと思います。
――試合や練習の時に最後方から見ていたチームの姿はどう映っていましたか
ヒル 一番後ろから見ている身として攻撃面とか守備面とかのかみ合わせが上手くいかないなというのは練習中少し感じたりしていて、ゲバだったりはもちろん小さいミニゲームも含め近い選手とあまり連携が上手くいかないなというのが度々あって、そこでの起きる前のコミュニケーションとかそれが起きてしまった後のコミュニケーションがものすごく大事だと思うので、少しずつそれを積み重ねていって週末のゲームとかにつなげられたらなとは思います。
平田 自分は全体的な雰囲気とかが一番後ろから見ていたら分かるので、それを見て盛り上げたくて声を出したりとか何かアクションするけど、なかなか良い影響が出ないというか実際に全体が良い雰囲気になったり、盛り上がる雰囲気に持っていけたかというと後ろから見て感じるけどそこになかなか持っていけない葛藤とか難しさがあって、後ろから全体の雰囲気を感じながらも上手くアプローチできないところにすごい葛藤は感じますね。今もそういうときがあるので、感じながらやっているという感じです。
――前期の中盤から守備面では安定してきたのかなと思いますが
ヒル 明治戦から僕を含め試合に帰ってきたのは中盤の時期で、4年生がチームを支えるポジション、4バック全員に4年生がいたので頼れる部分もすごく大きかったですし、僕としてもすごくやりやすくて自分より先に体を張ってくれている4年生を見て、自分もやらなきゃなと思った部分もありますし、後ろの選手たちがチームを支える部分を担っていると思うのでそういったところに4年生がいると自分としても助かった部分はありました。
平田 精神的な支柱というか要素が大きかったなと思って、4バックに入った4年生それぞれの個性もありながら、冷静さであったりとか強く言える人もいる部分ですごいバランスも保ったし、プレーでやるのはもちろんなんですけどゲームを通しての安心感や安定感みたいなものは生み出されていったなと感じました。
――今抱えている課題や逆に実践できているなと感じるところはありますか
ヒル やはり僕はチームへの関わり方という部分が去年を含めての課題であって、後ろからエネルギーを出せるような選手にならないとなと思っていて、後ろが安定してくると安心して前線の選手もプレーしやすいかなと思っていて、コミュニケーションのところを含め信頼感というのはもっともっと上げていかないとなと思っています。
平田 僕は自分の役割としてセットプレーの分析とかをやっているんですけど、かなりそれが試合を左右すると思ってやっていて、実際に内容を詰め切れていなくて最後セットプレーから失点して負けてしまったゲームとかも実際にあって、そういった意味で責任感を持ってやっているし仮にゲームに出れなくてもチームに影響を与えられる立場として、もっと相手に有効な戦術だったり方法というのを探りながらやっているので、チーム全体の課題を個人が解決できる良い場所だなと感じながら今やっています。
――セットプレーの分析というのは守備面ですか
平田 基本的にどっちもやっていて、相手の攻撃と守備どちらも見ているので自分たちの守備のやり方も考えますし、相手の守備のやり方も考えればどこがチャンスであるとかどこに隙が生まれやすいかというのもおのずと分かってくるので、そういった意味での攻撃の仕方の提案とかも同時にやらせてもらっています。
――ア式は今季セットプレーからの得点が少ないような印象がありますが何か要因はありますか
平田 そもそもセットプレーをもらえる回数が少ないかなとも思って、何かしら方法を提案しても試行する回数が少なかったりとか何回もやっていく中で相手が感じる脅威とかもあるので、セットプレーはもちろん大事ですけど、まず自分たちが攻めるであったりとか攻められるゲームをつくっていくことの方が大事だと思っていて、セットプレーは本当に局面的なのでそれが良くも悪くもあって、局面的に崩せることもあるんですけど結局はゲーム全体での一局面でしかないので、90分という長い間で見るとそこだけにフォーカスするのは僕だけで良いのかなと思っているので、課題に関しては一試合一試合見ながら改善していくという感じです。
――ヒル選手も平田選手からセットプレーの際のアドバイスをもらったりしましたか
ヒル そうですね。チーム全体のこともなんですけど、結構自分とかキーパーに向けてのアドバイスも多くて相手がどう攻めてくるものに対して自分がどうやってディフェンスと連携しながらどのスペースを埋めながらとか、そういったところをお互いに意見を出しながらやったりというのはあります。
――土曜日に後期初戦がありましたが、前期を踏まえてチームとして変わっていると感じているところはありますか
ヒル 中断期間とかはフィールド(プレイヤー)は走りという部分で追い込んでいて、運動量の部分は良くなっていると思っていて、後は前半は攻め込まれる部分があったんですけど、後半で建て直すというところで自分たちがボールを持つ時間も多くて、そういった部分で体力を温存できる時間はあったのでそこを自信にしながら次いつ試合があるのか分からない状況ですけど、常に準備しながら向かうところかなと思います。
平田 後期一試合しかやっていないですけど、外的要因というか今下位という状況もあると思うんですけど、覚悟が決まってきたというか4年生だけじゃなくて、3年生も2年生も1年生もゲームの入りとか最後の最後疲れているときにやりきるところとかは、今袈依廉が言ってくれた中断期間のトレーニングもそうですけど、そこの腹のくくり方が一つ変わってきて、後期1節目は引き分けでしたけどこのゲームを自分たちが続けていってもっともっと良くなっていけば順位が上がっていくという希望を持てるというか強い気持ちを持てるゲームができたと思うので、そういった気持ちのこもったゲームを1節だけじゃなくて後期全試合でやっていきたいなと思っています。前期はそういったゲームがなくて、最後の何試合かも絶対に落とせないと分かっていたし、順位も下だったんですけど、外から見ていても中の選手もなんで自分がやりきれてないのか分かってないような感じで、みんながモヤモヤしているような感じだったので、そこは覚悟決めてやっと戦い始められたかなと思います。
「特別な関係を今のア式のゴールキーパー陣はつくれている」(平田)
最後方からチームを支える平田
――他己紹介をお願いします
ヒル 知ってる範囲で話すと、Aチームのキーパー長をやってる平田周なんですけど、早稲田全体をまとめる力はものすごいあると思っていて、1番誰にでも意見をぶつけられる最強な人間だなと思っています。
平田 袈依廉は結構物静かなんですよ。この感じで。シャイっていうか。でもかなり、僕はキーパーなんでキーパー同士仲良くやっていますけど結構色々な先輩からかわいがられている感じで。でも結構、意外と練習とかだと図太いなと感じてて、ちょっとしたミスとか、ネガティブになりそうなときも意外とスンとしているというか。雨の日のゴールキックはすごい気にしちゃうんですけど、それ以外は図太いなと思っていて。あんまり気にしていないように見せてるのかもしれないですけど、まあでもそれができるのがすごいことだと思うので。意外と気にしてないのかなって端からみてて思ったりとか、そういう意味で図太いなと思うことがありますね。
――2人のお互いの紹介を聞いてみていかがでしたか
ヒル 物静かっていうのは、すごく自分のマイナスな部分なので、すごく感じている部分はありますね。そういったプレーのミスとか気にするのは気にするんですけど、たしかにあまりみせようとしないのはあると思います。
――最強の人間ということでしたが
平田 そうですね(笑)。最強かどうかはわからないですけど、別に結構誰にでも言えるっていうのは、そうかもしれないですね。嫌われてもいいやと思って。
――自分が嫌われ者の役を買ってでも結構言うのですか
平田 そうですね。結構そうやって、頑張ってきた人たちを見てきて、年上の人とかで。なので、それがかっこいいとまでは思わないですけど。チームのためになるというか、言わないでそのままにしちゃうよりかは言った方がいいなと思ってるんで、そこはあまり誰かとかは気にせずに言っちゃうというのはありますね。結構言い方とかは問題あると思うんですけど(笑)。
――言い方に問題があるのですか
ヒル そうですね(笑)。多少問題ありますね。
――お二人のプライベートでの関係は
平田 プライベートは意外とというか、全然遊んだことがなくて。(ヒルは)寮生なんですよ。なので、寮の選手とかと仲が良くて。部室とかで一緒の選手とかだと、そこで飯行ったりとかしちゃうんで。そういった意味では袈依廉は意外と行ってないなっていう。
ヒル 寮生は自炊がメインなんですよね。コメ炊いて、適当におかず買ってみたいな。寮外生ほど外食は行かないので。行きたい気持ちはめっちゃあるんですけど。
平田 実は今週、GK温泉合宿っていうのがあって、キーパーみんなで温泉いこうかなと思っていて、そこでマジで初遊びですね。
――2人の仲の良い選手を教えてください
ヒル 寮生の同期とかがほとんどなんですけど、よく出掛けるのは光田脩斗(スポ2=名古屋グランパスU18)ですね。同部屋ではないんですけど、たまに部屋にいますね。結構、俺らの部屋がたまり場になっていて、来るんですけど、買い物とかは、光田は何も用事がないのに、ついてくることがありますね。
平田 僕はヒル袈依廉(笑)。
ヒル 絶対嘘(笑)。片思いでしょ。
平田 そうだな。でも、みんなと仲良くて。特段仲良い人がなかなか思いつかないですね。結構、同期もキーパーも仲良いんで、誰と仲良いのかなあ。でも、後輩というくくりで言うと、キーパーの2年生が1番仲良いんじゃないですかね。ヒルとか、竹中豪(人2=FC町田ゼルビアユース)とか、北村公平(文講2=神奈川・桐光学園)とか。3人が後輩というくくりのなかでは1番仲良いし、1番喋ってると思いますね。Aチームでのそのメンツの練習が多いので。一緒に練習する機会も多いし、3人とも隙が多いので、いつも僕がイジり倒してます。
――お互い、プレーや練習での取り組みをみて刺激を受けることはありますか
平田 やっぱ、袈依廉はデカイので、感じますよね。良い刺激ももらえますし、その一方でそれは袈依廉の良さだし、俯瞰して自分の良さもみえるっていうか。そういった意味でも、刺激だけじゃなくて、自分にもいろいろな気づきとかを与えてくれるなって思って。全然、袈依廉はまだまだだなとは思っているんですけど、本当にうまくなる余白があるなと思っていて。余白がどんどん埋まっていって、よりパーフェクトな選手になっていくのは見ていきたいなとはすごく思いますね。
ヒル めぐは結構、練習メニューを考えてくれる人なので、練習中の楽しくトレーニングするというところではすごく見習う部分があります。プレー面でも、チームへの関わり方というのが自分の課題なんですけど、そういうところは(平田選手が)1番だと思っているので、そこをゲーム中とかにみて盗みながら、やっている部分はあります。外からも声かけてくれるので、集中しやすい環境だなとは思います。
――ア式ゴールキーパー陣の関係性は
平田 僕は、チームで1番仲良いと思いますよ。ポジションでくくるとしたら、ゴールキーパーは1番仲良いと思いますよ。俺はその自信あるけど袈依廉はどう。
ヒル もちろんそうですよ(笑)。でもどこでくくるのかなって。(フィールドプレーヤーとは)別に練習するので、自然と仲が良くなるのはありますね。お互い指摘し合う1番いい環境だと思うので、そこも含めて。
平田 学年が入り交じって仲良いのとか、ふざけあったりとか、練習で高めあったりとかっていうのはゴールキーパー特有なのではないかと思っていて、盛り上がりとか、楽しさというのはすごいあるなっていうのは強く感じていて。高校とかだと、3年生の方がうまいっていう構図ができあがりやすいんですけど、大学になると、どの選手にもチャンスがあって、どの選手もうまくてっていうのがある中で、お互いを高め合えるっていうのがあるので、そういった特別な関係を今のア式のゴールキーパー陣はちゃんとつくれているのかなと感じていますね。
――時代を追うごとにキーパーに求められる役割は増えていますが、今のキーパーに1番求められていると考えることは
ヒル フィールドプレーヤーがキーパーのことをあまり気にしなくてもいいキーパーが1番いいのかなと思います。信頼関係が大事になると思うんですけど、気にしちゃうと自分のプレーに集中できなくなってしまって、マイナスなことを与えてしまうと思うのでむしろ後ろは大丈夫と思わせるくらいのキーパーが求められているのかなと思います。
平田 僕は結構考えてきたんですけど、結局は求められていることといったら、シュートを止めることしかないなと思っていて。技術的な話になると、ちょっと前からシュートの止め方に関しては色々な技術がでてきたりとか、新しい技とかが生み出されているんですけど、それも結局シュートを止めるためであって、シュートを止めるという本質は変わっていないなと思っていて。もちろん、ディフェンスの裏のケアであったりとか守備範囲が広いこととか、ビルドアップがうまいとか、キックがうまいとかもあると思うんですけど、それらは付随的なもので個性としてあったらいいと思うんですけど、キーパーの本質としては、シュートを止めることで、時代がずっと流れてもやり方は色々な技術がでてきて、増えてきているけど、そこの本質は変わっていないなとは僕は思ってます。
――自分の中での理想のキーパー像は
ヒル シュートを止める、ゴール前を支配するっていうのが、やはりそれが1番理想的で、目指すキーパー像ですけど、その上でやっぱり足元だったり、配球の部分とか攻撃の起点となる部分に特化したキーパーというのがシュートストップを兼ね備えた上でのそういった強みがあるとみられ方も変わってくると思いますし、自分のアピールポイントにもなりますし、見てくれる人の自分の見てほしいポイントのひとつとなると思うので。ストロングな部分というのをたくさんもっているキーパーがいいのかなと思います。
平田 僕は、シュートを止めることが本質にあって、キーパーの役割だと思っています。自分の理想としているキーパー像としては、さっき袈依廉の紹介でも言ったミスとかしても何も気にしていない感じに通じるのですが、小さなミスをしても、キーパーとしてゴールを守るということにコミットしていれば小さいミスも気にならないし、ゴールを決められなければいいので、常に自信にみなぎっていて、いい雰囲気が漂っているキーパーというのが理想です。そういう雰囲気は敵にも伝わりますし、もちろん味方にも伝わるし、そういった雰囲気を常にもてるキーパーはすごいなって思います。袈依廉の言った安心感とか信頼感とかもそうですけど、外から見ているだけでも、あのキーパーいいなって感じたりするんですよ。そういう雰囲気をもっている時って、自分の中でもいいメンタル状態をつくれていると思いますし、常にいいメンタル状況でいられて、外にもオーラがあふれでるキーパーというのはいいキーパーだなと思います。
「何が何でも勝つという気持ちは常に持っている」(平田)
質問に答えるヒルと平田
――今早慶戦に向けたチームの雰囲気はどのように感じていますか
ヒル 間違いなくこの前の東京国際大戦を終えてからその前からもすごく良い雰囲気というのは続いていますし、その(早慶戦の)前に1試合入るかどうかはわからないですけど、この雰囲気を継続し上げていって、完成された雰囲気に近づくためにどう過ごしていくかが重要だと思うので、さっき言った自分の理想像にもどのように近づけさせるかというのも自分の向き合うべき課題だと思うので、残り2週間くらいあるんですけど、もっともっと高めあって頑張っていきたいと思います。
平田 もう一個ギアは上がるんだろうなと思っていて、まだゲームが決まっていないというのもありますし、もっと差し迫ってきたり早慶戦に向けて動いてくれている人が露出し始めるともっとギアが上がってくると思うので、そういった意味ではまだまだ予兆というか前段階だと思っていて、でも早慶戦に関しては自分が試合に絡む立場ならどの立場であれ絶対に勝たなければと思っているし、去年負けて僕ももちろん当事者なんですけど、なんで負けたのって選手たちに思っちゃう部分はあったし、本当に負けちゃいけないと思っているので何が何でも勝つという気持ちは常に持っています。
――ご自身のなかでの早慶戦はどのような舞台ですか
ヒル 僕は去年ずっと3番手でやらせてもらっていた中、ギリギリまで(出れるか)分からないという状況で外れて、直前でチームから外れたというすごい悔しい思いもしましたし、逆に外から早慶戦を見るという経験というのは最初から出るというよりも外の空気感を味わうという良いことだったなと、外で得た経験というのをピッチ内でどう生かすかが重要だと思うので悔しさとか去年出れなかった分を今年生かしたいなと思います。
平田 絶対に勝たなきゃいけない試合だともちろん思っているんですけど、一方で自分の最大のパフォーマンスを出すと考えた時に、常にどのゲームもトレーニングマッチだろうが公式戦だろうが僕はあまりメンタル状況が変わらないようにしているというかそこまですごい気合が入ったりというのはなくて、それはずっと自分がやってきた中で今もそうなんですけど、試合に出る出ないとかという感じじゃなくてシンプルに自分のパフォーマンスに集中したりとかプレーを楽しんだりとかということの方が、自分の気持ちとかプレーに対して良い方向に向かうというのがあるので、絶対に勝ちたいという気持ちがある一方で、自分が試合に出るとなったらそこはナチュラルな自分で、いつも通りちょっとふざけて仲間に喝を入れて臨むんだろうなという感じではあります。
――早慶戦に向けてのキーマンは誰ですか
ヒル 僕は間違いなく安斎颯馬(社2=青森山田)だと思っていて、理由は去年からも注目されていましたし自分の誇るべき同期なので、プレー面で言うとスピードというか馬力を大舞台でもっと生かしてほしいなと思います。
平田 僕は山下(雄大、スポ4=柏レイソルU18)に注目したいです。もし試合に絡めればそうなった時にあいつがどんな姿を見せてくれるのか楽しみです。どんな思いで戦ってくれるのかなというのを楽しみにしています。
――最後に早慶戦に向けての意気込みをお願いします
ヒル 僕は去年出れなかった分、大舞台で活躍したいなとは思っていて、その中でもいつも通りのプレーをできたらなと思います。結果で言うと無失点なのはもちろん今年は勝って後期リーグに良い流れをもっていきたいと思っています。
平田 100-0ですね。ボコボコにして、泣き面かかして、ヒーヒー言わせて慶応のやつら帰らせます。(試合に)出る出ないももちろんあるんですけど、僕は出ようが平常心で出るので、別に誰が出ようと無失点で勝てれば良いんじゃないかなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 髙田凜太郎、長野雪華 写真 前田篤宏、水島梨花、宮島真白、大幡拓登)
早慶戦に向けての意気込みを書いていただきました!
◆ ヒル袈依廉(ひる・かいれん)(※写真右)
2002(平14)年7月9日生まれ。194センチ。鹿児島城西高校出身。スポーツ科学部2年。20歳になったので様々なお酒を堪能しているというヒル選手。飲みやすくて酔いやすいので、ウーロンハイが好きだそうです!
◆ 平田周(ひらた・めぐる)
1999(平11)年7月14日生まれ。181センチ。東京・国学院久我山高校出身。スポーツ科学部4年。料理が好きだという平田選手。最近、モニークという低温調理器を買ったので、日々研究に勤しんでいるそうです!