全日本大学選手権直前特集 第1回 鈴木俊也×西堂久俊(12/7)

ア式蹴球男子

  3年生にしてプロ内定をつかみ取り、『プロ内定者』として一層の活躍を求められる両選手。プロの基準を知る2人に、サッカーへの思いからプライベートに至るまでを語ってもらった。

※この取材は12月3日に行われたものです。

「試合でできた良いプレーは、練習で自分達がやってきたこと」(鈴木)

駒大戦で西堂の動き出しにスルーパスを送る鈴木

――はじめに今シーズンを振り返ってください

鈴木  リーグ戦の開幕直後は1点差で苦しいゲームではありましたけど、勝点を積み重ねることができて、スタートとしては悪くなかったです。しかし、そこからなかなか勝てない時期というか、自分たちのサッカーが思うようにいかない、それで相手のストロングに対して自分たちの弱みをつかれてしまう場面がどんどん増えてきてしまって。なかなか勝ちきれない試合もありました。チームとしてシーズンを通して、守備のところを意識して取り組めたと思うのですが、個人的にはセンターバックですので失点をもっと減らしたかったと思いますし、自分たちの得点直後や前半の立ち上がり、終盤とか得点を取られてはいけない時間での失点がかなり目立っていました。そこに関して追求していかないと、インカレで同じような失点を繰り返してしまうと思います。そういった意味では課題の多かったシーズンであったと思います。

――西堂さんはいかがですか

西堂  俊也が言ったように(シーズンの)最初は良かったのですが、よくあるかたちで失速をして。優勝を狙っていたなかで、途中から目標はインカレ出場権(を獲る)ということに切り替えて。そこである意味(目標を)シフトして、切り替えてインカレというところに向かってやれたというのはひとつ良かったのではと思います。また、前期も得点を取れなくて苦しみましたけど、ゴリくん(FW加藤拓己、スポ4=山梨学院)が怪我をして。1年生の安斎(颯馬、社1=青森山田)とかが台頭してくれてなんとかなった部分はありましたが、全体として攻撃に厚みというか、勢いみたいなものがそこまであったとはいえないです。僕も前期はずっとけがをしていました。リーグ戦を振り返って、そういった部分の課題はチームとして、また個人としても感じている部分です。インカレはそういった部分が問われると思うので、チーム全体に意識づけすることはもちろんですけど、個人としてもリーグ戦の振り返りを活かして、インカレに向かっていきたいです。

――今お2人からは課題が多かったシーズンであったという話がありましたが、逆にここは実践することができたという部分はありましたか

鈴木  今年やっていて思ったのは、結局試合でできた良いプレーや良いかたちというのは、練習で自分達がやってきたことが絡んでいたので、どれだけ良い準備ができて試合に臨めるかというのは重要だと思いました。逆に、練習で良いかたちがつくれないと試合でなかなか通用しないということもわかりました。練習から試合への接続、といった部分はうまくいったのかなと思います。

――今シーズンは劇的にひっくり返す試合が多かったと思うのですが、チームとしていかがですか

西堂  確かに昨年は大事なところで勝てなかった試合が多くて。また、そういった印象はみんな持っていたと思うので、今年は良い気がします。

鈴木  確かに。追い込まれた時や大事な時は、ちゃんとまとまって戦えたかなと思います。

――今あったように今シーズンは逆転したような劇的な試合展開が多かったと思いますが、いい意味でも悪い意味でも一番印象に残っている試合はどの試合ですか

西堂  早慶戦ですかね。

――なぜ印象的でしたか

西堂  今言った課題みたいなものが全部出たし、得点直後の失点とかもあり。そういったことが、ああいった大舞台でモロに露呈してしまったような試合でした。相手より点を取れない、得点を取った後に失点をする、終了間際に失点をする、僕たちの弱さを象徴するような試合で、勝てなかったのが一番悔しいし、相手が慶応だったので。本当に一番悔しかったので、一番印象に残っています。

――鈴木さんはいかがですか

鈴木  自分は早慶戦はもちろんですが、国士舘戦ですね。国士舘戦はかなり印象に残っていて、あの試合3失点していて個人的にはすごく悔しくて。試合には勝ちましたけど、相手のFWの選手に個人としてやられたな、という印象が自分のなかでかなりあったので、試合後勝ちましたけど個人的にはすごく反省した試合でした。それと同時に、3失点した不甲斐ない守備であったにもかかわらず、本当に攻撃陣が頼もしくて。前半2点差で負けていましたけど、後半必ずひっくり返せるのではないかなとはハーフタイムの攻撃陣の表情を見てすごく感じていましたし、彼らが絶対(点を)返してくれるというのは心の底から思っていたので、それが結果として現れたというのは本当に良かったと思います。

――国士舘戦の攻撃陣の勢いは鈴木さんがおっしゃるように素晴らしかったと思いますが、西堂さんとしては国士舘戦でなにか手応えというものはありましたか

西堂  俊也が絶対(攻撃陣が)やってくれるのではと思っていた裏腹、僕はどうだろうなと思っていて(笑)。でも、絶対ではないですけど、なんかいける気はしていて。まだ死んでなかったので、(ハーフタイム時に)1ー3で負けていましたけど、ああいったかたちで逆転できたのはその後の自信につながったと思うので、いい試合だったなと思います。

――国士舘戦の鈴木さんが得点したシーンはどうでしたか

鈴木  狙っていたわけではないです(笑)。たまたま取れて良かったですけど、逆にあれがきっかけというか、たたみかけられてしまう場面もあったので、まあ無しということにします(笑)。

「風呂とかもよく一緒に入ります」(西堂)

早慶クラシコでドリブル突破の機会をうかがう西堂

――ここまでサッカーに関することを多く聞いてきたので、ここからはお二人のプライベートについて迫っていきたいです

鈴木  大丈夫かな。

西堂  NGばかりですよ(笑)。

――それではまずお互いのことをサッカーのことでもプライベートのことでも良いので紹介し合ってもらいます。ではまず西堂さんから鈴木さんの紹介をお願いします

西堂  俊也の紹介ですか。頭が良いので、学年をここまで引っ張ってきてくれたリーダーシップがあるような人です。でも、こう見えて(兄弟の)弟なので、弟らしい一面といったところもあって、かわいいやつです。後は冷酷な一面もあって、割り切るところは割り切るみたいなことも出来るので、いいと思います。

――西堂さんの紹介を聞いて鈴木さんいかがですか

鈴木  いや、普段からそういう話をしている訳ではないですが、お互い思っていることはちゃんと言っているので。いつも通りって感じです。

――いつも通りなのですね(笑)。続いて西堂さんの紹介を鈴木さんお願いします。

鈴木  久は適当ですね。基本的には。

西堂  良くも悪くも。

鈴木  良くも悪くも適当で、プレーも良くも悪くも適当で。適当な人間って、個人的に今まで会ってきたなかで全然信用できないのですが、でも久に関してはどうしても試合中ボールを集めたくなる。あれだけ適当なプレーをされても、こいつにだけはボールを回さなきゃいけないというか、いいかたちでこいつにボールを持たせなきゃいけないというのは常に試合中に考えますし、それこそ明治戦とかチームが苦しいなか、1人で(状況を)打開して。安斎のゴールでしたけど、1人で得点の場面まで局面を変えてしまう、本当に何かやってくれるのではないかという期待で溢れています。プライベートのところは、何だろうな…。

西堂  恥ずかしいな、結構一緒にいるけど恥ずかしいな…。

鈴木  プライベートのところはあんまり言えないですね。

西堂  チキン、チキン。

鈴木  ああ、あれだけ相手が2枚いてもドリブルで仕掛けるのに、プライベートではめちゃくちゃビビりで、なかなか1歩踏み出せないそんな一面もあります。

――そんな一面があるのですね

鈴木  全然仕掛けないです。

――ピッチ上では強引に仕掛けていくところもありますけど

鈴木  奥手なんです。プライベートでは控えめでそんな一面もあります。

――お二人は仲が良さそうに見受けられますが、普段から一緒に何かしているのですか

西堂  仲良い方じゃないですか、ドライブ行ったりもしますし。

鈴木  別に2人きりじゃないですよ(笑)。

西堂  2人じゃないです。そうですね、風呂とかもよく一緒に入りますし。

鈴木  2人きりじゃないですよ(笑)。

一同 (笑)。

鈴木  風呂とか、夜ご飯とかを寮の食堂で一緒に食べるとか、そういうことは結構ありますね。

――オフの日にすることしたいことはありますか

鈴木  去年の長期オフは大宮アルディージャのキャンプに参加させていただいて、その後もすぐシーズンが始まったのでなかなか長期オフというのはなくて、1年間サッカー漬けの日々だったので、今長期オフがあるとしたら、旅行とかサッカーから離れてそういうのしたいなと思います。

――どこに行ってみたいですか

鈴木  母の実家が石川県で昔はよく行っていたのですが、コロナ禍になったりとか今それこそオフがなくて忙しいとか行けなかったりするので、石川の祖父母のところと静岡にも祖父母がいるので、そういったところには行きたいなと思うのですが、なかなか行きづらいですね。

――西堂さんはどうですか

西堂  普段は色々しますね。

――よくドラマを見てらっしゃいますよね

西堂  そうですねドラマはよく見ますし出かけますし、逆に何もしない時もありますし、でも僕も長期オフとかになったら旅行行きたいですね。

――どこに行きたいですか

西堂  温泉街に行きたいです。あと、日本を感じられるところ、和なところに。

――何故ですか

西堂  なんか好きですね。和風な感じが好きですね。

――サッカーの試合は見られたりしますか

鈴木  今日とかも朝ごはんの時見ていたのですが、オフはそんなに気にならないです。あんまり意識したことないですけど、見ないタイプなのかもしれないです。

西堂  僕は日頃からそんなに見るタイプじゃないので、そこら辺ははっきりしてないですが、オフでもたまに見たくなったら見ます。

「(同期を一言で表せば)サッカー愛」(鈴木)

国士舘大戦で先制ゴールをあげベンチに駆け寄る鈴木

――お2人の話に戻るのですが、2人は出会ってから3年目ということで、1年生の頃と比べてお互いに印象が変わったなというところはありますか

鈴木  久は大人になりました。最初は本当にサッカー。ひたすらサッカーでサッカー以外のところは正直あんまり考えてないのだろうなという印象を受けていて。何があったかは分からないのですが、気が付いたら色んなところに思考を巡らしてたりとか、それが本人曰くピッチ内に落とし込めているとか。そういった面では、色んなピッチ外の要素から吸収してピッチ内でアウトプットするみたいな、サッカー選手として大事な要素、おそらくこれからやっていく上で重要な所を(身につけていて)大人になったなと感じました。

――西堂さんはいかがですか

西堂  俊也は早熟というか。正直そんなに大きくは変わった気がしていなくて、多少なり変化はあったと思うのですが、でも早実なので、早実の早稲田スピリットが、自覚しているかは分からないのですが、周りから見たら流れていて。そういう感じで、1年の頃から割と大人だなと思っていて。最近ア式で日々を重ねていくうちに、より柔軟になったというか、柔らかくなったというか、そういった印象はあります。

――柔らかくなっていったのですね

西堂  そうですね、最初よりはイメージとして。

――佐藤さん(慧一マネジャー、政経2=東京・早実)さんどうですか。(鈴木さんのことを)ずっと知っていますよね

佐藤 いやあそうですね…。

西堂  (俊也)いじめてたの(笑)?

佐藤  関わっていたとしてもB(チーム)とA(チーム)で、プレーとかで関わることは全然してなくて。公式戦の時に主将と審判みたいな感じだったので。誤審したら、すごい見られたりしていました。

西堂  いじめられてたってこと?(笑)

マネージャー  いじめられてたってことで(笑)。

――(鈴木さん)訂正しなくて大丈夫ですか

鈴木  いやもう後で(殴るポーズ)。

一同 (笑)。

――3年生の学年の雰囲気はいかがですか

鈴木  本当に個性が強い。今まで培ってきたサッカーとか人生観というものを、しっかり持っている人間が多くて。学年の色とか統一感みたいなところがすごく生み出しづらいのですが、その反面それぞれが同じ目標に向かって、それぞれのサッカー観とか能力を同じ方向に向かって発揮出来れば、すごく力のあるいいチームになるのではと期待しています。

西堂  本当にそんな感じで、極端な話で言うとまとまりはなくて。その分、個が大きくて。これでまとまれたら良いのですが、まとまれなくても良いかなという気はしていて、だからそう…今言った感じですね。同じ方向に行ければいいかなって感じがします。

――昨年の4年生は熱い、今年の4年生は優しいといった印象がありますが、現在の3年生が4年生になった時、どんな言葉で表すことが出来ますか

西堂  熱い、優しい。

鈴木  サッカー愛じゃないですか。

西堂  確かに。

鈴木  サッカーに関してはみんな高みを目指して追求していますし、そこに関する思いはおそらく間違いないということで、そこを上手く利用してというか。そういった部分を押し出しつつ、しっかりチームとしてもまとまれるようなマネジメントをやっていけたらなと思います。

「ここを選べば自分が間違いなく成長できる」(西堂)

国士舘大戦で同点ゴールを奪った西堂

――ではここでサッカーの話に戻ります。お二人は今ジャージを着てらっしゃるようにそれぞれ大宮アルディージャ・FC東京に内定が決まっていますが、このクラブを選んだ一番の要因はどういうものでしたか

西堂  僕はいくつか練習参加させてもらって実際参加した(クラブの)中から選んだかたちで。一番(の要因)はやはり周りのレベルの高さ、ここに身を置けば他力本願ではないですけど、もちろん自分も大事ですけど、環境としてここを選べば自分が間違いなく成長できるなというのを、参加した中で一番強く感じられたのがFC東京だったので、それが一番の決め手です。

鈴木 そうですね。僕はキャンプに約3週間弱参加して、その後も何度か練習試合などにも参加して、オファーをいただいて決めたという形です。まずは大宮が大切にしているスタイルに、自分が今までのサッカー人生で積み上げてきたものがうまくフィットするのではないか、と直感的に感じたこと。それが1番大きな理由ですね。次に大卒は高卒に比べて4年間遅れをとっているので、即戦力で稼働しないといけない。即戦力で使われることが要求されているということで、自分の強みを1番発揮できるクラブで、一早くチームの力となって試合に出場してチームとしても個人としても色々成長できる環境を選びたいな、という風に思いました。そういった意味では、3月の段階で契約できて、そこから1カ月以内にJ2の舞台を経験できた、というのは大宮を選んでよかったと思うところです。

​​――練習参加する以前のFC東京に対する印象はいかがでしたか

西堂 参加する前は、外人選手が強烈なチームだなという印象でしたね。チームの中に入ってみたら柔らくて。雰囲気が良くて。スタッフを含め良いチームだなと思いました。

――鈴木さんはいかがですか

鈴木 勝手なイメージですけど、ジュニアユースやユースなどの試合を含めてうまいチームだなという印象を持っていましたね。ジュニアからあるクラブですし、徹底した育成からトップの選手を輩出して、大宮のスタイルを全員が理解して合わせていくというイメージがありました。そういうこともあり、やはり実際にトップチームでも選手の中に育成で育った選手やアカデミー出身の選手も多いです。そういった意味では、彼らのような選手から吸収することも多いです。高体連でやってきた俺とはまた違ったサッカー観があって、そういったものをうまく吸収できればと思います。

――大学サッカーとプロでは練習から差がありますか

西堂 はい。あります。

――どのような部分に差がありますか

西堂 僕が思った感じでは早いです。判断とかスピードとかもそうですけど。もう1つそれぞれの基準が上がった感じですね。切り替えもそうだし。

鈴木 僕もやっぱり本当に技術に圧倒的差があるなと感じています。久が言ってくれたようにパススピードとか、それを止める側の技術があって。スピード感の中でしっかりプレーが出来るのは技術が合ってこそですし、判断なども正確にボールコントロールが出来るからこそよりよくできます。技術というものは必ず様々な部分につながっていくと思うので、技術のレベルは明らかに高いですね。また練習前後とか、その日の練習に対する準備や練習後のケアなども、もう一段階意識が上だなと感じます。もちろんベテランの選手もそうですが、若手の選手もケガしないためのケアなどをより意識している感じです。そのようなところは違うということを感じますね。

――一緒にやってみたり、練習に参加してみたりして、この選手はすごいなやめちゃくちゃ動けるなと思った選手はいますか

西堂 森重さん(森重真人、FC東京)とレアンドロ(FC東京)はめちゃくちゃすごい。めちゃくちゃ上手いです。

――森重さんといえば、ディフェンスの駆け引き面に長けている選手でありますが、実際に対峙(たいじ)してみての印象はいかがですか

西堂 一緒にやって同じチームでとてもうまいなと感じましたね。

――鈴木さんはいかがですか

鈴木 左利きでディフェンダーということでは明治大を経て加入した河面旺成さん(大宮アルディージャ)ですね。練習に参加した時に色々なアドバイスをくれたり、本当に気さくに接してくれるというところもあって、色々なプレーを盗んだりとかみて学んだりしてますね。今シーズン途中からキャプテンを務めている三門雄大選手(大宮アルディージャ)はベテランで試合経験も豊富です。みかさん(三門雄大)が試合に入ってきた時はゲームをコントロールする力を感じます。試合の状況を見て、周りに声をかけていたり、練習中からもそうされています。僕が久々に練習しにクラブハウスにいる時などにも、いつも練習しているわけでもなく、年齢も大きく離れていても色々なコミュニケーションをとっていただいています。そのような面は同じサッカー選手として尊敬しています。

――やはり三門雄大選手はプロ意識が高いのですか

鈴木 そうですね。やはり中々サッカー選手は寿命が短い中で、あの年まで第一線でチームのキャプテンとして活躍され、チームを引っ張っていて、試合中は誰よりも走っている姿を見るとすごさを実感しています。

――大宮のJ3降格の可能性については気になりますか(5日の試合を受けて大宮のJ2残留が決定、取材時点では降格の可能性もあった)

鈴木 やはり気になりますね。もちろん不安ですし、J3に降格した時のことも考えたり、同世代の選手と連絡をとったりなどはしていますね。やはり不安ですね。どうしても。

――監督が変わってしまったのも一因ですか

鈴木  やはり僕にとって岩瀬前監督(岩瀬健氏)と西脇前強化部長(西脇徹也、平12卒=千葉・習志野)が大宮にひっぱってくれたので、解任の知らせを聞いたときなどは本当に残念でした。ただ、その後も新たに就任された霜田監督(霜田正浩氏、大宮アルディージャ)、秋元強化部長(秋元利幸、平7卒=埼玉・大宮東)は本当に手厚く僕のところに連絡をくれました。もちろんクラブを信じていますし、最終節も見にいけたらなと思います。

――西堂さんも長谷川健太前監督が辞任されて来季に向けた体制をもう一度作り直すことなどに不安は感じますか。また意気込みはありますか

西堂  来年、シーズン頭から新監督になります。去年だったら健太さん(長谷川健太)は4年目で、ある程度チームの人も変わらない中で、新加入が難しい形であったと思います。しかし、来シーズンは監督が変わって一旦フラットになるので、そのような点はチャンスになるのではないかと思っています。そこで頑張って勝負したいなという意気込みはあります。

「強い思いと覚悟を持って」(西堂)

インタビュー後に色紙の内容を相談する2人

――インカレが2週間後に迫っている中で1番のチームの課題はなんでしょうか

西堂 後期の課題は守備力ですね。全体的にもそうですし、最後のところもそうですが。後期は失点が多かったので。後期は失点が多いゆえに、苦しんだ部分があります。チームとして、現在は「守備、守備」というところがあります。「守備から、守備を大事に」という部分は今も取り組んでいるところでもあります。チームとしても課題だと思っていると思うので、本番で全員が守備意識を高く持って失点を減らしていくことがインカレを勝ち進むことが1番大事かなと思っています。

鈴木 僕は今シーズン戦っていて思ったことがあって。どのチームもそうだと思うのですが、自分たちがうまくいっている時はサッカーをしていて楽しいですし、調子も出てきて、チームとしても得点だったり守備だったりいろんな形が出てくると思います。逆にやはりサッカーには相手の時間はありますし、自分達が苦しい状況になったときに、いかにしてその状況を打破するか、苦しい状況の時に切れずに我慢して自分たちのチャンスを伺えるかというような忍耐強さの部分はまだこのチームには足りていないです。トーナメントになって相手も一戦にかけてくる思いは強いと思うので、堅い試合なることも間違いないです。もどかしい時間が続いた中で、自分たちが試合を90分間やりきり、勝ちきる、そしてゲームコントロールをもう一度全員が意識しなくてはいけないと思います。そうしなければ、一瞬の隙をやられてしまうなと思うので、そこは改善して行きたい部分ですね。

――ディフェンスリーダーとして1番改善するためにしていきたいことはありますか

鈴木  単純なのですが、当たり前のことを徹底してやるということですね。少し細かいことをいうとラインの設定、数メートルをどうするか。1メートルボールを寄せるとか、相手より走るなど本当に当たり前のことを当たり前にやることでサッカーは良い方に動きます。わかっていても、体が動かないとかはあるので、練習中からいかに体を動かすか頭を止めないかということを意識していくことが重要になってくると思います。

――​​インカレに向けてチームとして、そして、個人としての目標を教えてください

西堂 チームとしてはもちろん日本一。個人としては、チームスポーツなので僕の結果がとかではなく、チームが勝つか、チームが勝って毎試合自分が貢献できたって自分の中で納得できるようなプレーを体現していきたいです。

鈴木 チームとしては、もちろん目指すのは優勝です。その中で、ポジション柄、僕に求められるのは失点をしないことだと思っています。高く目標を設定して、そこを目指してやっていきたいなと思っています。

――インカレに向けての意気込みをお願いします

西堂 僕は今年内定しましたが、今シーズンこれといって大した活躍をしていないので、なんとも言えないシーズンになってしまいそうです。最後にインカレというチャンスがあるので、「終わりよければ全てよし」じゃないですけど、僕の中で今シーズン納得いくようなシーズンにできるように、これまでケガで辛い思いをした分や悔しい思いをした分、全てをぶつけるではないですけど、強い思いと覚悟を持って取り組んでいきたいです。

鈴木 やはり僕も今シーズンは非常に苦しい試合も多くて、個人的にもパフォーマンス部分で全く出来ていない部分もありました。チームとしても5位という結果に終わってしまいました。今季日本一になるという目標を揚げたからには、今できる最大限のことをチーム全員で徹底して少しでもいい形でインカレに臨み、そしてインカレでOBや保護者など色々な方に応援していただけるように、一戦一戦熱い試合をみなさんにお届けできたらと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 髙田凜太郎、水島梨花 写真 橋口遼太郎、大幡拓登、長村光)

 

全国大会への意気込みを書いていただきました!

◆鈴木俊也(すずき・しゅんや)(※写真右)

2000(平12)年11月24日生まれ。178センチ。東京・早実出身。商学部3年。好きな食べ物は「アスリート向けではないですがつけ麺」だそうで、吉祥寺に本店を構える「えん寺」が特におすすめだそうです!

◆西堂久俊(にしどう・ひさとし)(※写真左)

2001(平13)年3月27日生まれ。180センチ。千葉・市船橋出身。スポーツ科学部3年。好きな食べ物は白米だそうで、「明日世界が終わるとしたら何を食べるか。僕は白米です」と教えてくださいました!

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