JR東日本カップ2019 第93回関東大学リーグ戦 第8節 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 2 | 2-1 0-0 |
1 | 流通経大 |
【得点】 (早大)7’加藤 拓己、14’金田 拓海 (流通経大)10’山口 大輝 |
前節の東洋大戦(◯3−1)で待望の勝ち点3を手にした早大は今節、未だ勝ち点1の最下位に沈む流通経大と対戦した。開始早々から攻撃を仕掛け、7分にFW加藤拓己(スポ2=山梨学院)の2試合連続となるゴールで先制。3分後に追いつかれたものの、14分にMF金田拓海副将(スポ4=ヴィッセル神戸U18)の得点で再びリードを奪った。その後は守勢に回ったが、守備陣が体を張ってゴールを割らせず。時折カウンターもまじえながら試合をきっちり締め、今季初の連勝を飾った。
追加点でチームを勝利に導いた金田
中2日で迎えたこの試合。「自分たちの強みをしっかり出し切る」(外池大亮監督、平9社卒=東京・早実)ことを狙いとし、前節と全く同じ11人でキックオフを迎えた。立ち上がりから前線の加藤、FW杉田将宏(スポ2=名古屋グランパスU18)、FW蓮川雄大(スポ4=FC東京U18)の連動で相手DFラインを揺さぶり、続けざまにサイドからゴールへ迫る。センターバックとサイドバックの距離感が悪くなり始めた7分、中盤でボールを奪うとMF山下雄大(スポ1=柏レイソルU18)がDFラインの裏へスルーパス。これに加藤が抜け出し、GKとの1対1を冷静に制した。早い時間帯で先制に成功したが直後の10分、統率された早大の守備網が完璧な連携で崩されると、最後はFW山口大輝(4年)に流し込まれ試合を振り出しに戻される。しかしその4分後、再び早大が試合を動かす。中盤でボールを奪った後、左サイドの蓮川が中央の加藤へボールを入れるとすぐさま右サイドへ展開。これを受けたFW西堂久俊(スポ1=千葉・市船橋)が中央へ折り返したところに走り込んでいたのはボランチの金田。「サイドのクロスから得点を狙うことは徹底してやっていた」(金田)ことが実を結び、即座に勝ち越した。
序盤からスコアが目まぐるしく動いたことで点の取り合いの様相を呈したが、その後は流通経大の猛攻に苦しまされる。サイドアタッカーのMF河西守生(3年)が攻撃の起点となり、バイタルエリアへの侵入を許す場面が増加。22分にはDFラインの裏に抜けたFW満田誠(3年)の対応に後手を踏み、PKを献上。クロスバーに救われ難は逃れたものの、その後も即興性の高い攻撃の対応に手を焼く。すると26分、早くも外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)が最初のカードを切る。動きが重かった山下に代えDF阿部隼人(社3=横浜F・マリノスユース)を投入。MF鍬先祐弥(スポ3=東福岡)を右サイドバックからボランチに移し、守備の安定を図った。するとその後はボールを握られながらもゴール前への侵入は許さず、リードを保って前半を終えた。
サイドを駆け上がりチャンスを量産した西堂
後半も流通経大の猛攻に晒され、我慢の時間帯が続く。54分にはDF杉山耕二(スポ2=三菱養和SCユース)が、77分には蓮川が足を痛めて負傷交代を強いられるなど、連戦と猛暑の影響が色濃く表れた。それでもGK上川琢(スポ2=湘南ベルマーレユース)の的確な状況判断による飛び出しや、フィールドプレーヤー全員の粘り強い守備でピンチを未然に防ぎ続ける。加藤のポストプレーからゴール前に迫る場面も織り交ぜながら時計の針を進め、2−1のままタイムアップ。『総力戦』を制し、勝ち点を7に伸ばした。
中2日での連戦に加え、猛暑に見舞われる厳しい環境の中で行われたこの一戦。外池監督は試合前に、「きょうは連戦だし、コンディションという部分で正直になろう」と話していたという。「全力で自分がやれる状況じゃなくなったらしっかり申告して、仲間に託そう」と選手を送り出し、アクシデントへの対応を徹底。途中からピッチに立った3選手がスムーズにフィットしたことから、『総力戦』で臨むというマネジメントがこの勝利を呼び込んだと言える。中断前最後の2試合でしっかり勝利を収めたことで、間違いなくチーム状態は上向き。指揮官も「反撃体勢が整ってきたし、前に進めていけるようになってきた」と手応えを口にする。来週から始まるアミノバイタル杯で結果を残し、今一度『外池早稲田』の復権を示したい。
スターティングイレブン
(記事 森迫雄介、写真 大山遼佳、石井尚紀、堤春嘉)
早大メンバー | ||||
---|---|---|---|---|
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 43 | 上川 琢 | スポ2 | 湘南ベルマーレユース |
DF | 4 | 鍬先 祐弥 | スポ3 | 東福岡 |
DF | 5 | 杉山 耕二 | スポ3 | 三菱養和SCユース |
→54分 | 17 | 工藤 泰平 | スポ3 | 神奈川・日大藤沢 |
DF | ◎3 | 大桃 海斗 | スポ4 | 新潟・帝京長岡 |
DF | 2 | 牧野 潤 | スポ4 | JFAアカデミー福島 |
MF | 7 | 金田 拓海 | 社4 | ヴィッセル神戸U18 |
MF | 34 | 山下 雄大 | スポ1 | 柏レイソルU18 |
→26分 | 6 | 阿部 隼人 | 社3 | 横浜Fマリノスユース |
MF | 33 | 西堂 久俊 | スポ1 | 千葉・市船橋 |
MF | 39 | 杉田 将宏 | スポ2 | 名古屋グランパスU18 |
MF | 11 | 蓮川 雄大 | スポ4 | FC東京U18 |
→77分 | 37 | 水野 雄太 | スポ1 | 熊本・大津 |
FW | 38 | 加藤 拓己 | スポ2 | 山梨学院 | ◎=キャプテン 監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実) |
関東大学リーグ戦1部 順位表 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 大学名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失差 |
1 | 明大 | 21 | 8 | 7 | 0 | 1 | 19 | 4 | +15 |
2 | 立正大 | 17 | 8 | 5 | 2 | 1 | 20 | 6 | +14 |
3 | 筑波大 | 17 | 8 | 5 | 2 | 1 | 12 | 8 | +4 |
4 | 駒大 | 13 | 8 | 5 | 1 | 2 | 11 | 13 | -2 |
5 | 順天堂大 | 12 | 8 | 5 | 0 | 3 | 9 | 6 | +3 |
6 | 法大 | 13 | 8 | 4 | 1 | 3 | 10 | 7 | +3 |
7 | 桐蔭横浜大 | 12 | 8 | 3 | 3 | 2 | 11 | 7 | +4 |
8 | 中大 | 11 | 8 | 3 | 2 | 3 | 8 | 8 | 0 |
9 | 早大 | 7 | 8 | 2 | 1 | 5 | 7 | 12 | -5 |
10 | 専大 | 4 | 8 | 1 | 1 | 6 | 8 | 23 | -15 |
11 | 東洋大 | 3 | 8 | 1 | 0 | 7 | 5 | 13 | -8 |
12 | 流通経大 | 1 | 8 | 0 | 1 | 7 | 7 | 20 | -13 |
※第8節終了時点 |
コメント
外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)
――中2日という短い間隔でしたが、どのような準備をしてきましたか
前節(対東洋大、◯3−1)非常に良い試合ができて、本当に良い雰囲気で試合に臨む姿勢と準備ができたので、まずはそれを続けること。当然それを続けるためには、引き続き献身的に、謙虚に、全力で情熱を持ってプレーをする(ことが大事)。それを最初から最後までやり切るというところの意思統一をしました。きょうも試合前のロッカーから非常に良い声も出ていたし、特に阿部がチーム全体に対して非常に良い鼓舞をしてくれていたので、そこは本当にチームとして大きな存在になったと思います。
――前節とスタメンが全く同じでした
得点の仕方も前回良かったので、自分たちの強みというのをしっかり出し切ること。当然相手もスカウティングしてくるので、そこの脅威を自分たちでもう一回しっかり体現していく、というのは一つテーマに据えていました。
――前半の途中から守勢に回り、苦しい時間が続きました
得点のかたちは非常に良かったのですの」が、試合開始から2番と10番の選手がポイントになっていて、なかなかそこを抑えきれずに、PKを与えたシーン含めてDFラインが前にチャレンジできませんでした。相手がうまく空いたところの脇に落ちてきて、失点シーンはほぼ完璧に崩されたので、コンディションの問題もあったと思いますが、そういったところを修正するためにも山下に代えて阿部を入れて、牧野を右に持ってきて鍬先をボランチに置きました。結果としてその後からチームが安定し、後半の耐えられる状況をつくりだしたのはあのタイミングだったのかなと思います。
――あの早い段階で山下選手を下げたのは戦術的な側面が大きいということですか
1年生というのもあると思いますけれど、連戦の中で彼のコンディションが良くなくて、特に守備面でなかなかゲームに入れていませんでした。先制点のアシストもありましたけれどバイタルエリアに入ってくる選手や裏に抜ける選手についていけてなかったので、追いつかれたりビハインドを負ってから代えても意味はないと思ったので、そういう意味では彼にとっての気づきにもなるだろうし、決断しました。
――結果として鍬先選手が良いフィルターになっていましたね
そうですね、鍬先のそこの部分は(期待しているところ)。コンディションも前の試合から良かったですし、彼は本来アンカーとかボランチの選手なので、守備力の部分を期待して、特に相手の両ワイドが(脅威だったので)牧野と阿部でしっかりケアするところは気にしながらやっていました。
――アクシデントが続いて思い描いたような交代策を打ち出せなかったのではないかと思いますが
実は試合前から「きょうは連戦だし、コンディションという部分で正直になろう」という話はしていました。当然選手はプレーしたがるし、多少足が痛くてもピッチに立ちたがりますが、そういう時に仲間を信じられるか。全力で自分がやれる状況じゃなくなったらしっかり申告して、仲間に託そうと。連戦だからこそ総力戦なんだよと。そういう意味でいくと蓮川にしても杉山にしても、全力プレーが厳しいタイミングになった時に工藤とか水野に託せる状況になったので、そこは逆に言うと選手たちにすごくフィット感があったので、そこはすごく評価できるなと思います。
――あらかじめ準備はさせていたと
そうですね、きょうはそういう試合だからそういうこと(アクシデント)はあるよということはみんなに話していたし、実際に起きた時にみんながバタバタしなかったのがチームの方向性の共有ができていたのかなと思います。
――後半の苦しい時間帯は、交代して入った選手やGKの上川選手などがいくつも未然にピンチを防いでいました
上川は山田、千田という先輩がいる中でピッチに立ち、代わって出た選手もしっかりしたパフォーマンスを見せてくれました。本当に良い競争が生まれていて、「試合に出たら自分の責任、自分のパフォーマンスをすることがチームに良い循環や刺激を与える」ということができていて、流れが非常に良い状況になっています。武田が長期離脱してしまいましたが、加藤が2試合続けて90分出るようになったこともそうですね。彼も1年半以上苦しんでいた選手なので、こうやってゴールを決めてチームの躍進に貢献している姿は感慨深いというか。そういう選手を周りがサポートすることで、良い信頼関係になっていると思います。
――競争の激化、総力戦というマインドの形成は来週から始まるアミノバイタル杯に向けて良い準備になりそうですね
そうですね、ターンオーバーというかそういう意味でのチーム編成も可能になってくると思いますし、(登録メンバーの)33人に誰が入ってくるか注目したいです。(メンバーに)選ばれるためにどうあるべきかというところの、我々がサッカー選手として取り組む基本ベースのところに立ち返ってきましたし、ア式蹴球部としての反撃体勢が整ってきて、前に進めていけるようになってきたと思います。
GK上川琢(スポ2=湘南ベルマーレユース)
――試合を振り返っていかがでしたか
立ち上がり先制してくれて、でも早い段階だったのでチーム全体としては0-0の意識でいこうという気持ちだったのですが相手に押し込まれて耐えきれずにあそこで1失点してしまって、でもその後すぐに味方が点を決めてくれたのでよかったです。その後はしっかりDF陣は失点0でいこうという気持ちでした。試合を通して自分としては、キックも安定していて自分の特徴である背後のウラのカバーの飛び出しはできていました。来週からアミノ杯が始まりますが、しっかり継続してやっていければいいなと思っています。
――前節より守備範囲が広がったように見えました
前節はグラウンドがスリッピーだったので出るか出ないかの判断で迷ってしまうこともあったのですが、もともと自分は身長が低い分、足も速いので飛び出しという部分は一番の特徴だと思っています。それでチームを助けられてよかったです。
――状況判断がよかったですね
高校生ぐらいの頃からチャレンジしていて、大学に入ってやっとかたちになってきました。全部飛び出すのではなく、状況を見てキャッチできるシーンであればキャッチしてゲームを落ち着かせることがきょうは特にできていてよかったです。相手もハードワークをしてきて中盤でセカンドボールを拾われてしまうことが怖かったので、クロスボールで出ていくところでもしっかりキャッチして、味方も頑張ってくれているのでそういうところで一旦落ち着かせようと思っていました。
――PK戦は振り返っていかがでしたか
自分がちょっと不用意に飛び出してしまったので、あそこは駆け引きとか判断をしっかりしたいです。相手がずっと左を見ていたのでこれは右にくるな、と思って駆け引きをして右に反応したから上にふかしてくれたのかなと思います。その後も最後までボールを見てキャッチできたので、自分が招いたピンチを相手に流れをわたさずにできてよかったです。
――チームとしては決定力も上がってきました
前節からクロスを中心に練習で取り組んでいてて、前節では逆転する力を持っていると実感しました。練習から決め切るシーンは決め切ってクロスの質や、ボールを最後まで見て決めるというところは突き詰めて徹底できていたのでそこがつながったのだと思います。
――GKは層が厚く競争が激しいですね
前節から自分は出させてもらっていますが、自分1人の力では絶対に出られていないと思います。サブの山田くん(GK山田晃士、社3=浦和レッズユース)や他のGKが自分を支えてくれて助けてくれて戦っていると思っているので、アミノ杯や早慶戦に出たい気持ちは強くありますが、まずはチームが勝てるようにGK陣一丸となって戦っていきたいです。前節から2年生がベンチ入り含めて4人いて、これからは2年生がチームの底上げをできるように常に上を目指して取り組んでいきます。
MF金田拓海(社4=ヴィッセル神戸U18)
――水曜日の東洋大戦の勝利からきょうの試合までの雰囲気はいかがでしたか
勝ったことで明らかにチームの雰囲気は良くなったと思います。3年生以下が東洋大の試合前の雰囲気を積極的に盛り上げてくれて、そこからチームとして変わりました。
――今節のチーム内でのテーマはありましたか
東洋戦とあまり変わらないのですが、サイドのクロスから得点を狙うというのを徹底してやっていくのと、自分のやるべきことをやる、最初から最後まで全力でやり切るといった当たり前のベースの部分を高いレベルに持っていこうというのをみんなで意識してやりました。
――ご自身の得点もサイドのクロスから生まれました
今シーズン始まってから点が取れていなくて、点が欲しいという気持ちがありました。あそこまで走るという姿勢は今までなかったところなので、そこは自分自身成長しているところかなと思います。
――2-1になった後に、ボランチのコンビが山下選手から鍬先選手になりました
相手が中盤を多くしてきて、そこへのスライドが間に合っていない部分があったので、よく動くことができる鍬先を中に置いた方がチームとして良くなるという考えが監督にあったと思うので、山下がどうこうという問題ではなかったと思います。
――後半になっても金田選手と鍬先選手は守備に追われる時間が長かったと思います
きょうの試合に入る前に自分自身は絶対に走り負けないことと、セカンドボールを拾うことを意識してやっていたので、自分と鍬先のところでは負けていなかったと思います。
――きょうの結果はどのように受け止めていらっしゃいますか
結果が出ていない時期が長かったですが、チームは明らかに変わってきているので、素直にうれしいです。
――FW武田太一選手(スポ4=ガンバ大阪ユース)をはじめとして、けが人が増えていますが
太一のけがはチームとしても自分の中でも大きいところがありますが、そこを加藤であったり、郁也(FW鈴木郁也、社3=FC東京U18)であったりが練習の中でも積極的にカバーしようという思いを感じるので、今はチームとしては怖くないかなと思います。
――次戦からはトーナメント形式のアミノバイタルカップが始まります
連戦なので総力戦になると思いますが、試合後に大里(DF大里優斗、社4=鹿島アントラーズユース)も言っていた通り、ピッチ内で戦っているメンバーだけではなくて、もっと多くの選手がピッチに立って活躍できるように、練習から高い競争を意識してこれから1週間取り組んでいきたいです。
DF阿部隼人(社3=横浜F・マリノスユース)
――前半早い時間での途中出場でしたが監督からはどのような指示があったのですか
自分に任された仕事はとにかく声を出して、気迫でチームを盛り上げて、(失点したので)またやり直していってくれ、ということだったのでその部分をやるだけでした。
――その監督の指示は実行できましたか
前節の勝ちもそうですが、まだまだ俺らはやれるぞと全力で徹底してやるだけだと思っていました。自分自身ピッチの中でも、ベンチでも100%やろうという気持ちはあったので、上手く試合に入れて良かったです。
――中2日の連戦でリーグ2連勝です。チーム状況はいかがですか
上に向きつつあると思いますが、やっぱり誰しもここで慢心することはないと思います。3連敗4連敗を経験しているチームなので、ここで緩まずに自分たち3年がチームを上に引っ張っていけたらいいなと思います。
――ここ数試合ベンチからのスタートが続いていますが、どのように捉えていますか
実際のところは悔しいですけど、ポジションだったり適性だったりというのはサッカーをやっていく中で絶対あると思います。悔しさを持ちつつ、その中でどのようにチームに貢献できるか、というのを考えたときにきょうのような途中出場の時でも、次選ばれた時に絶対やってやるといつも考えています。
――後半、クロスやインターセプトで良いプレーが見られました。ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
自分の得意なプレーは前に攻撃で上がっていくところなので、押し込まれている状況でも自分の中では意識していました。ですが後半、押し込まれて、なかなか思い通りのプレーは出来なかったのですが、やれる所でやってやろうと思っていたので良かったと思います。
――アミノバイタル杯が始まりますが、意気込みをお願いします
アミノバイタル杯はカップ戦で負けたら終わりです。昨年の夏の総理大臣杯は1回戦で負けているので、まずは関東予選で自分たちのやるべき事をやって勝って、総理大臣杯に臨めればいいなと思います。
FW加藤拓己(スポ2=山梨学院)
――きょうの試合を振り返って、今の率直な気持ちを聞かせて下さい
ここ2試合東洋大戦、流通経大戦と下位に沈んでいるチーム同士の対戦だったので、チームとしてもすごい大事な試合ですし、太一くん(FW武田太一)を失ってメンタル的にも苦しい中でのゲームでした。でもその中で本当に4年生が示してくれたのかなというのはあります。きょうの試合もそうですが、金田くん(金田拓海)が最後あそこに入ってくるとか、桃くん(大桃海斗)が最後すごく体を張るとか、そういう部分で4年生がすごいやってくれていました。正直俺なんかはそれに乗っかっていただけで全然俺はまだ評価されるべき人間ではないし、もっともっと4年生を評価してほしいというのはありますね。
――前節東洋大戦(○3−1)から中2日という厳しいスケジュールの中迎えた今節、どのような準備をされてきましたか
スタッフ陣も真剣に悩んで木曜日は自主トレーニングというかたちで、正直自分は体感トレーニングだけでその日は終わらせました。昨日もセットプレーの確認というだけで、本当に自分の体を確かめながらでしたね。練習中、常に外池さん(外池大亮監督)が声を出して、試合に向けてベストな準備をチーム全体でスタッフも一丸となってやっていたなという印象ではありますね。自分自身もそうですけど、体がきつい選手も相当多かったと思います。栗くん(MF栗島健太、社4=流通経大柏)もちょっと痛めてしまってメンバーが変わってもしっかり勝ち切れたというのは、やっぱり全員が同じ方向を向いて東洋戦からの2日間ときょう試合が終わるまですごい良い準備が出来ていたからだと思います。
――そんな中迎えた今節、前半とても早い時間での先制ゴールがありました。振り返っていただけますか
あれはもう完全に中盤のおかげです(笑)。僕がやったわけではなくて、山下がただただフリーのときに出してくれて、自分は本当にもう一対一を決めるだけでした。だから別に正直あそこで決めるのは僕の仕事ですけど、それ以外の過程の部分を評価してほしいというのはあります。全員が連動して前まで圧力をかけてあそこで取り切ったからあのゴールがあったと思うし、俺はあそこでただ待ってて出してもらっただけでした。結局みんなが同じ方向を見てて、そこでボールを取るぞというのも含めて、この2日間の準備があったからこそあのゴールがあったと思います。だから俺のゴールと言っていいのか分からないですよね(笑)。もうごっつぁんです(笑)。
――これで2試合連続のゴールとなりました
そうですね、それが仕事と言えば仕事ですし、今のチームではそれしかほぼ求められていないですね。それは見ていて分かると思いますし、外から見ていても皮肉ですけど早スポさんにゴール欠乏症と書かれてしまいました(笑)。全然僕はそういうの大好きですからいいのですが(笑)。チーム全体としてもすごく苦しくて悔しい日々を過ごして、点数が入らない、どうすればいいのだろうとやっていた中で、駒大戦(●0−1)で自分が点取れなくて本当に悔しくて、どうしようと2週間考えました。やっぱりゴール前でやるのが俺の本当の武器だろうというのもありましたし、チームの雰囲気的にも1点入れば絶対ぽんぽん入っていくというのは分かっていたので。その1点が別に俺じゃなくても良かったし、誰でも良かったのですが、その1点がたまたま俺だったというのはまあ良かったと思います。でもあれも結局あそこまでつないでクロスを上げてくれて、自分は中で合わせただけなので(笑)。西堂がサイドで4人引きつけて溜めて山下に展開して、山下が牧野くん(DF牧野潤、スポ4=JFAアカデミー福島)に展開して、牧野くんがフリーで良いクロスを上げてくれて、自分は飛んで当てただけでした。きょうも守備が取ってくれて、ボールを出してくれたのをただ決めただけでした。正直別にチームが勝てれば得点は自分じゃなくても良いと思っています。俺が点数取って1−2で負けるよりも、俺が点数取らないで2−1で勝った方がいいし、それがたまたま俺が点数取っているだけなので。だから別に何試合連続というのは気にしてないですし、ただ自分が求められていることをしっかりやっていく中でたまたま結果が付いてくるというのもあるので。これで慢心すると、点数が入らなくなったときのバッシングがすごいだろうし(笑)。もちろんこれで慢心するつもりはないですけど、今日も1本しかシュートを打ってないので、もっとやっていかないといけないですし、そこに関しては逆に評価しないでほしいですね。もっともっと求めてほしいし、海外だったらもっと求められるし、早スポさんも含めてサポーターの皆さんやOBの方々もそうですけど、そこは求めてほしいです。2点じゃ足りないぞと言ってくれないと困るし、正直「2試合連続ゴールですねおめでとうございます」と言われても、「ありがとうございます」とは言えないし、もっと厳しい評価をくれというふうに思うので、全然何試合連続だろうがそれは関係ないと思っています。
――試合を通して加藤選手がボールをしっかり収めるシーンが目立ちました
もちろん流経さんのDF陣はすごい素晴らしかったですし、見てても思ったのですが強いんですよね。もう何回も頭やられましたし、正直体力的にも厳しかったですけど、あそこで自分が収めるか収めないかで、収めたときの展開と収めなかったときの展開は真逆で。そう考えたら何とかあそこで頑張ってやらないといけないなというのはありましたし、自分が収めれば杉田(MF杉田将宏、スポ2=名古屋グランパスU18)がいいところにいてくれてるので。自分があそこで収めてチームが良い方向に行くのであればそれはもう収めるべきだし。だからもし俺があそこで収めて、多分見ている人もあいつ頑張ってるなと思うだろうし、やっぱりそういうのも含めて中から外に発信していくということが今求められている中で、そこは全力でやらないといけないです。もちろん何度か負けてしまう部分もありましたけど、それはもう今後の課題として、きょうに関してはやれた部分はもっと伸ばして、やれなかった部分はもっともっと自分で反省しながら突き詰めていかないといけないなと思います。こいつに入ったら100%収まるなとならないと意味がないので。今はまだ50%ぐらいですね。「収まればチャンス、収まらなかったらだめ」ではなくて、「収まる」という決めつけがないと。俺はもうそれが評価の中で一番上なので、そこはもっと求めていきたいなと思います。
――きょうで一旦リーグ戦は中断期間に入り、来週からはアミノバイタル杯が始まります。意気込みを聞かせてください
リーグ戦とは違ったカップ戦の難しさがある中で、一発勝負なのでそういうのも想定しながら1週間しっかりチームで準備していきます。きっと4年生も示してくれると思うし、監督もすごく考えているし、僕はただそれを信じてついていくだけなので。その中で僕が得点できてチームが勝てれば別ですけど、別に僕が得点しなかったとしても、とにかくもう勝ちだけを求めて、早稲田は昔からそうですけど勝たなければいけないチームですし、まずは2試合御殿場でありますが、しっかりその2試合勝って、東京でもう一度アミノ杯を迎えられるように頑張りたいと思います。