JR東日本カップ2019 第93回関東大学リーグ戦 第7節 | ||||
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早大 | 3 | 1-1 2-0 |
1 | 東洋大 |
【得点】 (早大)34’加藤 拓己、69’鍬先 祐弥、90’栗島 健太 (東洋大)25’中村 陸 |
早大がようやく長いトンネルを抜けた。関東大学リーグ戦(リーグ戦)第7節は、前節終了時点で10位の東洋大との対戦。前半から相手のサイド攻撃に苦戦を強いられ先制を許したが、FW加藤拓己(スポ2=山梨学院)のリーグ戦初ゴールで同点に追いつく。すると後半にはDF鍬先祐弥(スポ3=東福岡)、MF栗島健太(社4=千葉・流通経大柏)にもリーグ戦初ゴールが生まれ、見事逆転勝利を収めた早大。開幕7戦目にしてようやくリーグ戦初勝利を手にした。
初ゴールを決めた直後の加藤
今節は4−2−3−1のフォーメーションに戻した早大。GKにはリーグ戦初出場となるGK上川琢(スポ2=湘南ベルマーレユース)が起用され、左サイドにはFW蓮川雄大(スポ4=FC東京U18)が復帰した。しかし、立ち上がりから東洋大に攻め込まれる。3分にゴール前にロブパスを入れられるも、DF杉山耕二(スポ3=三菱養和SCユース)がスライディングで対応。反撃したい早大は8分、MF西堂久俊(スポ1=千葉・市船橋)がドリブルで右サイドを突破すると逆サイドへスルーパス。これをMF杉田将宏(スポ2=名古屋グランパスU18)がダイレクトでつなぎ、最後は蓮川がエリア内でシュートを放ったが、相手GKにセーブされた。さらにその直後、加藤のポストプレーから杉田がシュートを狙うも枠外へと外れる。徐々に流れをつかんだ早大だったが、CKの混戦からFW小林拓夢(4年)にフリーでシュートを許し、ボールはクロスバーを直撃。早大はなんとかピンチをしのいだ。すると16分、DF大桃海斗主将(スポ4=新潟・帝京長岡)のロングフィードを加藤がキープすると、右サイドからクロスを供給する。これに杉田が反応したが、タイミングが合わずシュートはまさかの空振り。さらに西堂からのクロスに杉田が反応しヘディングでシュートを狙ったが、相手GKにセーブされてネットは揺らせず。24分にはMF山下雄大(スポ1=柏レイソルU18)のアーリークロスに蓮川が反応。頭でうまくコースを変えて放たれたシュートは、惜しくも相手GKのビックセーブに阻まれ、得点とはならなかった。すると25分、東洋大に中央から左サイドへ展開されると、そのままクロスを上げられる。これをファーサイドで待ち構えていたMF中村陸(3年)にダイレクトで決められ、失点。「西堂のポジションが低かったので、もう少し自分が押し出してあげないといけなかった」と鍬先が語るように、一瞬の隙から先制を許してしまった。しかし早大は直後の26分、ゴール前までボールを運び加藤がフリーでシュート。これはゴール左に外れたが、果敢に攻撃を仕掛け続け東洋大に流れを渡さない。すると34分、山下のパスをフリーで受けた牧野が左サイドから右足でクロスを供給する。これに反応した加藤がファーサイドでヘディングシュート。高い打点で放たれたシュートは相手GKに触られるもゴールに突き刺さった。「僕の仕事はクロスに入っていって点を取ること」と加藤。加藤の豪快なリーグ戦初ゴールで同点に追い付いた。そして早大はさらに攻撃のギアを上げる。38分、セットプレーで前線に上がっていた大桃がエリア内でシュート。しかしこれはコースが甘くなり相手GKにセーブされた。41分、42分にはサイドからのクロスから蓮川、大桃が共にヘディングシュートを放ったが惜しくも決め切ることはできず、早大は攻め切って前半を終えた。
追加点をあげた鍬先
メンバー交代を行わず迎えた後半は開始直後、加藤のフリックから杉田がドリブルで中央を突破し、パスを受けた蓮川が左サイドから速いクロスを入れた。しかし惜しくもエリア内に走り込んだ西堂、杉田には合わず最初のチャンスはものにできなかった。後半の入りに成功し、勢いに乗る早大だったが、徐々に東洋大にペースをつかまれる。サイドを崩される場面が目立ち、58分、61分とエリア内へ立て続けにクロスを入れられるも、上川が連続して好セーブ。その後も右サイドからアーリークロスを上げられて小林にフリーでシュートを許したが、ゴール上に外れ難を逃れた。一進一退の攻防が続いたが、早大に待望の瞬間が訪れる。69分、加藤が右サイドでキープすると鍬先へヒールパス。パスを受けた鍬先はカットインからエリア内に侵入すると、「あそこでボールを持ったらシュートしか考えていなかった」と左足を一閃。鋭く放たれたシュートはゴール右下へと吸い込まれた。鍬先の大学初ゴールで追加点を奪った早大。順調に試合は進み、杉田のパスカットから山下がミドルシュートを狙うなど優位に試合を進めたが、79分にはスルーパスに抜け出したMF野本幸太(3年)にフリーでシュートを許す。しかしこれを鍬先が体を投げ出しながらブロックし、執念のディフェンスでピンチを脱した。リードを守り切りたい早大は83分、DF阿部隼人(社3=横浜F・マリノスユース)、栗島を投入する。左サイドを突破される場面では阿部が冷静に対応し、粘り強い守備で東洋大の攻撃の芽を摘んだ。すると90分、カウンターから途中出場のFW倉持快(人2=神奈川・桐光学園)が中央突破し、バイタルエリアにいる栗島へとボールをつなぎ、ミドルシュートをゴール右へと突き刺した。栗島の大学初ゴールは貴重な追加点となり、早大は一気に東洋大を引き離した。アディショナルタイムでは東洋大にチャンスをつくらせず、そのまま試合終了のホイッスル。早大は開幕から7戦目にして、ようやく勝ち点3を獲得した。
4年生にして初ゴールとなった栗島
「まさに『ドライブする』でしたね」と外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)が評するように終始早稲田らしいサッカーを展開した早大。前節まではチャンスをつくるも、なかなかシュートまで持ち込めず攻め切れない場面が多かったが、「徹底的にクロスを突き詰めてトレーニングしてきた」と大桃が語るように、蓮川や加藤といった大型選手を生かしたサイドからのクロス攻撃を強化。それが功を奏し、1点目のゴールなど流れの中から3得点を奪ってみせた。加藤、杉田の連携も光るなどプランが明確になり、「やり切る」攻撃が増えた印象だ。また「しっかりラインを下げないように我慢したことで、いいかたちでボールが奪えていたし、オフサイドもかけられた」とDF牧野潤(スポ4=JFAアカデミー福島)は守備にも手応えを口にする。苦しい時間帯でも全員が前を向き、勝利のためにプレーし続けた。さらに上川や倉持といったリーグ戦初出場の選手が活躍を見せたことも好材料。指揮官が重要視している『競争』もチーム内で高まってきている。そして「一人一人がどうやったら勝てるかというのを考えて行動してくれたからこそ、きょうのゲームにつながった」と大桃が語るように、苦しい中チームが一体となって勝利をつかみ取ったことは何よりも大きい。今節をきっかけにさらに良いチームをつくりあげたいところだ。次節は6月1日の流通経大戦。『日本をリードする存在になる』ために――。早大の挑戦はまだまだ続く。
スターティングイレブン
(記事 永池隼人、写真 大山遼佳、森迫雄介、菅沼恒輝)
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 43 | 上川 琢 | スポ2 | 湘南ベルマーレユース |
DF | 4 | 鍬先 祐弥 | スポ3 | 東福岡 |
DF | 5 | 杉山 耕二 | スポ3 | 三菱養和SCユース |
DF | ◎3 | 大桃 海斗 | スポ4 | 新潟・帝京長岡 |
DF | 2 | 牧野 潤 | スポ4 | JFAアカデミー福島 |
MF | 7 | 金田 拓海 | 社4 | ヴィッセル神戸U18 |
MF | 34 | 山下 雄大 | スポ1 | 柏レイソルU18 |
→83分 | 6 | 阿部 隼人 | 社3 | 横浜Fマリノスユース |
MF | 33 | 西堂 久俊 | スポ1 | 千葉・市船橋 |
MF | 39 | 杉田 将宏 | スポ2 | 名古屋グランパスU18 |
→83分 | 8 | 栗島 健太 | 社4 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 11 | 蓮川 雄大 | スポ4 | FC東京U18 |
→63分 | 25 | 倉持 快 | 人2 | 神奈川・桐光学園 |
FW | 38 | 加藤 拓己 | スポ2 | 山梨学院 | ◎=キャプテン 監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実) |
関東大学リーグ戦1部 順位表 | |||||||||
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順位 | 大学名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失差 |
1 | 明大 | 18 | 7 | 6 | 0 | 1 | 16 | 2 | +14 |
2 | 筑波大 | 17 | 7 | 5 | 2 | 0 | 12 | 4 | +8 |
3 | 立正大 | 14 | 7 | 4 | 2 | 1 | 17 | 6 | +11 |
4 | 駒大 | 13 | 7 | 4 | 1 | 2 | 10 | 13 | -3 |
5 | 桐蔭横浜大 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 11 | 6 | +5 |
6 | 順天堂大 | 12 | 7 | 4 | 0 | 3 | 8 | 6 | +2 |
7 | 中大 | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 8 | 7 | +1 |
8 | 法大 | 10 | 7 | 3 | 1 | 3 | 6 | 7 | -1 |
9 | 早大 | 4 | 7 | 1 | 1 | 5 | 5 | 11 | -6 |
10 | 専大 | 4 | 7 | 1 | 1 | 5 | 6 | 20 | -14 |
11 | 東洋大 | 3 | 7 | 1 | 0 | 6 | 5 | 10 | -5 |
12 | 流通経大 | 1 | 7 | 0 | 1 | 6 | 6 | 18 | -12 |
※第7節終了時点 |
コメント
外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)
――試合にはどう臨まれましたか
駒大に負けた後に4年生全員を焼肉に連れて行って腹を割って色々な話をしました。4年生が変わらないといけなくて、今年は4年生のチームだし、一番成長できる学年ということですが、まだまだ覚悟やそれに対するアクションが足りないし、プロ志望のメンバーもプロに進んで活躍できるだけの意識で今やっているのか。就活組は部の取り組みの中で就活をしっかりできているか、切り離して考えていないかなど色々な話をしました。そこからもう一度チームを作り直すというか、そこの部分を見直そうと全員で話してこの試合に臨みました。メンバー選考も紅白戦からフラットにしていたし、まだまだ足りないところもありますが、その中で大きな変化は4年生が主将、副将を中心にそこに本当に向き合っていたところですね。その姿を見て下級生がそれに対して関わろうとか自分たちに何ができるのか、今までは何で4年生がやらないのかなという空気だったのが、4年生がこれをしているから俺らもこうしようというかたちになっていて、チームとしてロッカールームでの振る舞いやアップからそういう空気はあったので僕としては苦しんだ分、本当に大きな成長につながるというか。昨年の4年生は経験できなかった苦しんだ中からどう這い上がっていくかというプロセスを学べたことは意味があります。
――追加登録メンバーがかなり試合に絡んでいました
本当に競争がないと競技というか選手としての本分は果たせないと思いますし、怪我人の関係もありますが、全体にそういう空気が生まれて活性化してそういう環境を作ることに着手したことが皆にとっての大きな力になったし、スイッチになったと思います。
――きょうのテーマは何だったのでしょうか
実は午前中にOBでいわき(株式会社いわきスポーツクラブ)で代表取締役をしている大倉智さん(平4商卒=東京・暁星)に早慶戦のパンフレット用の監督インタビュー記事のために取材をしてきました。その時に頂いた言葉で、当然勝利を目指してはいるけれどそれが全ての目的になると何も残らないし、負け方もあるけど勝ち方もあって勝つということがある。それに向かうには何をするべきなのかをやり通せることは選手ができることで、それで負けてしまったら仕方がないけどそれを積み重ねられるという、そこの徹底感が大事だという話を頂きました。きょうはそれをテーマにして、チームのために仲間のために戦う献身性、情熱を持ってサッカーに取り組むこと。勝ったから良い、負けたから悪いではなく今目の前にあるそのワンプレーやピッチに立っていることに対する自分の夢ややってきたことに対する1つの表現にこだわっていくこと。最後はやっぱり全力を出すということ、の3つでした。最初から最後まで自分がピッチに立ち、ベンチにいるときも全力でいる結果が初めて勝利に向かう1つの可能性を上げるということだと思います。どうしても今の状態だと勝たないといけない、負けられないとか結果のところばかりフォーカスしていたのでそこを見直して、勝とうという話は一切していませんでした。我々はやるべきことをやろうとベンチからも話していました。
――終始早稲田らしいサッカーでした
まさに『ドライブ』するでしたね。前に進んで運ぶのが非常によくできていました。やっぱり我々は常にビジョンとして『日本をリードする存在になる』を掲げていて、それに対してどういうアプローチをするかが本当にできていたし、それが皆の血となり肉となり手足を動かすパワーになっていたのだと改めて感じることができました。
――フットサルで活躍していたメンバーが得点を挙げていました
ああいうことも含めて、勝っていないのにフットサルをしている場合なのか、など言われることもあるのですが僕は常々自分たちがやっていることは一切間違っていないから勇気を持ってそれを続けるべきだと思っています。その上で一つ一つの精度をあげてやるべきことのクオリティを上げて、そこを突き詰めてやっていこう、その先に「ホンモノ」のリードするだけの器が生まれるという話をしていました。まだまだではありますが、皆が少しでもそれを実感できてくれていれば嬉しいし、フットサルとかピッチ外のところにも非常に意欲的に活動している学生たちを本当に誇りに思うし、その力は絶対に早稲田のア式蹴球部でしか身につかない力がついていると僕は思います。
――大きな勝利になりました
次は土曜日もありますけど、そこに向けて頑張るのもそうですが、色々な人に心配をかけてきました。何よりも僕の両親が心配していて、選手をやっていた頃よりも大変そうだし重いものを背負ってやっていて大丈夫か、というようなメールをポツンと母親が送ってくるのですが、だいぶ心配やストレスをかけてしまっていました。きょうの勝利は自分の両親が本当に喜んでくれているのではないかと思っています。
DF鍬先祐弥(スポ3=東福岡)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
リーグ戦が始まってからずっと勝てていなくチームの状況もよくない中で、自分は昨年から出させてもらっていたので、自分がチームを引っ張る気持ちでプレーしました。
――スカウティングでは東洋大をどのように分析していましたか
相手はつないでくるチームなので、縦パスを入れさせないだとか、いくところいかないところを整理して、相手に主導権をにぎらせないようにしようと。逆に自分たちはボールを持って、攻撃は早めにアーリークロスを入れてヘディングで得点を狙おうというのが狙いでした。
――前半からサイドを崩される場面が多かった印象ですが
やっぱり失点のところとかの、一歩詰めるか詰めないかの隙というか。相手もこのレベルになってくるとやられてしまうので。自分のサイドからクロスを入れられてしまったので、自分のところはもっと管理して、クロスを上げさせないようにしないといけないなと思います。
――失点シーンは振り返っていかがでしたか
西堂のポジションが低かったので、もう少し自分が押し出してあげないといけなかったなと思います。
――前半から攻撃参加が目立ちました
自分の持ち味はもちろん守備なのですが、だからと言って攻撃を任せるのではなくて、自分にできることは何かというのを考えて。そうしたら、自分が中心となって試合を支配するという気持ちがきょう強かったです。そこが良かったと思います。
――後半はうまく東洋大をはめていた印象ですが、後半何か変えたことはありますか
いや、戦い方は変えずにやりました。サッカーの原点である球際とか切り替えとかを徹底的に意識して。あとは前半から意識していた早めにクロスを上げるということはずっと意識していました。
――得点シーンを振り返っていかがでしたか
ゴリ(加藤)が落としてくれて、あそこでボールを持ったらシュートしか考えていなかったです。
――クロスは考えなかったのですか
そうですね、ゴリからパスをもらった時にゴールしか見えてなくて。
――フットサル早慶戦でも得点を決めましたが、ご自身の調子はいかがですか
身体は動いているし、いい状態ではあるかなと思います。自分が試合を動かすという気持ちが強くなってきているので、そこの意識の差かなと思います。
――きょうのご自身のプレーの評価は
良かったのではないかなと思います(笑)。ただ、自分が目指しているところはあるので、こういうところで満足していられないし、もっともっと高い基準で自分はプレーしていかないといけないなと思います。
――後半途中からボランチでのプレーとなりましたが、意識したことはありましたか
あの時間帯で自分がボランチに入れられる意味を考えた中で、絶対相手に自由にプレーをさせないで攻撃の起点をつくらせないということを意識してプレーしました。
――終始早稲田のプレーの質は落ちなかった印象です
きょうはみんなよく走っていましたし、応援もベンチも含めて一帯となっていたので、良かったと思います。
――きょうの勝利は大きいと思います
まだ厳しい状況には変わりはないので、ここからまた追い上げていけるように、自分がチームを勝たせる気持ちでやっていきたいです。
――次節への意気込みをお願いします
次も絶対負けられないので、きょう勝てた勢いをそのままに、連戦なのでみんなで力を合わせて勝ちたいと思います。
DF大桃海斗主将(スポ4=新潟・帝京長岡)
――初勝利となりました、今のお気持ちを聞かせてください
すごく長い間勝つことができていなくて、チームとしてもどうやったら勝てるのかというのはみんなが考えて苦しんでいました。その中でも『日本をリードする存在になる』というビジョンを忘れずに、試行錯誤して行動し続けた結果が出たと思います。
――守備の統率が取れていた印象を受けました
今回の試合のテーマというか、狙いとしては攻撃ではしっかりクロスを上げてチャンスをつくること。DFラインはコンパクトにして背後の対応をしていこうという中で、勝ちたい気持ちを一人一人が表現していました。その結果ラインのこまめな上下動に表れたというか。正直試合前に「きょうはラインを上げ下げしよう」という話はあまりしていなかったのですが、いざ試合が始まれば一人一人が勝ちたい気持ちを持っていたからこそそういう行動になったと思います。
――流れの中の得点が今までなかった中、きょうは3得点を挙げました
これまでリーグ戦を戦ってきた中で自分たちが攻撃をやりきれなくて、結局狙いが分からないという課題がずっとあったので(蓮川)雄大くんとか加藤という大きい選手がいる中で徹底的にクロスを突き詰めてトレーニングしてきました。それを出せたからこそ1点目につながりましたし、その後もクロスのこぼれ球でチャンスをつくれたことは、相手どうこうというよりも自分たちがやるべきことをやり切った結果だと思います。
――勝てない期間が長く続き、主将として思い悩むこともあったと思いますが
そうですね、もちろん僕自身もそうですし、4年生も監督もそうだと思うのですが、やっぱりその中でも3年生や2年生、1年生も一人一人がどうやったら勝てるかというのを考えて行動してくれたからこそ、きょうのゲームにつながったと思うので、部員一人一人の力だと思います。
――次は中2日で流通経大戦を迎えます、ここから波に乗りたいところですね
そうですね、もう一度自分たちの反省と流通経大さんの分析から入って、自分たちのやるべきことを徹底することをベースにしてやり続けるしかないと思っています。まだ1勝しただけなので、もう一度気を引き締めていきたいです。しっかり勝って中断期間を迎えるためにも、もう一度部員一人一人が高いもの目指せるために取り組んでいきます。
D F牧野潤(スポ4=JFAアカデミー福島)
――試合を振り返っていかがでしたか
自分のマークから失点してしまったので、取り返してやろうという気持ちがありながらも加藤や鍬先、栗(島健太)が点を取ってくれましたし、後ろも走り切って守り切ることができたことは大きかったです。
――左サイドを攻められるシーンが多かったですが
相手が3バックなのでサイドをつかれることは想定した中で、クロスから自分のところで失点してしまったのでそこは次までに直していかなければいけないと思います
――積極的に攻撃参加し、同点ゴールのアシストもしました
自分で失点してしまったので取り返したいという気持ちがあり、いいところにクロスを上げられてそこに加藤がしっかり合わせてくれたので、本当にホッとしたというか良かったという気持ちはありましたね。
――後半オフサイドがしっかり取れていました
ラインを下げてしまったら相手の思うツボで押し込まれる時間が増えたと思ったので、しっかりラインを下げないように我慢したことで、いいかたちでボールが奪えていたし、オフサイドもかけられたかなと思います。
――この勝利はチームにとって大きいと思います
全員で一勝するためには何が必要かもがきながらチーム全体でどういった戦術をとるべきかを話し合い、結果勝つことができたので昨年には経験できていないことを経験できたと思っています。
――次節に向けて意気込みをお願いします
一勝したに過ぎないので次もまた勝てるようにチーム一丸となって準備していきたいです。
MF杉田将宏(スポ2=名古屋グランパスU18)
――試合を振り返っていかがでしたか
とりあえず勝てたことで一安心ですね。前節は加藤に頼りすぎてしまって相手もそれに対応してきてなかなか難しかったのですが、今節は加藤を生かしながら(ボールを)回すこともしていたので、そこで加藤もいい感じに生きていいコンビネーションがとれたと思っています。
――攻撃のリズムをつくる上で意識したことはありましたか
ボールが入る場面は多かったですが、もっと(相手にとって)怖い選手にならないといけないなと思います。ビルドアップのときに関わるのは意識していて、自分が前を向いたらチャンスになれたのでチャレンジして前を向いて仕掛けようとしていました。
――この勝利は大きなものになったと思います
本当につらくて、先週本気で勝ちに行った中で勝てなくてでも今節勝てて本当に良かったです。
――次節に向けて意気込みをお願いします
きょうはしっかりよろこんでしっかり切り替えて練習に取り組みます。
M F栗島健太(社4=千葉・流通経大柏)
――試合を振り返っていかがでしたか
ベンチから見ていてピッチ内の選手は90分間通してよく戦っていてベンチも声を出し、皆が一緒になって戦った結果がこの一勝だと思います。
――先週は出場機会に恵まれませんでしたが
ここ最近調子がよくなく、そのような中で自分に求められているものは得点を取ることだと思っていたので、この一週間ずっと点を取るために準備してきました。
――途中出場でしたが自身の役割はどのようなものでしたか
外池さんから言われたのは自分のもっているものを出し切ってくれということで、そのなかで自分に足りないものは得点だと思っていたので、そういった意味で大学に入ってから初めて点を取ることができて本当に良かったと思います。
――得点シーンを振り返っていかがでしたか
自分のところにボールが転がってきたら打とうと思っていて、ゴールとかは見ていませんでしたがうまく入ってくれたので良かったです。
――プレーで意識したことはありますか
前線に加藤(拓己)がいるので加藤にあてたあとのこぼれ球を拾うことを、みんな体力面で疲れている状況だったので、できる限り自分が走ってやろうという意識で臨みました。
――この勝利はチームにとって大きいものになったと思います
この一勝するために6試合も無駄にしてしまい、もうそのようなことをしている暇はなく、またこの流れに乗り切らないと今後も厳しい試合になっていくのでしょうし、やっとスタートラインに立てたので勝ったときの喜びをもう一度味わうためにここからまた頑張っていきたいと思います。
――次節の意気込みをお願いします
次節も試合に出ることができたら自分がチームを勝たせる気持ちで、自分が点を取ってチームに勝利をもたらすことができるようにやっていきたいと思います。
FW加藤拓己(スポ2=山梨学院)
――試合を振り返っていかがでしたか
昨日の練習後にメンバーが集められて4年生に結構きつく言われてそういう姿を見て思う部分もあったし、4年生が見せていかなければいけない状況で、僕たち下の学年がそれを支えていかないといけないのは強い気持ちになりましたし、きょう勝たないとこの先ないなと感じていたので全員で勝利に向かっていました。
――2試合連続でスタメンでした
太一君(武田太一、スポ4=ガンバ大阪ユース)の不在だったりきょうのメンバーをみてもFWは自分しかいなくて90分やらなければいけない状況でしたし、このチームを背負っていかなければいけないという試練があるのでそこに対しては本気で向き合って、いい準備ができていたので調子も上がっていますし、そういう部分では良かったと思います。
――得点シーンを振り返っていかがでしたか
2週間ひたすらクロス練習をしていて、とりあえず加藤は入っていけという指示がある中でああいう得点があって、僕の仕事は基本的にああいう形の物だと思っているのでポストプレーという部分ですね。僕がさばくことが仕事ではないですし、クロスを上げることも仕事ではないですし、僕の仕事はクロスに入っていって点を取ることです。それが僕に一番求められている仕事ですし、自分が一番やらなければいけない仕事です。そういうことができたのは良かったです。
――後半もチームを鼓舞し続けている姿が印象的でした
前半の最後の勢いの部分では後半にはいって落ちた部分を前線にいて感じました。声を出せば解決することもあって、それは学年関係ないので前線から自分が声を出すことで全体に再び緊張感が生まれると思っています。それは特別なことではなくて、勝つために必然なことで、そこに関してはチーム全体でできていたのでそれも勝利につながる大きな要因だったと思います。
――次節の意気込みをお願いします
(流通経大は)僕の地元で小さい頃から見てきた大学で素晴らしいチームですし、サッカーに対して本気で取り組んでいることを見てきた中でそれでも早稲田への進学を選んだ自分は勝たなければ(早稲田に)きた意味がないし、きょうの一勝に満足しないで、ここからがスタートです。連勝して上位に食い込んで行くことが自分たちの仕事なので、スタンドとピッチのメンバーが一体となって勝ち続けていきたいです。