激闘の天王山で見せた執念。充実のドローで悲願へ前進

ア式蹴球男子

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)の第19節が行われ、首位の早大は、勝ち点差6で2位につける筑波大との天王山に臨んだ。試合は、攻撃の主導権を握る筑波大に対し、早大は守備を最優先にカウンターを狙うという構図で進み、両者が勝利への執念をぶつけ合う。最後は攻守がめまぐるしく移り変わる展開となったが、互いに譲ることなく、スコアは動かないままタイムアップを迎えた。2位との勝ち点差を6に保った早大は、優勝に向けて大きく前進。次節にも優勝が決定する可能性が生まれている。

 早大はMF金田拓海(社3=ヴィッセル神戸U18)が出場停止から、FW武田太一(スポ3=ガンバ大阪ユース)が負傷からそれぞれ先発で復帰した。一方で筑波大は、ここ3試合はFWでの起用が続いていたMF三笘薫を左サイドに置き、長身FW犬飼翔洋をリーグ戦初先発に抜てき。早大対策を講じて試合に臨んだ。
 筑波大がボールを支配する中、立ち上がりは積極的にボールを追った早大が攻勢に出る時間帯をつくった。8分、ボックス手前のスペースに侵入したMF岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)が左ポスト直撃のシュートを放つ。続く9分には、右CKのコースをニアサイドで変え、ゴール前で待つ武田に決定機。しかし、相手DFのシュートブロックに阻まれ、先制とはならなかった。10分を過ぎ、早大はブロックをつくって構える守備へと変えたが、「(ラインの設定が)ちょっと低すぎた」(外池大亮監督、平9社卒=東京・早実)。15、16分に中央で縦パスを立て続けに通されて肝を冷やすと、その後はタイトな守備で応戦しながらも、攻撃へ転じる際に精度を欠いて起点をつくれず、形勢の逆転はならない。相手の巧みなボール回しもあって、20分以上も守備に追われる時間帯が続いた。それでも筑波大の前にGK小島亨介(スポ4=名古屋グランパスU18)が立ちはだかる。25分、MF山原怜音の強烈なシュートを横っ飛びで弾くと、29分にも犬飼のゴール右隅を捉えたヘディングシュートを右手一本でビッグセーブ。37分には三笘がスピードに乗って早大守備陣を振り切りボックス内に侵入。小島は一対一の対応を強いられたが、鋭い飛び出しと的確な状況判断で、相手のシミュレーションを誘発した。前半の終わりには守備の重心の低さも改善し、攻めに出るシーンも見せた早大は、「前半は失点0でいくという大きなテーマ」(岡田)をクリアした。

37分、筑波大MF三笘との一対一で落ち着いて対応した小島

 後半に入ると一進一退の状況が続き、互いにゴール前で自由を与えず集中した守備を見せていたが、次第にペースをつかんだのはやはり筑波大。犬飼の高さを生かした落としが早大の脅威となって、61分に三笘にフリーでボレーシュートを許したが、シュートミスに助けられた。運動量の多さやプレー強度の高さから、早大には足を伸ばすしぐさを見せる選手が出始める中、70分にはCKでDF鈴木大誠にマークを外され、頭でたたかれてしまう。しかし、ここでも小島が左手一本でゴールを死守した。以降は両チームともに運動量が減り始め、互いに攻め合う展開に。早大は80分のMF藤沢和也(商3=東京・早実)の投入をきっかけにギアを上げ、81分にその藤沢の持ち上がりから筑波大の守備を崩したが、MF相馬勇紀(スポ4=三菱養和SCユース)から岡田へのラストパスが合わず。85分にはボックス内でボールを受けた藤沢が切り返しからシュートを放ったが、筑波大GK阿部航斗が好反応を見せた。
 0-0のまま最終盤に入ると、逆転優勝へ向けて勝ち点3がミッションである筑波大が、途中投入のMF長澤皓祐を中心に好機を連発。87分に左サイドを崩されると、中央で2人がおとりになり、ボールはファーサイドにフリーで飛び込んできたMF鈴木徳真のもとへ。しかしパワーを制御できずにボールはバーを越えた。さらに追加タイムに入り、90+2分。長澤の高速クロスに対し、今度は早大守備陣がボールウォッチャーになり、ファーサイドで待っていた三笘に自由を与えてしまったが、ボールを捉え切れずにシュートは枠を外れた。命拾いした早大は、目安の90+3分まで残り1分を切ったところで、MF鍬先祐弥(スポ2=東福岡)が中盤でパスカット。「仕掛ける場面を最後の最後まで狙っていた」(外池監督)と優勝を大きく引き寄せる1点を奪いに攻撃に出たが、その流れで得たCKは直接相手GKのもとへ届いてしまう。ラストプレーを悟った筑波大は、手数をかけずにカウンターを仕掛け、MF西澤健太がボックス内に侵入。それでも、厳しい寄せで最後の自由は与えなかった。両者の命運がかかった西澤のシュートは、枠を外れていった。

金田拓をはじめ、的確なカバーリングと鋭い出足が目立った早大。総力で無失点を実現した

 試合終了とともにピッチ上のほとんどの選手がピッチに倒れ込むほどの激闘だった。出し切ったと言わんばかりにピッチに体を預ける早大の選手の傍ら、筑波大の選手が倒れ込んだまま顔を覆っていた姿が、このドローの意味を物語っていた。「勝ち点1が積み重なったという部分と、筑波さんの勝ち点2を防いだという意味で、非常に大きい」(外池監督)。敗れれば独走態勢が崩れるというプレッシャーが掛かる状況の中、前節の大敗を乗り越えてつかんだ無失点。優勝に向けて早大に大きなアドバンテージをもたらすということはもちろん、さらなる強さを追求していく上でも、大きな価値がある結果といえるだろう。次節にも優勝が決定する可能性も浮上したが、選手たちにもう油断はない。「優勝に近付いたとは思っていない。次の試合に勝ってやっと近付ける」(小島)、「この0-0がどういう意味を持つかは今後の取り組みで変わる。一層気を引き締めて、もう一度原点に帰って積み上げたい」(岡田)。ただ、目の前の一戦に全力を尽くすのみ。エンジの戦士たちはラストスパートも謙虚に突き進む。

スターティングイレブン

 

(記事 守屋郁宏、写真 石井尚紀、大山遼佳)


JR東日本カップ2018 第92回関東大学リーグ戦 第19節
早大 0-0
0-0
筑波大
【得点】
(早大)なし
(筑波大)なし
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 小島 亨介 スポ4 名古屋グランパスU18
DF 牧野 潤 スポ3 JFAアカデミー福島
DF 17 工藤 泰平 スポ2 神奈川・日大藤沢
DF 大桃 海斗 スポ3 新潟・帝京長岡
DF 冨田 康平 スポ4 埼玉・市浦和
MF 鍬先 祐弥 スポ2 東福岡
MF 11 相馬 勇紀 スポ4 三菱養和SCユース
MF 金田 拓海 社3 ヴィッセル神戸U18
→89分 34 田中 雄大 スポ1 神奈川・桐光学園
MF 栗島 健太 社3 千葉・流通経大柏
→80分 14 藤沢 和也 商3 東京・早実
MF ◎10 岡田 優希 スポ4 川崎フロンターレU18
FW 武田 太一 スポ3 ガンバ大阪ユース
◎=ゲームキャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
JR東日本カップ2018 第92回関東大学リーグ戦 1部順位表
順位 大学名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
★早大 40 19 12 44 33 +11
筑波大 34 19 10 34 22 +12
順大 31 19 31 18 +13
法大 31 19 31 23 +8
★明大 29 19 35 20 +15
駒大 29 19 34 31 +3
東洋大 27 19 27 25 +2
流通経大 26 19 30 39 -9
桐蔭横浜大 22 19 29 32 -3
10 専大 22 19 25 38 -13
11 東京国際大 15 19 10 20 38 -18
12 国士舘大 11 19 14 21 42 -21
※第19節終了時点
※★は第67回全日本大学選手権(インカレ)出場権獲得チーム。第42回総理大臣杯全日本大学トーナメント優勝の明大と、今リーグ戦1~6位のチームが関東地区からインカレに出場する。明大が6位以上の場合は7位のチームがインカレ出場権を獲得
※11、12位のチームは2部リーグに自動降格
※次節優勝決定の条件……第20節は10日に開催。早大(対東京国際大、フクダ電子アリーナ)、筑波大(対流通経大、龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド)ともに14時キックオフ。早大が勝利した場合は筑波大が引き分け以下、早大が引き分けの場合は筑波大が負けで早大の優勝が確定する。
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コメント

※一部囲み取材より抜粋

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――メンバー選考をする上で、前節の戦いぶりはどの程度踏まえましたか

そもそも前回は金田が出場停止だったり、武田が負傷でということがありましたけど、前回は後半は立て直した部分が多かったので。結果は1-6でしたけど、後半の戦い方に関しては特に悲観していなかったので、あの部分をベースにしながらもう一回相手をリスペクトして、対筑波というところで自分たちに何ができるか、何を強みとして持てるかというところを意識して、今出せる最大値の戦い方をやった上でハマるであろうメンバーをセレクトしました。

――筑波大の犬飼選手の起用は想定外でしたか

今までの戦い方からするとちょっと想定外だったなと思います。筑波さんはこれまではブロックをつくってから三笘くん、西澤くんのカウンターで仕留めてきていました。小井土さん(筑波大・小井土正亮監督)は前節の(早大の)試合を見に来ていたので、うちがどちらかというと長いボールに弱いというところも含めて、早めに起点をつくる、それから三笘くんをサイドに置いてそこから仕掛けるというところを変えてきたなと。どちらかというと三笘くんの位置を変えるというところで、少しイメージはしていたんですけど、そこに関してはよく牧野が防いでくれていたなと思います。

――試合に関して

うちとしては前節6失点という中でどう対筑波でゼロに抑えるかということで、とにかく失点をゼロにするということがこの試合のテーマだったんですよね。受けるということではなく、閉じこもるということでもなく、ゼロにするために何をしていくのかというのをテーマにして、リトリートと(プレスとを)使い分けてやろうと思っていたんですけど、前半はそのリトリートの部分(のライン設定)がちょっと低すぎました。ペナルティエリアのラインまで下がってしまっていたので、特に右サイドからプラスのボールを入れられて、少しあれが試合を難しくさせている部分もあったので、もう少しだけラインを上げようということで、前半の中で少し修正しました。そこから少しずつ守備のリズムが出てきたので、そのリズムをそのまま続けていく中で、どこで仕掛けるのかというところは最後の最後まで狙っていました。

――負傷明けの武田選手を筆頭に、個々の奮闘も目立っていました

今年の早稲田の力はこの試合で評価される、今年を象徴するゲームだと思っていたので、これから3年生がチームを担っていくという意味でも、3年生たちの自立、かける思いみたいなものは僕の方からもすごく促していました。そういう意味では大桃、武田、金田、栗島、牧野、そういう3年生たちはたくましく支えてくれたなと思います。特に大桃は今シーズンフルタイムで出ている中で、僕は普段あまり個人攻撃はしないんですけど、前回6失点して、週の頭に「(6失点は)お前のせいだ」と正直に伝えました。試合に出る責任をもっともっと感じて、それを自分から周りに伝えて巻き込む、そこまでいかないとワセダを背負って来年4年生としてピッチに立てないよ、と。今年の3年生はのびのびさが売りではあったんですけど、そこに本当のたくましさや強かさを植え付けるために「この1週間はそういう過ごし方を一瞬でもできなかったら変える」という話をしていたので、そういう意味では今日の彼は本当によくやり切ったなと思います。

――押し込まれる時間も長く、選手も消耗が激しくなる中で、終盤は引き分けでも良し、負けないことが最優先という選択肢はなかったですか

引き分けでも良しというより、失点ゼロということをテーマにしていただけで、点を取りに行かないとかそういうことは全然考えていなかったです。ゼロでいけば後半20分を過ぎたあたりから確実にオープンになってくるので、そこで岡田を中に入れて田中だったり藤沢を入れて、攻撃へのきっかけ作りをするというのは狙いとしていたので、そこでいくつかシーンを出せたというのは、非常に良かったと思います。リトリートでは当然回されるのでしんどくはなるんですけど、そこからエネルギーを出せたというのは良かったかなと思います。

――勝ち点1、そしてゼロに抑えたというのはどういった意味がありますか

1が積み重なったという部分と、筑波さんが3欲しいところの2を防いだという意味では非常に大きな勝ち点1だと思うし、特に自分たちがテーマとしていた失点ゼロというところを獲得して得たものであるので。この時期にこのテーマ、ゼロというのは簡単なようで難しいので、そこに到達したというのは、この時期、この終盤において非常に意味があると思うし、そこは僕は大きいかなと思います。

FW岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)

――前節、大敗を喫した中での優勝を争う筑波大との一戦でした

監督が強く言っていた、『失点を0にする』ということを一番の目標としてやってきました。あと一つは前回の敗戦から、もう一度学生主体となって、サッカー選手としてのプライドを懸けて臨もうということを僕も伝えてきました。あの負けを意味のあるものにしようと取り組んできて、ああいう負けがあったからこそ、今日のこの結果には意味があると思います。

――前半はパスミスがあり、前線にボールがうまく収まっていませんでした

あそこのクオリティーの部分は今季の課題で、リーグレベルで戦えていないと思います。だからこそリトリートをしたり、カウンターを狙っていったりという姿勢が途切れなかったのは良かったと思います。ただ、あそこのクオリティーを上げていかないと、こういう試合では勝っていけないので、まだまだ課題かなと思います。

――その中で相馬選手とサイドを入れ替える場面もありました

僕としても相馬としてもどちらのサイドでもゴールに向かっていくプレーを遺憾なく発揮できるので、事前にそれも聞いていましたし、その中でチャンスをつくり出せたので、ポジティブだったと思います。

――前半を0-0で終えたことはいかがでしたか

前半は失点0でいくというのが大きなテーマで、そこさえなんとかしのいで、あとは後半の立ち上がりでしっかりとリズムをつくれれば、自分たちのゲームに進んでいけるというのは分かっていたので、そこに関しては今週積み上げてきたものが発揮できたと思います。その中でチャンスを決め切れていれば、きょうの試合は100点に近かったです。

――後半は筑波大に攻め込まれるシーンが目立ちました

筑波があそこのクオリティーがあるというのは分かっていたんですけど、そこを結果として0に抑えられて、守備陣が集中力を切らすことなく、チームとしても前の選手が守備の意識を切らすことなくできました。

――藤沢選手の投入後は、中央でプレーされていました

筑波のあそこが空くというのは、スカウティングや前期(の戦い)から分かっていたので、自分としてはサイドにいながらもあそこを狙っていた中で、ようやくあそこのポジションでプレーできるということでした。ゴール前までいくんですけど、自分のところでボールを触れなかったので、悔しいなと思います。

――無失点での引き分けという結果はどのように受け止めていらっしゃいますか

この0-0がどういう意味を持つのかは今後の取り組みで変わってくると思います。これで次の試合で負けたり、勝っていけなければ、『あの時に勝っておけば』となってしまいますし、逆に『あの時の0-0があったから優勝できたね』とか、『優位を取れたね』というのがあると思います。こういう結果だったからこそ、なお一層気を引き締めて、チームとしてもう一度原点に帰って積み上げていきたいと思います。

――次戦の東京国際大に向けて一言お願いします

前節の負けからチームを立て直して、ここまで来る過程を積むことができたので、次節以降は勝ちにつなげられるまでの取り組みをしていくだけだと思います。しっかりと分析をして、そこに対しての熱量を持って取り組んでいきたいと思います。

GK小島亨介(スポ4=名古屋グランパスU18)

――前節からこの一週間どう立て直しましたか

もう一度チームとしての守り方を共有することをしました。前期はリトリートということを長い時間してきましたけど、後期に入ってからはハイプレスの守備も多かったので、相手の状況に合わせて使い分けができるような環境作りをすることを話し合いました。今日は前半10分はまずラインも高い位置から、割り切りながら勢いを持って試合を進めていこうと話していました。それ以降はリトリートで相手を引き込んでカウンターを意識して狙っていました。この一週間の取り組みが、完全ではないですが出せたと感じています。

――前節の6失点に対する責任は感じていましたか

1失点をして勝った試合も(失点は)ゼロではないので責任は感じます。次でどう無失点に抑えようか、後ろの選手とチームとして話し合っていますし、前節で負けた後もチームとして共有しました。責任感は失点があれば増すので、常に無失点を意識した戦い方をしたいです。

――試合を振り返っていかがでしたか

味方がシュートコースを限定してくれるから自分が守れる環境があると思います。(味方への)感謝の気持ちを持ちつつ、今日は自分の守備面は良かったと思います。チームとして守れたシーンが何度かありました。守備は最終的には個での戦いになってしまいますが、今日はその個での守り方がとても良かったです。チームとして、個としての守備の兼ね合いができていました。

――最初にシュートを止めるといい流れをつかめるというところはありますか

気持ち的には、より強気になることができます。(シュートを)止める前もアグレッシブさが重要なので、そこまで持っていくのが大切です。その準備ができていたからこそ、(今日は)1本目のセーブができました。良いイメージができていました。

――危ないシーンもありましたが

一対一で抜かれたシーンはすぐに手を引きました。抜かれた瞬間に失点してしまったと正直思いましたけど、結果としてノーファウルになって良かったです。あのシーンで前に出て行ったのはアグレッシブさからですが、打たれる瞬間に止まれていなかったのは課題です。後ろから追いかけてきている味方も視野に入っていたので手は引きました。カバーがいる中で、自分が手を出してしまってPKになるのはもったいないので、冷静な判断ができて良かったです。

――守備範囲が広いように見えました

相手の戦い方として、FWに背の高い選手がいたのでクロスを狙われると守備陣では意識していました。高いボールだったら自分も積極的に取りにいこうと考えていました。ほとんどのクロスのシーンではいい対応ができました。クロスボールが上がった瞬間に迷いはなく前にいけました。(ボールの)軌道が低かったら後ろにも戻る準備もできていたので、出足の一歩を意識していました。

――優勝に近づいたと思いますか

優勝に近づいたとは思ってはいません。次の試合に勝って、やっと近づくと思います。一試合一試合勝つための準備が個人としてもチームとしても大事になっていきます。継続するというよりも、今週より濃い1週間を過ごせるようにしたいです。そこは全員で意識していきます。

DF大桃海斗(スポ3=新潟・帝京長岡)

――この試合に向けて

前節1-6という結果で負けて、僕自身もそこに責任を感じていましたし、今週の初めの練習で監督からも1-6で負けたのは自分のせいだというふうに言われて、この1週間の取り組みで一瞬でも気の抜けたプレーがあったらお前を使わないと言われていました。僕個人だけではなく、3年生も呼ばれて、3年生が4年生をどう送り出すのか、3年生がやらなきゃいけないんだと。そういうこともあったので、今週の取り組みは今シーズンで一番やらないといけないなと思って、今まで以上に責任感を持って臨んだ1週間だったし、今日の試合でした。

――今日の試合で意識していたことは

今回は前節6失点したということもあってブロックを敷いて、失点をなしでいくというのがチームとしての一つの目標としてやっていました。まずは我慢して我慢して失点をしないということが一番でした。

――相手の1トップの選手は公式戦出場が2試合目で、なかなか情報もなかったと思いますが

そうですね。でも、身長がかなり高い選手ということで、だいたいターゲットになってくるんだろうなというのは思っていました。想定内というか、ある程度自分の中では考えていた部分でした。

――押し込まれる時間が長かったですが振り返って

試合の前からもああいうのは、自分たちが意図して押し込ませているというふうに考えて、そこからカウンター、いい形で奪って、出ていって、ワンチャンスをものにするというのが今日の試合のテーマだったので、押し込まれているから良くないというふうにはあんまり捉えていなかったです。

――序盤には見事なシュートブロックがありました。今日にかける思いを示すようなプレーだったのではないですか

あのピンチも自分がマークを外したりというのもあったんですけど、そういう中で失点ゼロというものに向けて体を絶対張ろうと思っていましたし、三笘のボールもだいたいここに来るかなというのはあったので、自分がクリアできてよかったです。

――前節の大敗から立ち直って今日の試合をゼロで抑えられた要因は

自分たちは守備の仕方を正反対に変えたというか、前節まではハイラインで背後のスペースがある中で対応していましたけど、今回はもう割り切って、ペナルティーエリアの前くらいで全員で構えてというような状況で、自分たちで1-6という結果から反省をして、どういうふうに次につなげるかというのをチーム全体で共有できたということが結果につながったかなと思います。

――自信にもなるゼロなのではないですか

ゼロで抑えられたことはそうなんですけど、個人的には勝ちたかったなというのが率直な意見というか、もちろんピンチもありましたけど、攻撃の質というか、カウンターも何本もあったので、決定的なシーンもあった中で決めきれなかったというのは反省点だし、ピンチをつくられたというのも反省点なので、そこはもう一回、突き詰めてやりたいと思います。

――今日の結果を生かすためにも、今後の試合は重要になると思いますが

そうですね。筑波戦に向けた1週間の取り組みというのをベースにしていかなければいけないと思うので、結果を出すために自分たちの弱点、ストロングを伸ばすであったり、そういうところに向き合ってやっていかないと、常に自分たちが変化して成長していかないといけないと思うので、現状維持というより変化を求めて、やっていきたいと思います。