関東大学リーグ戦(リーグ戦)第18節が行われ、3連敗中の8位・早大は10位に沈む専大と対戦した。試合は両チーム無得点で迎えた49分、GK後藤雅明(スポ4=東京・国学院久我山)が痛恨のキャッチミスを犯してしまい、先制を許してしまう。負けられない早大は、終盤にFW飯泉涼矢(スポ3=三菱養和SCユース)やDF熊本雄太(スポ3=東福岡)が決定機を迎えるものの、いずれも決め切れず。0-1で敗れ、またも厳しい現実を突き付けられる結果となった。
右サイドを果敢に駆け上がったDF新井純平主将(スポ4=浦和レッズユース)
両者共に上位浮上のきっかけをつかみたい一戦。先にチャンスをつくったのは早大だった。10分、FW中山雄希(スポ4=大宮アルディージャユース)がボックス内で左足を一閃(いっせん)。しかし、強烈なシュートは枠の上へと外れた。するとそれ以降は、専大がより多くの決定機を生み出す展開に。15分、ロングボールのこぼれ球を拾われシュートを打たれるが、ここは後藤が好セーブではじき出す。さらに29分にはディフェンスラインの裏を突かれ、ゴール前で一対一の大ピンチ。しかし、ここも後藤がファインセーブを見せ、なんとかしのぎ切った。前半はこのままスコアレスで終了。勝負の行方は後半へと委ねられた。
何としても勝利をつかみ、負の連鎖を断ち切りたいエンジイレブン。しかし49分、まさかのかたちで先制点を献上してしまう。相手のサイドバックがあげた高速クロスは後藤の正面へ。しかしこれをキャッチすることができず、こぼれ球を詰めていた相手FWに押し込まれてしまった。勝利のために攻め続けるしかなくなった早大はここからネジを巻き直し、前への圧力を高めていく。77分、自陣から細かくつないで最後は途中出場のMF蓮川雄大(スポ2=FC東京Uー18)がボックス内で右足を振り抜く。だが、ここは相手GKにセーブされた。続くチャンスは85分、相手のゴールキックを高い位置でカットし、最後は飯泉がループシュート。しかしこれも枠の上に外れ、追い付くことができない。89分には熊本がボックス内でヘディングシュートを放つが、これもキーパー正面。最後までゴールネットを揺らすことはできず、4連敗となってしまった。
この試合で先発復帰となったMF平澤俊輔(スポ4=JFAアカデミー福島)
いよいよ後がなくなってきた。19年ぶりの関東制覇から一転、誰もが予想だにしなかった『降格争い』。エンジイレブンは今、その渦中にいる。選手たちにとって、残された道は「とにかく勝ってはい上がるだけ」(中山)。リーグ戦はまだ4試合も残されている。立て直す時間も十分にあるだろう。だからこそ「4年生が中心となって、目の前にあるできることからやっていきたい」(平澤)という気持ちが大切になってくるはずだ。今季最大の正念場を乗り切ることができるのか。まずは次節、最下位・国士舘大相手にしっかりと勝利を収め、復活へのターニングポイントとしたい。
(記事 栗村智弘、写真 田中佑茉、篠原希沙)
下を向かず、前へ進もう
関東大学リーグ戦第18節 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 0 | 0-0 0-1 |
1 | 専大 |
【得点者】(専)49中山 |
早大メンバー | ||||
---|---|---|---|---|
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 後藤雅明 | スポ4 | 東京・国学院久我山 |
DF | 2 | ◎新井純平 | スポ4 | 浦和レッズユース |
DF | 3 | 熊本雄太 | スポ3 | 東福岡 |
DF | 5 | 鈴木準弥 | スポ3 | 清水エスパルスユース |
DF | 12 | 木下諒 | 社3 | JFAアカデミー福島 |
MF | 6 | 平澤俊輔 | スポ4 | JFAアカデミー福島 |
MF | →74分 | 蓮川雄大 | スポ2 | FC東京U-18 |
MF | 14 | 鈴木裕也 | スポ3 | 埼玉・武南 |
MF | 7 | 相馬勇紀 | スポ2 | 三菱養和SCユース |
MF | 8 | 秋山陽介 | スポ3 | 千葉・流通経大柏 |
FW | 9 | 中山雄希 | スポ4 | 大宮アルディージャユース |
FW | →65分 | 飯泉涼矢 | スポ3 | 三菱養和SCユース |
FW | 10 | 山内寛史 | 商4 | 東京・国学院久我山 |
◎はゲームキャプテン 監督 古賀聡(平4教卒=東京・早実) |
関東大学リーグ戦1部リーグ順位表 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 校名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失差 |
◎1 | 明大 | 45 | 18 | 14 | 3 | 1 | 42 | 15 | +27 |
2 | 日体大 | 30 | 18 | 9 | 3 | 6 | 27 | 27 | 0 |
3 | 筑波大 | 29 | 17 | 8 | 5 | 4 | 27 | 16 | +11 |
4 | 法大 | 27 | 17 | 8 | 3 | 6 | 24 | 18 | +6 |
5 | 順大 | 23 | 17 | 7 | 2 | 8 | 29 | 25 | +4 |
6 | 慶大 | 23 | 18 | 6 | 5 | 7 | 29 | 33 | -4 |
7 | 専大 | 21 | 18 | 5 | 6 | 7 | 24 | 30 | -6 |
8 | 駒大 | 21 | 18 | 6 | 3 | 9 | 23 | 30 | -7 |
9 | 桐蔭横浜大 | 20 | 18 | 5 | 5 | 8 | 24 | 26 | -2 |
10 | 早大 | 20 | 18 | 5 | 5 | 8 | 18 | 22 | -4 |
11 | 流通経大 | 19 | 17 | 5 | 4 | 8 | 21 | 25 | -4 |
12 | 国士舘大 | 17 | 18 | 5 | 2 | 11 | 19 | 40 | -21 |
※第18節暫定 ※今節の結果により明大の優勝が確定 ※下位2チームは2部自動降格 |
コメント
DF新井純平主将(スポ4=浦和レッズユース)
――4連敗となってしまいました。今のお気持ちをお聞かせください
降格への危機感を部員一人一人が持った中で、固い試合になりました。イージーなミスから失点してしまい、危機感があっても勝てないのが今の現状だと思います。目をそらしてはいけない現状だなと思います。
――前半をスコアレスで折り返したことを受け、ハーフタイムにチームでどのようなことを話しましたか
前半の良い流れのときと悪い流れのときをそれぞれ整理しました。良いときは相手の裏にボールを供給してそこに圧力をかけられていましたし、悪いときは全部近いところになっていたので、そこをもう一回整理して入りました。
――失点した後はね返せない現状が続いていますね
失点した後エネルギーが切れたわけではないですが、やっぱり最後にチャンスが転がってくる中で決め切れていない、それが全てだと思います。
――次は国士舘大戦になります。もう落とせないですね
もうやるしかない、やるしかないというか・・・。きょうの結果次第では自分たちが降格圏に入る、それはもう逃げられない現状なので、一人一人が積み上げていくその過程を大事にしてやっていくだけです。これで4連敗ですけど、あと4試合ある、すべて勝てばまだ可能性がある、自分たちはそこを目指すだけなので、そのターニングポイントにできるようしっかりやっていきたいです。
FW山内寛史副将(商4=東京・国学院久我山)
――本日は敗北となりました
下位で争ってる専修でしたし、絶対勝たなきゃいけない試合でした。前節(流通経大戦、●0-3)も負けていて、この東伏見で2連敗はありえないって話があった中で、1週間危機感を持ってやっていたんですけど、自分たちの力不足だったり、自分もですけど個人のところでミスがあったり、個人的な部分と、チームとして足りない部分があるので、またあしたから高めて次に向けてやっていきたいと思います。
――先週の流通経大戦からどの部分をを修正しようと1週間やってきましたか
3失点したということで、守備意識だったり、ポジショニング、ラインのところは話し合って高めたつもりです。それは多かれ少なかれ改善された部分はあったと思います。危ない部分はありましたけど最後守り切ったりだとか、崩されての失点ではなかったのでそこの改善はありました。ただ、点が取れない部分だったり、前で起点がつくれない部分に関してはFWの個人のところだったり、チームとしてどこに配球していくのかというところがまだまだできていないのかなと思います。
――なかなか点が取れない状況が続いています
個人として点を取らなきゃいけないですし、そこはぶらさずにやっていかなきゃいけません。誰かが取るっていうより自分が取らなきゃ勝てないと思うので、その部分を高めていきたいです。パフォーマンス的な部分が低すぎるというか、何もできていないのが現状なので、そこはしっかり向き合ってやっていきたいと思います。
――勝ち点が遠い状態が続いていますが、チームに足りないものは何だと思いますか
みんな危機感もってやってますし、真面目にひたむきにやっている中で、勇気を持った思い切りのあるプレーで試合を決める選手がいると思うので、それをまず出すっていうのと、それを4年が出させなきゃいけないというか、それを出せるだけのものを4年が背負って戦ってあげないと、下も思い切りプレーできないと思うので、そういのを意識してやっていきたいと思います。
――次は国士舘大との対戦になります
希望を見ている場合ではないというか、もう降格圏内なので。自分たちより下の相手に負けたら自分たちが降格しますし、後輩に降格は絶対に残しちゃいけないので、そこに向けてまず次の試合勝てるようにやっていきたいと思います。
FW中山雄希(スポ4=大宮アルディージャユース)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
チームとしてこの1週間危機感をもって練習に取り組んできたのですが、力を出し切れなかったです。本当に悔しいです。
--この1週間どういった取り組みをしてきましたか
このままの流れでいってはいけないということを再認識してやってきました。具体的なことはあまり変えてないですが意識の部分で全員で変えていこうという取り組みをしてきました。
――ここ最近得点力不足が課題ですが、中山選手自身は何が原因だと思っていますか
ただ単に自分の力不足だと思います。決めるチャンスが1回しかないのならその1回を決め切れる力をつけなければいけないと思いますし、単に自分の力不足だと感じています。
――これで4連敗ということで厳しい現状があると思いますがどう捉えていますか
厳しい現状ですけどチーム全員諦めてないですし勝ってはい上がるだけだと思うので、強い気持ちをもってこれからの過ごし方を考えていきたいと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
勝つだけなので、これからの過ごし方をもう一度見直してやっていきたいです。
MF平澤俊輔(スポ4=JFAアカデミー福島)
――きょうの試合はいかがでしたか
絶対に勝たなければいけない試合で負けてしまったということは、きょう久しぶりに出た自分の責任というか、役割を果たすことができなかったと思うんで、本当に悔しい気持ちです。
――久々の公式戦出場となりましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
もっと攻守において自分がやらなければいけないことはあったと思いますし、もっとできることがあった中でそれに自分自身が向き合えていなかったのかなと。失点のシーンにしても、もっと自分がカバーできたと思いますし、とにかく自分のプレーには満足してはいないですね。
――率直に敗因は何だと思いますか
自分たちにもチャンスはあったわけで、そういうところで決め切れなくて、決めるという気持ちの部分で相手との差が出たのかなと思っています。相手の得点シーンも、相手のFWがゴール前までしっかりと詰めてきていたから生まれたゴールだったわけで、絶対に1点をもぎ取るっていう執念があのプレーにすごく感じられて、じゃあ逆に自分たちはどうだったかっていうと、そういう気持ちが足りなかったと思いますし、そこの差だと思います。
――4連敗で降格争いも現実味を帯びてきましたが、ここからどういった戦いをしていきたいですか
この現状から逃げてはいけないですし、自分たちが降格争いというものにしっかり向き合っていくメンタル面もそうですけど、とにかくそこに対して戦う気持ちを見せられるような取り組みをしていきたいです。
――最後に次戦の国士館大戦に向けて意気込みをお願いします
ワセダも国士も降格争いの中での戦いになりますけど、相手は絶対戦う姿勢を見せてきますし、自分たちも4年生が中心となって、戦うための準備を、目の前にあるできることからこの一週間でやっていきたいと思います。
MF秋山陽介(スポ3=千葉・流通経大柏)
――きょうの試合を振り返って
全員がこの試合に向けての危機感を先週、今週とずっと高め続けてきました。試合にも全員が良い集中で臨めていた中で、勝ち切れなくて負けてしまって。今の自分たち状況は苦しくなってしまったんですけど、次の試合に向けてまた前を向いていかないといけないので、一人一人がやるべきことをやって勝てるようにやっていきたいです。
――この1週間はチームとしてどのように練習に取り組んできましたか
一人一人がもう一度自分たちの強みっていうところに立ち返って、何をやらなければいけないのかっていうのを一人一人が考えながら練習に取り組んで、良い危機感を持つようにやっていました。
――個人としては現状をどのように捉えていますか
個人としては、チーム状況がすごく良くない中で自分がなんとかしてチームを勝たせるプレーっていうのをもっと増やして、絶対にチームを助けられる存在にならないといけないなと思いました。
――サイドから崩される場面が多々ありましたが、左サイドの守備面はいかがでしたか
自分たち左サイド、自分も木下(DF木下諒、社3=JFAアカデミー福島)も高さがないところで高さの部分を狙われて、相手がロングボールに多く対応してきました。そこに対してもしっかり二人で連携して守れるようにやっていかないといけないと思います。
――今後に向けて意気込みをお願いします
これ以上試合落とせないので、ここからずっと勝てるように、もう一度来週から危機感を高めて練習に取り組んでいきたいと思います。
DF木下諒(社3=JFAアカデミー福島)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
3連敗している中で、現実的に降格が迫ってきている。そして1つ勝てばインカレ(全日本大学選手権)も出場圏内を狙えるという立ち位置の中での試合で、前向きに自分たち戦ったんですが、結果負けてしまって。弱さが明確になった試合だったなと思います。
――この1週間どのような気持ちで練習していましたか
自分たちを信じてやるっていうこと、まだ上も十分狙える位置にはいるので。今週のトレーニングはかなりみんな危機感を持ってやっていたと思うし、自分たちがやるべきことをしっかり確認できて、良いトレーニングができたなと思っていたんですが。きょう、もっとそういったエネルギーをぶつけられればよかったんですけど。2週連続東伏見で負けてしまって本当に悔しいです。
――相手のサイドがかなり足が速いという印象でした
相手はサイドハーフがあまり守備には回らずに前で張っていて、そこからショートカウンターを狙ってくるというスカウティングでした。右サイドがとても足の速い選手で、そこに対する一対一の対応であったり、前半1本やられましたけど、あのような守備の隙があってはなかなか勝てないのかなって思います。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
降格が迫っている中で、ネガティヴになりがちですけど1つ勝てばインカレも狙える位置にはいるので、負のエネルギーだけではなくて自分達の中から出てくる欲望だったりとか純粋に勝ちたいという思いだったりとかそういったことを表現して戦うしかないと思っています。きょうの反省をしっかりして、スカウティングもして、自信を持って試合に臨みたいと思います。
MF相馬勇紀(スポ2=三菱養和SCユース)
――この一週間、チームとしてどのようなことを取り組んできましたか
球際であったり、戦う姿勢で負けないようにと言って、一週間トレーニングとしては本当に意識を高くして取り組めたかなと思います。
――個人としてはいかがですか
前節失点に絡んでしまって、得点には絡めなかったので、ゴールを取るという意識を持って練習していました。
――試合を終えた率直な感想をお願いします
固い試合をして勝ち切れなくて、自分たちは単純に弱いなと思います。
――内容を振り返っていかがですか
前半の入りは良くて、最後しっかり全員で体張りながら良い感じでできたのですが、失点をきっかけに最後点取るチャンスがあったのにも関わらず取れず、自分もCKとかFKがうまくできなかったのが勝てなかった要因かなと思います。
――セットプレーから得点につなげることができませんでした
自分の精度のミスです。
――次戦に向けた意気込みをお願いします
本当に後がないので、一週間より一日一日を濃い日にして、なんとしても勝てるように頑張ります。