第5節(法大戦、△0-0)、第6節(専大戦、●0-2)で無得点となり、2試合連続で勝ち星を挙げられていない早大。前節欠場していたDF熊本雄太(スポ3=東福岡)の復帰で守備の体制を整え、今季好調の桐蔭横浜大との対戦に臨んだ。MF相馬勇紀(スポ2=三菱養和SCユース)を先発起用し攻撃面での活性化を図るものの、開始早々先制点を奪われ、後半には2失点目を許す。その後は反撃に転じ2点差を追い付くも、勝ち越すことはできず。2-2の引き分けに終わった。
強い向かい風の影響もあったのだろう。前半のうちに先制点を獲得したい早大だったが、立ち上がりは完全に相手ペースで試合が展開されていく。9分、相手から放たれたロングボールをGK後藤雅明(スポ4=東京・国学院久我山)が弾くが、こぼれ球を押し込まれ先制点を奪われてしまう。その後は徐々に敵陣に侵入し、好機を演出するも、今季課題の決定力不足が今節でも露呈。得点に結び付けることができずに前半を終えた。
反撃の口火を切ったFW中山雄希(スポ4=大宮アルディージャユース)
何としてでも1点を返したい後半であったが62分、相手に2点目を献上してしまう。しかしその直後、早大も動きを見せ始める。DF新井純平主将(スポ4=浦和レッズユース)のロングフィードに相馬が抜け出し、中山へとつなぐ。すると中山が反転シュートを決め、待望の1点目を手にした。77分には、途中出場の2人が活躍を見せる。MF鈴木裕也(スポ3=埼玉・武南)が右サイドで粘りを見せ、PA内に侵入。グラウンダーのクロスを投入直後のFW柳沢拓弥(社3=清水エスパルスユース)が蹴り込み、ついに試合は振り出しに。だがその後は、セットプレーのチャンスが何度も到来するが、相手の好守に阻まれ追加点は挙げられず。またしても白星を得ることができなかった。
同点弾を喜ぶ柳沢(左)と鈴木裕
望んでいた勝ち点3を手にすることはできなかった。それでも、前節には見られなかった後半での追い上げ、2点ビハインドの状況から同点にまで持ち込んだことは収穫となったであろう。「そこはポジティブに捉えられるが、勝ち切れなかったことは重く受け止めなければいけない」(新井主将)。次節は駒大戦。確実に勝利をつかみ、その後に控える上位校との対戦に良い流れをつくりたいところだ。関東大学リーグ戦連覇を果たすためには、ここから先の試合を落とすことは決して許されない。
(記事 中村ちひろ 写真 橘高安津子)
スターティングメンバー
関東大学リーグ戦第7節 | ||||
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早大 | 2 | 0-1 2-1 |
2 | 桐蔭横浜大 |
【得点者】(早)67中山,77柳沢(桐)9佐藤,62石川 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 後藤雅明 | スポ4 | 東京・国学院久我山 |
DF | 2 | ◎新井純平 | スポ4 | 浦和レッズユース |
DF | 3 | 熊本雄太 | スポ3 | 東福岡 |
DF | 4 | 飯泉涼矢 | スポ3 | 三菱養和SCユース |
DF | 12 | 木下諒 | 社3 | JFAアカデミー福島 |
MF | 6 | 平澤俊輔 | スポ4 | JFAアカデミー福島 |
→73min. | 14 | 鈴木裕也 | スポ3 | 埼玉・武南 |
MF | 11 | 小林大地 | スポ4 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 7 | 相馬勇紀 | スポ2 | 三菱養和SCユース |
MF | 8 | 秋山陽介 | スポ3 | 千葉・流通経大柏 |
FW | 9 | 中山雄希 | スポ4 | 大宮アルディージャユース |
→90min. | 34 | 直江健太郎 | 商2 | 東京・早実 |
FW | 17 | 岡田優希 | スポ2 | 川崎フロンターレU-18 |
→76min. | 18 | 柳沢拓弥 | 社3 | 清水エスパルスユース |
◎はゲームキャプテン 監督 古賀聡(平4教卒=東京・早実) |
関東大学リーグ戦1部リーグ順位表 | |||||||||
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順位 | 校名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失差 |
1 | 桐蔭横浜大 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 10 | 7 | +3 |
2 | 早大 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 8 | 6 | +2 |
3 | 筑波大 | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 13 | 7 | +6 |
4 | 明大 | 11 | 6 | 3 | 2 | 1 | 11 | 6 | +5 |
5 | 法大 | 10 | 6 | 3 | 1 | 2 | 6 | 3 | +3 |
6 | 順大 | 10 | 6 | 3 | 1 | 2 | 10 | 11 | -1 |
7 | 流通経大 | 10 | 7 | 3 | 1 | 3 | 5 | 9 | -4 |
8 | 駒大 | 8 | 6 | 2 | 2 | 2 | 8 | 6 | +2 |
9 | 専大 | 7 | 6 | 2 | 1 | 3 | 10 | 11 | -1 |
10 | 日体大 | 7 | 7 | 2 | 1 | 4 | 5 | 9 | -4 |
11 | 慶大 | 6 | 6 | 2 | 0 | 4 | 8 | 12 | -4 |
12 | 国士舘大 | 4 | 7 | 1 | 1 | 5 | 6 | 13 | -7 |
※第7節暫定※下位2チームは2部自動降格 |
コメント
DF新井純平主将(スポ4=浦和レッズユース)
――この結果をどのように受け止めていますか
勝ち点を落とし続けている中で、痛い引き分けだなというのが自分の中で強いです。
――前節(専大戦、⚫︎0-2)に引き続き、2点ビハインドという状況になってしまいました
先制されて自分たちが勝ち切ることができないという現状は何も変わってないです。失点シーンを振り返ってみても、速い勝負をされてやられてしまっているというのはこの前の専修戦から何も変わってないということに対して自分たちの課題意識の薄さが顕著に表れた試合だったと思います。入りを徹底している中で、きょうも失点してしまっているのはトレーニングからの意識の薄さ、(意識していることを)試合に出せていない現状があるからです。トレーニングのところを試合に出せなきゃ意味ないですし、ここで勝つために日々積み上げてる中で試合で出せていないことにもう一回向き合ってやっていかなければいけないと思います。
――1失点目の場面は浮き足立ってしまったのでしょうか
結果としてそうなってしまったという捉え方をしなきゃいけないです。一人一人が自分に矢印向けて、「なんで入りがこうなってしまうのか」であったり、「どうやったら修正できるのか」を考えていないからこういったかたちが何回も生まれてしまうのだと思います。そういった部分で一人一人が考えなきゃいけない試合でした。
――相馬選手の先発起用はチームとして最初から前に勝負するという意図だったのでしょうか
そうですね。両サイドから厚みを加えることを意識した中で、仕掛ける、勝負していく、そのクロスに対して中で得点を奪うという共通認識で入りました。
――前節から改善したポイントとして、今節は追い付くことができました
そこはポジティブに捉えられるというか、前節は追い返せず何もなく終わってしまったところから、ゴールを奪いにいく姿勢や「勝たなきゃいけない、前に行かなきゃいけない」という姿勢がチームの中で見られたのは良かったことだと思います。でも勝ち切れていないことを重く受け止めなきゃいけないですし、求められているのは勝ちだけで、引き分けで勝ち点が1プラスされても何も意味がないと思います。これから上位争いがある中で、ここからは本当に勝ちしかない状況なので、きょうの引き分けを無駄にしちゃいけないと思います。
――交代出場の選手が結果を残してくれました
交代で入ってきた選手がエネルギーを出して結果に結び付けてくれたと思います。いままで課題であった途中出場の選手が仕事ができないことに対して、今回彼らが結果を出してくれたのはチームにとってプラスです。そういった選手が出てこない限り底上げにはつながっていかないと思います。
――次節に向けて意気込みをお願いします
駒沢は空中戦を得意にしているチームですし、これから一日一日の積み上げや、一人一人の課題意識が大事になってくると思います。次勝たないと前期優勝はないので、チーム全体として次の勝利への方向に向いて進めるかが本当に大事になってきます。自分からチームを一つの方向に向かせる働き掛けをして、緊張感を持ってやっていきたいです。
FW中山雄希(スポ4=大宮アルディージャユース)
――2点ビハインドの状態から追い上げを見せました。そのことについてはどう捉えていますか
自分たちは負けも引き分けも許されない状況だったので、全員諦めない気持ちというのを前節の専修戦よりもアグレッシブに戦えたかなと、それが2点取れたことにつながったと思うのですが、勝ち切れなかったということはまだまだ自分たちは弱いチームだったんだなと率直に感じます。
――得点力不足の現状についてはどうお考えですか
自分が決めていないからこそだと思いますし、それも含めてまだまだ攻撃のバリエーションが少ないというのも現状だと思うので、そこも意識しながらトレーニングをしていかないといけないというのは思います。
――そんな中きょうは1得点目を決められていました
あれは本当に相馬の得点だと思いますし、あそこでパスを出して流し込むだけだったので、あの得点に関しては相馬に感謝したいと思っています。
――中山選手にとって第2節以来のゴールとなりました
ここ何試合か全く点が決められなくて、チームに本当に迷惑を掛けていたので、得点というかたちができたことはうれしいとは思っています。ただ、チームの勝利にはつながるゴールを決めることができていなかったので、その点に関しては悔しい気持ちでいっぱいです。
――途中出場となった柳沢選手の活躍をどうご覧になりますか
今週のトレーニングを通して拓弥自身高いパフォーマンスを示し続けてきたからこそきょうのような得点が生まれたと思います。トレーニング=ゲームというか、トレーニングで高いパフォーマンスを目指していれば監督(古賀聡監督、平4教卒=東京・早実)も使ってくれるでしょうし、それが公式戦でも高いパフォーマンスを出すことにつながると思うので、同点ゴールというものはすごく大きなものだったと思うし、拓弥自身も本当に大きな一点になったと思うので、良かったなと自分自身もうれしく思います。
――次節に向けての意気込みをお願いします
これ以上引き分けも負けも許されない状況の中で、きょうからだったりあすからのトレーニングというのは本当に重要になってくると思うので、自分たちの課題に本気で向き合って良い準備をしていきたいと思います。
MF鈴木裕也(スポ3=埼玉・武南)
――今シーズン初出場でしたが試合を振り返っていかがですか
昨年末からずっとケガをしていて1カ月前に復帰してきょうが初めての公式戦ということだったんですけど、負けている状態だったのでとりあえず点を取りにいこうと思っていました。得点に絡むようなアシストができて結果的には良かったのですが、もう1点逆転につながるようなプレーができれば良かったと思うので、まだまだ課題が残るかなと思います。
――2点ビハインドの状態をベンチから見ていていかがでしたか
完全に崩されてしまったというわけではなかったんですけど、自分たちの一瞬の気の緩みから失点してしまったと思います。そういったことがないように練習してきたんですけど、こういった結果になってしまったので、まだまだトレーニングの面で甘さがあるなと感じました。
――交代の際にはどのような指示がありましたか
個人で打開して得点に絡めということを強く言われて、負けていたので守備というよりは攻撃の面でどんどん自分の強みを出していこうと思いました。
――2点目のアシストの場面を振り返って
サイドで一人突破して、最後は冷静に股抜きでパスを出して、それを拓弥が決めてくれたので良かったと思います。
――途中交代で入ってこのような結果を残せたということについてはいかがでしょうか
自分が目標にしているのは途中交代で出ることではなくてスタメンで出ることなので、きょうのアシストがその第一歩になると思います。これからもゴールやアシストでチームに貢献することで結果を出し続けていきたいです。
――3年目のシーズンになりますが、どのような気持ちで臨んでいますか
1、2年生のときはほとんど途中交代だったので、ことしはコンスタントにスタメンで出続けられるように頑張りたいと思います。
――次節への意気込みをお願いします
なかなか勝てていないという状況なので、いまある課題をチーム全体で見つめ直して、来週に向けて一丸となって頑張っていきたいと思います。
FW柳沢拓弥(社3=清水エスパルスユース)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
きょうは上位対決ということで絶対に勝たなきゃいけない試合だったのですが、自分たちのパフォーマンスが悪くて相手に2失点を許してしまいました。でも最後は追い付くことができたので、その点では良かったと思います。
――交代後のファーストタッチがゴールになりましたが
鈴木(裕)がサイドを突破してくれると信じて待っていたら、良いボールが来たので良かったです。アシストしてくれた選手のおかげかなと思います。
――チームにとっては貴重な同点ゴールになりましたが
正直きょうは勝たなければいけない試合だったので、1点決められたことはうれしかったんですけど、決勝点までいけなかったことに関してはまだまだ足りないかなと思います。
――交代時にはベンチからどのような指示がありましたか
攻守にわたって走り回れということを言われました。
――チームも得点力の部分で苦しんでいますが、そのことに関してはいかがですか
得点という部分ではまだまだ足りないので、もっとFW陣が努力していかないといけないなと思います。ヒロくん(FW山内寛史副将、商4=東京・国学院久我山)もケガでいないので、日々の練習からFW陣の努力が大事になってくると思います。
――次節への意気込みをお願いします
次の試合も上位対決ということで絶対に負けられないので、最後まで強い気持ちを持って臨みたいと思います。
MF相馬勇紀(スポ2=三菱養和SCユース)
――きょうは先発出場となりましたがチームにどのような思惑があったのでしょうか
前節と前々節(法大戦、△0-0)で得点が0で、特に前節は前半でシュートが1本だったということで、自分の長所である攻撃の面を活性化させるために使われたと思います。
――ご自身はそのことについてどのように捉えていましたか
自分も前半から先に取りにいくという意図を感じて、前半から積極的に仕掛けていく意識を持ってやりました。
――監督から何か言葉を掛けられましたか
「90分持たなくてもいいから、行ける限り行ってこい」ということを言われました。
――2点ビハインドの状態から追い上げを見せました。その点についてはどう捉えていますか
自分は攻撃の活性化として、最初から使われていたので、使ってもらった分、個人としての結果を出したかったので、1点目のアシストでチームの勢いに乗れるようなことは良かったと思います。
――冷静に中の中山選手を見ているように感じました
最初に横から入っていったのでキーパーが見にくいというのはありましたが、ちょうど中山くんが入っているのが見えました。相手キーパー(田中雄大)は選抜で一緒にやっていて、一対一が得意ということは覚えていたので、あとは(中山が)決めてくれると信じてパスを出しました。
――きょうの試合の一番の反省点はどこにあるとお考えですか
先制点を取られたことだと思います。やっぱり時間帯も前半の一番取られてはいけない時間帯で失点したので、そこを改善しなければいけないと思いました。
――次節に向けての意気込みをお願いします
運が良いことに、いま上位にあるチームとこれから試合ができるということで、そのチームとの直接対決で勝って前半戦を首位で終えられるようにがんばっていきたいと思います。