勝てば天皇杯本戦への出場が決まる重要な一戦。エンジイレブンはJ3に所属するFC町田ゼルビアと対戦した。前半は人数をかけ押し込んでくる相手に対して、全員が落ち着いて対応し、相手に決定機を与えずうまく試合を進める。だが37分に献上したPKを決められてしまい、1点ビハインドでハーフタイムを迎えることに。後半は徐々にボールを敵陣で回せるようになると、67分に右サイドからの低いクロスをFW山内寛史(商3=東京・国学院久我山)が冷静に決めスコアを振り出しに戻す。その後もゲームの主導権を握り続け、試合を優位に進めるワセダだったが、アディショナルタイム直前のFKから痛恨の勝ち越し点を許してしまう。試合はそのまま1-2で終了。勝利を手にするチャンスは十分にあっただけに、何とも悔いの残る試合となってしまった。
途中交代で流れを変えた相馬
序盤から積極的に攻め込んでくる相手に対し、ワセダはDF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)とDF奥山政幸副将(スポ4=名古屋グランパスU―18)を中心とした堅い守りで相手攻撃陣に仕事をさせない。強固なブロックをつくって中盤でボールをうまく奪取し、サイドを起点としたカウンターで先制点を奪いに行く。しかし、前半37分、MF平澤俊輔(スポ3=JFAアカデミー福島)がエリア内で痛恨のハンドを犯してしまうと、これにより得たPKを決められ、先制点を許してしまう。前半を通じて集中したディフェンスを維持できていただけに、ワセダにとっては不運なかたちでの失点となった。
肩を落とす選手たち
0-1で迎えた後半、なかなか相手ゴールを脅かすことができずにいたワセダは、61分にMF相馬勇紀(スポ1=三菱養和SCユース)を投入。するとこの交代をきっかけに攻撃が一気に活性化し、相手ゴールに迫る回数を増やしていく。そして67分には同点ゴールをもぎ取ることに成功する。左サイドを突破したMF堀田稜(商4=浦和レッズユース)のクロスが逆サイドまで流れると、ボールを拾った相馬が再びグラウンダーのクロス。これを山内がゴール上隅に叩き込んだ。その後も相手陣内でうまくパスをつなぎ、何度も決定的なチャンスを得たワセダだったが、相手GKのファインセーブもあって勝ち越すことができない。すると試合終了間際の88分に悪夢が待っていた。右からのFKのこぼれ球を巡ってエリア内で混戦となり、最後は相手に押し込まれてしまう。結局これが決勝点となり、最終スコア1-2での惜敗。内容では相手を勝っていた面もあったが、最後の最後で踏ん張り切れなかった。
「勝負所で失点してしまったことがすべて」(金澤主将)。試合後、選手たちは落胆の表情を隠せずにいた。2点とも完全に崩されての失点ではなかっただけに、選手たちにとっては非常に悔いの残る試合となってしまった。だがプロチーム相手にも臆することなく、積極的な攻守を展開し、自分たちのサッカーを披露することはできた。この経験がチームをより強く、たくましくしてくれることは言うまでもないだろう。この状態を維持すれば、関東大学リーグ戦優勝も、決して遠い目標ではないはずだ。
(記事 栗村智弘、写真 渡部歩美)
スターティングメンバー
天皇杯東京都予選決勝 | ||||
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早大 | 1 | 0-1 1-1 |
2 | FC町田ゼルビア |
【得点者】(早)67山内、(町)40鈴木、88遠藤 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 後藤雅明 | スポ3 | 東京・国学院久我山 |
DF | 2 | 新井純平 | スポ3 | 浦和レッズユース |
DF | 3 | 奥山政幸 | スポ4 | 名古屋グランパスU-18 |
DF | ◎4 | 金澤拓真 | スポ4 | 横浜F・マリノスユース |
DF | 12 | 八角大智 | 社4 | 千葉・流通経大柏 |
MF | 6 | 平澤俊輔 | スポ3 | JFAアカデミー福島 |
MF | 14 | 小林大地 | スポ3 | 千葉・流通経大柏 | MF | 7 | 田中太郎 | 商4 | 静岡・藤枝東 |
MF | →61分 | 相馬勇紀 | スポ1 | 三菱養和SCユース |
MF | 8 | 堀田稜 | 商4 | 浦和レッズユース |
FW | 9 | 宮本拓弥 | スポ4 | 千葉・流通経大柏 |
FW | 10 | 山内寛史 | 商3 | 東京・国学院久我山 |
◎はゲームキャプテン 監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実) |
コメント
DF金澤拓真主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)
――天皇杯本選出場をあと一歩のところで逃してしまいました。いまの率直なお気持ちは
勝てなかったことがすべてかなと思います。タイトルが懸かった試合でしたし、内容よりも結果が必要だったかなと。内容良くて負けるよりは、内容悪くても勝たなくてはいけなかった試合だと思うので、負けてしまったことがやはりすべてだと思います。
――前半から後半の出だしまでなかなかペースをつかめない展開が続きましたが
FC町田ゼルビアがうまい相手だとは分かっていましたし、そういった意味ではある程度ボールを持たれたりする時間があることは予測していました。なので焦りは無かったですし、ビハインドになることも自分たちの想定内だったんですけど、やはり後半決められなかったことや勝負所で失点してしまったことがすべてですね。
――相手も体の使い方がうまくなかなかボールをキープできなかった印象もありますが
大学生には無い特徴もありました。ただ逆に大学生ならではの強みというか、ハードワークや運動量といったところで上回れた部分はあったので、新たな経験ができたと共に自分たちの強みは上のステージでも通用するのかなとは感じました。
――MF相馬勇紀(スポ1=三菱養和SCユース)選手の投入から流れがワセダに傾いたように思いましたが
彼も夏前くらいかトレーニングやトレーニングマッチで自分の能力を発揮して、特に8月中に信頼を得てああやって公式戦に出られるまでの地位を獲得しました。そういった意味ではすごく頼もしいなと。下の学年であれだけ突き上げてくれればチームにもプラスになると思うので、ああいった存在が今後どれだけ出てくるのかが試合の勝敗にも関わると思います。
――途中交代の意図は
攻撃の活性化だと思います。推進力のある選手ですし、個人の力でサイドを突破できる選手なので、得点を取るための起用だったのだと思います。
――前期からの課題でもある追加点を奪えないことがこの試合でも出てしまったという印象ですが
そうですね。2点目を取れないっていうのは前期からの課題ですし、やはり勝負所はそういうところだと思います。決め切るところで決め切ることや、守るべきところで守り切れるかですし、FC町田ゼルビアは守るべきところで守って逆に最後のセットプレーを乗り切ったっていうところで、勝負所の質やパワーが一枚上手だったのかなと思います。
――最後は苦手とするセットプレーからの失点となってしまいましたが、振り返っていかがですか
スカウティングのところでもセットプレーを強みにしているという共通認識があったのですが、振り返ってみればPKとFKとセットプレーから2失点しているわけで。まだまだ自分たちの弱みであり、これからも向き合い続けていかないといけないなと思います。
――この夏を振り返って、総理大臣杯の出場を逃したことによる経験値不足といったことを感じることはありますか
実際(総理大臣杯に)出たチームとどれだけの差があるのかはまだ分からないですけど、総理大臣杯に出て厳しい戦いを勝ち抜いてきた人たちもそうですし、順大や桐蔭横浜大は(総理大臣杯に)出ていなくても天皇杯本選出場を決めているわけで、そういった意味では自分たちの位置はかなり下なのかなと。関東の12校の中での自分たちの立ち位置ってのは、まだまだ下にあるんじゃないかなと感じます。残り2週間になりますけどどれだけチームの中で危機感を持って取り組めるかが大事だと思うので、そこを改めて実感させられた大会だったかなと思います。
――関東大学リーグ戦後期まで残りわずかとなりましたが、今大会での収穫とこれからに向けて修正していきたい点はどういったところでしょうか
収穫としてはチームの方向性がこの天皇杯東京都予選を通じて見えたと思うので、そこにこれからどれだけ個の質を伴わせるかだと思います。もう一度個人のところに焦点を当てて、個人のスキルだったりを磨いていきたいなと思います。
DF奥山政幸副将(スポ4=名古屋グランパスU―18)
――とても惜しい試合となりましたが率直な感想は
いままでの自分たちを振り返っても、かなり良いゲームだったと素直に思いますが、そういう中で、やはり勝てなかったというのがいまの自分たちの力を表していると思います。みんなが勝たなければいけない試合だったと思っていると思うので、後悔が強く残っています。
――プロを相手にしての試合だったがどのように臨みましたか
相手がプロということでもちろんモチベーションも高かったですが、自分たちのやることは、どのような相手であっても変わりないですし、相手に合わせてやるサッカーをしているわけではないので自分たちらしさを出して、前半の立ち上がりから動いてリズムをつくっていこうということを考えてやっていました。
――試合を振り返っていかがですか
やはり相手のうまさとかレベルの高さを感じましたが、そこでしっかりと全員で声を掛け合って、ディフェンスラインだけでなく、前線の選手からの守備の意識があったからこそしのげたと思います。それがしのげたからこそ、後半自分たちのペースに持っていけたと思うので、そういう意味では、前線の選手のハードワークというのはすばらしいものだったと思います。
――きょうの失点については
1失点目のPKについてはしょうがないことだと思いますし、大して気にすることはないと思います。2失点目に関しては、警戒していたセットプレーからの流れだったので、自分もふたつ目のところをつぶし切ることができませんでしたし、だからこそ最後のボールが相手の前にこぼれて、あれだけいいシュートを決められたことにつながったと思います。やはり、セットプレーはこれから自分たちが勝っていく上で弱みにしてはいけないところだと思うので、しっかりと改善していきたいと思います。
――今後のリーグ戦に向けて
天皇杯が終わってしまって、残されたのはリーグ戦だけだと思うので、きょうの戦いで自信も持てたと思いますし、逆にやることがはっきりしたというか、明確にリーグ優勝だけを目指せる状況になったというふうに考えるしかないと思うので、その目標に向けて、Aテーム、Bチーム関係なくチーム一丸となって戦っていきたいと思います。
DF八角大智(社4=千葉・流通経大柏)
――率直にいまのお気持ちは
勝てなかったことが全てで、リーグ戦でもどんなにいい試合しても勝てなくては意味が無いので勝ちにこだわっていたのですが、結果を残せずに終わったいま、まだまだ力不足だと感じています。
――決勝戦のピッチに立った時、何を感じましたか
公式戦で決勝に進むことはとても貴重な経験なので、すごい幸せなことだと感じました。
――守備面でのプレーを振り返っていかがですか
リーグ戦でもそのような攻撃はされるのであまり変わらないかなという印象でしたが、互角以上の戦いだったと思うので勝てなかったことが何より悔しいです。
――後半開始前に、選手が円陣になって話している中、八角選手はそこから外れていましたがどんなことを考えていたのですか
1点ビハインドで後半を迎えたので、勝つためには自分自身がどのようなプレーをしたら良いのか、ということを考えていました。
――後半に入ってから八角選手自身もシュートチャンスをつくり出していましたが、攻撃参加の面に関してはいかがでしたか
前々から言っているように、自分のプレーが点に結びついて勝てたらいいと思うので、積極的に上がることは意識していました。しかし、結局点に結びついていないので決して満足できないというのが現状です。この悔しさをリーグ戦につなげていきたいと思います。
――2点目の失点シーンを振り返って
あのシーンでファウルをおかしてしまったのは自分だったので、ふがいなさを感じます。ファウルをしないように意識してきた中で笛を鳴らされてしまって、身長高い選手を揃える相手に、セットプレーを与えてしまったので後半の最後の時間帯で守り切れなかったというのは自分たちの守備の甘さや集中力不足を感じました。ああいう時間帯での失点というのはしてはならないことなので、これをしっかり反省して次につなげていきたいです。
――ことしの天皇杯予選が終わりましたが、今季の今大会を振り返って成長した点や伸ばしていきたい技術というのは
自分自身、積極的に攻撃参加して点に結びつけるために前に上がることは意識してきましたがまだまだ結果に結びつけていないという現状があるので、そこは真摯(しんし)に向き合って残りのシーズンで改善していきたいです。自分のプレーが勝ちにつながるような選手になりたいです。
――次は後期のリーグ戦となりますが、そちらに向けての意気込みをお願いします
スタートの戦いとなる専大戦や明大戦で勝つことができなければリーグ戦優勝はないと思っているので、専大戦でしっかり勝ちを残すために最高のかたちで試合に臨みたいと思います。
MF堀田稜(商4=浦和レッズユース)
――試合後の率直な感想をお願いします
東京都サッカートーナメントということですけれど、勝って優勝しなければ何も評価されない、何も残らないという心持ちで、きょうは勝利だけを目指して戦ったのですが、結局1-2で敗れているというのがすべてだと思うので、良い部分も悪い部分もありましたけれども、負けてしまったということがすべてかなと思います。
――勝てば天皇杯の本戦出場が決まるというゲームだったと思うのですが、そのあたりで普段とは違うなと感じた点はありましたか
何か別のことをやろうということはなかったのですが、この夏にこだわってやってきたことをどんどん挑んで出していこうと全員で意識していました。他大のみなさんがすごく緊張感のある試合を積んでいる中で、自分たちも天皇杯出場を勝ち取って成長できる場を自分たちでつかんでいこうということで挑みました。
――敗因はどのようなことが考えられますか
サッカーの本質という部分で率直にチャンスを決め切れなかったこと、ゴール前で相手のシュートコースに入って阻止できなかったことだと思います。自分たちでボールを奪ってもフィニッシュまで持っていけなかったことも勝てなかった理由だと思います。
――チャンスを生かせない場面も多かったように思います
シーンを一つ一つ切ってみると、ボールを奪って早くゴールに迫って相手が守備の体制を整える前にシュートまでいけたシーンもありましたし、クロスからの攻撃もありましたし、三大得点源と言ってクロス、カウンター、セットプレーという3つをこだわってやってきたのですが、自分たちがそこで得点できなかった、逆に相手はPKも含めて得点を挙げていて、自分たちが求めていることができていたのでそこで負けてしまったのかなと思います。
――Jリーグのチームが相手でしたが
基礎的な技術やフィジカルの部分で強いなと感じるところはありましたが、そこまで大きな差は感じなかったというか、自分たちでも戦えるんだと感じるシーンは多々ありました。ただ、その中でセットプレーであるだとか、決め切る強さだとかは、やはりプロの持っている部分なのかなとすごく感じました。
――リーグ戦へ向けて
自分たちがいちばん欲しいタイトルというのが関東リーグ優勝ということで、ここで天皇杯本戦出場を逃したので、この敗戦をより意味のあるものにしなければいけないと思いますし、そういう意味でリーグ戦を勝ち取るためには何が必要なのかということをもう一度チームの中で考えて、より強さに磨きをかけてやっていくことができればいいかなと思います。それ以外に優勝への道はないと思うので、ワセダらしさをとことん追求して、優勝を勝ち取れるように頑張っていきます。個人的には優勝に付随することなのですが、自分が関東リーグでベストイレブンに選ばれることが目標としてあります。ベストイレブンに入るくらいの活躍ができればおのずと優勝も見えてくるのではないかと思っています。
FW宮本拓弥(スポ4=千葉・流通経大柏)
――悔しい試合となりましたが、率直な感想を
率直に、自分たちは勝とうとしていて、この試合をものにしたかったんですが、負けてしまったのでしょうがないかなと思います。
――前の試合では社会人チーム、この試合ではプロのチームとの対戦でしたがどのようなことを意識しましたか
プロ相手ということで自分たちはチャレンジャーとして挑みましたが、皆堂々とプレーしていたんじゃないかと思います。
――前半、相手CBに思うようなプレーをさせてもらえてない場面が多かったですが
そんなに僕はそんな風には感じていなくて、相手があのようなプレーをしてきた中で、空中戦などで勝負をしていたので、その点に関してはしょうがないかなという感じですが、そんなに自分のプレーができなかったとは思っていないです。
――後半はどのような意識をしてプレーを
シュートの意識は持って、隙あらばシュートを打とうと思ったので、結構惜しいシュートもありましたが、そこは本当に決めたかったので、そこで決め切る力が必要だと思いました。
――後半はMF堀田稜(商4=浦和レッズユース)選手とのコンビネーションも良かった印象ですが
堀田はいつも練習でも自主トレーニングでも一緒にやっていることが多いので、いつもの感じでできました。
――試合後はチームや古賀聡監督(平4教卒=東京・早実)からどのような話がありましたか
率直にいい試合だったとは古賀監督から言われたんですが、そこで勝てないのが全てだと思うので、勝ちにつなげるチームの取り組みもしていかなければいけないと思います。
――2週間後には後期のリーグ戦が開幕し、初戦に専大と対戦しますが
専大、流通経大、明大とこの3チームに勝たないとリーグ戦優勝は見えてこないと思うので、初戦の専大戦をプラスに捉えて、そこで勝てれば勢いに乗れると思うので、勝ちたいと思います。
――それでは最後に、今後の意気込みをお願いします
前期のリーグ戦は3得点に終わっているので、後期は前期の倍の得点は取っていけるようにやっていきたいと思います。
DF新井純平(スポ3=浦和レッズユース)
――紙一重の戦いでした。率直にいまのお気持ちをお聞かせください
あまり整理できてないですけど、最終的に『惜しい』で終わってしまったなと試合を終えて感じています。これで終わりではないので、後期リーグ戦(関東大学リーグ戦)やインカレ(全日本大学選手権)に向けてきょうからやっていくしかないです。こういった悔しさを今後の力に変えてやっていかなければなと思います。
――球際の強さやうまさはさすがプロだなという印象でしたが、それ以上にワセダが互角に戦えていたのではないでしょうか
球際の強さやうまさは想定内のことです。それ以上に自分たちが相手の嫌がること、どんなにボールを回されても追い続けるということをすると嫌がっていたのは前半からわかっていたので、それを続けて相手がじれたところを狙って勝ちに結びつければなと思っていました。しかし相手のうまさや決定力にやられてしまったなと感じています。
――プレースピードや判断スピードの違いに関して、守備をしていてどのように感じていましたか
大学レベルではひたすらにプレッシャーを掛けてくるところを、あまりプレッシャーを掛けないでその一歩先を読んでプレーするところは大学生と違うなと感じました。それに自分が対応し切れずに焦ってしまったり、キック一本で裏にパスを通せなかったりしたので自分の甘さや実力不足を感じました。後期リーグ戦で優勝するためには、そういった修正能力や、どんなチームにも勝てるようにならなければいけないなと思います。
――大きく崩されることはなかったことから、守備陣である程度の手応えがあったのではないでしょうか
そうですね、やられてはいなかったとは感じています。しかし結果を見れば2失点してるわけで。守備がワセダの強みである中、失点をしたら勝つことはできないですし、きょうの試合も失点をしなければ勝っていたので、まだまだ守備陣にも課題が見える試合だったなと思います。
――やはり2失点目につながったFKを跳ね返せなかったのが悔やまれるといったところでしょうか
そうですね、セットプレーでやられてしまって、自分たちの積み上げがまだまだ足りなかったということを露呈した試合でした。いま自分たちが三大得点源として挙げているセットプレー・カウンター・クロスに磨きを掛けてやっていくだけだなと感じています。
――準決勝、決勝を通して社会人やプロ相手にワセダが渡り合えていることに関してはいかがでしょうか
前期の苦しい時期からだんだんと良いチームになっていること、部員全てに前向きにやっていく姿勢、ワセダの色を濃くしていこうという姿勢がみられるのが一つ良いことだと思います。しかし結果が出ていないのが自分たちの現状なので、どう結果に結び付けるのかというのを一人一人が考えて、『ワセダ』を色濃く体現していかないと2つの大きなタイトルは獲れないと思います。そこはもう一度この敗戦から考え直さなきゃいけないところです。
――再開を間近に控える後期リーグ戦に向けて抱負をお願いします
他のチームは総理大臣杯や天皇杯本戦に出ているわけで、どのチームも成長してくるはずなので、それ以上の成長を自分たちが残りの期間で積み上げていかなければならないです。成長率をもっと伸ばさないと後期は勝てないと思います。切り替えが全てだと思うので、きょうから全てを切り替えて、後期リーグ戦を勝つための『ワセダ』を作り上げるようやっていきたいです。
MF小林大地(スポ3=千葉・流通経大柏)
――きょうの試合を振り返って
きょうはタイトルが懸った試合ということで試合前からみんな気合も入っていました。試合入ってからも気合の入ったプレーをしていてやっていて負ける気はしなかったですが、最後のところで決定機を決め切れないところやピンチを守り切れないところが出てしまって1ー2という結果になってしまったと思います。
――試合前にチームで心掛けていたことは
いままでオフシーズン積み上げてきた3大得点源であるカウンター、セットプレー、センタリングで勝負していこうと考えていました。また、前節の東京23FC(◯3―0)のときは相手が60分以降で足が止まって、逆に自分たちは最後まで走り切ったからこそ終盤に3点入れることができたので、きょうも後半勝負だというように話していました。
――実際後半もあきらめない姿勢で走り続けていた場面が印象的でしたが、その意識があったからできたことだったのですか
そうですね。いつか相手は運動量が落ちるだろうということで、自分たちがずっと走り続けていればいずれチャンスは訪れるだろうと信じてやり続けました。
――試合は相手に先制を許すかたちとなりましたが、ゴールを決められて焦りなどはありましたか
まだ前半が終わってしまったということにすぎなかったし、後半勝負と考えていたので1点ビハインドはどうってことないと思っていました。
――後半、良い崩しでワセダのゴールが生まれました
そうですね。こぼれ球入る前も実際クロスからのかたちでしたし、それはオフシーズン積み上げてきたかたちが出たので良かったかなと思います。
――流れが良くなったかというところで失点してしまいましたが
最後の失点の時間帯も残りの時間が短かったですし、3大得点源でありながらも3大失点源でもセットプレーでやられてしまったのでそこは自分たちの弱さかなと思います。
――小林選手は中央でパスを回していましたが、左サイドとの連携がうまくいっていたように感じましたが
特に堀くん(MF堀田稜、商4=浦和レッズユース)とはアクションを常に起こしてくれと言っています。お互いアイコンタクトや、見なくても大体この辺に打ってくれということを試合前に伝えてあったので、そういったかたちが出て左サイドを崩せたかなと思います。
――ご自身のシュートチャンスも何度かありましたね
前後半1回ずつあったと思うのですが、前期リーグ戦(関東大学リーグ戦)からチャンスがあった中で決め切れずにきょうもゴールできなかったので、そこに関しては全然成長できていないのかなと感じています。もっと自分に厳しくこれからやっていきたいと思います。
――勝利まであと少しでしたが、何が足りなかったですか
ゴール前の精度だと思います。決定的なシーンは何本かありましたし、それを決めていればもっと余裕な試合展開になったのではないかなと思います。
――後期のリーグ戦に向けての意気込みをお願いします
総理大臣杯も出れず、天皇杯も本戦出場できなかったので、支えてくれる人たちのためにも次こそはタイトルを取りたいです。
MF相馬勇紀(スポ1=三菱養和SCユース)
――率直にいまのお気持ちをお聞かせください
悔しいの一言です。
――試合前に色々と話し合いをされたとは思いますが、実際に試合をしてみていかがでしたか
相手がプロのチームでうまいということはわかっていましたし、その中でワセダらしい早いプレッシャーやクロスを出していこうとは思ったのですが、実際それができなかったと思います。
――後半途中からピッチに入られましたが、古賀監督からはどういった指示を受けていましたか
守備をこまめにやりながら攻めてこいと言われて、自分は東京23FC戦の時に40℃の熱を出してしまってチームに迷惑を掛けたので、きょうは結果を出さなければいけないと感じていました。
――相馬選手が入られてからチームの流れが良くなったように思えましたが、そのあたりはいかがですか
そうなってくれたことは良かったですし、アシストできたことも良かったのですが、天皇杯に出たり優勝したりするチームというのは、2、3回ある決定機をしっかりと決めなければいけないと改めて感じました。
――きょうのチームとしてゲームのプランはどのようなものでしたか
しっかり守って、カウンターやセットプレーで1点をもぎ取って勝とうというプランでした。
――特に後半に関しては、内容で相手を上回っていたようにも思えますが
上回る部分もあったのですが、相手が嫌がっていた切り替えの早さをもっとやれていればこっちのペースになったと思います。
――プロとこれだけの試合をやれてかなり手応えも得られたのではないですか
古賀監督からもいい試合だったと言われましたし、通用した部分と課題が見つかったので、その点は良かったと思います。
――最後に今後への意気込みをお願いします
得点に絡むプレーをもっと増やして、より多くの勝利に貢献していきたいと思います。