ここまで連敗といま一つ波に乗れないワセダ。勝って勢いに乗りたいこの試合は神奈川大との対戦となった。互いに決め手を欠く展開となったが、前半26分に先制を許してしまう。さらに後半に入ると、相手の勢いを止められず立て続けに3失点。一矢報いたいワセダだったが、そのまま試合終了のホイッスルが鳴り響き、インディペンデンスリーグ(Iリーグ)3連敗となってしまった。
小雨が降りしきる中行われたこの一戦、立ち上がりは両チーム共に慎重な攻めとなった。互いにセットプレーからチャンスを生み出すも得点には至らない。しかし26分にCKから頭で合わせられ先制されてしまう。早く追い付きたいワセダだったが、なかなか前線でボールが収まらず相手に奪われる苦しい展開に。41分には決定的な場面を作られるもここはGK中村大志(法4=東京・早大学院)のファインセーブにより追加点を与えない。シュートを放つも枠を捉え切れないワセダは、前半終了間際に得たFKをMF安田壱成(スポ2=ベガルタ仙台ユース)が直接狙う。しかしここは惜しくも相手GK正面。1点ビハインドで前半を折り返した。
左サイドからチャンスメークをした蓮川
「負けている状況だったので前に上がることは必然だった」とDF小笠原学(社1=青森山田)が語るように、後半開始早々ワセダが積極的に攻撃を仕掛けていく。しかし55分、裏をとられて追加点を許すと、さらにその7分後にも神奈川大に決められ3点差となってしまう。流れを変えたいワセダはここでFWの2人を替える。すると、ピッチに入ったFW武颯(スポ2=横浜Fマリノスユース)を中心にチャンスを生み出していく。80分にはこぼれ球から武がシュートを打つと、その直後にも相手GKと1対1に。しかし、この好機を阻まれてしまうと85分には再び失点。反撃虚しく、そのまま無念のホイッスルが吹かれた。
ケガから復帰した武がゴールへの積極性を見せた
これでIリーグ3連敗。2試合連続で4失点と守備の改善が急務のエンジイレブン。「次の試合に向けて何かを変えていかなければいけないと思う」とMF蓮川雄大(スポ1=FC東京U―18)は語る。この流れを引きずってしまうかどうかは次の試合がカギとなるであろう。そのためにもこの試合を分析して、今度こそエンジイレブンの逆襲を見せてもらいたい。
(記事 中澤遼太、写真 菖蒲貴司、桝田大暉)
スターティングメンバ―
Iリーグ第6節 | ||||
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早大U-22 | 0 | 0-1 0-3 |
4 | 神奈川大U-22A |
【得点者】 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 中村大志 | 法4 | 東京・早大学院 |
DF | 2 | 小笠原学 | 社1 | 青森山田 |
DF | 3 | 熊本雄太 | スポ2 | 東福岡 |
DF | 4 | 山本新太郎 | スポ2 | ジュビロ磐田U-18 |
DF | 5 | 恩田雄基 | スポ4 | 埼玉・西武台 |
MF | 10 | 安田壱成 | スポ2 | ベガルタ仙台ユース |
MF | 15 | 小長谷勇太 | 人科4 | 静岡・清水東 |
MF | →82分 | 渋谷勇太郎 | 社3 | 神奈川・桐蔭学園 |
MF | 8 | 臼倉宏 | 文構2 | 東京・暁星 |
MF | 9 | 蓮川雄大 | スポ1 | FC東京U-18 |
FW | 11 | 秋葉遼太 | 文1 | 東京・駒場 |
FW | →75分 | 西本八博 | スポ3 | 岐阜・多治見北 |
FW | 13 | 直江健太郎 | 商1 | 東京・早実 |
FW | →75分 | 武颯 | スポ2 | 横浜F・マリノスユース |
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース) |
コメント
GK中村大志(法4=東京・早大学院)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
先週の慶大戦で負けてしまって(●1-4)、きょうは負けが許されない試合だったのですが、こういう結果になってしまって悔しいですし、責任を感じています。
――後ろから戦況を見ていていかがでしたか
それぞれがハードワークをしていたのですが、その部分以外で相手に圧倒されてしまったと思います。チームとしてまだまだやれると思いますが、根本的にもっとレベルアップしていかないと、この先勝てないと思いました。
――4失点を許してしまった守備に関しては
1点目のCKは、相手がすごく良いボールを蹴ってきていたので、それに対してもう少しケアや対策が出来たのかなと思います。二点目はサイドで時間を与えてしまって、一瞬の隙を突かれてしまったと思います。2点目も3点目も、みんなボールを見てしまって、ゴール前でボールを奪いに行けずに下がってしまったので、そこが課題だと思います。
――Iリーグを通じて少し失点が多くなってしまっています
Aチームは最後の最後で体を張って失点を防いでいることが多い分勝てていると思うのですが、Bチームはまだその部分が足りていないですし、そこさえ出てくれば勝てると思うので、Bチームでも浸透させていきたいです。
――次節以降の意気込みをお願いします
2012年に全日本大学選手権優勝を果たした代のチームは、Iリーグでさえ負けていませんでした。Bチームがそれぐらいやらなければ、トップチームのタイトルも見えてこないと思うので、Bチームとしての目標をしっかり意識して戦っていきたいと思います。
DF恩田雄基(スポ4=埼玉・西武台)
――1点を返すことなく敗北を喫した要因はどういったことだと考えますか
敗因というのはいろいろあると思いますが、最後のボールをゴールに入れさせない意識であったり、ゴールを決め切るというような最後の詰めでの頑張りや技術が欠けていたのだと思います。きょうは特に、ゴールを守るところで自分を含め体を張って守り切ることができなかったのが大きな原因です。
――3連敗中ということもあり、チームで挙がっている課題などはありますか
課題としてはもう少しボール状況によって周りの選手との距離感やポジショニングを取り、前に出てゴールを奪おうという話でプレーをしています。そういったところが練習の中では少しずつ出てきているのですが、試合の時はそういう場面が見られないということで、ビデオなどを見ながら詰めるところは詰めていきたいです。とはいえ、Bチームということなので個人としてこのレベルから打開できないと関東大学リーグ戦(リーグ戦)であったり、早慶サッカー定期戦(早慶サッカー)などの大舞台で活躍することはできないと思います。チームとしても大事ですが、1番は個人としてチームのために何ができたのかということを考えるべきだと思います。
――中盤はパス展開に戸惑いが見られ、叱咤している場面も見られましたが
前半よりボールがうまく回らない中で、距離感やテンポ良くボールを動かして相手のDFを外せると思っていました。しかし実際は全体の流れも良くなく、変えたいと思い強く声を出しました。
――セットプレーでの失点について
マーカーに関しては決まっていたのですが、何本かCKがある中であの時は自分たちが攻め込んだ後のカウンターからのCKでした。ここは集中しようと話していたのですが、そこで良いボールが入り誰も触れずに得点されてしまいました。そこがこのチームにいる選手の弱さだし、チーム自体の弱さだと思います。そういったところは4年生である自分たちが練習の中から1点に対する執着心を出すべきだと思います。
――声がけという面でとても積極的な印象でしたが
ゲームの中ではゴールを取るためや、最終的には勝つために何を自分はするべきで、チームとしてももっとこうしていこうというところを共有できるようには声をかけています。練習の中ではチームとして上に行くのはもちろん、個人として目指すべきところはここではないので、そういったところの基準は高く持つようにと意識しています。
――後半は負の連鎖のように連続で失点されましたが
やっぱり全員が点を取ろうと前に前にいっていて、その中で後ろのリスク管理も甘かったです。点差が開いてる中でどうしても追っていかなければならない立場だったので、どんどん皆が前に行きたくなる気持ちがあったのですがそこでもう少し冷静に、状況判断ができたら良かったのだと思います。そういった能力がこのチームにはまだ欠けている点だと思います。
――最後に、次節への意気込みをお願いします
3連敗して、もうBチームとしても後はありません。このチームで結果を残せなければAチームにも上がれるわけないと思います。個人としてもここで勝たせられないと、上にいった時のチームで勝たせることはできないと思います。自分としても後期が学生サッカーにおいてここでの最後を迎えるので、そこでチームに直接的に貢献できるようにまずはここで自分のやれるべきことをやって成長していければなと思います。
DF山本新太郎(スポ2=ジュビロ磐田U-18)
――どのような意気込みで試合に臨まれましたか
最近敗戦が続いていて、苦しい時間もあると思いますけど自分たちの力でそういうのを跳ね返して、絶対勝とうと思っていたんですけど、結果負けてしまったのでとても残念です。
――ここのところ、失点が多いことやその原因についてどう思われますか
最後のところで体を張るだったりそういうのも、もちろんなんですけど、その前の準備だったり、一人一人の気遣いだったり、ポジショニングっていうのがまだまだ一人一人雑なのでそういうところを直していかないといけないのかなと思います。
――後半チームが前掛かりになっていましたが、DFとしてリスクマネジメントをどうしていましたか
大差が開いちゃってたんで、一対一だったり、最悪数的不利でも、個の能力である程度守らなきゃいけない覚悟でやらなきゃいけないっていうことはわかっていました。しかし、そこで少しの油断だったり、自分の中でディフェンスに焦って取りにいく場面だったりといった雑な面が多く出たのでそこは反省すべき点だと思います。
――3連敗となってしまいましたが、そのことについてどう思われますか
自分たちの実力がまだないってことで、またIリーグがあるのでそこに向けて一人一人努力して高めていくしかないと思います
――今後の意気込みをお願いします
自分たちはまだこの大会が終わっていないですし、関東リーグもあるので、自分たちは上を向いて行くしかないので、ポジティブにとらえて次からやっていきたいと思います。
FW武颯(スポ2=横浜F・マリノスユース)
――後半からの出場でしたが、前半はベンチから試合を見ていていかがでしたか
後ろ向きで、相手にボールを回されて、自分たちで能動的にボールを奪いにいくことができていなかったと思います。引いた守りをしてしまい、相手にいいようにされてしまった。
――ご自身が出場されてからはその流れを変えようと
自分が入った時点で点差をつけられていましたので、まずは点を取りにいかないといけない状態だったと思います。自分が1点でも決めて、その流れで良い方向にもっていけたらなと思ったのですが、決められなくて申し訳ないなと思っています。
――FKを蹴られる場面もありましたが
本当はキッカーではなくフリーキックを蹴るキャラではないのですが、後ろから「やれ」と言われて、そしていつもフリーキックを蹴っている人たちに「後ろが空いているからそこに」という指示を受けたので、そこを狙って蹴って、相手にとっては意表を突かれた形になったのだと思います。
――今季初の試合出場となりましたが
昨年の12月くらいから膝のケガをしていて、ようやく半年ぶりに実戦復帰できて、まだ万全ではないですけど、こうやって試合に出て、まず結果を出して、少しでもチームに貢献して、そして自分はAチームに行けるように頑張りたいです。
――今後の目標をお願いします
まずはケガの最中に体を大きくすることを意識していたので、その体を上手く使いこなすという点が今後の目標です。1試合1点ということを目標として、ワセダを頂点に立たせられるようにやっていきたいと思います。
DF小笠原学(社1=青森山田)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
ワセダが最下位ということできょうは絶対に負けられないという気持ちで臨みました。前半は失点してしまった反面、良いかたちでできていたのですが、後半に1本のパスから崩れてしまい残念です。
――最近の試合では失点が目立ちますがそれについてどう思われますか
いくらこちらが良くても1つのミスから失点してしまうので練習から緊張感を持ってやらないといけないのかなと思います。
――後半前掛かりになったとき、ディフェンスとしてのリスクマネジメントはどうされましたか
負けている状況なので前に上がることは必然ですし、そこは割り切ってやるしかないと思っています。
――Iリーグ3連敗となってしまいましたが
今まで負けてきて根本的に変えずにそのままズルズルきてしまったのでここで変わらないといけないと思います。
――今後に向けて一言お願いします
今日の試合を分析して次どうしたら勝てるかみんなで話し合っていきたいです。個人としては、ここで結果残さなきゃ上にはあがれないのでまずは目の前の戦いをしっかりやっていきたいです。
MF蓮川雄大(スポ1=FC東京Uー18)
――先発出場となったこの試合、どのような意気込みで臨まれましたか
前節は途中出場だったんですけど、自分の課題である守備の部分を今週一週間は意識しました。今節はスタメンだったのでチームの勝利に貢献したかったんですけど、0-4の敗戦で、ゴールするチャンスはあったのに決め切れなかったのは次までの課題です。
――前後半を通して蓮川選手にボールが多く集まっていましたが
チームの皆から(自分を)ターゲットにすると言われていました。相手の守備も自分に集中する分周りの味方があくという効果もありました。でも周りを活かしたり、強引に突破するのを練習しないといけないなと感じています。
――攻勢に出たところ3失点した後半を振り返っていかがですか
失点の場面は完全に崩されたわけではなく、一瞬の気の緩みから招いたことが多かったです。相手のレベルが上がれば失点につながることなので、そこはチームでもっと引き締めなきゃいけないなと思います。
――これで3連敗となかなか勝てない状況が続いてますが
このままだとただ連敗を重ねるだけなので、チームでちゃんと分析して次の試合にむけて何かを変えていかなければいけないと思います。そういうところをしっかり話し合って次の試合はやっていきたいです。
――蓮川選手のストロングポイントは何ですか
ボールを持ったときの突破や、裏への抜け出しといったスピードを生かしたプレーが自分の持ち味です。チームメートにはそれは生かしてほしい反面、突破からのクロスでアシストすれば記録にも残るので、そこを磨いていきたいです。