収穫と課題を得た準優勝

ア式蹴球男子

 全20チームが優勝目指し、しのぎを削ったユニオンチャレンジカップ2014も最終日。ワセダは決勝で関東の名門・筑波大と対戦した。前半は敵のパスワークに圧倒され試合の流れを変えられず1点を許すも、後半はワセダペース。中盤のインターセプトからショートカウンターで相手陣内に攻め込む。66分には低めのクロスにFW山内寛史(商2=東京・国学院久我山)合わせ同点。しかし追加点が奪えない両チームは延長に突入するも勝敗つかず、PK戦へ。8人目までもつれ込む接戦に惜しくも敗れ、今季初のタイトル奪取はならなかった。

 前半は筑波大のポゼッションサッカーに翻弄(ほんろう)される時間帯が続く。高い位置からプレスをかけるワセダだったがテクニックで上回る相手に攻め込まれ、押し返すことができない。17分にMF秋山陽介(スポ1=千葉・流通経大柏)とのワンツーに抜け出したMF佐藤飛天(スポ2=清水エスパルスユース)がゴール前に絶妙なスルーパスを送り決定機を演出するも、それを受けた山内のシュートは相手GKに阻まれる。劣勢で迎えた40分には右サイドからのクロスをダイレクトボレーで決められ、0-1で前半を折り返す。

貴重だ同点弾を叩き込んだ山内

 後半に入ると流れは一変。猛暑の中続く試合の疲労で筑波大イレブンの距離感は開き精彩を欠くプレーが続く。体力面で上回るエンジのイレブンは前半とは一転猛攻を仕掛けた。MF近藤貴司(教4=三菱養和SCユース)とMF堀田稜(商3=浦和レッズユース)の両サイドハーフがポジションを入れ替えるとカットインも目立つようになり、相手DFラインは大きく後退。待望の瞬間は66分に訪れる。近藤貴が左サイドを崩し低めのクロスボールをゴール前へ供給すると、ファーサイドに走り込んだ山内が右足でゴールネットを揺らし1-1。その後も積極的に相手ゴールに迫るが追加点は奪えず延長戦に突入する。102分に佐藤のCKにDF田中進之介(スポ4=湘南ベルマーレユース)がヘディングで合わせるがゴールマウスを捉えきれない。逆に終了間際には何度もクロスを上げさせピンチを招くも守備陣が耐え凌ぐ。最終的には延長20分間でも勝敗決まらずPK戦に突入。両チーム7人目まで成功するも、8人目のキッカーDF金澤拓真(スポ3=横浜F・マリノスユース)の蹴ったボールはゴール左に逸れ、試合終了。110分で決着の付かなかった熱戦は筑波大に軍配が上がった。

 

1年生ながら堂々たるプレーを披露した秋山

 今大会はチームにとって収穫と課題の両面をもたらした。収穫としてメンタル面での成長がある。アミノバイタルカップ2014、天皇杯東京予選とトーナメントで負け続けたワセダにとって勝ち癖を付けられたことは重要だ。また体力面では決勝までハイプレスを貫き、4日間を終えられたことは前向きな材料となった。しかし、一方で課題としては依然として改善しない決定力がある。決勝戦でもチャンスを決め切れないことが敗戦を招いた。「『WASEDA THE 1st』を掲げている以上、自分たちは1位でいなければいけない」(田中進)。選手が語るように今大会以降、責任感を一層高め関東大学リーグ戦(リーグ戦)までに課題の克服に努めなければならない。リーグ戦開幕まで残りわずか。ア式蹴球部は最後の調整期間に入る。

(記事 辛嶋寛文、写真 栗田麻里奈、伊藤なつ実)

スターティングメンバ―

ユニオンカップ決勝
早大 0-1
1-0
延長前半0-0
延長後半0-0
 PK7-8
筑波大
【得点者】(早)67山内 (筑)39中野 
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK ◎1 松澤香輝 スポ4 千葉・流通経大柏
DF 27 永井あとむ スポ4 FC東京U-18
DF 田中進之介 スポ4 湘南ベルマーレユース
DF 金澤拓真 スポ3 横浜F・マリノスユース
DF 18 平澤俊輔 スポ2 JFAアカデミー福島
MF 15 秋山陽介 スポ1 千葉・流通経大柏
MF 17 佐藤飛天 スポ2 清水エスパルスユース
MF →113 山下翔平 商4 ヴィッセル神戸ユース
MF 近藤貴司 教4 三菱養和SCユース
MF 堀田稜 商3 浦和レッズユース
FW 14 山内寛史 商2 東京・国学院久我山
FW →82 武颯 スポ1 横浜F・マリノスユース
FW 11 上形洋介 スポ4 東京・早実
◎はゲームキャプテン
監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実)
コメント

GK松澤香輝副将(スポ4=千葉・流通経大柏)

――決勝に臨むにあたって、特別な思いはありましたか

ワセダとして、優勝以外許されないというプレッシャーがあったので、優勝はもちろん目指していましたし、春に霧島フェスティバル(第6回大学サッカーフェスティバルin霧島)の決勝(●0-3慶大)で敗れていたので、絶対に優勝するという気持で臨みました。

――試合全体を振り返ってみていかがですか

前半の45分は、チームとしてうまくいかなかったり、もったいない時間を過ごしてしまったと感じています。相手も技術的なレベルが高くて、自分たちも足が止まってしまって、なかなか動かないような状況のなかで、相手にボールを支配されてましたし、前半の45分は自分たちのチャンスはありましたが、ほとんど相手に押されたゲームだったと思います。ただ、後半以降延長も含めて、自分たちの強みをだすことができましたし、特に守備の部分で前線からプレッシャーをかけて、ボールを奪うことであったり、ゴールにはやく大胆に迫っていくという部分は、チームとして出すことができたからこそ、同点に追いつくことができましたし、延長で相手を何度も押し込むことができたと思うので、いい部分も悪い部分も両方出た試合だったと思います。

――筑波大相手にどのような戦い方をしようということはありましたか

相手はボールを動かしながらチャンスを伺ってくるという相手だったので、そこに対してはある程度の予測というか、だいだいこういった戦い方になるとは想定していたのですが、失点のところはリスタートでしたし、筑波大のかたちではなく、自分たちの集中力の欠如からそういった失点を招いてしまったので、筑波大に対しての戦い方はチームで共有してはいましたが、やられてしまったなという感じです、

――連戦が続く中、体力的に厳いしところはありましたか

もちろんフィールドの選手は体力的に厳しい中でプレーしていたと思いますし、きょうの試合が始めて45分だったので、フィールドの選手は体力的に苦しい状況があったと思いますが、ただそういったところを誰一人みせることなく、自分たちが走り勝つという印象をもって戦っていたと思うので、そういった部分では前期に比べて、合宿を通してですが、成長できているのではないかと思います。

――PKの前にはどのような気持でしたか

アミノバイタルカップのときに、別のチームでしたがPKで勝ったイメージがあったので(○0-0、PK5-4東京国際大)、もちろん自信もありましたし、止めてやるという気持ちもあったのですが、その逆で2年のときにアミノバイタルカップで筑波大と試合したとき(○2-2、PK7-6)に、全く同じような状況になったときは、7本目くらいまでいってギリギリ止めたという感じでしたし、その前までぼくは全く方向も当たらずに、PKをしっかり止められないというイメージもあったので、複雑な感じでした。自信とそのときのイメージとが混ざったような心境でした。

――PKが終わった直後はどのような気持ちでしたか

本当にみんなに申し訳ないなと思いましたし、ああいったところで止めることが、GKの仕事だと思います。ゲームキャプテンとして優勝に導くことができなかったので、自分自身の力不足と責任をものすごく感じました。

――今大会を通じて何か収穫はありましたか

試合を重ねていく中で、守備のところで、相手にボールを回される中でも、ファーストディフェンスを決めていくことであったり、苦しい中でも、積極的に前線からプレッシャーをかけて高い位置でボールを奪っていく意識であったり、そういったものは試合の中でだしていけるようになったと思いますし、ただその逆で、相手に押し込まれる場面がこの大会の中で多くあったので、守備の部分では収穫も課題も両方でたと思います。ただきょうの試合の中で、後半以降に自分たちの強みを筑波大相手にだすことができたので、この大会の中で成長はみられていたと思いますし、最後にだせたことによって、自分たちの自信になったので、そういったことをリーグ戦(関東大学リーグ戦)で継続してだしていけるようにしていきたいと思います。

――高麗定期戦、リーグ戦へと続いていきますが、意気込みをお願いします

もちろんリーグ戦の前に高麗大との定期戦がありますし、その試合でしっかりと勝つことを意識して臨みたいと思います。ただリーグ戦開幕に向けて、いいイメージをもって臨むことも重要だと思うので、専大との練習試合も控えていますし、そういったリーグ戦前の試合も無駄にしないように、その中で成長できるように一試合一試合戦っていきたいと思います。

FW上形洋介(スポ4=東京・早実)

――長い試合になりましたが内容についてはいかがですか

前半は筑波大のペースでボールを回されてしまって苦しい時間が続いてしまったんですけど、その中でもチャンスをつくれた場面もあって。でもそこを決め切れずに自分たちの首を絞めるかたちになってしまいました。後半はしっかり修正してやれたのは良かったんですけど、1点取った後にチャンスが続いた中でもう1点取れなかったのが勝ち切れなかった理由だと思います。

――ハーフタイムにはどのような点を修正していこうと話されたのですか

守備に回る時間が長かったんですけど、筑波大が相手ならこれは当たり前だし、ポジティブに捉えることで、自分たちから能動的に行こうという意識を持つようにしました。

――同点になった後にチャンスが多いながらも決め切れなかったことがチームに悪い流れをもたらしたりはしましたか

後半はある程度自分たちのやりたいサッカーができていましたし、1点取った後は相手はもうエネルギーがなくなっていたんですけど、自分たちはまだまだ走れる状態だったので、あの状況で点を決め切れなかったことが悔しいというか、勝てた試合だったと思います。

――2トップのFW山内寛史(商2=東京・国学院久我山)選手との連係はいかがでしたか

きょうも本当に守備に回る時間が長くてヒロ(山内)とお互いに危ないスペース埋めるということはこのフェスティバルを通じて、意識しないでもできるようになりましたし、ヒロが競った後だったり俺が競った後だったり、そういうボールを前でお互いがいい距離感で拾うということもできたと思います。この大会でFWの関係性も高まったと思うので、東伏見に帰ってからもしっかりやりたいと思います。

――裏への動き出しや攻撃に深さを出すという点はきょうはうまくいきましたか

前半守備に追われた中で、なかなかそういうことを出す場面が少なかったんですけど、個人的には意識して取り組んでいてアクションを起こすまではいいんですけど、そこで結局ボールが出てこなかったので出し手との関係性をもっともっと意識してやっていきたいです。

――この大会全体の総括をお願いします

うまくいった試合もあればうまくいかなかった試合もありますし、成長した部分もあれば課題として挙がった部分もあります。きょうの試合で、課題として挙がっていたオンとオフの切り替えを後半に出せたことは本当に成果として現れていると思うので、このまま上り調子で改善すべき点はしっかり改善して後期に入れたらいいと思います。

――具体的に改善すべき点はどういうところでしょうか

1人がプレッシャーに行った時の他の10人のポジション取りだったり、そういうことが甘くて間にボールを通されてしまっていたことが多かったんですけど、後半はそこが少し改善できてはいたと思います。

――後期に向けての個人的な抱負をお願いします

まだまだ後期まで時間があるので得点力上げることと、苦しい時間帯で前で体を張ってボールを収めて試合を楽に進めたりすることに誰よりもこだわってやっていきたいです。

MF近藤貴司(教4=三菱養和SCユース)

――率直にいまのお気持ちは

優勝目指してこの大会臨んだので、PKですけど負けは悔しいです。

――普段から関東大学リーグ戦(リーグ戦)でも対戦している筑波大ですが、開始からボールを保持されることに対してチームで何か共有したことはありますか

今大会は守備のところを意識して修正してきた中で最後相手が筑波大ということで、守備のところで自分たちがどれだけやれるかを試す試合でした。前半は切り替えの部分で遅れてたんですけど、後半からは集中して守れたので、そこは良かった部分だと思います。

――具体的な修正点は

相手がギャップだったりボランチの横に入ったときにあんまりファーストがはまらず、自分のサイドハーフのとこやその後ろの部分のスペースを使われることがあったので、苦しい時こそどれだけファーストプレッシャーを定められるかっていうのを話し合いました。

――ハーフタイムの修正点は

守備のところでそんなに悪くはなかったんですけど、細かい部分でやられてるところがありスーパーゴールも決められてしまったので、ただその中でも悲観的にはならずに守備からいい攻撃につなげようというのを話し合いました。

――取りどころはどの辺に定めてましたか

取りどころは誰かが強くファーストプレッシャーを掛けにいったときに、場所関係なく次のプレスを掛けて、相手の態勢が悪いところを奪っていこうと話してました。

――後半はMF堀田稜(商3=浦和レッズユース)選手とサイドを入れ替えてました

あれは得点が入る前に自分がセットプレーの流れから左に流れていて、そこで点が入ったのでこれでいこうと。ボール奪ったときにサイドだと、自分なら右利きなので左なら中央に入ってタメもつくれますし、流れも良かったので堀田に提案して変えました。

――先制点のアシストの場面も含めてサイドでのプレーの出来はいかがでしたか

きょねん新チームになったときに左サイドやって、縦にも中にもいけて手応え感じてましたし、きょう久しぶりにやってそういった部分を出せたので楽しかったです。

――惜しくもPK戦で敗れてはしまいましたが内容は押していた印象でした。チームとしては勝てる試合だったという印象の方が強いですか

前半の守備や、後半押し込んだ中で決め切れず自分たちの未熟さを感じました。延長でも相手より走れてましたけど、最後のところの精度だったり何度かカウンターをくらってたので、勝ち切れなかったというよりはこれが自分たちの現実なんだと。これを踏まえて東伏見では、守備にフォーカスするだけでなく攻撃の面も磨いていかないといけないなと思います。

――負けが込んだ6月に比べてここまでで成長した部分はどこだと感じてますか

自分たちが負けてしまったときっていうのは必ず精神的な弱さが出てしまっていて、大事なとこで決め切れなかったりリードされて下を向くことがあったので、その中で菅平合宿で精神的な部分を見つめ直しましたし、今回の大会でもぎりぎりのとこで勝ち切れたり決勝にいけましたので、まだまだ高めなくてはいけないといけないんですけど、精神的な面で成長できているとは思います。

――間もなくリーグ戦が再開しますが、意気込みの方をお願いします

後期はいつも攻撃のところでつまずいてしまってると思うんですけど、自分たちは天皇杯予選で負けてからタフな練習をして、学生主体でいまのチームに足らない部分を改善し合い、新たなところに挑戦しようとしてるので、そういったとこに対し向き合い続けていれば後期勝てると思いますし、そのために自信などをつけていきたいです。

DF田中進之介(スポ4=湘南ベルマーレユース)

――チームでどんなことを話し合って最終戦に臨みましたか

ボールを奪ってから攻撃につなげることと、ディフェンスの中ではセットプレーのときにショートコーナーをさせないために素早くマークをつけることを話していました。

――キープ力の高い相手に対して、ボールを回されていた前半はどんなことを考えてプレーしていましたか

相手はボールを保持することはうまいのですが、保持しているからといってチャンスが生まれていたわけではなかったので、相手に危ないエリアでプレーをさせないことと、どこでボールを奪うかをチームで共有することを考えていました。

――前半の失点シーンを振り返って

チームで共有していた相手のショートコーナーでやられてしまったことは、自分たちの成長のスピードの遅さが原因だと思っています。マークしていた選手がゴール前から離れたのについて行ってしまったのですが、自分がゴール前にいればあのように失点することもなかったと反省しているので、自分が常に一番危ないところにいられるように対応していかなければいけないと思いました。

――最終ラインのコントロールについては意識していましたか

ベンチの方からもラインをこまめに押し上げるような指示があったので、そこを注意してやっていました。相手はボールを保持するのがうまい分、人と人との間にスペースが生まれてしまったり、自分たちが引くことでスペースを使われて相手にスピードアップされてしまうようなシーンは危ないので、それをなくすためにラインを上げて中盤のスペースをコンパクトにして、一人一人の距離を近づけるようにしました。

――デフェンス全体としての課題はありますか

前半は特にボールを奪ってもすぐに失うシーンが多くて、自分たちが何のためにボールを奪うかといったら、奪ったボールをゴールにつなげるためなので、守備者であると同時に攻撃の始点としての役割を果たしきれなかったことが課題です。

――PKでは2人目のキッカーを務められましたが、どんな気持ちでしたか

自分は本当にサッカーが大好きで、ことしでもう4年目ですし、残りが少ない中、この決勝というプレッシャーのかかる舞台でPKを蹴れる、ということがうれしくて楽しくて、夢中になりながら蹴りました。

――準優勝という結果について、どのように感じていますか

『WASEDA THE 1st』を掲げている以上、自分たちは1位でいなければいけないと思います。このスローガンを掲げていることに対する責任を感じながらも、プレッシャーを跳ね返すことができなかったことが悔しいです。

――今大会の収穫点を挙げるとしたらどこですか

最近ボールをよく動かしてくる相手と試合をすることが多くありました。きょうの前半は特に、間を締めることであったりボールを奪ってからつなげることができなかったんですけど、後半に入ってから改善は見えたので、このまま成長のスピードを上げて後期のリーグ戦(関東大学リーグ戦)につなげていきたいと思います。

DF永井あとむ(スポ4=FC東京U-18)

――きょうの試合を通して守備についてはいかがでしたか

前半は何度か相手に押し込まれてしまう場面もあったのでまだまだ自分としても守備面での課題はたくさんあると思いました。後半からはディフェンスラインのあがり具合なども調整できて良かったと思います。

――1本惜しいシュートもありましたがご自身の攻撃面についてはいかがでしたか

正直言って自分はぜんぜん攻撃参加できなかったなという印象だったので、たしかにシュートも打ちましたがもっともっと前線の選手との連携を大切にして自分も積極的に攻撃参加できたらいいなと思います。

――中盤のラインとの連携はうまくとれましたか

試合の中でうまくコミュニケーションをとれたとは思いますが、まだまだスペースが空いてしまうこともあるので気をつけたいと思います。前の選手と連携をうまくとることで攻撃面においても守備面においても円滑にいくと思うので意識したいと思います。

――いよいよ後期の関東大学リーグ戦(リーグ戦)が始まりますが意気込みをお願いします

今は3位ということでまだまだ厳しい位置にいますが、なんとかして専大と順大を抜けるようにここから2週間いい準備をしていいかたちでリーグ戦に入ることができればいいと思います。

MF山下翔平(商4=ヴィッセル神戸ユース)

――ベンチからのスタートでしたが試合を見て何か感じたことは

前半はワセダらしさが感じられず、ハーフタイムでそういう点を共有して後半はアグレッシブにいけて得点を奪えたので、なおさら勝てなかったのが悔しいです。

――途中出場の際に意識したり指示された点は

特に指示はなかったですけど、苦しい時間帯だったのでチームを活性化させたりしようと思えてました。

――積極的に前線の選手へげきを飛ばすシーンが印象的でした

やっぱり疲れてる中で何とか鼓舞していこうという思いはありました。

――この大会で得た収穫は

個人としては守備の仕方だったり、チームの意思統一の仕方を感じられた大会期間でした。

――これまでAチームで出れなかった分、この大会で出場したことは一つ財産になりますか

そうですね。やっぱり初めて(Aチームで出た)なので。

――試合後のチームの雰囲気は

これから関東大学リーグ戦に向けてもっといい準備をしていこうという前向きな感じでした。

――来たる関東大学リーグ戦に向けての意気込みをお願いします

最後の戦いなので、優勝してOBの方や支えてくれている方々と喜びを共有したいと思います。

DF金澤拓真(スポ3=横浜F・マリノスユース)

――PKを外してしまった瞬間はどのようなお気持ちでしたか

正直チームの目標として優勝することを掲げていたのでそれを自分のミスで途切れさせてしまったことはすごく申し訳なく思います。ベンチの選手やここに来ていない選手の分も背負ってやっていたのにとても悔しかったです。

――今大会を通して何かご自身で意識されてたことはありますか

守備についてはもちろん色々と意識しながらやっていましたが、なかなか自分がイメージしていたものと他の選手がイメージしていたものとが違ってしまうことがあったので、そこはお互いにコミュニケーションをとるように心がけました。

――きょうの試合でご自身の攻撃面についてはいかがでしたか

ロングフィードなど何本か前線に送り込んだりしたんですけど、ミスが多かったりしたのでまだまだ自分も改善すべき点はたくさんあるなと思いました。

――GKや中盤の選手との距離感についてはどのような印象でしたか

前半は特に攻め込まれる場面も何度かあって、いまいち距離感が良くなかったですし、この試合に限らず前の中京大戦(△0-0)でもディフェンスラインと中盤の空いたスペースからピンチを招いてしまっていたので、コミュニケーションをとっていい距離感を保とうとしていました。

――いよいよ後期の関東大学リーグ戦(リーグ戦)が始まりますが意気込みをお願いします

この大会で得たものはたくさんありますし、それをもとにあと2週間しっかり準備して、良い相手との練習試合もありますしリーグ戦優勝に向けて努力していきたいと思います。

MF堀田稜(商3=浦和レッズユース)

――きょうの試合全体を振り返ってみていかがですか

全体を振り返ってみると、前半がもったいなかったなと大きく感じています。決してプレッシャーのかかり具合が悪いわけではなくて、相手にチャンスつくられたのは自分たちのミスからくらいで、崩されてやられたというシーンはほとんどなかったと思うのですが、なかなか自分たちが前にボールを運べなくなったことで、なんとなく自分たちの中で悪くなってしまって、ネガティブな選択が多くなってしまったというように感じていて、それをハーフタイムに修正することができたので、後半は前向きにエネルギーを出して、ボールを奪えたシーンもありましたし、得点にもつながったシーンもありました。そういった意味で前半がもったいなかったと感じています。

――後半は思い通りのワセダらしいプレーができたという感じですか

自分たちは最近守備の部分でアグレッシブにボールにプレッシャーをかけて、それに周りの選手がこうしてボールを奪い切ろうということを意識している中で、筑波大のようにボールを動かすのがうまい相手に対して通用する部分は結構あったと思うので、きょうはPKで負けましたけど、そういった意味でワセダにとっては自分たちの色を出せたとは感じています。

――個人的なプレーを評価してみていかがですか

チームとして前からプレッシャーをかけようとみんなでやっている中で、自分は前線の選手なので、そういった意味でスイッチとなるようなプレッシャーということを意識して前から前からかけていこうとして、実際それが周りともはまってボール奪取につながったシーンもありましたし、アグレッシブな姿勢に関しては悪くなかったと思うのですが、ボールを奪ったあとがどうだったかというと、自分のところでボールをロストする回数も多かったですし、それを実際にチャンスにつなげられたかというとそうではなかったので、自分としては守備の部分が良くなった分、次の攻撃はどうかと考えたときにあまり仕事ができていなかったと思います。

――PKではシュートを決められましたが、どのようなことを考えてやっていましたか

アミノバイタルカップのときも練習していましたし、自分としては蹴る方向はあらかじめ決めていて、イメージ的には逆蹴るぞという感じをだして、GKを動かして左側を狙っていたので、思っていたよりもGKを動かすことができたという感じでした。

――この大会全体を振り返ってみて、得た収穫と課題を教えてください

先ほども言ったように、ファーストプレッシャーからそれに対して周りがプレッシャーをかけるという部分が、徐々にチームの個人個人としての意識も高まってきていますし、実際にボール奪取できるシーンも多くなってきているので、そういった意味で守備の部分での課題に対してはすごくポジティブな収穫があったと思います。でも、きょうこの遠征の集大成として筑波大との試合の中で、ボールを奪ったあとにゴールにつなげられたかというと、チャンスが多くあった中でそれができてきないので、そのゴールにつなげることができなかったという新たな課題が浮き彫りになったと思います。また、前半がもったいなかったという話をしましたが、どんな相手に対しても、スタートからワセダの強みをだすということが今回できていなかったと思うので、もっと全員で議論を交わしていくことで隙をなくしていけると思うので、90分間自分たちの色を出すということを全員で共有してやっていきたいと思います。

――最後に今後の意気込みをお願いします

前期に関しても自分自身のプレーに全然納得がいっていなくて、大事な試合でも結果をだせずに、むしろチームの足を引っ張るようなプレーが個人の中で印象に残っているので、その分後期は自分が勝利に導くような直接的に結果で示していけるようなプレーをしていきたいと考えているので、開幕まで残り2週間くらいですが、もっと自分自身を高めてチームにもいい働きかけをして、後期をいい状態で迎えて優勝できるようにやっていきたいと思います。

MF佐藤飛天 (スポ2=清水エスパルスユース)

――試合を終えて全体の感想をお願いします。

前半は筑波が回してくるっていうのがあって、前から取りに行こうってのがあったんですけど、全然ボールが奪えなくて、押し出せなくてずっと相手回される場面が多くて、奪ったボールも味方につなげられず、すぐに失うっていうつらい状況が多かったんですけど、後半はそこを改善できて、前から奪えに行けたり、自分たちがボールを持つ時間が長くなってきて、それが後半の1点につながったと思います。

――相手が関東大学リーグ戦(リーグ戦)で戦う筑波大ということで、チームで意識したことはありますか。

リーグ戦で優勝するためには筑波大だったり、専大だったり、中大だったりといった強いチームに勝ち点3を取らなきゃいけないっていう中で、優勝はもちろん、勝ちにこだわってやっていたんですけど、結果としてリーグ戦だったら勝ち点1で、勝ち点を2も逃すっていうことになってしまったので、そこは勝ち切れなかったのが課題ですかね。

――前半相手のパスサッカーを最少失点で抑えた守備を振り返っていかがですか。

筑波大はこれまで結構得点しているっていうことを聞いていて、ボールを回してくるプラス前にも来るっていう情報が入っていたので、それでどういう感じで来るのかなと思っていたらその通りに前に前に来たんですが、その中で自分たちが間を通させないように、相手のFWに入れさせないような守備をしていたんですけど、何度か(パスが)入ってしまう場面もあったんですが、前の試合の同大(○2-0)だったり中京大(△0-0)とやったときよりは自分たちのサイドに入れられなくてFWに入る場面も少なかったっていうのは良かったんです。けどボールを奪えなかったっていうのがあったので、奪いにいくプラスで自分の背後にボールをやらせないということがこれからできればいいなと思います。

――後半以降相手に走り勝っている場面が多く見られました。チームとして手応えはありますか。

合宿だったり普段だったり厳しいトレーニングをしてきて、自分たちは走り勝つっていうのが絶対な自信としてある中、後半だったり延長だったりに相手が全然動けてない中、自分たちは身体を動かして相手より走ったっていうのはすごい評価できるところかなって思います。

――後期リーグ戦に向けてポジション争いがあると思います。抱負をお願いします。

キャプテンの洋史くん(MF近藤洋史主将、スポ4=名古屋グランパスU-18)だったり全日本選抜の政幸くん(DF奥山政幸、スポ3=名古屋グランパスU-18)だったり、ずっと出ていた園田くん(MF園田慎一郎、社4=東京・早実)だったりそういう選手がケガしている中で、いまトップで出られるチャンスを与えられて自分はそのチャンスをつかまなきゃいけないですし、いままで出ていた選手に勝って自分からスタメンを取ってチームを勝利に導ける力をこれから高めて、後期リーグ戦で自分が活躍して優勝できるようやっていきたいと思います。

DF平澤俊輔(スポ2=JFAアカデミー福島)

――ポゼッションがうまい相手に対して、どんなことに注意してプレーしていましたか

横の関係を意識してやろうと思っていました。筑波大はギャップをついてくるのがうまいチームなので、ギャップにボールが入ったら間を締めてゴールからフタをして、プレッシャーをかけていくことを意識してやりました。

――攻撃面を振り返って

最初、堀田くん(MF堀田稜、商3=浦和レッズユース)と関係をつくっていたときには、堀田くんは縦に突破できるので、囮でもいいのでボールに関わるプレーをして、堀田くんがプレーしやすいように意識しました。後半、貴司くん(MF近藤貴司、教4=三菱養和SCユース)と関係をつくったときには、僕に気を遣いながら声を掛けてやってくれたので、攻撃に関してはいい形を何度かつくることができたので良かったと思います。

――後半以降、ペースを握りながらも得点を決め切れなかった原因は

決定機はあったので、あとは決め切るシュートの技術や冷静さがもっと必要だと思います。後期の開幕まで時間は短いですが、そういう部分を高めていきたいです。

――失点シーンを振り返って

CKで一瞬集中力が途切れたというか、ボールを見てしまっている選手が多かったために隙を突かれてやられてしまいました。筑波大はそういう部分を突いてきたのでうまかったと思いますし、そこに注意しないと失点をゼロに抑えることは難しくなってくると思うので、隙をつくらないことを課題として取り組んでいきたいです。

――延長戦に入る前、どのようなことをチームで話し合いましたか

戦術面については特に何も話しませんでした。みんなでポジティブにいこうという声が掛かっていましたし、後半は自分たちのペースだったので、このままいけば勝てるという思いで全員がまとまっていたと思います。

――PKでは6番目のキッカーでしたが、シュート前の心境は

外したら負けるというのは頭の中にあったのですが、気にせずに蹴るだけだと思っていたので、コースを決めてしっかりと蹴ることができたと思います。

――準優勝に終わりましたが、どのような大会でしたか

きょうは勝てた試合だと思いますし、いろいろな方の支えがあるからこそ1位にならなくてはいけないと思っていたので、この結果を重く受け止めて、関東大学リーグ戦で1位をとれるように頑張っていきたいと思います。

FW山内寛史(商2=東京・国学院久我山)

――この決勝戦に臨んだ気持ちはどのようなものでしたか

優勝というのはみんなの目標でしたし、自分の中では今大会1ゴールも取っていないので、自分が点を取って優勝できたら一番いいなと考えていました。

――前半は筑波大にボールを回され、なかなか思うようなプレーができないように見えましたが振り返ってみていかがですか

やはり少なからずみんな疲れがあって、どこでブレスをかけるべきかFWの自分たちも意思疎通があいまいになっていて、頑張り切れなかったと思います。チームとしても個人としても連動面で欠けていたと思います。その中でも自分としては、取ったボールを前で収めたりという点では試合の流れを変えたりとチームに貢献できたと思うので、そこは良かったと思います。

――後半はワセダの体力面での強みが出たこともあり、優位に試合を進めることができたように感じますが、振り返ってみていかがですか

ハーフタイムで修正したことで飛天(MF佐藤、スポ2=清水エスパルスユース)だったりが強くいってくれたので、それについていくかたちで自分もスイッチを入れられたと思いますし、走り勝てるというのが自分たちの強みでもあるので、1点取り返せたあの時間帯が自分たちの時間帯だったのでもう1点が取れなかったことが問題だったなと思います。

――FW上形洋介(スポ4=東京・早実)選手、MF近藤貴司(教4=三菱養和SCユース)選手と山内選手の三人での崩しが何度もあった試合でしたがその関係性はどのように感じていますか

まあ、ワセダは少人数で攻めることが多いので、貴司くんがスピードで駆け上がるときは必ず顔を出そうと心掛けていますし、かみくん(上形)に関しても自分よりも動き出しが速いので、こぼれ球を自分が狙うだったり、落としをもらったり、自分を囮にすることもあります。ただ、前半はそういったプレーができませんでした。それで悪い時間帯が続いてしまったので、ああいう時に話し合って流れを変えるべきだったと思います。

――近藤貴選手が右サイドに入ってから良い時間帯が続いたように見えましたがそのことについてはいかがですか

やはり右利きの選手が左に入ることで中に入ることも楽ですし、貴司くんの場合は足も速いので、自分が点を入れたときも、縦に動くことを予測して飛び込めたのが良かったです。堀田くん(MF稜、商3=浦和レッズユース)のサイドも同じことが言えて、自分は間に入ることが多いので自分にとってボールが見えやすくなったのでとてもプレーしやすかったです。

――山内さん自身としては公式戦2ゴール目ということですが、このことはどのように捉えていますか

今大会は1ゴールで終わってしまいました。自分としては取れなかった訳ではなくてチャンスを潰してしまったという印象があります。まだまだだなと感じます。FWとして決定的な働きができていないということは宮本くん(FW拓弥、スポ3=千葉・流通経大柏)が帰ってきたときに自分のポジションが無くなるということなので、そこは危機意識を持って臨んでいます。守備は成長したように感じますが、結局、点が取れないFWは使えないと思うのでそこはずっと自分の課題なので向き合ってやっていきたいと思います。

――ゴールシーンを振り返ってみていかがですか

ゴールシーンは半分は貴司くんが決めたようなもので、あと、堀田くんがニアに潰れてくれたので、自分は走り込めば良かったです。今だに自分の強みの得点は生まれていないので、それができないと自分は次のステージに進めません。いま、DF新井純平(スポ2=浦和レッズユース)が関東大学選抜にいっていますが、自分はそのレベルまで成長しないといけないですし、学年としても自分はそこまでいかないといけないと考えています。自分が4年になったときを考えると今のままでは全然ダメだと思います。

――最後に今大会の課題、収穫を教えて下さい

一番の課題は得点を奪えないこと。収穫としてはいままで自分が限界だと思っていた運動量に関して、きのうなんかは最後まで走り切ることができました。菅平で走り込んだ成果でもあり走り切れたことは収穫ですが、まだまだ伸ばせる部分なので課題とも言えると思います。

FW武颯(横浜F・マリノスユース)

――試合を終えて全体の感想をお願いします。

前半は自分たちのサッカーができなくて苦しい状況になってしまって、ハーフタイムに修正したなかで後半ちょっとは自分たちのサッカーができたかなって感じで、全体を通して見ると良くはなかったかなと思います。

――後半攻めている時間帯で同点に追いつくことができました。チームとしての手応えはありますか。

いつもやられてからやり返すという感じなんで、点取られてそこから返せるか返せないかというところでした。

――後半途中投入の際、得点するためにどういうことを意識しましたか。

まずは延長にいきそうな感じですごい相手も疲れている中で、自分が裏に抜けて、体力で相手を上回ろうかなと思って裏に抜け出しました。

――追加点を奪えなかった点を振り返っていかがですか。

まずは自分がゴールに直結する動きが足りなかったのと、あとは予測だったりというのが足りなかったなと思います。

――後期の関東リーグ戦に向けて抱負をお願いします。

自分は前まではBチームでやっていて、少しずつAサブ、きょうの途中交代と徐々に上の方に行っているので、まだ時間があるので、スタメンを狙って後期開幕を迎えられたらなと思います。