リード守れず課題残る逆転負け

ア式蹴球男子

 初日を連勝で飾ったユニオンドリームチャレンジカップ2014、2日目。今試合は首位でグループリーグを終えるためにも、負けられない一戦とである。開始直後にFW西本八博(スポ2=岐阜・多治見北)が先制点を決め、順調に試合を進めるかと思われた序盤。しかし、後半に入ると、隙を突いたゴールを決められ、同点に追いつかれる。終盤にはさらなる追加点を許し逆転。2-3という苦い結果に終わった。

 入りから攻めの姿勢で臨んだワセダは、4分にいきなり試合を動かす。MF堀田稜(商3=浦和レッズユース)が左サイドから突破すると、グラウンダーのパスを受けた西本がニアサイドで合わせてゴール。先制点を挙げ自分たちのペースで試合を運ぶ。だが10分を過ぎ始めたころから流れは一変、中盤でボールを奪われカウンター攻撃を受けるなど、危ない場面が続く。その中でも22分、DF永井あとむ(スポ4=FC東京U-18)の的確なクロスに合わせようとしたMF山下翔平(商4=ヴィッセル神戸ユース)が相手と競ると、これが見事OGを誘発する。しかしそのまま試合の主導権を握ることはできず、徐々に産能大が流れに乗る。28分にはPA前で崩されると、右サイドに回されフリーの選手にゴールを許し、1点差に迫られ前半を折り返した。

先制点をマークした西本

 後半に入っても積極的に攻撃を続けると、チャンスを幾度もつくりだす。リズムをつかみそうだというときだったが、中盤でのプレスの甘さが目立ち始め産能大にゴール前でパスを回されると、またしてもボールは一瞬の間にフリーの選手へ。そのままミドルシュートを決められ同点に追いつかれてしまう。勢いにのまれ後手にまわるワセダ。体を張った守備で危機を脱し反撃ののろしを上げるも、最後に笑ったのはエンジイレブンではなかった。ゴール前での不用意なバックパスからボールを奪われ、シュートはそのままネットを揺らす。それが決勝点となり試合は終了。結果的には2-3と逆転負けを喫した。

推進力で攻撃をけん引した堀田

 先制点ではチャンスをものにしたものの、自分たちのミスにより失点を重ねてしまった今試合。選手も「危機察知することができていなかった」(堀田)と振り返る。攻撃面では「多くのチャンスをつくりながら、2点しか取れなかった」(山下)、と決定力にも課題を残した。反省点が多く残る試合となった今試合、Aチームに入るためにもさらなる進化が必要であるようだ。この経験を生かし、選手たちは次の挑戦へと臨む。

(記事 栗田麻里奈、写真 伊藤なつ実、桝田大暉)

スターティングメンバー

ユニオンカップ第3戦
早大 2-1
0-2
産能大
【得点者】(早)3西本、21OG (産)27渡辺、52酒巻、62岡村
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 21 岸浪卓志 社2 東京・早実
DF 27 永井あとむ スポ4 FC東京U-18
DF 22 鈴木準弥 スポ1 清水エスパルスユース
DF 28 熊本雄太 スポ1 東福岡
DF 鈴木崇文 文構2 東京・早実
MF 山下翔平 商4 ヴィッセル神戸ユース
MF 20 今来俊介 商1 神奈川・桐光学園
MF 19 仲谷将樹 社1 石川・星稜
DF →42 樫尾和明 スポ2 名古屋グランパスU-18
MF 堀田稜 商3 浦和レッズユース
MF →58 小長谷勇太 人3 静岡・清水東
FW 32 武颯 スポ1 横浜F・マリノスユース
FW 西本八博 スポ2 岐阜・多治見北
 監督は古賀聡(平4教卒=東京・早実)
コメント

MF山下翔平(商4=ヴィッセル神戸ユース)

――逆転負けしてしまいましたが、いまのお気持ちを教えてください

ふがいないというか情けないという気持ちです。

――後半に2失点してしまった要因はどういう点でしょうか

自分たちが決め切れずに逆に相手に隙を与えてしまってやられてしまったことが原因かなと思います。

――フィニッシュの精度を欠いたシーンも多く見られました

きのうの試合でチャンスがたくさんあった中で9点で終わってしまい、反省として1点の重みを大事にしようという話をしました。その中できょう多くのチャンスをつくりながら、2点しか取れなかったのが負けにつながったと思います。

――試合後のミーティングではどのようなことを話されましたか

負けるような相手ではなかったということと自分たちがもっともっとこだわりを持って1試合1試合やっていかなければ、関東リーグ(関東大学リーグ戦)につながっていかないということをもう一度みんなで確認して、一人一人の成長という部分を再確認しました。

――山下選手個人のプレーについてはどのように評価されていますか

得点も奪えなかったですし失点もしてしまったという中で、ボランチというポジションでチームを勝利に導けなかったことが非常に悔しく思っています。

――2得点目のオウンゴールに絡んでいましたが、あのシーンを振り返っていかがですか

あのシーンはあとむ(DF永井あとむ、スポ4=FC東京U―18)がいいボール状況を持っていて、点を取りたいという思いがあったのでゴール前に強く入り込んでいったらオウンゴールというかたちにつながったのでその部分は良かったと思います。

――7月の終わりから合宿をされていましたが、その中で自分自身が成長した点はどのようなところですか

夏合宿を終えて主務としてチームを前に進めることを常に考えてきて、サッカーでもどうやったらチームが勝てるかであったり、どのように組織をうまくやっていくかを考えるようになってから、少しずつですけどチームを前に進められるようになったかなと思います。

――プレーヤーとして上のチームに上がるためにはどのようなことが必要だと感じていますか

自分自身でゴールを奪うということと強い気持ちが必要かなと思います。

MF堀田稜(商3=浦和レッズユース)

――きょうの試合を振り返って

率直にもったいないゲームだったと思います。チャンスがあった中で決め切れず、先制したのにミスから相手に逆転を許してしまい自分たちで壊してしまったという気持ちです。

――いい流れで先制しましたがあの場面を振り返って

自分自身サイドに入ったら積極的にドリブルとかで仕掛ける意識はあって、きょうは普段とは違うメンバーとやりましたが、自分としては何も変えず個の力でゴールを狙いにいこうとしました。その中で先制をアシストできたので良かったです。

――逆転された時間帯の守備にはどういった部分に問題があったと思いますか

自分たちは前からリスクを負ってボールを奪いにいく守備を掲げている中で、前がかりになったところで裏の部分のスペースをダイアゴナルに使われたりしてしまい、リスク管理っていうのができてなかったので、そういった部分を共有して試合に入りました。ただその中で前から行くときに危機察知することができていなかったと思います。

――サイドを変えただけでなく中央で受けるシーンもありましたが、自身のプレーに関してはいかがですか

とにかく自分の強みである前に運ぶ動き、ドリブルやキックで前に進む動きを意識してやってました。右サイドに移ったのは選手交代の影響もあったんですけど、どちらのサイドでもしっかりボールを受けて前に運ぶことを意識してやりました。

――ケガ前までAチームで参加していた堀田選手にとってAチームとAサブとの違いというのはどういった部分にあると考えますか

技術とか能力というよりはやっぱり内面かなと思います。味方に要求する姿勢や長所を出していく、自分のプレーに自信を持ってやるところがAとAサブのところを分ける決め手になっていると思います。もっと全員がチームを引っ張って勝利に導くという気持ちが大事になりますし、悪い流れの時にみんながそれに引っ張られてずるずるいってしまうことがあるので、選手としての能力よりは内面の部分かなと思います。

――連戦が続きますが意気込みをお願いします

きょうは不甲斐無いゲームをしてしましチームを勝たせることができず個人的に力不足を感じてます。ただこの遠征の中でも内面の部分でも成長はできると思うので、まずはトップで出場することを最低限の課題としたいですし、チームとしてもよりレベルの高い課題を持って取り組みたいと思うので、また議論を交わしながらやっていきたいです。

GK岸浪卓志(社2=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

正直、負けてはいけない相手だったというのが一番の印象で、あとは自分のミスが失点を招いたりしてしまったので、あまりいい試合ではなかったです。

――DFとの連携はいかがでしたか

結構バタバタしてしまって、自分とボールだけの関係になってたりしたので、樫尾(DF和明、スポ2=名古屋グランパスU―18)とも相談ができなくて、彼にも彼なりの考えがあったみたいなんですけど、お互いのイメージがうまく噛み合わずに連携ミスにつながってしまいました。自分も受けるところで受けてあげられなかったことが失点につながってしまったので、全然駄目でした。

――きのうの試合後に攻守の切り替えを課題に挙げている選手が多かったのですが、きょうは後ろから見ていてどうでしたか

この遠征を通して攻守の切り替えというものをとても意識していて、きょうの試合でも前半なんかは結構相手にプレッシャーをかけることができたので悪くなかったんですけど、その分決定力不足でなかなか決め切れなくて勝負強さがなくて、攻撃力を高める分ポジショニングをワイドにとってリスクを負っているので、そこでの攻守の切り替えはまだ弱かったりするなと思いました。

――ポジション争いも厳しいものがあると思いますが今後に向けての意気込みをお願いします

正直いまはマツさん(GK松澤香輝副将、スポ4=千葉・流通経大柏)ひとりにずっと戦わせてしまっている状況が続いているので、この夏のシーズンで自分をアピールしてAチームに食い込んで後期リーグで1試合でも多く出られるように頑張りたいと思います。

FW西本八博(スポ2=岐阜・多治見北)

――きょうの試合全体を振り返ってみていかがですか

最初は前からいけて自分たちのペースでやれていたのですが、時間が経つにつれて相手のペースというか、自分たちでペースをどんどん落として、相手にのまれてやられてしまい、自分も最初の得点以外は何もできなくて、課題が多く残る試合だったと思います。

――具体的に負けてしまった原因はありますか

FW的には、もっと自分たちがアクションというか前で動きだして、ボールを引きだして、どんどん攻める姿勢をだしていかなければならなかったと思いますが、それをなかなか最後の方までできずに、後ろでボールをつなぐことが多くなって、ボールを狙われて相手にいい状態で攻められた場面が多かったので、自分たちがもっと走ることが必要だったのかなと感じています。

――先制点を決められましたが、ご自身のプレーを振り返ってみて良かった点はありますか

攻めのときに前に多く人数をかけたときに、自分がきちんと関わっていけたし、ボール前にいれたので最初の点がとれたと思いますが、きょうは良くなかった点が多かったと思います。

――FW武颯(スポ1=横浜F・マリノスユース)とのツートップでしたが、お2人の関係はうまくいきましたか

守備の面では2人で声を掛けあって、1人がいったときに1人がボランチのところをケアするとか、そういったことは2人で連携してできたのですが、攻撃のところで2人で攻撃をつくっていくということができなかったので、攻撃のところでもっとお互いの距離感だったり、目を合わせたりして、2人の動きでディフェンスを惑わせたりということを、これからできるようにやっていきたいです。

――今後の課題はありますか

後半の入りとか攻めていたと思うのですが、そういったときに点をとることができないと、きょうみたいに最後に点をとられて負けてしまうと思うので、Aサブの課題としては攻めたときにちゃんと点をとりきって勝ちきるというところにじぶんとしても個人としてもやっていきたいと思います。

MF今来俊介(商1=神奈川・桐光学園)

――試合を終えて全体の感想をお願いします。

決めるべきところをやっぱ決めないと相手に流れを持ってかれちゃうし、ああいった勝ち点を落とす試合になってしまうんだなと思いました。

――2点を先行しながら追加点を奪えなかった攻めに関して反省点をお願いします。

だんだん決めきれないで相手の勢いや流れに、相手もそんなに強く攻撃してきたわけじゃないのにそれに合わせてしまい、自分たちも前に行く強さだったりチャレンジする強さを失ってしまったっていうのが後半ダメだったと思います。

――同点とされた後、修正できないまま立て続けに失点した場面を振り返っていかがですか。

あれも自分たちのミスから前に強く行けてないで、ボールの失い方が悪いがために戻りも遅くなってしまって、相手に有利にやらせてしまったので、もっともっとチャレンジしていけばその分失った後でもすぐに取り返しに行けるしっていうところで、失い方の悪さから失点してしまったと思います。

――暑さや連日の試合でコンディション面に影響は出ていますか。

自分はいまのところまだ大丈夫です。

――この大会での目標と抱負をお願いします。

まだこれから試合が続いていくので勝ちを重ねて優勝できたらなと思います。

FW武颯(スポ1=横浜F・マリノスユース)

――2ー3という結果について、率直な感想は

FWであるのに点が取れなかったことが反省点でした。

――得点を決め切れなかった原因はどこですか

決定的なシーンはあまりなかったのですが、きのうと比べるとシュートチャンスが少なかったのでもっと自分からシュートを打つとか、シュートチャンスをつくっていかないといけないと思います。

――中盤からボールを運ぶ動きも見られましたが

チームが苦しいときに、自分が戻っておとりやつぶれ役になれればもっとFWとしてのプレーの幅を広げられると思います。

――後半に2失点した原因はどこにありますか

全員がボールをみてしまっていたと思います。自分たちの自らの失点だったし、いままでも同じようなミスを繰り返してきたので、バスの質やプレーの質を上げていかなくてはいけないと思います。

――チーム全体としての収穫はありましたか

前までは立ち上がりがあまり良くないことが多かったんですけど、きょうは前半に得点することができたので良かったと思います。個人としては動きだしやシュートの本数が前と比べて増えたと思うので、そこが良かったです。

――連戦ですが、疲労感はありますか

体力的にきつい部分はありますけど、言い訳はできないので、頑張るしかないです。

――あしたに向けての意気込みをお願いします

自分の目標としては、試合に出るからには絶対に得点を決めたいと思っているので、頑張りたいです。きょう決められなかった分、あしたは決めたいと思います。