関東選抜でしのぎを削る

ア式蹴球男子

  2月28日から開催される第28回デンソーカップチャレンジサッカー西都市大会(デンソーカップ)に先駆け、関東大学選抜Aと関東大学選抜Bによる試合が行われた。ワセダからはMF近藤貴司(教3=三菱養和SCユース)、MF近藤洋史(スポ3=名古屋グランパスU-18)、GK松澤香輝(スポ3=千葉・流通経大柏)が選出。関東選抜Aのメンバーである近藤貴はケガのため出場はならなかったが、近藤洋、松澤は関東選抜Bのスタメンとしてピッチに立った。試合は関東選抜Aのペースで進み、前半終了間際、FW仲川輝人(専大)のゴールで先制。64分には2点目、ロスタイムにはダメ押しの3点目が入りタイム・アップ。3-0で関東選抜Aが勝利した。

正確なロングフィードを蹴り出すGK松澤

 開始早々、関東選抜AにCKのチャンス。だがここは松澤がキャッチし、ゴールにはつながらない。その後も松澤の積極的な飛び出しでピンチを耐え抜く関東選抜B。こう着状態が続き、このままハーフタイムになるかと思われた。しかし45分、スコアが動く。関東選抜AのFW砂川優太郎(中大)のパスに仲川が反応。すると中央を突破し、ボールをふわりと浮かせる技ありのループシュートでゴールネットを揺らす。1-0で前半終了。前半押し込まれる時間帯が長かった関東選抜Bのシュート数は0。後半は積極的にゴールを狙いにいきたいところだ。

 後半に入り松澤はここで交代。関東選抜Aは64分、MF星雄次(法大)がゴール前の混戦の中、2点目を奪う。反撃といきたい関東選抜Bは途中出場のFW平松宗(国士舘大)がGKと一対一の状況でシュートを放つもポストの左に。チャンスはあるものの決定機を逃すシーンが続く。73分にはここまでキャプテンを務めた近藤洋もベンチに下がる。迎えた91分、ゴールを奪いに前がかりになる関東選抜Bを尻目に中央でパスを受けた関東選抜AのFW小牟田洋佑(駒大)がDFをかわすとそのまま反転してシュート。3点目をもぎ取り勝負あり。3-0で関東選抜Aが完封勝ちを収めた。

前線へ果敢にボールを運ぶMF近藤洋

 「この選抜で吸収したことや成長したことというのが必ずチームに還元できる」(近藤洋)。「コミュニケーションの部分では自分が周りを引っ張っていこうと意識していた」(松澤)。キャプテンマークを巻いて出場した近藤洋、常に声を張り上げチームを盛りあげた松澤。関東選抜に選ばれたことでワセダだけでは得られない経験をし、一回り成長したことがうかがえる。デンソーカップのみならず関東大学リーグ戦での活躍に期待だ。今季のワセダを左右する3人の姿から目が離せない。

(記事 伊藤なつ実、写真 藤巻晴帆、高柳龍太郎、巌千咲)

2014関東大学サッカーオープニングフェスティバル
関東選抜A 1-0
2-0
関東選抜B
【得点者】(A)45仲川、64星、90+1小牟田

コメント

GK松澤香輝(スポ3=千葉・流通経大柏)

――きょうの試合を振り返って率直にどうでしたか

0−3という結果だけ見ると完敗だったのですが自分たちの強みも少しは出せたと思うので、次につながる敗戦だったのではと思います。

――きょうの試合で監督からはどのような指示を受けましたか

関東選抜の目標は、選抜の中からより多くのプロを輩出していきたいということなので、結果ももちろん意識していました。ですが同時に、自分たちのサッカーをやろうと言われました。

――ちょうど関東選抜の合宿を終えての試合となりましたが、合宿ではどんなことに取り組みましたか

自分たち関東選抜Bは攻守の切り替えと止めて蹴る動作を速く行うという2つのテーマを掲げて合宿に臨んでいました。攻守にわたるハードワークについては合宿の2日間で高めようという意識を持っていました。その点はこの試合で発揮できたと思います。

――様々な大学の選手がおり、選手間でのコミュニケーションに苦労することもあったのではないでしょうか

僕はコミュニケーションの部分では自分が周りを引っ張っていこうと意識していたので、食事や練習以外の時間で積極的にみんなとコミュニケーションを取りにいきました。みんなが話しやすい環境を作って練習でもそれを生かせるようにしました。実際、みんな仲は良いと思います。

――Bチームは柏レイソルと対戦しましたがいかがでしたか

相手はサテライトチームだったんですが、僕も初めて選抜に参加させてもらったので難しい部分も多かったです。最後に決め切る力というのをJリーグのチームと対戦して実感しました。

――デンソーチャレンジカップ(第28回デンソーカップチャレンジサッカー西都市大会)に向けて一言お願いします

きょうの試合に負けて選手全員悔しい思いをしました。本大会でひとつずつ勝って優勝できるように頑張りたいと思います。

MF近藤洋史(スポ3=名古屋グランパスU-18)

――まずはきょうの試合、0-3というスコアになりましたが全体を振り返っていかがですか

前半からすごい押し込まれていたのもあったし、後半こっちにチャンスはあったんですけれど決め切れなくて。向こうはチャンスをしっかり決めてきて。その結果が0―3という結果になってしまったのかなと思います。

――前半はディフェンスラインが下がり気味になって厳しい時間帯が多かったように感じました

マイボールになったときにうまくボールを前に運ぶことができなくて。ボールロストが増えて、相手に押し込まれる展開になってしまったので。ディフェンスラインが下がってしまったというよりは、全体としてうまくボールを動かせなかったので相手に押し込まれる展開になってしまったというふうに感じています。

――キャプテンマークを巻いての試合になりましたがゲームプラン、何か声を掛けたりということは

そうですね。選抜なんでいろんなチームが集まってやってきて。合宿から取り組んできたことをしっかりこの試合で出そうということを意識して試合に臨みました。

――具体的に合宿で取り組んできたことというのは

チームとしての切り替えの速さだったり、テンポ良くボールを動かすことだったりを意識してやってきたので。そういったところを意識しながら、試合で出せるようにやっていました。

――後半はダイレクトパスがつながる時間帯もありましたね

相手の足も止まってきて、あまりプレッシャーにこられなくなったので、比較的こっちがボール持てる時間も増えたというふうに思っています。前半から相手がプレスを掛けてくる中でもしっかりボールを動かせれば良かったかなと思います。

――洋史選手がボールを下がって受けるシーンというのも少し多かったように感じたのですが

なかなかうまくチームとしてボールを動かせていなかったので、自分もボールに、サポートじゃないですけれど助けて、助けてみたいなことをしていたら下がりながらのプレーが多くなってしまったなとは思います。

――デンソーカップ(第28回デンソーカップチャレンジサッカー西都市大会)に向けてという部分では昨年末に全日本選抜に勝利、関東選抜Bも柏レイソルと善戦するなど結果が出ていると思うのですが手応えはありますか

もっともっとできるとは思っているので。デンソー(デンソーカップ)は初戦が大事だと思うので、まず初戦本当に勝てるようにやっていきたいと思います。

――全日本選抜にはDF奥山選手(政幸、スポ2=名古屋グランパスUー18)もいらっしゃいますね

多分当たるのは決勝でしか当たらないと思うんですけれど、対戦できるように頑張りたいなと思います。

――デンソーカップ、そして関東大学サッカーリーグ戦(関東リーグ)に向けての意気込みを聞かせてください

ここでもそうですし、デンソーで自分が結果を残そうとすることだとか、この選抜で吸収したことや成長したことというのが必ずチームに還元できるところだと思うので。デンソーカップに向けて頑張ることもそうですけれど、チームの方も関東リーグ開幕も迫ってくるので、しっかりと勝てるチームを作っていけるように頑張っていきたいなと思っています。