本戦３日目を迎えた関東学生トーナメント（春関）。各コートで白熱した戦いが繰り広げられる中、女子部からシングルスの３回戦に６人が出場。４人が４回戦へと駒を進めた。また１、２回戦が行われた女子ダブルスには７組が登場し、計５組が次戦進出を決めた。
危なげなく３回戦を突破した吉岡
シングルス３回戦に臨んだ吉岡希紗（スポ４＝三重・四日市商）は長身を生かしたサーブと丁寧なストロークで、序盤から流れを掴む。テンポよく攻め続け、６－２、６－１で危なげなく勝利した。梶野桃子（社２＝京都外大西）は早慶対抗試合（早慶戦）で惜敗した堤華蓮と対戦。いきなり０－４までリードを広げられるが、「試合前に立てたプランや自分のプレーに集中してやるべきことをしっかり行えた」（梶野）と話すように、着実にゲーム差を縮め、タイブレークの末に第１セットを奪う。第２セットは、深いストロークで相手を左右に走らせ、序盤から主導権を握る。最後はフォアハンドで叩き込み、６－２で早慶戦のリベンジを果たした。
安藤・松田組は強気のプレーを貫き勝ち切った
降雨の影響で順延となっていたダブルス１回戦には安藤優希（スポ４＝東京・日出）・松田岬（スポ４＝東京・淑徳）組が出場。第１セット序盤から相手にリードを許す苦しい展開となったが、「どんな時でも強気でいこうと話していた結果、最後の最後で取り切れた」（安藤）と話すように第１セットをものにする。第２セットでも調子は上向かなかったが、途中、安藤が松田に気合を入れてもらうように頼む場面も見られ、強気のテニスを貫き通した安藤・松田組が勝利を収めた。２回戦に臨んだ第１シードの吉岡・石川琴実（社４＝神奈川・白鵬女子）組は圧倒的な強さで快勝。押川千夏（社４＝福井・仁愛女子）・平田葵（スポ１＝神奈川・白鳳女子）組は、第１、第２セットがタイブレークまでもつれ込む接戦となるが、一歩及ばず敗退した。
シングルスで２試合を勝ち抜いてきた金子さら紗（スポ１＝埼玉・浦和麗明）、宮田萌芳（基理１＝東京・雙葉）の１年生2人は敗れてしまったものの、早大から単複合わせて９本が次戦進出を決めた。シングルス4回戦には押川と梶野の早大対決も予定されている。春の関東女王をめぐった戦いは激しさを増していきそうだ。
（記事、写真 横松さくら、佐藤豪）
結果
女子シングルス
▽３回戦
● 金子さら紗 [３-６、０-６] 永田杏里（慶大）
○ 押川千夏 [６-３、６-１] 園城海遥（亜大）
○ 梶野桃子 [７-６（２）、６-2] 堤華蓮（慶大）
○ 吉岡希紗 [６-２、６-１] 谷井涼香（駒大）
● 宮田萌芳 [３-６、４-６] 鈴木渚左（明大）
○ 神鳥舞 [６-０、６-４] 冨永栞（亜大）
女子ダブルス
▽１回戦
○ 松田岬・安藤優希 [７-６（３）、６-７（５）、10-８] 山田梨香子・穴田琴音（駒大）
● 押川千夏・平田葵 [７-６（７）、６（５）-７、３-１０] 大橋麗美華・中島玲亜（慶大）
▽女子ダブルス２回戦
○ 金子さら紗・前田優歩 [６-４、６-３] 山田悠理・角田唯（立大）
○ 吉岡希紗・石川琴実 [６-２、６-１] 鈴木優・木塚有映（山学大）
○ 神鳥舞・齋藤優寧 [６-３、６-３] 丸山愛以・五十嵐唯愛（明大）
● 小畑莉音・森岡きらら [３-６、６-３、９-11] 狐塚理子・本田恵琉（慶大）
○ 足立理帆・松田望愛 [６（６）-７、６-０、10-４] 山﨑京香・鵜飼日南乃（法大）
コメント
安藤優希（スポ４＝東京・日出）・松田岬（スポ４＝東京・淑徳）
――今回の関東学生トーナメント（春関）にはどのような意気込みで望んでいますか
安藤 できることをやって、とりあえずインカレ（全日本学生選手権）を決めようという気持ちで臨みました。
松田 「ラストイヤーだから頑張らなきゃ」とすごく思っていたわけではないのですが、それでも今まで20年間位テニスをやってきた最後の集大成というのはあって、自分のベストのプレーを大宮でしたいなというのはありました。ダブルスは安藤と組めることになって、私たちは幼稚園が一緒でずっと仲良くやってきて、最後大学で一緒になって、最後のダブルスも組めて本当に嬉しくて。シングルスはもちろんですが、ダブルスも２人でインカレに行って美味しいものを食べて帰ってこようねと約束していたのでインカレを決めることができて良かったです。
――今日の試合の第１セットを振り返ってみていかがですか
安藤 最初リードされていて焦っていた部分があって、自分たちのテニスができていなかったのですが、どんな時でも強気でいこうと話していた結果、最後の最後で取り切れたという感じです。
――第２セットを振り返っていかがですか
松田 第１セットを取れたのは良かったのですが、取れた心地はしていないというか、締めるところも締めることができていませんでした。追いついてからのタイブレークも微妙な感じで進んでしまって、お互いのいいところを生かすプレーもうまくいかず、取りきれずという感じでした。
――第２セット途中、安藤さんが松田さんに気合を入れてもらうように頼むシーンがありましたが
安藤 自分があまりにも良くなさすぎて、気持ちも上がらなかったので、どうしようか考えた結果、ビンタしてもらおうという結論に至りました。気持ちは少し明るくなりました（笑）。
松田 ビンタしても取れなかったよね、ポイント（笑）
安藤 ビンタしてもらったらポイント全部落としました（笑）。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
安藤 実は就職活動の関係で今後の試合は棄権という形になってしまって、次戦はインカレになるのですが、とにかく早く就職活動を終えて、今日の３倍くらいのプレーをできるように、１回でも多く勝てるように準備していきたいと思います。
松田 ２人でダブルスを組めるのも最後なので、とにかくたくさん試合ができたらいいなと思います。
梶野桃子（社２＝京都外大西）
――早慶対抗試合（早慶戦）で敗れた堤選手との対戦でしたが、どんな気持ちで試合に臨みましたか
三度目の正直で、絶対ここで勝ってやるという気持ちで臨みました。前回の早慶戦では、かなり手応えがあっただけに負けてしまってとても悔しかったので、今回は気持ちで相手を押していけた気がします。
――タイブレークの末に第１セットを取りましたが、振り返っていかがですか
第１セットは０－４、２－５と出だしが悪くこのままではやばいという気持ちはありました。その中でも焦らず、試合前に立てたプランや自分のプレーに集中してやるべきことをしっかり行えたことが、良かったのではないかなと思います。最近は学生大会以外にも出場しているので、その経験が生きたのかなと思いました。
――第２セットを振り返っていかがですか
第２セットは第１セットとは違った緊張がありました。サーブが思うように振り切れなくて崩れそうな時間帯もありましたが、第２セットも焦らず、その時にできることを見つけてできたのは良かったと思います。今日は全体的に前向きに戦えたことが勝利を呼んだ気がします。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
身体的にもしんどくなってくる時ですが、気持ちでは負けないようにファイトしたいです。同校の先輩との試合ですが、やるべきことは変わらないと思うので、目の前の1ゲーム、1ポイント、一球に集中して頑張ります。