上は2位、男女とも無冠に終わる

庭球女子

 全日本学生室内選手権(インカレインドア)は最終日を迎えた。早大からは上唯希(スポ2=兵庫・園田学園)が女子シングルスに登場。今大会第1シードである加治遥(園田女大)との一戦に臨んだ。序盤こそ主導権を握ったものの、徐々に調子を上げてきた相手に圧倒されてしまい敗戦。関東大学選手権(夏関)に続くタイトル獲得とはならなかった。

 夏関のタイトルホルダーとして今大会に臨んだ上。決勝の相手は高校の先輩でもある前年覇者、加治遥だ。昨年のこの大会以来の対戦に「自分のプレーをして楽しむということを考えた」という上。力強いフォアハンドと深く決まるバックハンドを織り交ぜた巧みな攻撃をみせる。厳しいコースを突いた打球にも食らいつき相手のミスを誘うなど、1ゲームも落とすことなく第1セットを先取した。第2セットに入ってからは、強化したサーブが効果的に決まり4ゲームを連取。このまま上が頂点に輝くかと思われたが、勝負はそう簡単ではなかった。

第1セットを6-0で奪った上

 「加治さんが本気を出せば、自分のテニスをほとんどさせてもらえなかった」と振り返ったように、ここから前年覇者が意地をみせる。徐々に調子を取り戻した加治のサーブに上手く対応できず、第2セット中盤に初めてゲームを落とした。これをきっかけに流れは完全に加治の元へ。なんとか粘りをみせ応戦するも、相手の圧倒的な強さに押され第2セットを奪われてしまった。最終セットになっても勢いを増す相手の前に、反撃の糸口を見出せない。前半には見られなかったミスも多発するなど、6ゲーム連取を許し敗戦。大会中に風邪をひいてしまったこともあり、「自分の体調管理不足」と悔しさを口にした一方で、「去年は1セットも取れなかったので、ちょっとは大先輩に近づけたかな」と手ごたえも感じられた一戦となった。

笑顔で憧れの先輩との対決を終えた

 新体制で臨んだ今大会は、男女ともタイトルを獲得することはできなかった。学生テニス界の王者の座に君臨する早大庭球部としては物足りない結果だろう。しかし各選手とも今大会を通して多くの課題を得ることができ、その表情は非常に充実していた。新体制での船出は満足のいくものではなかったが、この大会での経験を糧にますます強くなるはずだ。厳しい冬を超え、一回り成長した姿に期待したい。

(記事 吉田優、写真 佐藤詩織、松澤勇人)

2位の成績を収めた上

結果

▽女子シングルス決勝

●上6-0、4-6、0-6加治(園田学園女大)

コメント

上唯希(スポ2=兵庫・園田学園)

――きょうはどのような気持ちで試合に臨みましたか

去年準決勝で同じ相手(加治遥、園田学園女大)に当たっていて、そのときは4-6、4-6のストレートで負けてしまいました。ことしも4年生なのに出てくださることになったので(試合を)やりたいと思っていました。決勝の舞台で戦えて、勝ちたいといえば勝ちたかったですけど楽しみという気持ちの方が大きかったです。

――試合を振り返っていかがでしょうか

10ゲーム連取した後に12ゲーム連取されたんですけど、自分の体調管理ができていないというのもあって体力的にもアップアップでした。自分が何かしたというよりは加治さんが先にミスをしてくれたといった感じで、実際に加治さんが本気を出せば12ゲーム連取できるということで、自分のテニスはほとんどさせてもらえず、加治さん次第だったという試合内容でした。

――体調はかなり厳しかったのでしょうか

準々決勝の日に風邪をひいてしまって試合を戦えるといえば戦えましたけど、声も出ませんでしたしね。風邪でも練習に参加したりはしていたのでプレーに支障はなかったですけど、体力の方では先に踏ん張れなかったりといったところがあって、そこは体調管理不足だったので気をつけます。

――加治選手とは1年ぶりの対戦でしたがいかがでしたか

去年は自分が予選上がりだったので、ベスト4まで来れたところで満足したわけではないですけど勝ちに行けなかったというのがあって、今年は勝てるチャンスが大いにある中で自分のプレーをして楽しむというところを考えました。高校のときから格上の選手だったんですけど、去年は1セットも取れなかったのでちょっとは大先輩に近づけたかなと思います。

――次の個人戦の学生大会まではしばらく空きますが、その期間中心にトレーニングしていきたいところはありますか

夏のインカレ(全日本学生選手権)、リーグ(関東大学リーグ)でサーブが良くなくてそこはインカレインドア(全日本学生室内選手権)ではしっかり克服できたと思います。次はサーブリターンとかが重要になってくると思うので、サーブの強化を怠らずにするのがひとつです。それと自分のプレースタイルは打つことなんですけど、相手に攻められたときの対処法など打つだけじゃなくていろいろな引き出しを出せるように、この冬しっかり鍛えていきたいです。

――最後に来年の目標をお願いします

まず団体戦でチームに貢献するということは当たり前なんですけど、個人戦では夏のインカレはダブルスで2連覇できているので3連覇を目指したいです。(シングルスは)今回のインカレインドアで準優勝できましたし、夏関(関東学生選手権)も優勝できましたし、インカレもベスト8だったので、しっかり上で戦えるようにしたいです。勝ちに行くとちぢこまってしまう気もするので、楽しみながらも上位で戦える体力を作っていってシングルスの方でもタイトルを取れればいいかなと思います。