シングルス決勝戦はワセダ対決に!

庭球女子

 全日本学生選手権(インカレ)もいよいよ大詰め。この日は決勝進出をかけ、単複それぞれで準決勝が行われた。シングルスには、林恵里奈女子主将(スポ4=福井・仁愛女)と細沼千紗(スポ3=東京・富士見丘)の2名が登場。いずれも相手をストレートで下し、優勝に王手をかけた。一方のダブルスでは、今大会第1シードとして出場している林・上唯希(スポ2=兵庫・園田学園)が白星を挙げ、決勝へ駒を進めた。

 細沼にとって、3年目のインカレにしてシングルスで自身初の決勝進出がかかった一戦。対するは今大会第1シードであり、昨年12月の全日本学生室内選手権で優勝している加治遥(園田女大)だ。「我慢比べだった」(細沼)との言葉通り、序盤からジュースの多い展開となる。サーブでポイントを重ねた細沼が先にアドバンテージを握り、まずはラブゲームでキープ。続く第2ゲームでブレークすると、一気に5-0まで差を広げた。6-1でファーストセットを先取すると、セカンドセットも流れを引き寄せ、5-0。しかし、強気なプレーで追い上げを見せてくる相手に4ゲームを連取され、1ゲーム差まで詰め寄られる。「もう後がないなと目が覚めた感じで頑張れた」と、気持ちを切り替えた細沼。サーブから攻撃のリズムをつかみ、6-4で勝利を手繰り寄せた。一方単複で優勝を狙う林は、前日の準々決勝で上を倒し、ノーシードながら勝ち上がりを見せている西田奈生(慶大)との対戦。粘り強く応戦してくる相手にミスを誘われながらも、「ミス一本に引きずられずに次に次にと切り替えてできていた」(林)。6-2、6-2のストレートで勝ち星を奪取。先に試合を終えた細沼に引き続き、林も勝ち上がったことにより、翌日の決勝戦では早大対決が実現する。

単複で勝ち上がりを見せている林

 前日の同士打ちを制し、この日の準決勝へ臨んだ林・上組。対するは、関東学生トーナメント(春関)の3回戦でも対戦したペア。先にブレークされ、0-2でリードを奪われる滑り出しとなった。その直後のゲームでブレークし、上のサービスゲームでキープし2-2に追いつく。「二人でポイントを取りにいけていたので2-2から引き離すことができた」と林が振り返ったように、好機を生かし6-2でこのセットを獲得。セカンドセットはラブゲームでブレークするも、その後は互いにキープし合う展開が続く。「絶対に勝つという強い気持ちを持ってプレーができた」(上)と、シードとしての意地を見せた林・上組。最後は相手のサービスゲームをブレークし、頂点まであと1勝と迫った。

林・上組もまた頂点を目指す

 連日のように繰り広げられてきた熱戦も残すところ決勝のみとなった。シングルスでは第1シードを撃破して決勝進出を果たした細沼と、単複での2冠を目指す林によるワセダ対決に注目したい。「やるべきことをやるだけなので、プレッシャーを感じずに楽しめたら」(細沼)、「単複優勝を目指して今まで練習もやってきましたし、後はやるしかないです」(林)とそれぞれ力強く語った。また、昨年ダブルスでタイトルを獲得した上は二連覇もかかっている。プレッシャーをはねのけ、インカレを笑顔で締めくくりたい。

(記事 佐藤亜利紗、写真 中丸卓己、井口裕太)

結果

▽女子

シングルス準決勝

○林恵里奈6-2、6-3西田奈生(慶大)
○細沼千紗6-1、6-4加治遥(園田女大)

ダブルス準決勝

○林・上6-2、6-3齊藤佳帆・宮田みほ(ともに明大)

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コメント

林恵里奈女子主将(スポ4=福井・仁愛女)

――シングルスについてお聞きします。相手の西田奈生選手(慶大)にはどういった印象がございましたか

きのう上(唯希、スポ2=兵庫・園田学園)に勝って、今回ノーシードでここまで勝ち上がってきていて、実力のある選手だとは分かっていました。早慶戦や団体戦には出ていなくて、向こうからしたら思い切り当たってくるだろうとは予想していたので、それを分かっていた上で自分がしっかりプレーできたので良かったです。でも、技術や体力、気持ちの面でもすごく強い選手だなと試合を通して感じました。

――辻恵子副将(教4=東京・早実)などとの対戦を通じてここまで勝ち上がってこられましたが、これまでを振り返るといかがですか

辻との試合もきのうの押野さん(紗穂、慶大)との試合も、劣勢の場面から挽回してセットを取っていくというかたちが多かったです。劣勢になったときに今までの自分だったらあきらめていたところで、今はもう一度ギアを上げて頑張れていたからこそ、ここまで勝ち上がれているのかなと感じました。

――きょうはネットに阻まれたりショットのアウトも多かった印象でした

きょうに限らず結構ミスは多々あったんですけど、そのミス一本に引きずられずに次に次にと切り替えてできているときは、ミスをしていてもゲームが取れていたりといい流れがつかめていると思います。でもそのミスに対して考え過ぎたり落ち込み過ぎたときに、ゲームを取られてしまっているのかなと思いました。

――ダブルスについてですが、相手選手の印象はいかがでしたか

春関でも対戦していて、すごくガッツがあって思い切りのある選手だなと感じていました。やりづらさはあったんですけど、それに負けずこっちも積極的に攻められたので良かったと思います。

――第1セットの途中から徐々に調子を上げていった印象でした

自分のリターンミスが多くて、ポイントを互いに取り合うシーソーゲームになったりポイントを多く相手に取られたりしていました。ダブルスなのでパートナーがいて、二人でポイントを取りにいけていたので2-2から引き離すことができたと思います。

――第2セットについてはいかがでしたか

セカンドの中盤から疲れがどっと来て。もう一回ギアを上げてやらなければいけないところを、なあなあにやっていた部分はありました。そこはコートに立っている以上しっかりと勝負していかなければいけないところなので、反省点かなと思いました。

――連日のように2、3試合をこなしていらっしゃいますが、体力的にはいかがですか

シングルスに関しては、辻との試合も押野さんとの試合も劣勢の場面から逆転して、劣勢にならないと自分でギアを上げられないのかなと今回は思いました。劣勢になる前に自分がしっかりやらないとそういう長い試合になってまって、自分で自分の首を絞めつけているようなものになってしまうので。暑いですけど、体力面や気持ちの面で勝負していかなければいけないと思います。しっかり締めるところは締めていかないとと思いました。

――目標の単複優勝に向けてリーチがかかりました。今の心境はいかがですか

単複優勝を目指して今まで練習もやってきましたし、後はやるしかないと思います。あしたはシングルスは同士打ちですし、後輩の細沼(千紗、スポ3=東京・富士見丘)も調子が良くて、きょう第1シードに勝っていい流れで決勝に来ます。それに気持ちで負けず、自分も追われる立場ではありますがそれを引き離せるようにあした1ポイント目から気合いを入れて、勝ちたいと思います。

細沼千紗(スポ3=東京・富士見丘)

――第1シードの加治遥選手(園田女大)との対戦になりましたが

勝つチャンスはあるとすごく言われていたんですけど、自分の中では3割程度しか勝てないだろうと思っていました。インカレインドア(全日本学生室内選手権)でも優勝していますし、全国で第1シードというのは簡単になれるものではないので。本当に強い選手だということが分かっていた分、自分がどれだけできるのか楽しみではありました。

――ファーストセットは競りながらも6-1で取ることができましたが

ファーストはゲームカウントの割にはジュース続きで長いセットだったので、そこを取れたからセカンドも一気に離せたのかなと思います。あそこは我慢比べでしたね。

――セカンドセットは終盤苦しい展開でした

5-1で1ゲーム取られた時は相手サーブだったのでそこはしょうがないと切り替えられたのですが、5-2からは初めてブレークされてしまったので結構引きずってしまいました。5-4になって、もう後がないなと目が覚めた感じで頑張れました。

――自身初の決勝進出でもあり、明日は同校の林選手との一戦です。どのような戦い方をしていきたいですか

プレッシャーは林さんの方が感じていると思います。私はやるべきことをやるだけなので、プレッシャーを感じずに楽しめたらなと思います。

上唯希(スポ2=兵庫・園田学園)

――決勝進出を決めたいまの気持ちを聞かせてください

やっと来たなという感じです。去年優勝できて、二連覇することを目標にしてきていたので、ようやくスタートラインに立てたなという感じです。これ(決勝)で勝ってやっと目標が達成できますね。

――きのうのダブルスの試合を振り返ってみていかがですか

相手の二人もシングルスで負けて、ダブルスにかけている思いが伝わってきていましたけど、自分は二連覇すること、林さん(恵里奈女子主将、スポ4=福井・仁愛女)は最後のインカレでの単複優勝へ貢献することを決めていたので、相手がどう立ち向かってくるにしても私たちは絶対に勝つと強い気持ちを持ってプレーができたので、(それが)勝ちにつながったかなと思います。

――きょうの試合でのよかったところ、また課題などを教えてください

先にブレークされてしまいましたけど、その後しっかりブレイクバックをしてついていけて、ファーストリードされている場面でも離されることなく逆転して、自分たちのプレーができたのはよかったと思います。

――相手ペアの印象はいかがでしたか

春関(関東学生トーナメント)で当たっていた相手でした。春関のときは私がフォアサイドで、林さんがバックサイドというかたちでやって、今回の相手には勝てましたが、(その後の相手に)負けてしまいました。あまりマッチしなくて変えたことによって、春関のときよりもいいかたちで相手がどう来るかというのも一度当たっていたので分かっていました。春関のときよりはやりやすかったですし、春関のときにやっていてよかったと思いました。

――ペアのコンビネーションの部分でも手ごたえを感じているということでしょうか

インカレインドア(全日本学生室内選手権)で優勝したときは私がバックサイドだったのですが、春関はなぜか変えてしまいました。それでマッチしなかったので、元に戻したらいまはいいペアリングでここまで来れているかなと思います。

――連戦が続いていますが、疲労の部分はいかがですか

私の初戦が2回戦からだったのですが、そのシングルスの試合で慶大の主将と3時間半ぐらいの試合をして、その次の日から腰と足が痛くなりました。次の相手は簡単に勝てましたけど、4回戦の相手とやった日の朝のプラクティスでもうダメだと感じました。その日はダブルスが2試合あるということで、シングルスは途中でダメになるかもしれないと思いました。なので、2回戦を終えてから私の体はずたぼろです(笑)。シングルスの4回戦に勝って、ダブルス2試合を終えたあとはくたくたで、そしてきのうのシングルス準々決勝でも4時間弱試合をやって、セカンド(セット)を取ったあとはどうやれば勝てるかは分かってはいたのですが…。最後は自分の体力不足、準備不足で負けたという感じです。相手はダブルスがなくてシングルスだけで元気があったので、攻められてしまいました。本当はもう一歩足を動かして反撃しなければいけないところも足が動かなくて。この1年間の準備不足というのが反省点にあって、もっと体力があれば勝てた試合だったので、そこは素直に自分の体の弱さを認めないといけないと思いますね。シングルスが終わって、いまはダブルスだけに集中すればよくて、その分林さんは2試合あってしんどいと思うので、先輩ですけどしっかりリードしていけたらと思います。

――あしたが決勝となりますが、最後に抱負をお願いします

体力はどうであれ、ラスト1試合なのでそこに全力を注いで、しっかりワセダに優勝をもたらして東伏見に帰りたいです。