【連載】王座直前特集『この一球』 第2回 梶谷桜舞×吉冨愛子×上唯希

庭球男子

  全日本大学対抗王座決定試合(王座)10連覇。この大記録に挑戦する女子部から、今回は吉冨愛子(スポ4=愛知・椙山女学園)、梶谷桜舞(スポ4=東京・富士見丘)、上唯希(スポ1=兵庫・園田学園)の3人をご紹介する。昨年に引き続き、ワセダのエースとして戦う吉冨。全日本学生選手権(インカレ)では女子ダブルス優勝を果たし、好調を維持する梶谷と上。ワセダの勝利のカギを握るこの3人に、王座に挑むその胸中をお聞きした。

※この取材は10月4日に行われたものです。

「すべての試合が印象的」(上)

インカレ、夏関と快進撃を続ける梶谷(左)・上組

――王座を前にして、最近はどのように過ごされていますか

梶谷 最近は練習ばかりしていますね。特に4年生は授業がないので、結構毎日追い込んでいます。

吉富 リーグで負けてしまったというのがあるので、それを克服できるように、梶谷が言ったように授業もないので朝から夕方までここに居ます(笑)。

 練習と授業の繰り返しです。

――梶谷選手はケガから復帰し、ダブルスでインカレ(全日本学生選手権)優勝、夏関(関東学生選手権)優勝という結果を残しましたが、今シーズンを振り返っていかがですか

梶谷 自分の進路を12月、1月あたりに決めてから、ラストシーズンにかける思いというのが強くなって。テニスに対して一生懸命取り組んできた中で、春関(関東学生トーナメント)の直前にケガをしてしまって、ひょっとしたらインカレにも出場できないんじゃないかという状況になってしまって。あまり気持ち的にも乗っていなかったのですが、運よくインカレ予選に間に合うことができて、結果的に目の前の試合をやり切ることで結果がついてきたのかなと思います。夏関に関しては、宮地(真知香主将、社4=福岡・折尾愛真)、吉冨、日比(沙織副将、スポ4=神奈川・湘南工大付)は出場していなかったのですが、春関の悔しさもあったので、上と出場してしっかり優勝して春の分を挽回したいと思っていたので、目標を達成できて良かったと思います。

――吉冨選手はここまでのシーズンを振り返っていかがですか

吉冨 昨年はインカレのタイトルを獲ることを一番の目標にしてやってきて、結果的に優勝することができて。ことしもインカレでの優勝を一番の目標にしていたのですが、やはりもう一度優勝したいという強い思いがあったりとか、自分は卒業してからもテニスを続ける道を選んだので、もっとレベルアップをしなければならないという焦りのようなものもありました。自分が納得のいくプレーができないことに対する不安感やいら立ちがすごくあって。試合に出場している以上は自分が納得のいくテニスができたかどうかというよりは、結局は勝たないといけないのですが、今シーズンは勝ちというところに結び付けられなかった試合が多かったのかなと思います。

――上選手は早大に入学して初めてのシーズンになりました

 個人戦では桜舞さんと組ませて頂いて、春の早慶戦(早慶対抗試合)では愛子さんと組ませていただいたのですが、私が中学生のときのインターハイチャンピオンの方々なので、入部したばかりの頃は雲の上の存在という感じでした。正直、ワセダに入学した当初はインカレで優勝できるなんて思ってもいなかったですし、リーグ(関東大学リーグ)に出場させていただけるとも思っていなかったのです。まだよく分からないこともたくさんあるのですが、ここまで来たからには最後まで先輩方にしっかりついていきたいと思います。

――梶谷選手と上選手のダブルスは、梶谷選手のケガで出遅れたことで不安もあったと思うのですが、当時を振り返っていかがですか

梶谷 私は4年目だったので、シーズンの流れであったり、どういう雰囲気かというのを知っていましたが、上に関しては本当に初めてのことばかりで。それなのに私がケガをしてしまって、春関のダブルス出られなかったというのは本当に申し訳なく思っています。やはり春関に向けて頑張ってきてた部分もありましたし、上とプレーすることも楽しみにしていたので、そういった意味でもすごく迷惑をかけてしまいました。でも、その分私がケガしている期間に上も課題の克服に取り組んでいてくれて。私が練習に戻ってきた時にあまりうまくいかないことが多かったのですけど、それまで取り組んできたことが最後にはプレーに表れたのかなと思います。

 桜舞さんがケガをされた時は、朝のトレーニング場所に一緒にいたのに途中で(梶谷選手が)いなくなってしまって、どうしたのかなと思っていて。夕方の練習で隼さん(渡辺コーチ、平19スポ卒=静岡・庵原)から桜舞さんが駄目と聞いて、インカレにも出場できないかもしれないと思いました。でも、インカレの予選に引っかかることはできると聞いたので、すぐに気持ちを切り替えることができました。

――同期の梶谷選手がケガをされた時、吉冨選手は何か声を掛けられたりしましたか

吉冨 私は合宿に行っていたのでその場にはいなくて、どのように転んだのか見てなかったのですが、ちょうど帰ってきた時に松葉杖をしていて、かわいそうだなと思って。私自身にはどうしてあげることもできないので、すぐに状態が良くなることを願ってました。

――リーグ戦では慶大に敗戦しましたが、いま改めて振り返って感じる敗因などはありますか

梶谷 春の早慶戦はギリギリで勝ったのですが、そこでも負けを覚悟した瞬間はありました。リーグ戦もダブルスは0-2で、シングルスも取られてもう後がないという状況になって。私たちも、ワセダというチームもいつかは負ける瞬間が来ます。来ないのが一番良いんですけど、やっぱりいつかは訪れる。その時が今回の私たちの代でした。春の早慶戦で負けた慶大は、勝ちが見えてからの負けだったので、とても悔しかったと思うんですけど、そのエネルギーを秋にぶつけてきました。今回は私たちが悔しさをエネルギーに変えて、王座でリベンジするだけだなと思っています。

吉冨 梶谷も言っていましたが、慶大に力を与えてしまったのは春の早慶戦です。勝つ寸前までいって負けた、というすごく悔しい思いをしたからそれがエネルギーになったのだと思いますが、ワセダの方も春の早慶戦からチーム全員が本気で取り組んでこられたかというのは結果に表れていて。ちゃんとやってきたかと言われるとはい、と言えないのではないかと思います。逆に春の早慶戦でギリギリで勝ってしまったことで、最終的には勝てるだろうという思いが強くなってしまったという気もします。7戦ある内の1戦で誰かが調子が悪かったら他が挽回するということはできますが、その日にみんなが調子が悪かったら、団体戦は負けてしまいます。リーグを終えて、少しでもそういったことをなくすように穴埋めをしていかなければいけないと強く感じています。

 春秋ともに早慶戦には出場させていただきましたが、春はチームを窮地に追いやってしまって。秋でも負けをつくった原因でもあるダブルスで、シングルスの先輩方によい流れを持っていけなかったという責任もあります。3度目の正直で、その悔しさをバネに王座ではしっかり勝ちたいと思います。

――今シーズンのご自身の試合や仲間のプレーで印象に残ったものはありますか

梶谷 私はリーグの慶大戦で負けた試合です。自分が公式戦の団体戦で負けたのが初めてだったということもあるんですけど、自分があの時に上と1本取っていれば、チームの流れは変わっていました。それはシングルスの試合を見ていても感じていて、すごく引きずりました(笑)。一生懸命応援はしたのですが、心のどこかでそのことばかり考えてしまっていました。

――その試合の後、涙されていましたね

梶谷 そうですね。ダブルス1が負けてしまって、チームの流れをつくるために絶対に1本取らなければならないところで負けて、そのまま慶大に流れを渡してしまって。自分は4年生で、ペアである上を引っ張らないといけない立場にいるので、最上級生としての責任はすごく感じました。

――吉冨選手は今シーズンで印象に残っている試合はありますか

吉冨 あまりないですね。強いて言えば、インカレのダブルスの決勝戦で1ゲームも取れずに、梶谷・上のペアに負けたことです(笑)。あれは、ある意味印象に残っています。

――梶谷・上組は強かったですか

吉冨  強かったです(笑)。もう本当に、何をしても。

一同 (笑)。

――上選手はいかがですか

 今シーズンはダブルスをメインにやらせてもらっているのですが、高校までは団体戦のダブルスで出場したことがなくて、ずっとシングルだったので、すべての試合が印象的です。対抗戦やリーグ戦、個人戦でたくさんの方と組ませていただいて、こういったことも初めてだったので、本当に全部が印象的です。

「練習も試合も同じ景色でプレーしたい」(吉冨)

真剣に語る吉冨(中央)と、聞き入る梶谷(左)、上

――ここからは少し話題を変えたいと思います。団体戦などでは重要な局面で試合を迎えることも多いと思いますが、試合前のリラックス方法などはありますか

梶谷 私はA型すぎるので、ルーティーンがすごくあります。大会ごとによっても違うのですが、例えば初戦の前に食べたもので勝てたら、また次も同じものを買って、同じ時間帯に食べるようにしています。インカレのときも2回戦で辻(恵子、教3=東京・早実)・林(恵里奈、スポ3=福井・仁愛女)組との同士打ちだったのですが勝つことができて、その時に使っていたタオルを宮地・大矢(希、スポ1=愛知・名古屋経大高蔵)組の時に使って、最後の吉冨・細沼(千紗、スポ2=東京・富士見丘)の時にも使って…。同士討ちのときにはこのタオル、みたいな感じで決めています(笑)。正直、リラックスはできていないと思います(笑)。

吉冨 私は自分のラケットが好きなので、ぴかぴかのグリップテープにして試合に臨みます。普段からすぐに巻き変えてしまうのですが、試合のときはきれいな状態で戦うようにしています。

 リラックス方法というか、試合前はあまり何も考えていないのですが、桜舞さんが本当にA型で、何をするにもきれいにしていて。私は適当に物を置いてしまっているので、汚いのがすごく目立ちます(笑)。桜舞さんと組むようになってから、少しはいろいろと意識するようになりました。

一同 (笑)。

 私はO型なのですが、ちょっとA型を意識するようになりました(笑)。

――試合前はあまり緊張されないですか

 そうですね、あまりしないです。何も考えないであちこち散らかします。桜舞さんとは食べる時も、着替えるタイミングもいつも一緒なので、私が雑なのが目立たないようにしてます(笑)。

梶谷 リラックスさせてないですね(笑)。

 慣れました(笑)。

――梶谷選手はルーティーンをしないと落ち着かないという感じですか

梶谷 そうですね。もし万が一これで負けたら、と思うとしたくなります。本当は全然関係ないんですけどね(笑)。あのときあそこで手を洗っておけば…とか。夏関のトイレットブレークの時もそうだったんですけど、私はだいたい3つある流し台のうちの真ん中で手を洗って、顔を1回洗うんですよ。でも1回目のトイレットブレークの時に、人がいて。しばらく待ったのですが、結局違う方で手を洗ったらその後に(セットを)落としてしまったので、2回目のトイレットブレークの時にはちゃんと真ん中で洗いました。そうしたら、「桜舞さん、真ん中空いていましたね」って上が言ってきて(笑)。

一同 (笑)。

 絶対に真ん中で洗いたそうな雰囲気だったんですよ。真ん中で洗いたいというのは聞いてなかったんですけど、他の場所を使うのをだいぶ渋っていたので(笑)。

――吉冨選手はあまり気になったりされないですか

吉冨 そうですね。あまり気にならないですけど、試合の時は普段と同じようにしたいというのはあります。試合の時だけ几帳面にするとかではなくて、先ほどのグリップテープも普段からぴかぴかで、試合でもぴかぴかです(笑)。練習の時からガットにステンシルを付けているのも、練習も試合も同じ景色でプレーしたいと思っているからです。ガットを見たときに、練習中も試合中も同じ景色になる、というのは意識しています。

――梶谷選手と吉冨選手から見て、上選手はどのような印象でしょうか

梶谷 いつもにこにこしています。朝早くても寝起き感がなくて、すごいなと思います。私たちは寝起き感があるんですけど…。

吉冨 ばばあだからね(笑)。

梶谷 すごく若くて。元気が良いです。

吉冨 印象とはまた違うかもしれませんが、まだ見慣れないのがボレーとかで相手のボールの威力を吸収するところです。それがすごく上手くて、いまでも見てしまいますね。どうやって打ってるんだろうなって(笑)。

――上選手、吉冨選手から見て梶谷選手はどのような方ですか

吉冨 私はもう4年目なので、いろいろな面を知ってます(笑)。

梶谷 (笑)。

吉冨 テニスをしている時は躍動感がすごくてちょっとボーイッシュな感じがしますけど、おいしいものを食べると「相当おいしい」って言うんですよ。「これ相当おいしい」って。

梶谷 よく真似するよね、最近(笑)。

吉冨 「相当すごい」って。これが最近の私の流行りなんですけど。まあ昔と変わらず赤ちゃんみたいですね(笑)。

 桜舞さんは違うコートにいてもすぐに分かります。良い意味で元気が良くて、すごく目立ちます。

――梶谷選手のモノマネをされる方は吉冨選手だけですか

梶谷 いえ、同期にも時々されるのですが、後輩からもされますね。

一同 (笑)。

梶谷  1年生はまだしてこないのですが、2、3年生、特に2年生はしてきます(笑)。

――では、吉冨選手の印象はいかがでしょうか

梶谷 いやー、日々笑わせてもらっています。部室でもふとした瞬間に一発芸じゃないですけど、いろいろしてきておもしろいです。

吉冨 そんなことないよ!

一同 (笑)。

梶谷 私の一番の思い出は、2年生の冬の時期の練習がすごくきつくて。あまりにもきつすぎて、午後の練習が始まるのが嫌だったので、テンションを上げるためにレギュラーの宮地、吉冨、日比が『女々しくて』とももいろクローバーZの曲を踊ってくれて。私が動画撮影係だったんですけど、すごくおもしろかったです(笑)。

吉冨 床が抜けそうになってね。めちゃくちゃなことをしてましたね(笑)。

――上選手はどうですか

 後輩から見たら「愛子さん!」という感じです

吉冨 なになに、どういうこと(笑)。

 団体戦でも愛子さんが一番最後に試合に入りますし、本当に「愛子さんだ!」という感じなんです。あとは強いて言うなら、朝の練習場では後輩が先輩に挨拶をするんですけど、来て早々はあまり愛子さんのテンション高くなくて、すごく怖いんですよ(笑)。

吉冨 確かに、朝のテンションはね。寝起きだから(笑)。

――梶谷選手と吉冨選手は4年生同士ということで、入学当初からお互いに変化した部分を感じたりしますか

梶谷 自分はなんちゃってなんですけど、吉冨はインターハイのシングルスで優勝しているので、最初は話しかけちゃいけないと思っていました。本当に怖くて(笑)。

吉冨 怖くないじゃん、全然(笑)。

梶谷 最初にここで会った時のことも覚えているんですけど、本当に話すのが怖くて。でもいざ話すとすごくおもしろくて、愛子ちゃんってこういう人なんだと思うようになりました。ふざけることも多くて印象が変わりました。

吉冨 違うんですよ。私は全然怖くしているつもりはないんですけど、しゃべらないと無愛想に見えるみたいで、結構初対面で会ったときに怖そうって思われるんです。口を開けば大丈夫なんですけど…。逆に、口を開かない方が賢そうに見えて良いって言われたりもします(笑)。桜舞ちゃんは何か変わったことあるかな。

梶谷 成長してないよね。

吉冨 (入学前に)たぶん一回も話したことがなくて、どういう子かも知らなかったので、「桜舞って、桜に舞うなんだ」って思ってました(笑)。でも、普段は赤ちゃんみたいな感じなので、潔癖なところには本当にびっくりしましたね。もう慣れましたけど(笑)。

「全員で、王座で優勝します」(梶谷)

エースとして、最後の王座を迎える吉冨

――王座まで残り2週間ほどになりましたが、いまのチームの雰囲気をどう感じていますか

梶谷 例年と夏関の時期が違いますし、先週まで国体もあったので、王座に向けてスタートを切るのも少し遅いというか、ここ最近はチーム全員が揃うことがなかったです。やっと2、3日前くらいから全員が揃うようになってきて、優勝に向けて練習にも全員が取り組めるようになりました。まだレギュラーだけの練習が多いのですが、きつい中でもしっかり全員がやり切れているのではないかなと思います。

吉冨 梶谷と同じように感じています。

 私は例年の王座前がどのような雰囲気か体験したことがないので分からないことも多いのですが、先輩方が後ろからたくさんのアドバイスをしてくださって。コートに立たせていただいている以上、頑張らないといけないなという思いのみです。

――王座という大会は、みなさんにとってどのような意味のあるものですか

梶谷 毎年、王座がチームの集大成というのはあります。でも、ことしは王座に出場できるかというのも危ぶまれていたので、「王座、王座」といつも言っているけれど、しっかりとリーグ戦でも勝たないといけないなと思いました。王座にばかり意識がいきすぎていた部分もあったのかなと思います。何とかことしも王座に出場できることになったので、ことしは10連覇という大きな節目ではありますが、それは結果論なので、しっかりこのチームで優勝する最後の舞台だと思っています。

吉冨 ワセダの庭球部はOBやOGの方が試合を応援しに来てくださって、すごく気にかけてくださっています。1年生の時に「私が4年生になった時に10連覇します」とOBの方と約束したのですが、そのときは入学したばかりで、どれだけ大変なことか分かっていなくて。いままでも連覇しているから当然できるだろうと思って約束したのですが、1年目で王座に出て、簡単に達成できるものではないと痛感しました。一番連覇が危ないと言われていた2年生の時も苦しみながら勝って、昨年も勝って、いよいよことしで約束している10連覇目になって。本当に難しいことだと知っている分、自分が言ったからには最後は優勝して終わりたいというのがあります。最後にこのチームで勝ちたいというのもそうですけど、ワセダとして優勝したいという気持ちが強いです。

 私は、4年生の先輩方を笑顔で送り出すという気持ちが一番強いです。優勝して最後に写真を撮って、悔し泣きではなくうれし泣きで、全員が笑顔でいられるようにしたいです。

――4年生のお二人はいままで以上の緊張感はありますか

梶谷 そうですね。いままでに比べて1日が過ぎるのがとても早くて、その分焦っている自分がいます。早慶戦では負けてしまっているし、やるべきことはたくさんあるので、限られた時間の中ですが全員で1日1日をやり切りたいです。

吉冨 最後の年は緊張するだろうなと思っていて、正直リーグ戦はぼろぼろでした。もちろん試合まではやり残すことがないように練習はするのですが、やはり気持ちの部分は大きいなと感じています。リーグでの反省としてはコートに入った時に必要以上に不安がってしまったというのがあるので、やるべきことをやり切って、コートの中に入ったら何でも自分に任せられるように準備をしていきたいと思います。

――チームのキーパーソンはどなたですか

梶谷 宮地と吉冨です。宮地は主将であり、吉冨はチームのエースであるので、まだオーダーもどうなるか分かりませんが、シングルス1、2で最後の意地を見せてくれるのではないかと思います。リーグ戦の山学大戦ではちょっと本領発揮できていなかったですが、宮地と吉冨は最後にやってくれるのではないかと思います。

吉冨 誰が出場するのかまだ分からないですけど、ダブルスに出る4人ですね。ダブルスでどうチームに勢いをつけるかがその後の試合を左右すると思うので、その4人です。

 4年生の先輩方です。一人には絞れないのですが、練習のときからもずっと引っ張ってくださったので、王座でもしっかり引っ張ってくださると思います。

――苦しい戦いになると予想されますが、勝つために必要なことは何だと思いますか

梶谷 いままでやってきたことしか試合には出せないので、入念な準備が必要だと思います。いざ試合になったら、コートに立っている選手はいままでやってきたことをすべて出し切るだけで、応援する人はチーム一丸となって選手を応援するだけだと思います。

吉冨 試合で強い気持ちを持って戦えることが大事だと思います。強い気持ちを持っていれば、焦らず落ち着いたプレーができるはずです。でもそれを引き出すのは自分自身しかいないと思うので、自分の行いをしっかりしたいです。

 ベンチコーチの方が「ここが勝負」とポイントポイントで言ってくださるので、そこでしっかり勝負ができるようにしたいです。勝負所で勝負ができるように、メンタル面もそうですが、練習の積み重ね自体が自信になると思うのでそこを意識してやっていきたいです。

――王座でのご自身の役割は何だと思っていますか

梶谷 4年生としていままでいろいろな王座を経験してきたので、それを伝えることです。もし最後に自分がコートに立てることになったら、王座への思いをプレーで表現して、毎年言っていますが『この一球』の精神で頑張りたいと思います。

吉冨 試合の最後に登場する身なので、どしっと構えてみんなが安心して戦えるようにしたいです。

 桜舞さんから、「上ちゃんは1年生なんだから元気よく!」といつも言われるので、とにかく元気よくプレーしたいと思います。

――最後に、王座に向けての意気込みをお願いします

梶谷 全員で、王座で優勝します!

吉冨 優勝します!

 慶大を倒して、全員で優勝したいです!

――ありがとうございました!

(取材・編集 豊田光司)

王座への思いを色紙に書いていただきました!

◆梶谷桜舞(かじたに・ろぶ)(※写真左)

1994年(平6)1月27日生まれ。身長159センチ。東京・富士見丘高出身。スポーツ科学部4年。今季の主な成績は全日本学生選手権女子ダブルス優勝。関東学生選手権女子ダブルス優勝。全日本学生ランキング女子シングルス16位、女子ダブルス1位。(2015年10月19日現在)。王座に向けて厳しい練習が続く中、3人の甥っ子、姪っ子とのふれあいが癒しになっているという梶谷選手。そのお気持ち、よく分かります!

◆吉冨愛子(よしとみ・あいこ)(※写真中央)

1993(平4)年9月24日生まれ。身長158センチ。愛知・椙山女学園高出身。スポーツ科学部4年。今季の主な成績は関東学生トーナメント女子シングルスベスト4、全日本学生選手権女子シングルスベスト4、女子ダブルス2位。全日本学生ランキング女子シングルス3位、女子ダブルス9位。(2015年10月19日現在)。吉冨選手の最近のマイブームは、海外ドラマの『glee』。早慶戦の前にも、ドラマの曲を部室で歌ってテンションを上げていたようです!

◆上唯希(うえ・ゆいき)(※写真右)

1996年(平7)11月2日生まれ。身長167センチ。兵庫・園田学園高出身。スポーツ科学部1年。今季の主な成績は関東学生トーナメント女子シングルスベスト16、全日本学生選手権女子ダブルス優勝、関東学生選手権女子ダブルス優勝。全日本学生ランキング女子シングルス41位、女子ダブルス8位(2015年10月19日現在)。今季は梶谷選手とダブルスを組んでいる上選手。インカレの時、ホテルの違う梶谷選手と部屋番号が同じだったことが、思わず電話をかけてしまうほどうれしかったそうです!