栄光の9連覇!

庭球女子

 『全てはこの日のために』。熱き思いを胸に迎えた、全日本大学対抗王座決定試合(王座)最終日。今大会で女子部が掲げてきた目標はただ一つ、9連覇達成。新たな歴史を刻むべく、待ちに待った決勝の舞台へかける思いは格別だった。

喜びを分かち合う梶谷・林(左)組

 ここまで無敗で勝ち進んできた女子部。しかし、大学テニスをけん引するワセダのプレッシャーは計り知れない。決勝の舞台でダブルス1を任されたのは、梶谷桜舞(スポ3=東京・富士見丘)・林恵里奈(スポ2=福井・仁愛女)組。笑顔と大きな声でハイタッチをし、試合に臨んだ。第1セット中盤でジュースに苦しめられる場面も見られたが、互いに鼓舞をしあい着実なボレーを放つ。6-4で迎えた第2セット、梶谷のスマッシュや相手のミスを狙うショットでブレークし、6-3で勝利をつかんだ。一方、ダブルス2に登場したのは吉冨愛子(スポ3=愛知・椙山女学園)・細沼千紗(スポ1=東京・富士見丘)組。吉冨が力強いストロークでラリーを展開し、細沼が隙を突くボレーをたたき込む。第1セットを6-1で獲得。第2セットは一進一退の攻防が続き、途中5-5まで詰め寄られる場面も見られたが、7-5で試合終了。2組ともに勝利を手にし、シングルスへ勢いをつけた。

勝利し、ベンチに駆け寄る吉冨・細沼(左)組

 シングルスにはダブルスにも登場した吉冨と林に加え、宮地真知香(社3=福岡・折尾愛真)が名を連ねた。シングルス3の林は幸先の良いスタートを切る。冷静沈着なショットでポイントを重ね、6-1、6-2で締めくくった。他方、シングルス2の宮地も圧巻のローボレーを放つなど、コートを広く使うプレーで第1セットを6-0とする。第2セットも着々とポイントを重ねていき、6-2で勝利した。残すシングルス1を託されていたのは、今季は学生大会のタイトルを総なめしている吉冨。「5-0で終わりたい」。全勝優勝へ向け奮起した吉冨は、パワフルなサーブを決め込む。6-3で第1セットを奪うと、第2セットも最後まで気を緩めることなく6-3。シングルス、ダブルスともに全勝した早大。9連覇の栄光を手にした。

仲間の声援に応える吉冨

 4年生を交えての最後の試合である王座、これまで積み重ねてきた連覇を止められぬ王座――。それぞれがさまざまな思いを抱いて臨んだ大会がついに閉幕した。終始気を引き締め、『この一球』の精神で女王の座を守り抜いた女子部。その伝統と誇りを胸に、新たな体制で再び歩み始める。

(記事 久良佳菜子、写真 松下優、井上雄太)

結果

▽決勝

○早大5-0山梨学院大

ダブルス1

○梶谷桜舞・林恵里奈(6-4、6-3)寺見かりん・本郷美生
ダブルス2
○吉冨愛子・細沼千紗(6-1、7-5)尾崎仁美・久次米夏海
シングルス1
○吉冨愛子(6-3、6-3)久次米夏海
シングルス2
○宮地真知香(6-0、6-2)本郷美生
シングルス3
○林恵里奈(6-1、6-2)尾崎仁美

※最終成績=優勝(9年連続10回目)

※MVP=吉冨愛子

チャンピオンスピーチ

女子部集合写真

高田主将 はじめに、大会を運営してくださった全日本学生テニス連盟の皆さま、会場を提供してくださった有明テニスの森公園さま、各スポンサーの方々、また審判、各大学の皆さま、本当にありがとうございました。1年間苦しい練習を乗り越えて、このような最高な日を迎えることができたこと、部員一同うれしく思います。またきょうをもって引退となる4年にとって、王座(全日本大学対抗王座決定試合)9連覇したことに加え、王座という大会を完全優勝で飾ることができたのは一生の思い出となりました。このような結果を迎えることができたのも、土橋監督(登志久、平元教卒=福岡・柳川)、渡辺コーチ(隼、平19スポ卒=静岡・庵原)、嶋﨑さん(徹夫、平元商卒=神奈川・桐蔭学園)をはじめとした多くの方々の熱いご指導、応援していただいているOBやOG、保護者の方々のおかげであると思っています。9連覇を達成することができましたが、来年度以降も私たちの後輩が早稲田大学庭球部として必ず10連覇を達成して勝ち続けてくれると思うので、今後とも早稲田大学庭球部の応援をよろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。

MVPスピーチ

MVPの吉冨

吉冨 はじめに、このような素晴らしい賞を私にくださってありがとうございます。ことしは王座で1ポイントも落とさず、チーム一丸となって勝てました。うれしい気持ちでいっぱいです。またこのような賞をいただけるように、早大庭球部の一員として誇りを持ち、来季は一回りも二回りも成長した姿でこの場所に帰ってきたいと思います。そして、日ごろから指導してくださっている土橋さん、渡辺コーチ、嶋﨑さんをはじめとするコーチ陣の方々に感謝します。また、OBやOGの方々、保護者の方々に感謝し、これからも精進していきたいと思います。ありがとうございました。

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コメント

渡辺隼コーチ(平19スポ卒=静岡・庵原)

――男女ともに連覇を達成したいまのお気持ちは

うれしいです。

――関東大学リーグ(リーグ戦)から今大会まで長い戦いでしたが、今シーズンを振り返ってみていかがですか

昨季この大会が終わったとき、エースが必要になると言った記憶があります。今季、女子に関しては吉冨(愛子、スポ3=愛知・椙山女学園)が春からずっと勝ち続け、今回の王座(全日本大学対抗王座決定試合)でも全て勝ったということがチームにとって良い影響になったのかなと思います。男子に関しては大城(光主将、スポ4=埼玉・秀明英光)が幸先良くインカレインドア(全日本学生室内選手権)で優勝したのですが、そこからなかなかうまく結果が出せず、インカレ(全日本学生選手権)の方でも岡村(一成、スポ4=岡山操山)が準優勝したのですが、今井がもう少し良い成績を出せるかなと思っていた中でいまいちということで、少し不安を抱えたまま臨んだ大会だったかなと思います。

――男子部では田川選手(翔太、平26教卒)、遠藤選手(豪、平26スポ卒)の2人が卒業した影響は大きかったですか

やはりこの2枚看板がいなくなったことは意識していました。不安を抱えながらいく中でみんな頑張ってくれていたのですが、2人の存在は大きかったのかなと感じますね。

――きょうの決勝で対戦した慶大の印象はいかがでしたか

エースの近藤くん(大基)、3年生の高田くん(航輝)を欠いている中でしたが、とても一体感があってまとまったチームでした。準決勝も5-4で厳しい戦いを勝ち抜いてきたというところから、手ごわい相手であったなというのが大きな印象です。

――きょうの戦いを振り返っていかがでしょうか

ダブルスが1-2になり、シングルスを1つも落とせないという気持ちで臨みました。キャプテンの大城は負けてしまったのですが、そのほかの古田(陸人、スポ4=愛知・名古屋)、松崎(勇太郎、スポ2=神奈川・湘南工大付)、栗林(聡真、スポ3=大阪・清風)、今井(慎太郎、スポ3=神奈川・湘南工大付)が何とか勝ち切って優勝を手にすることができました。来季につながる3人が勝利を挙げたというのは、すごく大きなことではないかなと思います。

――一方女子部の戦いぶりはいかがでしたか

女子部は昨季苦しい戦いを乗り越えてきたのが大きくて、日ごろの練習から自分たちで強くなろうという意識が強くありました。それに加え、新しい力の細沼(千紗、スポ1=東京・富士見丘)が加わったことが大きな勝因の1つかなと思います。

――先ほどもお話に出ましたが、吉冨選手は今季公式戦負けなしという活躍を見せています

彼女もきっと、もっと頑張りたいだとか自立した選手にならなければいけないだとかいう思いがあったと思います。負けていないということは同時に、次は負けるかもしれないという不安を抱えることでもあると思います。そこでもう一度奮起して、自分との戦いがある中で練習に励んでいたのかなと思います。

――きょうは決勝に臨む選手たちにどのような言葉を掛けましたか

いつもと変わった言葉は掛けていません。いままでやってきたことをやるだけです。相手はこれだけ厳しい戦いを勝ってきていて間違いなく強いので、自分たちは王者としてではなくチャレンジャーとして挑んでいこうというふうに伝えました。

――今大会で引退となる4年生に掛けたい言葉はありますか

厳しい言葉を掛けたり突き放したりすることもありました。しかし、このような展開になるのは昨季の時点で分かっていたことなので、やはり本当におめでとうと伝えたいですし、いままでありがとうと伝えたいです。

――最後に今後の部をつくりあげていく下級生に一言お願いします

まずキャプテンになる今井と宮地(真知香、社3=福岡・折尾愛真)に対しては、リーダーシップを持ってほしいということです。そして監督(土橋登志久、平元教卒=福岡・柳川)が不在になるということは事実なので、それを言い訳にするのではなく、自分たちはどのようにすれば強くなるのかということを考えて一日一日を過ごしてほしいです。私も含めて頑張っていかなくてはいけないと思うので、3年生以下全員で頑張っていこうと伝えたいです。

高田千奈美主将(スポ4=静岡・浜松西)

――きょうの試合を振り返って率直な感想を

しっかりと最初のダブルスで2-0をつけることができ、良いスタートを切ることができました。そこから勢いに乗り、シングルス3本も取ることができました。(入部してから)ずっと優勝していた4年間の王座の中で経験したことがなかった、5-0という1本も落とさない展開でした。チームにとっても本当に良かったと思います。

――主将としてチームに話したこととは

いつも言っているのは、仲間であったり、いままでやってきたことであったりを信じてということです。やれることは本当にやってきたので、しっかりと信じてやってほしいとずっと話してきていました。きょうは本当にプレッシャーのかかる場面がたくさんありましたが、サポートのメンバーから、「みんながついているよ」とか、「いままでやってきたことを信じて頑張ろう」とか、そのような言葉が出てきていて、仲間やいままでにやってきたことを信じることを考えてやってくれているのだなと思い、うれしく思いました。

――試合前に『全てはこの日のために』と円陣を組んでいたときの心境とは

この日が来たのだなと(笑)。本当に1年間が短かったなというのが正直な感想です。やはり、王座の決勝というのは、他の大会よりも重たいものがありました。一人一人がいろいろな思いで1年間を乗り越えてきたと思うので、いつもの円陣では全員言うことはないのですが、一人一人が話しているうちに、「この子はこういうことがあったよな」「1年間、あんなことがあって大変だったな」「楽しかったな」と、いろいろと考えました。少し泣いてしまいました(笑)。

――ダブルスの試合運びはいかがでしたか

相手チームもリーグ戦のときと同じペアで出てきたのですが、1カ月前よりもすごくパワーアップをしていて、本当に侮れないペアだと思いました。いざ試合になって、ダブルス2はセカンドセットで競りましたし、ダブルス1もどちらに転ぶか分からないという展開でした。しかしそこでしっかりと取り切れたというのはいままでの練習や分析が生きたからだと思いました。

――シングルスに関しては

シングルスの3人とも、本当に素晴らしい試合だと感じました。特に、宮地の試合は6-0と5-0まで本当に強すぎました。みんな「どうした?」みたいな(笑)。試合前から気合も入っていたのですが、気合いの入れ方がいつもと違っていて、頼もしい後輩だと思いました。

――4年間を振り返って、印象的だったこととは

やはり、主将と主務を兼務してきたことですね。これといったエピソードではありませんが、主将と主務という2つの重要な役職においていただきました。兼務するには至らない点があったのですが、自分なりに考えて取り組んできたことがたくさんあったなと、いろいろな思い出がありますね。主将としての仕事もありながら、主務として勧誘活動などもあり、なかなか部に顔を出すことができずにみんなに本当に申し訳ないなと思い、つらい時期もありました。忙しい分それだけ重要な役職をやらせていただいているということで、充実していて良い経験をさせていただいたなと思います。

――土橋監督へ向けてメッセージを

昨季から副務、今季は主将と主務という役割をさせていただき、土橋さんと関わらせていただく機会が非常に多くありました。厳しく指導していただいたこともありました。また、いつもは厳しいのに、意外とおちゃめな部分もあって面白い面があり、そのような点を見ることができたことは非常にうれしく思います。フランスでは大変なことがたくさん待ち受けているのではないかと思うのですが、一つのことを決めたら徹底してやり抜くという方なので、絶対に1年間頑張ってきてくれると思っています。本当に応援していますと伝えたいです(笑)。

――最後に、後輩へメッセージを

まずは、ここまで連れてきてくれてありがとうと伝えたいです。本当に大好きなんですよね、このチームが(笑)。10連覇という節目に向け、すぐに新体制が始まります。いままで以上にプレッシャーがあり、いろいろと考えることが多くなり、つらいことや大変なことがたくさんあると思うのですが、自分たちでしっかりと考えて行動をしてほしいです。土橋さんがいらっしゃらなくなるので、自立した庭球部になってほしいですね。頑張ってくれ、というふうに伝えたいです(笑)。

間中早紀副将(スポ4=東京・早実)

――優勝おめでとうございます!感想をお願いします

率直にうれしいです。来季は土橋さんがいらっしゃらなくなるということで、最後は絶対に優勝して送り出したいという気持ちがありました。怒られることも多くてつらい思いをしてきたので、その悔しい気持ちを結果につなげられて良かったなと思います。

――王座での3戦は全て5-0という結果でした

1戦目については相手の人数不足がありましたが、完全優勝するというのを目標にやってきました。ダブルスを絶対に2-0にしてチームに勢いをつけるという目標があったので、そこを達成することができて良かったです。リーグ戦から考えて、特に3年生の成長具合というのが身に染みて感じていて、最高のチームになれたのだと思います。

――副将として臨んだ1年間でしたが、振り返っていかがですか

副将に任命されてから、責任感やプレッシャーと戦いながらやってきました。王座では自分自身がコートに立ってチームに貢献するということはありませんでしたが、それ以外の面でチームを支えることができました。副将として引っ張ることができたのかなと思います。

――いままでともに戦ってきた4年生への思いは

4年生はやはり、ぶつかってきたりけんかしたり、いろいろな思い出があります。しかし本気で自分たちの思っている気持ちをぶつけてきた分、いまの絆は固いと思っています。これ以上最高の同期はいないんじゃないかと思うくらい、大好きです(笑)。

――土橋監督への思いは

自分が副将になったのですが、レギュラー陣の中でも足を引っ張ってしまう立場でした。そんな中レギュラーに上げてくださって、私のために厳しい言葉もおっしゃっていただきました。最終的にこういう結果に結び付いたのは土橋さんのおかげだと思うので、本当に感謝しています。3年生以下は絶対に10連覇してくれると思うので、フランスでは安心して自分磨きしていただきたいと思います。

――最後に、下級生へのメッセージをお願いします

キャプテンの宮地、副キャプテンの日比(沙織、スポ3=神奈川・湘南工大付)、主務の岸(真梨子、社3=東京・早実)が中心となります。ことし試合に出た主力のメンバーは3年生もたくさんいて、来季もしっかりやってくれると思います。ですが、ここで気を抜くことはせず、土橋さんがいない分自分たちで注意しあって、強い気持ちで戦っていける準備をあしたから始めてほしいなと思います。

梶谷桜舞(スポ3=東京・富士見丘)

――きょうを振り返って率直な感想を

うれしいです。努力が報われたというか、本当に良かったと思います。

――試合前のチームの雰囲気はいかがでしたか

きょうがこのチームでやる最後の日ということで、それぞれがいろいろな思いで臨んだと思うのですが、4年生がこの決勝で最後ということで、チームがすごくまとまっていたかなと思います。毎年、『この日のために』と円陣を組むのですが、ことしも感極まってしまいました。いままでやってきたことがよぎりましたし、4年生と最後、このチームでは最後と思って泣いてしまいました(笑)。

――ダブルスの試合内容はいかがでしたか

1カ月前にリーグ戦で戦ったときにフルセットだったので、今回も厳しい戦いになると分かっていました。最初はキープ、キープで試合が続いて、サービスゲームはしっかりと確実に取れていました。リターンゲーム、特に1ゲーム目はブレークできそうで、チャンスは何度かきていたのに、相手もゲームを与えてくれませんでした。最後の最後にブレークをし、6-4で取ることができました。でも、スコアが逆でもおかしくなかったと思います。しっかりと取ったというよりも、相手に取らせてもらったという印象が強いです。

――第2セットを詳しく振り返ってみて

競っていた隣のコートが6-1で、相手の山梨学院大は後のない状況の中、ファーストセットよりも良いプレーをしてきました。私たちは少し緊張がほぐれていたのですが、ファーストセットを取ったことで、良い意味ではなく悪い意味での余裕が見えてしまったのかなと。相手が隙を突いてきて自分たちの元気がなくなってしまったのですが、応援の方がプッシュをしてくれて元気を与えてくれたので、リーグ戦のときのように流れが相手にいくということがありませんでした。最後も本当にどちらにいってもおかしくなく、3-6でもおかしくありませんでした。特に、林(恵里奈、スポ2=福井・仁愛女)のサービスゲームのときには競りましたね。あそこで取っておけばもっと楽になったと思いますが、やはり王座の決勝ということで相手も必死なのでうまくはいきませんでした。ブレーク合戦になったときもあったのですが、キープできました。林のストロークがすごく良かったと思います。自分は前に立っているときに何もしていなかったのですが、林が頑張ってくれたので感謝しています。

――印象的だったプレーはありますか

林が前で私が後ろのときが良かったのかなと思います。最初、私は緊張していたので相手を押すようなショットやプレーができていなかったのですが、緊張がとれたセカンドセットでちゃんとラケットを振ることができたときには相手を押すことができました。林が前で揺さぶって決めていたことがあったので、そこは昨季に引き続いてすごく良かったです。あとは、長いラリーが続いた中で、後ろがつくって前が決めるというふうに辛抱強くできたのかなと思います。

――最終学年に向けて自覚や意気込みはありますか

月日が経つのが早いです(笑)。やはり、私たちの代は最終学年になるのに加えて、土橋さんが1年間不在ということで、どのようにチームをつくっていくのかということが問われてくると思います。いままで土橋さんが厳しく指導してくださった点をどのように埋めるのか。他のコーチの方もいるのですが、いままでは土橋さんが毎日、隼さん(渡辺コーチ、平19スポ卒=静岡・庵原)がお忙しい中週末に練習を見てくださっていました。来季は自分たちの自立性が問われます。部員一人一人でその穴を埋めるということも大切なのですが、特に私たちが自覚と覚悟をもって自分自身に厳しくすることが大切なのかなと思います。私自身ことしはケガで始まってしまったので、違った舞台にチャレンジし、新しいことを発見し、後輩たちに教えられるようになりたいです。

――4年生に対してメッセージを

引退しないでくださいというのが一番ですかね(笑)。一番長く過ごした学年でしたね。入ったときは怖かったのですが、いまとなってはすごくありがたかったなと思います。そのおかげで、こうやって最後に仲間を信じて戦うことができたのかなと思います。部室で楽しくふざけたり、楽しいことをしたり、絶え間ない日々がすごく思い出になっています。厳しい練習を一緒に乗り越えてきたのも思い出になっています。4年生はすごくサポートしてくださったので、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に引退してほしくないのですが、いつかはそういう日が来るので。それがきょうということですね。やはり、お疲れさまでしたと伝えたいです。これからはOGということになるので、ぜひ、来季はOGとして私たちの頑張っている姿を見に来てほしいなと思います。

宮地真知香(社3=福岡・折尾愛真)

――優勝おめでとうございます。いまの率直なお気持ちは

チームとして優勝できたこともうれしいんですけれど、4年生が一生懸命引っ張ってきてくださってここまで来ることができたので、その4年生を笑顔で送り出せて最高にうれしいです。

――試合を振り返っていかがですか

きょうはいろいろな方が見に来てくださって、チームのみんなからも勝ちたいという思いが伝わってくる応援だったので、それがすごく力になる試合でした。

――終始リードした展開が続きました

そうですね、自分のテニスをしっかりやっていこうと思いながら打っていました。それがきょうはうまくいったので良かったです。

――ご自身で印象的だったプレーは

いや、1ポイントずつ必死であまり覚えていません(笑)。あまり派手だったプレーもなく着々と重ねていったという感じですね。「これが」といったポイントはありませんが、その積み重ねが良かったと思います。

――リーグ戦、王座ともに全勝でした

自分のポジションは負けなしというのが当然なので、勝てて良かったです。

――直前の特集取材では、「4年生のために勝ちたい」という言葉がありました。実際に勝利を手にして4年生からの言葉はありましたか

「ありがとう」ということと、「来季も頼んだよ」という言葉をいただきました。

――引退される4年生にはどういった思いがありますか

とにかくいろいろお世話になりましたね。いろいろなことを教えていただいて、一番長く一緒にいた先輩方なので、思い入れもたくさんあります。苦しいことを一緒に乗り越えてきましたし、楽しいこともたくさんあって、いまは寂しいですし、少し不安な気持ちもあるんですけれど、笑って引退してくれて良かったです。

――来季、最終学年になるに向けてこれからどういったことを注意していきたいですか

最上級生なので、私たちの言葉や行動でチームはすぐに良い方向にも悪い方向にも向かっていくと思います。私たちは人数も多いのでみんなで協力してさらに良いチームをつくっていきたいです。

――最後にこれからの目標と意気込みをお願いします

来季も早大らしく優勝できるように、頑張ります。

吉冨愛子(スポ3=愛知・椙山女学園)

――優勝、そしてMVP受賞おめでとうございます。いまの率直な気持ちは

うれしいですね。

――本日のご自身の調子は

だんだんやっているうちに良くなって、きょうは3日間のうちで1番良かったです。少し危ないときもありましたが、悪いときの時間が短かったので何とか乗り切れました。

――ダブルスの試合を振り返っていかがですか

2人とも元気にできましたし、強いストロークを打てたので楽しくやれました。ファーストセット、2人ともすごく緊張してしまいましたが、2ゲーム目に0-40から何とかしぶとく拾って追いつきました。相手にも硬さが見えたのでそこから一気に押せたのが良かったかなと思っています。セカンドセットはもたついてしまいましたが、ベンチコーチの方の声などをお借りして強気なプレーができたので、良かったなという感じです。

――直前の特集取材では「ボレーに出られない」とありましたが

きょうも駄目でした(笑)。課題として残ります。

――シングルス1の試合を振り返っていかがですか

チームが4-0で勝っていて、やはり5-0で終わりたいという気持ちがありました。きょうはその気持ちの中でも結構落ち着いてプレーできたかなと思っていて、やはり相手の方が大舞台を経験していない分、いつもに比べてミスが早かったなと思っています。私も落ち着いてできましたが、相手に助けられた部分も大きくありました。

――全勝優勝のプレッシャーはあまり無かったということですか

最初は思い切りやろうと決めていたので感じませんでした。しかし途中でやはりそのことを意識して引いてしまったので、途中で「違うぞ」と自分に言い聞かせて強気なプレーをしました。

――強気に戻れたのはどのタイミングでしょうか

2-0から2-3になってしまって、その時点でこれは駄目だと思い直しました。

――印象に残っているご自身のプレーは

自分のではないんですけれど、ダブルスで自分たちのマッチポイントで細沼が勇気を持ってポーチに飛びついて、それが決まったのがすごく印象的ですね。

――4年生がきょうで引退されますが、吉冨選手から見た4年生とはどういった学年ですか

やはり年齢が1つ違いということで一緒にいる時間が長くて、3年間頑張ってきて、すごく仲良くさせていただきました。寂しい気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです。

――来季、最終学年を迎えます。目標と意気込みをお願いします

チームとしては王座10連覇という節目を迎えられるので、それを達成すること。また個人としてはことしに続けて個人戦で全てのタイトルをとって、学生にとどまらず一般の選手と戦いあえるようになりたいです。

林恵里奈(スポ2=福井・仁愛女)

――きょうのシングルスを振り返って

まず、昨季と同じシングルス3に出ましたが、昨季の王座で1-1だったダブルスを今季は2-0で終え、シングルスに入るときの気持ちが全然違うなと思いました。また、2-0になって誰かが1本取ってくれるだろうと思っていたら、きょうのような試合はできなかったと思います。絶対に自分がとって日本一を決めたいと思ってシングルスに臨んでいました。良いかたちで勝つことができて良かったです。

――試合の入りから順調でしたか

序盤から自分のプレーをすることができていたと思います。

――以前取材の際、「大きな声」がカギだと述べていましたが

打つときやポイントを取ったときに、声を出して自分の気持ちを上げたり、緊張をほぐしたりすることがうまくできたという印象です。

――シングルスの第1セットはいかがでしたか

スタートがすごく良くて3-0と差をつけることができたのですが、そこで1ゲームを取られてしまったことはいまの自分の課題でもあります。そこもう一回頑張れる力を身に着けることができたら良いなと思います。序盤のスタートが良かったから6-1で取り切ることができたのだと思います。もし、1-1や1-2になっていたら4-6というふうな逆のスコアになっていたかもしれないので、出だしがすごく重要だなと改めて感じました。

――第2セットはいかがでしたか

ちょうど第1セットが終わったときに、隣があっさりと第1セットを終えていました。そこで少し安心してしまった部分があり、ファーストセットに比べて良いスタートは切れませんでした。

――印象的だったプレーはありますか

そんなに覚えていないのですが、セカンドセットはどちらかというと粘って相手のミスを誘うというのが多かった印象です。自分が良いかたちで(相手を)振って、ボレーでうまく決めることができたことが印象に残っていますかね。

――ダブルスを振り返って

強い相手だということはリーグ戦のときから分かっていたことで、ダブルスも出だしが重要だと分かっていました。しかしやはり緊張して硬くなってしまった部分があり、良いスタートを切ることができなかった場面もありました。徐々に、2人の緊張がほぐれて自分たちのプレーができたのかなと思います。競った第1セットを自分たちで取り切って、その流れで第2セットの出だしは良かったです。第1セットを取ったというのが大きかったかなと思います。

――ダブルスでうまくいったと感じた点は

私が緊張してラリーで簡単なミスをしてしまったり、リターンミスをしてしまったりしたときに、桜舞さん(梶谷、スポ3=東京・富士見丘)が声を掛けてくださって、緊張をほぐしていただきました。逆に、桜舞さんが緊張してサーブが入らなくなったときに、「思いっきりやっていきましょう!」と声を掛けて、お互いに声を出して励まし合う点を頑張りました。

――4年生へのメッセージをお願いします

王座優勝という目標に向かって1年間練習をしてきて、練習の中でつらいことがたくさんありました。土橋さんに怒られて自分のプレーがうまくいかないときなどに、4年生に助けていただきました。その支えがあったことでいままでやってくることができたと思うので、感謝しています。

細沼千紗(スポ1=東京・富士見ヶ丘)

――優勝おめでとうございます。いまの率直な気持ちは

いまは本当にほっとしています。ダブルスしか出ることができませんでしたが、他の1年生がボーラーやサポートをしている中で試合に出させていただいて、チームに貢献できたことはすごく誇りに思います。山梨学院大にも5-0という大差で勝てたことはとてもうれしいです。

――吉冨選手と組んでダブルスに出場しました

最近の練習でよく組ませていただき、ペアリングも良い調子でした。いつ出ても大丈夫だと思っていましたし、愛子さんが引っ張ってくださっていて、わたしはそれについていくだけだと思ってました。

――試合を振り返っていかがですか

私たちにとっての初戦が準決勝ということで緊張しましたが、調子の照準が王座に合っていて、ストロークに自信がありました。愛子さんが後ろで押してくださって、私は動くだけという感じでした(笑)。きのうの初戦は少し緊張したのですが、愛子さんが引っ張ってくださいました。決勝もすごく緊張して、最初は何が何だか分からないといった感じでしたが、2人で最後まで笑顔でやれたので良かったです。

――吉冨選手が強く打ち込み、細沼選手がボレーを決めるといったプレーが多く見られました

はい。それは意識していましたが、自分もいまストロークが好調なので、前だけでなく後ろでもどんどんやっていこうと思っていました。

――きょうはリードする場面が多い中、セカンドセットの第9ゲームで先行してから攻めあぐねる展開が続きました

その前のゲームを落とし、次のゲームで40-0までいきましたが、結局挽回されてしまいました。そこで少し油断してしまったかなと。油断というか勝ちを意識してしまいました。気負う場面でもしっかり頑張れるようになりたいです。

――本日の試合で印象に残ったプレーは

やっぱり最後のマッチポイントで、自分がポーチに出て決められたところですね。

――王座を通して見つかった課題は

調子が上がったとはいえ、まだまだ課題が残っています。ベンチコーチをしてくださった千奈美さん(高田千奈美主将、スポ4=静岡・浜松西)はもう引退してしまいますが、先輩や同期にいろいろ話してもっと先のテニスを目指して、もっと強気で攻められるようになりたいです。

――きょうで引退される4年生への思いをお願いします。

ベンチコーチとして傍にいてくださったことなど、お世話になったのが高田さんなのですごく寂しいです。何でも相談していたので、それができないと思うと悲しいです。4年生は大好きです。1年生は結構おちゃめな部分があって、4年生の先輩たちには迷惑をかけてしまいましたが、それでも優しくご指導していただきました。すごくお姉さん的な存在で、引退してしまうとやっぱり心細いです。でも会えなくなるわけではないので、これからも遊びに誘いたいです。

――最後にこれからの目標と意気込みをお願いします

個人戦では今季結果を出せなかったので、来季のインカレでは優勝を目指します。あとはやはり、王座10連覇ですね!