【連載】王座直前特集『覇者の挑戦』 女子・最終回 宮地真知香×辻恵子

庭球女子

 全日本大学対抗王座決定試合(王座)直前特集も最終回。女子部からは最後に、宮地真知香(社3=福岡・折尾愛真)と辻恵子(教2=東京・早実)を取り上げる。関東大学リーグ(リーグ戦)ではシングルスとして出場し、チームに勢いを与えてきた2人。今回の王座に向ける思いとは――。その心境に迫る。

※この取材は10月17日に行われたものです。

「自分が勝つのは当たり前」(宮地)

「勝つのは絶対条件」と、宮地は高い目標を掲げる

――今シーズンの試合を振り返っていかがですか

宮地 私はいままでインカレ(全日本学生選手権)であまり勝つことができなかったのですが、ことしは勝ち進めたのが良かったですと思います。

 インカレで、昨季はベスト4に入れたのですが、ことしはベスト16でした。先輩の山崎さん(香織、スポ4=愛知・名経大高蔵)に負けてしまって、少し悔しい結果ではあったのですが、課題も多く見つかりました。

――インカレにおいて昨季と違った点はありましたか

宮地 昨季までは結構夏バテなどをしていたのですが、ことしは体調管理に気を付けて、しっかりと試合ができました。

 昨季よりも自分から攻めることを意識したプレースタイルにしました。しかし未完成な部分が多かったので、来季はもっと頑張りたいと思います。

――では、その後に行われたリーグ戦を振り返って

宮地 自分以外の選手の試合を見ていると、昨季よりもハラハラする場面が少なかったです。みんなきちんと試合ができていて、気持ちの面で落ち着いていたと思いますね。私自身はシングルスしかなくて、絶対に勝たなければならないポジションにいます。勝つのは当たり前なんですけれど、しっかり勝ち切ることができて良かったです。

 5戦全てに出場させていただいたのですが、山梨学院大戦のときに負けてしまいました。ダブルスも1-1で、隣のコートの林(恵里奈、スポ2=福井・仁愛女)も競っていたので、勝たなければいけない試合だったんですけれど…。そこはチームに迷惑をかけてしまったというか、後の選手にプレッシャーを与えてしまったかなと思います。

――最初の3戦を7-0で終えましたが、チームの勢いはいかがでしたか

宮地 最初の3戦を良いかたちで勝つことができたのは自信になりましたし、しっかり集中できていたので、後半戦もそのままの勢いで戦うことができました。最初の3戦はすごく良かったなと思います。

――春の早慶対抗試合(早慶戦)も団体戦としての1つのキーポイントだったと思いますが、振り返っていかがですか

宮地 春は新チームになってから初めての団体戦で、みんな緊張していました。監督(土橋登志久、平元教卒=福岡・柳川)が出張で不在の中でも、最低限やらなければいけないことはできていたと思います。ただ秋の早慶戦の方が良いかたちで終えられましたね。

 春は結果として4-3というかたちで勝ちましたが、今回のリーグ戦では6-1で差をつけて勝つことができました。チームとして、春から夏にかけて良い練習ができたのではないかと思います。

学校生活との両立

宮地、辻(左)の取材は早稲田キャンパスにて行われた

――2人ともに学部の授業は早稲田キャンパスで行われると思いますが、部活動との両立は大変ではありませんか

宮地 わざわざ私服を着るのが面倒です(笑)。

一同 (笑)。

宮地 所沢キャンパスはみんなジャージなので良いですね。

 私は課題をやる時間がなくて、睡眠時間を削るしかないのがつらいです。

――1年生の間は仕事などもあると聞きましたが

宮地 逆に、移動時間がある分東伏見の子にやってもらう仕事もありました。自分たちというよりは、私たちが移動している間にいろいろやってくれている子の方が大変じゃないかと思います。

 そうですね。昼の掃除などは戻る時間がないので、東伏見で授業がある子の当番になります。

――いまの3年生には社会科学部の方が3人いますが、いろいろ協力することもあるのですか

宮地 はい。私が一方的に協力してもらっているという感じですが(笑)。

――同じ講義を受けることもあるのですか

宮地 そうですね。一緒に受けようという話はあまりしないんですけれども、結果的に同じことが多いです。楽単はみんな欠かさずおさえています(笑)。

――辻選手は教育学部ですね

 英語英文学科なんですけれども、周りの先輩にも後輩にも同じ学科の方がいないので、友達に頼りっぱなしです。テストが大変なので、テスト前は本当につらいですね。

――他の対談でも話に上がったのですが、早大庭球部は学年関係なく仲が良いと聞いています。その中でも2年生と3年生との関係はどのようなものですか

宮地 どの学年も基本的に仲が良いので、2年と3年も仲が良いです。私たちが2年生のときはいろいろ怒ることもあったんですけれども、いまはしっかりと、頑張ってやってくれています。

 もう2年と3年という立場になったので、気軽というのとは少し違いますが、話し掛けることもできるようになりました。1年のときはあまり話し掛けてはいけないのかなという感じでした(笑)。

「自分のテニスを精いっぱいやりたい」(辻)

出場すれば、辻は初めて王座の舞台を経験することになる

――王座開幕が近付いていますが、いまの気持ちを教えてください

宮地 緊張しています。

 同じく、すごく緊張しています。

――緊張をほぐすためにやっていることは

宮地 練習ですね。

  練習です!(笑)

――どのようなことに意識して、練習に取り組んでいますか

宮地 王座は試合数が5本しかないので、絶対に勝たないといけません。プレッシャーがかかります。なので技術的な面というよりも、試合を意識した練習をすることを一番に心掛けています。

 宮地さんとほぼ同じなんですけれど、5本しかないので、もし出場することになったら相当のプレッシャーがかかると思います。試合の始めがとても重要だと思うので、サーブとリターンを重視した練習をしています。

――いまの練習量はどのくらいなのですか

宮地 きのうは9時間くらい練習しました。でもここからはあまりやらずに、調整に入ります。

――先ほどもありましたが、王座はリーグ戦とは異なり試合数が減ります。その点についてはどのように考えていますか

宮地 一本一本の試合がすごく重くなるので、緊張しますね。

 2本減ることは結構大きくて。もし山梨学院大戦のような試合をしたらどうしようという不安があります…。

宮地 大丈夫だよ!(笑)

――試合に出ることになれば、辻選手は王座初出場ということになります

 そうですね。本当に緊張します。ですが、出場させていただくことになったら自分のテニスを精いっぱいやりたいと思います。

――4年生は王座で引退になりますが、4年生に対する思いはありますか

宮地 4年生のことは大好きです(笑)。いま王座が迫ってきてみんな緊張していて、早く王座を終えて楽になりたいという気持ちもありますが、王座が終わって4年生がいなくなってしまうのは、と考えると複雑な気持ちになります。

 早紀さん(間中副将、スポ4=東京・早実)などは早実のころから関わってきていて、すごく良い先輩ですし、4年生には王座で勝って引退してほしいという気持ちがありますね。

――学年が上がるにつれ王座の重みも変わってくると思いますが、ことしはどのような気持ちで臨みますか。意気込みをお願いします

宮地 上級生として4年生がいろいろ苦労してチームをつくってきた姿を一緒に見てきているので、最後は勝ってもらいたいという気持ちがすごくあります。チームのためにという気持ちと4年生のためにという気持ちが昨季より強いですね。頑張ります!

 昨季は1年生で、仕事や練習でいっぱいいっぱいでした。どちらかというと王座は早く終わってほしいと思うことが多かったんです。しかしことしは2年生という上の立場になって、1年生を見る余裕も持たなくてはいけなくなりました。重要な位置にあると思うので、頑張っていきたいです!

――ありがとうございました!

(取材・編集 松下優、山本葵)

2人合わせて、一言を作り上げてくれました!

◆宮地真知香(みやじ・まちか)(※写真右)

1993(平5)年6月19日生まれ。161センチ。福岡・折尾愛真高出身。社会科学部3年。今季の主な実績は関東学生選手権女子シングルスベスト4、全日本学生選手権女子シングルスベスト4。全日本学生ランキング女子シングルス5位、女子ダブルス28位(2014年10月15日現在)。取材が行われた3号館での授業があるという宮地選手。その際先輩から、教室の位置が分かりにくいから気を付けてというアドバイスを受けていたそう。同じ学部の先輩がいると心強いですね!

◆辻恵子(つじ・けいこ)(※写真左)

1994(平6)年9月6日生まれ。166センチ。東京・早実高出身。教育学部2年。今季の主な実績は関東学生トーナメント女子シングルスベスト8、全日本学生選手権女子ダブルスベスト8。全日本学生ランキング女子シングルス17位、女子ダブルス21位(2014年10月15日現在)。普段は15号館や16号館で授業を受けているという辻選手。新しくきれいな3号館を見て驚いている様子でした。15・16号館も、近いうちに改修されると良いですね!