雨のため急きょ会場を変更して行われた決勝の2試合。女子シングルスでは吉冨愛子(スポ3=愛知・椙山女学園)が後輩の細沼千紗(スポ1=東京・富士見丘)を破り、関東学生トーナメント(春関)に続く優勝を果たした。続いて行われた女子ダブルスでは梶谷桜舞(スポ3=東京・富士見丘)・吉冨組が慶大ナンバーワンの西本恵・池田玲組に対しマッチポイントを握ったものの、勝ち切ることはできなかった。
春関に続く優勝の吉冨
試合開始予定のちょうどその時間に降り出した雨。クレーコートは使用不可となり、急きょ慶大のインドアコートで試合が行われることになった。「変更になったときはどうかなと思った」という吉冨。先にブレークしたのは細沼だった。続くゲームもキープされ、ゲームカウントは2-4。しかしここで吉冨の戦いは終わらなかった。貪欲に1本ずつ相手コートに返球し、7ゲーム目をキープ。その勢いのまま8ゲーム目をブレークし、4-4のタイに持ち込んだ。すると今度は細沼の方にミスが増え始める。逆転で第1セットを獲得した。第2セットも集中力を切らさなかった吉冨。細沼を寄せ付けず、6-0で勝利をもぎ取った。
「何も考えられなくなった。悔しい。」試合後、梶谷はこう振り返った。雨天順延となっていた女子ダブルス決勝。この日は3-6、3-1からのスタートだった。前日はミスが続きゲームを落とした梶谷・吉冨組。しかしこの日は一変、積極的に攻撃を展開した。梶谷がドライブボレーを決めると、吉冨もポーチに出る。6-1とし、第2セットを手にした。スーパータイブレークのファイナルセット、9-6とマッチポイントを握ったのは早大ペアだった。しかし最後の1本を決められず、最終的なスコアは11-13。あと1本のところで勝利を逃した。
惜敗した梶谷(左)・吉冨組
今シーズン序盤と比べ、徐々に調子を上げてきている早大。次に控えるは、学生日本一を決める最高峰の戦い・全日本学生選手権だ。多くの選手が「インカレでタイトルを狙う」と口にした。その熱い気持ちを胸に、全国の舞台に立つ。
(記事、写真 松下優)
結果
▽女子シングルス
決勝
○吉冨愛子(6-4、6-0)細沼千紗
▽女子ダブルス
決勝
●梶谷桜舞・吉冨愛子(3-6、6-1、11-13)西本恵・池田玲(慶大)
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コメント
梶谷桜舞(スポ3=東京・富士見丘)
――試合を終えたいまの気持ちは
はい、悔しいです。
――決勝戦を振り返って
きのうは相手の動きを警戒していて。相手がすごいことやっているわけではないのに、自分たちの単発なミスが多かったです。自分たちらしくないね、しっかりと振っていこうという話をして2-5にはなれたんですけれど、なかなか挽回することはできませんでした。その後は自分たちの本来のテニスができて3-1でした。きょうは吉冨(愛子、スポ3=愛知・椙山女学園)のサーブから、かつここのコートは(ボールが)速いので、絶対にキープしようということで試合に入りました。吉冨だけ唯一シングルスで入っていたので、そういうのもあって6-1で取れました。ファイナルセットは、9ポイントを取ってから吉冨も自分も勝ちが見えてしまいました。チェンジなど何か考えれば良かったのですが、何も考えられなくなって。相手のマッチポイントになって挽回できたときもあって、そこは食らいついていけたんですけれど。弱さが表れましたね。
――関東学生トーナメントとは別のペアで臨み、この結果を残せたことについては意味があると思いますが
ポジティブに考えるとそう思います。1年生のときは春夏で吉冨と組んでいたんですけれど、私が肩をケガしていて本当に申し訳ないことをしていました。お互いペアがバラバラになって、吉冨は間中さん(早紀、スポ4=東京・早実)と組んで良い成績を残していますし、私も林(恵里奈、スポ2=福井・仁愛女)と組ませてもらって、池田(玲)・西本(恵)(慶大)に勝ったり、インカレインドア(全日本学生室内選手権)で優勝したり、早慶戦(早慶対抗試合)に出たり、いろいろ経験している中でまた二人で組めました。1年生のときはダブルスを分かっていませんでしたし、自分のことしか考えていなかったと思います。お互いの役割を理解して、できるようになりましたね。
――シングルスも含めて、今大会で出た課題はありますか
夏関(関東学生選手権)はクレーで行われます。自分のプレースタイルは攻めで、ハードの方が良いことは分かっているんですけれども、打っても打っても決まらない中でいかに勝っていくかが課題です。(シングルスの)松本さん(千広、亜大)との試合も勝ち切れませんでした。また、イレギュラーに対応するには足を動かしていかないといけません。クレーでできればハードでもできるので、ここからはハードが続きますが、あと1ポイントを取り切るようにしたいです。調子は春より上がってきていますね。あとは気持ちです!
――全日本学生選手権(インカレ)に向けて、一言お願いします
きょうの悔しさを忘れずにということですね。シングルスは予選からでハードなスケジュールなのですが、シングルスはとりあえず本戦に上がって、ダブルスはタイトル狙って、気持ちで勝ちにいきます。優勝します!
吉冨愛子(スポ3=愛知・椙山女学園)
――シングルスは優勝、ダブルスは2位という結果で終えましたが、いまの気持ちを聞かせてください
シングルスは優勝できて、春夏取れてうれしいです。けれど、ダブルスがちょっと。西本さん・池田さんには何回か当たっているんですけれど、今回はあと1ポイントのところまでいけただけに、とても悔しいです。
――今大会は前回までとは違うペアで臨んだダブルスでしたが、いかがでしたか
かなり攻撃的に展開できた試合が多かったかなと思います。試合の中で成長できたかなと思いますね。
――その中で課題は出ましたか
決勝のファイナルセット、マッチポイントを握った後のプレーなど、(課題は)露骨に出たかなと思います。その課題に対していまやる気はマックスに出てきていますね。何回も負けているので、今度こそこの負けを次に生かせるようにしたいです。
――シングルス、ダブルスともに調子の良さが結果に表れたかと思いますが
私はクレーコートが好きで。得意なこともあって、良い感じに勝ち進むことができました。きょうはいきなりハードコートになったので、どうかなっていうのはあったんですけれど、体の調子が良かったです。序盤は良くなかったのですが、足は動いていました。
――ワセダ対決となりましたが、何か意識していましたか
後輩には負けたくないという思いはありました。緊張していましたね。
――最後に、インカレへの意気込みをお願いします
ことしこそはインカレ(のタイトルを)取りたいと思っています。ダブルスも屈辱を晴らせるように。昨年も取りたくて取れなかったので、頑張りたいです。