【連載】 春関直前特集『Winner!!』 第2回 林恵里奈

庭球女子

 全日本大学対抗王座決定試合(王座)で8連覇を達成した女子部。常勝ワセダの一角を担い、成長株として注目を集めているのが林恵里奈(スポ2=福井・仁愛女)だ。昨季の団体戦では、ルーキーながらも単複ともに負けなし。若手という立場ながらチームに勢いを与え続ける林には、土橋登志久監督(平元教卒=福岡・柳川)も大きな期待を寄せている。大切な2年目のシーズンをどのような気持ちで迎えるのか、話を伺った。

 ※この取材は4月20日に行われたものです。

「勝ち切ることができたのは自信になっている」

――2年目のシーズンは、どのような気持ちで臨んでいますか

1年前のこの時期はケガをしていて、なかなか自分の思うようなテニスができませんでした。いまはケガも少なく良い状態なので、あと2週間でしっかりと調子を上げて、春関(関東学生トーナメント)で後悔しないようにしたいと思います。

――後輩も入部してきたと思いますが、接し方など慣れてきましたか

1年生には先輩らしい態度で指導しなければいけないので、先輩としての行動を取らなければならないことを実感しています。見本になる行動をしていくことで後輩もついてくると思うのですが、そこが難しいところです。

――チームの雰囲気は変わりましたか

1年生に個性豊かな子が多くて、すごく明るいチームになっています。

――高田千奈美女子主将(スポ4=静岡・浜松西)の印象を教えてください

きょねんシングルスのベンチコーチに入っていただいて、お世話になりました。何事にも真面目で周りが見えて、頼りがいのある主将だと思います。

――いま現在、林選手ご自身の調子はいかがですか

1年目はケガでなかなか調子が上がらなかったのですが、現在は良い方向に持っていけていると思います。

――昨年の取材では「大会に慣れたい」とおっしゃっていましたが、学生大会にはもう慣れましたか

リーグ(関東大学リーグ戦)と王座を経験させていただいて、緊張感のある中で試合をし、さらに勝ち切ることができました。この1年間で良い経験をさせていただいたと思います。

――昨シーズンの個人戦ではケガに悩まされましたが

インカレ(全日本学生選手権)でもベスト16という結果でしたが、自分の中ではまだ納得のいっていない出来です。ことしは春関でも、インカレに出場することをまず目標にして、一試合一試合戦っていこうと思います。昨年より上にいけたら良いなと思います。

――団体戦では単複ともに負けなしという素晴らしい結果でした。振り返っていかがですか

ダブルスに関しては、春関もインカレもあまり成績が残せておらず、(団体戦では)自分たちがチャレンジャーだという気持ちで臨むことができました。しかし昨年のインカレインドア(全日本学生室内選手権)でも優勝したので、ことしはダブルス1として戦うという自覚を持ちたいと思います。シングルスで印象に残っているのは王座の決勝の試合です。どの試合も緊張はしましたが、私が勝てば優勝といういままでに経験したことのない緊張に包まれての試合でした。その中でもしっかりと勝ち切ることができたのは自信になっています。それでも打ってくる相手に対して受け身になりすぎている部分があったので、ことしはそこを改めたいと思っています。

「他大のペアを相手に堂々と戦いたい」

ルーキーながら、王座では大会MVPに輝いた

――ことしはどのようなシーズンにしたいですか

この1年間はいろいろ経験をさせていただいたので、ことしはその経験を生かして、春関ではシングルスベスト4、ダブルス優勝を目標にしたいです。団体戦に関してはダブルス1として出場することになると思うので、他大のペアを相手に堂々と戦いたいと思います。シングルスでももし出させていただけることになったら、確実に勝ってチームに貢献できるようにしたいなと思います。

――期待に対するプレッシャーはありますか

多少はあると思うのですが、考えすぎると力みにつながってしまうので、あまり考えないようにします。

――冬場に鍛えたところがあれば教えてください

下半身の強化に重点を置きました。昨年1年間は膝や足首のケガが多かったので…。連戦が続いてもケガしにくい体をつくろうと思いました。また技術面に関しては、左右に振られた時にスライスになってしまうので、打たれ強く、フラットに打てるように気をつけて練習していました。守る時はしっかり守り、攻める時にしっかり攻めるというパターンです。

――春関はどのような大会として位置づけていますか

ここで勝っていかないとインカレに出場することができません。きょねん1年間の経験で雰囲気や勝ち方を学んだので、それを生かしていきたいと思います。

――残りの日数ではどのような調整をしていきたいですか

基本的なサーブやリターンを確実に入れて、攻めていけるように一つ一つのショットを確実に磨いていこうと思います。

――最後に今シーズンの抱負をお願いします

2年生になって、自分にも余裕が生まれてくると思うので、テニスでも日常生活でも自主的に動くことを心掛けたいと思います。先輩や監督に言われて動くのではなくて、自分から積極的に行動をしていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 芦沢仁美)

◆林恵里奈(はやし・えりな)

1994(平6)年7月21日生まれ。168センチ。福井・仁愛女高出身。スポーツ科学部2年。昨季の主な実績は関東学生トーナメント女子シングルスベスト8、女子ダブルスベスト8、全日本学生選手権女子シングルスベスト16、全日本学生室内選手権女子ダブルス優勝。全日本大学対抗王座決定試合で全ての試合に出場し、単複ともに無敗。大会MVPを獲得。長身でスタイルが良く、すらっとしている林選手。その長いリーチを生かした強力なショットで、ことしも勝利をつかみます!