連載第2回では長谷川聖記(スポ3=愛知・愛工大名電)、浅田大介(社3=石川・金沢学院)、二見颯騎(スポ2=東京・足立新田)の三人にお話を伺う。終始、和やかな雰囲気の中行われた対談。その穏やかな雰囲気とは対照的に、言葉の端々からは来年度上級生となる三人の気概を感じた。
※この取材は10月19日に行われたものです。
「『勝ち』に厳しく」(二見)
笑顔で取材に応じる二見
――まずは、他己紹介をお願いします
二見 浅田大介さんです。浅田さんは個性豊かで、面白い先輩です。普段は部屋で寝てばっかりなのですが、ラーメン屋でバイトをしていて、意外と気合いが入っています(笑)。
浅田 長谷川聖記です。趣味は筋トレと、恋愛ドラマを見ること、映画も大好きらしいです。休みの日は基本寝ています。睡眠が命らしいです(笑)。あと、魚が好きですね。
長谷川 (二見)颯騎は、後輩ですが、かわいげがあります。授業が被って一緒にいることが多いので、同級生みたいな感じですね。普段よく寝ています。
浅田 基本みんな寝てるね(笑)。
――今年の戦いを振り返るといかがですか
長谷川 人数が少ない割には、よくできている方だと思います。ただ、目指している上位に向けては、目標達成できていないので、そういった部分ではもう少し頑張っていきたいですね。
浅田 今年は、ギリギリAクラスに残れるかどうか、と心配されている年でした。結果的には、(橋本)侑京さん(スポ4=東京・足立新田)と、(長谷川)聖記と、(佐藤)太一さん(社4=大分・楊志館)に頼っている印象があるので、インカレでは自分たちが役割を果たせればと思います。
二見 人数が少ない割には、全国のベスト8に入ったり、個人でも侑京先輩が2位に入ったり、聖記さんも体重別で優勝したりと、結果が出せていると思います。
――長谷川選手が東日本学生個人体重別選手権(東日本体重別)で優勝した際、お二人(浅田・二見)がうれしそうにしている姿が印象的でした
浅田 うれしそうだったっけ(笑)。
長谷川 うれしくなかったんかい(笑)。
浅田 うれしかった、うれしかった(笑)。同期が優勝したというのは、喜ぶ以外はありません。本人が喜んでいるのを見られたので、自分も同期として良かったなと思いましたね。
二見 (長谷川は)ストイックに練習しているので、やっと優勝できて、練習の成果が出たと思います。自分のことのようにうれしかったです。
――浅田選手は、東日本学生リーグ戦の1部残留に大きく貢献されました
浅田 僕は団体戦では実績がなく負けてばかりで、チームに貢献したことがあまりありませんでした。今回やっとチームに貢献できて、存在意義が示せたのではないかと。うれしいというよりも、安心の方が強いですね。
――二見選手は、個人体重別選手権で全国大会まであと一歩のところまでいきましたが、振り返っていかがですか
二見 そうですね。自分は筋トレで体を大きくしていて、東日本体重別ではやっとその手応えを感じることができました。ただ、(全国まで)あと一番のところで勝てなかったら意味がないので。『勝ち』に厳しく、やっていきたいと思います。
――昨年と比較して成長したと感じることはありますか
長谷川 自分はメンタル面、心の部分で成長したと感じています。東日本(学生選手権)で負けて、自分の中に考えの甘さ、メンタルの弱さを感じました。メンタル面を一度見直して、普段の練習から、気持ちの部分でしっかりできるようになったので、そこが去年と比べて変わったと思います。
浅田 僕は、相撲への向き合い方が変わったと思います。去年はゆるいところがありましたが、今年はしっかり相撲に向き合えています。加えて、プレッシャーに弱い部分も改善されていると思います。
二見 自分は1年生のころと比べて、体つきが変化したと思います。2年生になってから、ウエイトトレーニングを強化して、体重を増やすことができました。
――二見選手は、1年生が部に入ってきて先輩になりましたが、変わったことはありますか
二見 後輩には負けられないという気持ちがありますね。同級生がいないので、特に意識します。
――長谷川選手や浅田選手は、二見選手の変化を感じますか
長谷川 上級生の自覚は出てきたと思います。練習の部分で、2年生になってから積極的になっているように見えますね。
浅田 責任感を持っていると思います。あと、1年生との接し方を見て、「先輩になったんだな」と思いましたね(笑)。
「寝るのも稽古です(笑)」(長谷川)
勝ち頭の一人としてチームをけん引している長谷川
――オフの日は何をされていますか
長谷川 みんな昼寝しかしてないですね(笑)。自分は風呂が好きなので、たまに一人で行ったりしています。
浅田 僕はふらっと買い物に行ったり、目的なくぶらぶらしている時もありますね。あと、一人旅が好きです。冬は、一人で京都に行きました。
長谷川 (一人旅の)写真をめっちゃ見せてきます(笑)。
二見 僕は昼寝か、家(実家)に帰ったりして、遊んだりご飯に行ったりしています。
長谷川 寝るのも稽古です(笑)。
――最近ハマっていることは
二見 ドラマにハマっています。「あなたの番です」を見ていました。
浅田 最近はYouTubeで「日常中国語」という講座みたいなのを見ています。旅行に行った時に使えるようなやつです。中国語には、前から興味があるので。
長谷川 豆乳を飲むのにハマっています。紅茶味とか、バナナ味とかがあって、最近飲んでいます。
――好きな芸能人はいますか
二見 ドラマの影響で、田中圭が爽やかでかっこいいなと。バラエティーでも面白いですね。
浅田 僕は嵐が好きです。ファンクラブに入ってます(笑)。
長谷川 僕は「しゃべくり」を見て、原田泰造が面白いなと思います。
――大相撲では、学生出身の力士や、同世代の力士が活躍していますね
長谷川 この前、御嶽海関(東洋大卒、出羽海部屋)が優勝しましたね。自分の代では竜虎(尾上部屋)が十両に上がりました。同級生が上位に上がっていると、刺激になりますね。
浅田 自分も、炎鵬関(宮城野部屋)や豊山関(時津風部屋)など、高校の先輩が活躍しているので、「自分も頑張ろう」と思いながら見ています。
二見 僕も、同級生が活躍しています。琴手計(=琴勝峰、佐渡ヶ嶽部屋)、豊昇龍(立浪部屋)、塚原(春日野部屋)、納谷(大嶽部屋)とか。琴手計と豊昇龍は次から十両に上がるということで、刺激を受けています。塚原は中学で道場が同じだったので、練習とか対戦がありました。強いので勝てないですが。
――浅田選手は、炎鵬関と中学時代の寮の部屋が一緒だったと伺いました。どんな先輩でしたか
浅田 優しい先輩でした。怖いテレビを、部屋を暗くして一緒に見ていると、炎鵬関が脅かしてくるんですよ(笑)。そういうちょっとしたイタズラをされました。やんちゃな一面もありますね。
「選手一人一人が『良かったな』と思えるように」(浅田)
笑顔が印象的な浅田
――インカレに向けては、どのような稽古をされていますか
長谷川 インカレももうすぐですし、一日一日を大事にして、自分に足りないことを考えながらやっています。
浅田 僕も一日一日を大切にしながら、逆にインカレを意識しすぎないように気をつけながらやっています。
二見 残り2週間で技術力が急に上がるわけではないので、普段の筋トレや食事なども大切にしています。
――インカレは4年生の橋本選手、佐藤選手の最後の舞台になりますが、4年生の二人への思いを教えてください
長谷川 学年が一つ違うだけで、一緒に長い間やってきた先輩なので、寂しい気持ちはあります。4年生を気持ちよく送り出せるように頑張りたいです。4年生の存在は大きく、チームを引っ張ってくれているので、その姿を見て、これから頑張っていかなくてはいけないと思っています。
浅田 今まで3年間、入寮した時からいろいろなところに連れて行ってもらっていました。楽しく生活を送れているのは今の4年生のおかげなので、先輩たちを笑顔にできるように、貢献したいですね。
二見 特に(橋本)侑京先輩とは、小学校から、高校、大学までずっと同じチームでやってきています。4年生の2人と一緒にできるのはこれが最後なので、団体戦で結果を出して、気持ちよく送り出したいですね。
――インカレでの目標は
長谷川 団体戦ではベスト8から上位に上がれるようにしたいです。自分は点を取らなければならない立場なので、しっかり点を取って上位に上がりたいです。個人戦では、3年生ですがまだ全国のタイトルがないので、そろそろ取らないといけないなと思っています。タイトル(=優勝)を狙っていきたいです。
浅田 団体戦は交代選手なので、最初から出るわけではないのですが、その間のサポートはもちろん、交代しても大丈夫なように準備したいです。もし出場したら、自分の良さを出したいですね。個人戦では、来年に向けて自信をつけたいので、1勝でも多くできるように頑張りたいです。
二見 個人戦では、一番一番、一つでも多く勝って来年につなげる相撲を取りたいです。団体戦では、自分もいつ出番が来るかわからないのですが、出番が来たら自分の相撲を取ってチームを盛り上げたいですね。Bクラスでは優勝して、Aクラスベスト8以上を目指したいです。
――最後に、インカレに向けての意気込みをお願いします
長谷川 インカレは毎年いい成績が残せていないので、なんとかいい成績を残したいです。一日一日を大事にして、稽古に取り組みたいと思っています。
浅田 選手一人一人が、「良かったな」と思えるような大会、結果にしたいですね。そのために、みんなで一緒に頑張っていきたいです。
二見 昨年は悔しい思いをして、インカレは本当に特別な思いのある大会です。4年生を気持ちよく送り出せるように、頑張りたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 長尾佳音、元田蒼)
昨年の悔しさをバネに活躍を誓います!
◆長谷川聖記(はせがわ・まさき)(※写真中央)
1998(平10)年5月28日生まれ。180センチ、130キロ。愛知・愛工大名電高出身。スポーツ科学部3年。初めてのサイン色紙に他の部員が戸惑う中、ただ一人迷わずにペンを走らせた長谷川選手。試合後のインタビューでも度々口にしておられる『感謝』の二文字をしたためました。周りが感心する中、先輩からは「(長谷川)聖記はとりあえず感謝って言っとけばいいと思っている」とのツッコミが…。真偽のほどは分かりませんが、きっと『感謝』の思いを内に秘めていることでしょう。
◆浅田大介(あさだ・だいすけ)(※写真右)
1998(平10)年8月15日生まれ。175センチ、115キロ。石川・金沢学院高出身。社会科学部3年。部員からはよく「個性的」と言われるという浅田選手。今回の対談では盛り上げ役として場を和ませてくれました。取材終了後には同期の長谷川選手との仲の良さが伺える一幕も…。相撲の稽古はもちろん主務としての業務にも『マイペース』に挑みます。
◆二見颯騎(ふたみ・そうき)(※写真左)
1999(平11)年12月18日生まれ。174センチ、110キロ。東京・足立新田高出身。スポーツ科学部2年。橋本選手とは小学生時代から一緒に相撲を取ってきたという二見選手。現在は寮の同部屋で生活をしています。十年来の付き合いである橋本選手の恩返しのためにも、インカレでの活躍を誓います。ちなみにマネジャーさんからのタレコミによるとショートケーキが好きだそうです。