インカレ直前特集「Wの相撲道」。第4回「副将戦」は、2年生対談だ。体重別選手権で全国の頂点に立ち、団体戦でも活躍する橋本侑京(スポ2=東京・足立新田)と、体重別の試合で力を見せている佐藤太一(社2=大分・楊志館)。遊びに行くことも多いという仲の良い2人に、「食」へのこだわりや稽古の内容、インカレへの意気込みをうかがった。
※この取材は10月7日に行われたものです。
「上を向く姿勢があった」(橋本)
自分磨きに余念がない橋本
――最初に、昨年もやって頂いたのですが、他己紹介をしていただきたいです
佐藤 橋本くんは、去年に比べて最近は自分磨きにすごい熱が入っていて、肉体改造もそうなんですけど、体を黒くすることにすごく力を入れています。なんか黒くなって、体がよく見えてさらに筋トレ頑張る、みたいな。この一連の流れがあって「最強」になるというのが、自分の中であるみたいで、それを最近はすごくやっています。あとは、けがもやっぱりあって、その中でも結果を出していて、最近は、俺が言うことじゃないですけど、すごく充実していると思います。
――思考回路がボディービルダーですね(笑)
橋本 最近よく言われます(笑)。お恥ずかしながら、日サロにはまってしまい。
――外で稽古しているのかと思っていました
橋本 いや、日サロに行って焼いています(笑)。
佐藤 この前一緒に新宿歩いていたら、ここは俺の行きつけの店って言っていて、何かと思ったら日サロで、「いつも俺が行っているとこ」みたいな感じで(笑)。
橋本 新宿の日サロいいですよ。もし行きたかったら紹介します。
――(佐藤選手は)どうですか
橋本 2年生の佐藤くんです。去年も言ったんですけど、何か変わったかって言われたら、まあ日常生活の面ではあまり変わっていないですね。でも、2年生になって後輩が入ってきたので、真面目になったっていうか、先輩風吹かしているのか分からないですけど。まあ成長はしていると思いますね。自分が言うのもなんなんですが(笑)。でも相撲も、1年生に比べてやっぱりできていて、けがとかもあったんですけど、自分は、先輩たちに比べて力ついてきていると思うし、来年、主力レベルには上がってきてくれるんじゃないかな、と思っています。
――プライベートはどうですか
橋本 プライベートは、結構仲良いですね。共通の友達とかが多くて、共通の友達で遊ぶから、呼ぶわ、みたいな感じで。
佐藤 仲は良いですね。
橋本 でも、部屋にいないことが多いので。「どこ行ってたの」って聞くと、「若林さんと」(若林魁、スポ3=岐阜農林)って言って、基本的に部屋にいないので(笑)。そうですね。すごい仲が良いんでしょうね。その部屋は。
佐藤 仲は良いですね。
――これまでのシーズンを振り返っていただきたいと思うんですが、まず、宇佐大会や東日本選手権でベスト8に入って、すごく成長しているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか
佐藤 去年はすごく惜しいところで負けちゃう、というシーンが多かったんですが、今年は1勝を取りきれるチームになってきているのかな、とすごく感じました。その結果、やっぱり1勝取るか取れないかで、上がるか上がらないかがすごく変わってくるので、そこで上がれて、ベスト8に入れているんじゃないかな、と思います。勝負強さというか、みんなが自信を持ってやれている、という感じがすごくしましたね。去年はチャレンジャーで、負けたら惜しかったな、という感じだったんですけど、今年はやっぱり1個取ろうという感じで、みんなモチベーションが上がっていると感じました。
橋本 自分は、宇和島大会はレギュラーで出て、途中で、個人戦の3回戦くらいでけがしちゃって、宇佐大会は欠場しました。堀越先輩(豊輝、スポ4=東京・足立新田)も同じ大会でけがしちゃって、宇佐大会は宇和島大会とは結構メンバーも違ったんですけど、やっぱり見ていて、けが人が多くてもベスト8に入れる、というのは選手層が厚くなってきたのかな、とは感じました。東日本もベスト8だったんですけど、そこでみんな満足しないで、もう1つ勝てたなという気持ちがチーム全体にあったので、前半戦は、結果は出たんですけどみんなが最後まで上を向く姿勢があったのがよかったかな、と思います。
――だいぶ縮まってきた印象はあるんですけど、東洋大などの上位との差は、どのように感じていますか
佐藤 あと1本取りきれなかったんですけど、1部のトップにもすごく惜しいところにきているので、勝てないことはないんだな、と強く感じました。そういう気持ちの差っていうのは、すごく大きいと思います。ブランド、じゃないですけど、あそこは強いなっていうんじゃなくて、やっぱり1点取れればまたつながるから、という思いで相撲を取れているのが、大きいのかなと思います。
橋本 東日本のときに、日大に2点先取して、自分は負けちゃったんですけど、思ったのは、自分は結構大将戦で緊張しちゃったんですけど、やっぱりそういう気持ちの持ち方も大事だし、2点取れたということは、日大とかとやっても真っ向勝負というか、総合力では勝てないと思うので、選手ひとりひとりが自分の得意な態勢を作ることができれば、日大や東洋大に対抗できると思うので、総合力よりは自分の長所を活かした勝負をすれば、トップクラスと渡りあっていけるんじゃないかな、と思います。
――橋本選手は体重別で優勝されましたが、改めて振り返っていかがですか
橋本 東日本(学生個人体重別選手権)に出て、自分がどっちかというと驚いた、というか「優勝しちゃったな」という感じで、実感は正直なかったんですね。もともと135キロ未満に東日本で出て、一番人数の多い階級で、結構対戦相手も良くて、ベスト8くらいまでは頑張って行って全国決めたいな、と。佐藤が去年、体重別で全国に行けて、自分は出られなかったので、悔しさもあったし、やっぱり全国は決めたいな、という気持ちはありましたね。ベスト8まで上がって、そこからは逆に肩の力が抜けたというか、全国が決まって、それまではちょっと力みもあったと思うんですけど、「ベスト8まできたんだから、ここで負けても全国は行ける」と、ある意味ふっきれた気持ちになって、緊張せずにやれたのが良かったのかなと思います。全国大会(全国学生個人体重別選手権)の方は、ぎりぎりまで出るか迷っていて、1個勝てれば多分インカレ終わった後の全日本選手権の出場が決まる形だったので、1回戦勝てればまあいいかな、という気持ちでいったんですけど、その大会は緊張せずに自分の相撲だけを意識していったので、それが結果につながったんじゃないかな、と思いました。
――逆に気負いすぎなかったので自分の相撲ができた、ということですか
橋本 そうですね。結構緊張しちゃうタイプなので。
佐藤 自分もそうですね。
橋本 一緒ですね。
――取り組みの前に2人で頭をぶつけ合っているシーンもありましたが、何か意味があるんですか
佐藤 あれは、気合いというか。
橋本 自分、10何年相撲やってるんですけど、頭に当てるの怖いんですよね、正直。バーンって当たるのが怖くて、目をつぶったりすることが多くて、ちょっと1発当たって頭麻痺させてから行こうかな、と思って(笑)。(佐藤選手が)良い頭の形してるので、当たりやすいんですよね。
佐藤 高校のときも、同級生にこんな感じのやつがいて、「ちょっとやってくれよ」みたいな感じで、全く同じことやってたので、すごい懐かしいというか、そんなに痛い、とか嫌だなというのはないですね。
橋本 やっぱりすごい当たりやすい頭の形してるんですよ。
佐藤 そんな何回も言わなくていいよ(笑)。別に何もないよ(笑)。
橋本 多分坊主にしたらすごい綺麗な坊主だと思います(笑)。
――佐藤選手は、試合に出る日も出れない日もあったと思うんですが、振り返っていかがですか
佐藤 結構けが人も多くて、出れるチャンスはないことはなかったんですけど、やっぱりそこで取りきれなかったのは甘さ、というか、まだまだだなと思いました。途中で橋本の全国優勝とかあって同級生が活躍しているのを見て、すごく刺激になったし、そういうところに行きたいなという気持ちも強くなっています。来年、4年生が抜けちゃうので、そこで活躍できるように頑張っていかなくてはいけないな、という気持ちはだんだん強くなってきてます。
――結構、ご家族が応援に来ていらっしゃいますよね
佐藤 そうですね。最近、すごくいじられるんですよね(笑)。妹のファッションが奇抜なので。
橋本 妹、すごいっすよ。
――ファッションが奇抜、とは思わなかったですね(笑)。顔がすごく似ているから、妹さんかなと思いました
橋本 中学生なのに韓流スターみたいな恰好(笑)。
――中学生なんですか
佐藤 中3です。たしかに、ちょいちょい来てますね。遠いんですけど来てくれてます。
――後輩が入ってきて、やはり気持ちの変化はありましたか
橋本 まあ、多少は。そんなに自分は正直先輩を敬わない、というか、「先輩。先輩。」というタイプではないので、いじったりとかそういうタイプなので(笑)。特に先輩風を吹かすようなことはしないし、いつも通りといえばいつも通りですけど、やっぱり練習場とかだったら、後輩もいるからちょっと気合いを入れていかないとな、という気持ちはありますね。それぐらいですかね。日常生活ではそんなに意識していることはないですね。
佐藤 自分は、結構変わったかなと思います。今まで、高校の時もですけど、下が強くて「抜かされる」みたいな感じがあまりなかったので、それもあってか、大学入って1年生のときはそんなに意識していなかったんですけど、今年1年生が入ってきて、2人とも強いので。抜かされるかもしれない、というか、強いのでそういうところで自分も頑張らなくちゃなと思って、結構変わりましたね。日常生活も、筋トレとか頑張るようになりました。
橋本 だからいないの、部屋に(笑)。謎が解けましたね(笑)。
「100周年で終わりじゃない」(佐藤)
意識が変わったという佐藤
――1年生の性格はどうですか
橋本 性格は、結構おとなしいですね。
佐藤 すごく真面目、ですね。まあ、浅田(大介、社1=石川・金沢学院)はちょっと変わってますけど。
橋本 基本的には、真面目ですね。
佐藤 去年とはかなり違う。
橋本 自分らの代とは(笑)。
佐藤 仕事に対する熱意とかも。仕事もすごく朝早く起きてやっていますね。
橋本 自分たちはぎりぎりまで伸ばしてって感じなんですけど(笑)。
佐藤 最低の時間で自分らはやっているんですけど(笑)。大体この時間に降りれば、ぎりぎり間に合う、みたいな感じなんですけど。2人は、みんな降りてくるのを待ってる、という感じでちゃんとやっていますね。
――逆に、3年生や4年生はどのような先輩ですか
橋本 バラエティーに富んだ(笑)。
佐藤 たしかに(笑)。
橋本 でもみんな優しいですね。優しいのはもちろんですけど、その中でもいろいろなタイプっていうか、面白い人も真面目な人もいるし、堀越先輩はふざけてるし、結構いろんな人がいるイメージです。
佐藤 たしかに。でもそんなに変な、嫌な先輩っていうのはいないですね。逆に相撲部で言ったら珍しいかもしれないです。結構相撲部ってそういう先輩がいるところ、多いので。まともって言ったら変ですけど、ふつうの良い先輩しかいないというか。
橋本 結構面白いですね。趣味がいろいろあるので。いろいろな分野に。
佐藤 基本的に似てますね、部屋同士。行動パターンが似てくるというか。
橋本 そう?(笑)そこぐらいやん。
佐藤 いや、似てます。
――どういう部屋割りなんですか
佐藤 部屋割りは、若林先輩と自分で、谷本先輩(将也、スポ4=鳥取城北)と橋本です。
橋本 良い先輩ばかりです。本当に面白いし。突然歌い始めたりとか。すごい新鮮だったんですけど。
佐藤 ラッパーがいたり、お笑い担当がいたり、若林さんみたいにおちょくるタイプの人とか、いっぱいいますね。そうなると、4年生の存在がすごく大きいな、とは思いますね。部活内外関係なく、常に4年生中心でやっているので、抜けちゃうとすごい寂しいです。雰囲気も変わっちゃうのかな、とは思いますね。
――普段、食事に気をつかっていますか
佐藤 自分は結構。寮は基本的におかず、ご飯、味噌汁で、あとは自分でちょいちょい摂るという感じなんですけど、やっぱりそのプラスアルファを多めに摂るようにしていますね。ひじきとかレバーとか、そういう体に良さそうなやつを摂っています。
――昼ごはんは、どこで食べるんですか
佐藤 昼は、長期休みは寮で食べるんですけど、学校中はあまり気をつかっていないですね。とりあえず量を食べられるところばっかりしか行ってないですね。
――オススメのワセメシは
佐藤 オススメのワセメシは、最近は相撲部らしく「グラッソ」っていう唐揚げが多い店があるんですけど、そこで700円で、ライスおかわりできて、唐揚げめっちゃくるんですよ。だから、お腹空いたなってときはそこで食べます。
――やっぱり量は大事ですか
佐藤 そうですね。量を重視しています。
橋本 自分は、全然気をつかっていないですね。結構、寮飯とかある時でも、ラーメン大好きなんで、ふらっと「ラーメン食いたいな」と思ったら練習終わりとかも、寮じゃなくてラーメンでいいやって1人でチャリ乗ってラーメン食べに行っちゃうんで(笑)。
佐藤 あんまり良くないですね。寮飯食わないっていうのは。
橋本 そうですね。自分、ラーメンが主食的なところあるんで(笑)。そんなに食事に気をつかっていないですね。まあ量は摂るようにはしてますけど。
佐藤 食べてないです、あんまり。夜飯もちょっと食べて、「これでいいや」みたいな。
橋本 なので、健康診断の結果が毎回悪いですね(笑)。
――ちなみにオススメのラーメンは
橋本 あっさり系だったら、馬場だと「やまぐち」とか有名じゃないですか。自分結構、新宿とかも行くんですけど、新宿三丁目の方に「翔」っていうお店があって、そこは美味しいですね。塩ラーメンなんですけど。あと、馬場の「蔭山」も美味しいです。いろいろ食べたんですけど、馬場のラーメンだったら「蔭山」が1番美味しいですね。
――大相撲は普段見られますか
佐藤 この間、行きました。マネージャーが結構、大相撲好きで、マネージャーのバイト先の人がくれて。だけどマネージャーが行けないからくれて、2人分もらって、1年生の長谷川(聖記、スポ1=愛知・愛工大名電)と行きました。でも結局その日、部の用事ができちゃって、結びの一番とかは全然見れなくて、最後の5番くらい見ずに帰っちゃって。しかも、優勝争いで、今日勝ったら、みたいなとこだったのに、早々に帰るという。ちょっと悲しかったですね。最後まで見たかったです。
橋本 自分はそんなに見ないですけど、去年の先輩が相撲大好きだったので、最近は結構見ますね。その影響があってか、1年間そういう環境にあった結果、本当に高校時代とかは一切見なかったんですけど、最近は見ます。テレビではあまり見ないですけど、ネットとかでどうなってるのかな、と気になって見ますね。結構学生出身の人が上がってきているので、中学校の時とかに見ていた人とかが出てるので。
――他に、相撲以外のスポーツに興味があったり、見たりしますか
佐藤 サッカーが好きですね。サッカーはゲームとかも、昔していたんですけど、やっぱりこっちに来て、同部屋の先輩がゲーム嫌いな人で、サッカーゲームができなくなって、それからはあまり選手とかにも詳しくなくなっちゃいました。それまでは結構、あの選手強いとか知っていたんですけど。
橋本 それゲームの能力やん(笑)
佐藤 いやいや。それつながりで結構試合とかも見ていました。日本代表だけじゃなくて海外のクラブとかも見ていたんですけど、最近は先輩がゲームがダメな人なので(笑)。いや、別に悪いとは言ってないんですけど、生活習慣の違いがあるので。テレビもあまりつけないんですよ、その先輩。基本的に部屋を暗くしていて、暗いのが好きみたいで。
橋本 「その先輩」って言ってもさっき同部屋は若林先輩って言ったから(笑)。隠してるみたいだけど全部筒抜けやぞ。
佐藤 なんか暗闇が好きらしいですよ、若林先輩(笑)。暗くて静かな環境が好き、みたいな。それでちょっと変わっちゃいましたね。
橋本 自分が見ていて楽しいな、と思うのはバスケです。高校の頃とかも代々木公園に行ってバスケしていたこともあったので。正直テレビとかではあまり見ないですけど、早慶戦とかあったら見たいなと思うし、バレーとかも見ますね。
――体育の授業は何を取っているんですか
橋本 バレーは前期取っていて、今期は水泳しか取ってないですね。バレー選外になっちゃって。すごく残念です。
――2人で遊びに行ったりしますか
橋本 ありますよ。
佐藤 2人だけで行くときも、ありますね。
橋本 2人だけで買い物行ったりとか、あるし、映画見に行ったりもするし。2人で行くことは結構あるよな。
佐藤 普通に練習終わりの飯とかなら結構頻繁に行きますね。
橋本 ラーメン好きなんですけど、「ラーメン食いに行こうや」みたいな感じで、ちょっと遠出するときは、やっぱり1人だと、まあ1人でも全然いいんですけど、この感動を一緒に味わってほしいと思って(笑)。
佐藤 「翔」も1回行きました。
橋本 感動を味わってほしいので、やっぱり。だから結構誘って、2人で行きますね。
佐藤 店とかいろいろ知っているので。結構聞いたりします。「どこどこ駅の近くに美味しい店ある?」みたいに。
――買い物とかも行かれるんですか
佐藤 買い物も行きますね。
橋本 高円寺とか。
――去年の対談でも、高円寺が出ていましたね(笑)
橋本 相撲部、高円寺に行くんですよ。古着屋に大きいサイズが多くて。ヒップホップ系の服があるんですけど、ああいうのってオーバーサイズで着るじゃないですか。そのオーバーサイズが自分らにはちょうど良いので(笑)。
佐藤 だから若干趣旨は違うんですけど、安く良いのが手に入るので。
橋本 高円寺、結構他の大学の相撲部もたまにいますよ。日大かな、大学が近いみたいで。
――インカレに向けて、今の時期に普段どのような稽古をされているのですか
佐藤 全体では、これといってインカレだから、というようなメニューは追加されていないですね。いつも通りの。
橋本 基本的にはいつも通りで。今日コーチのお話があったんですけど「4年生とやるのもラスト1ヶ月だから、みんなで元気出して、声出して、最後チーム一丸となって頑張ろう」という話があったくらいですね。基本的には1年間通してやっていることは、ずっとやってきているので、別にそこでわざわざインカレに向けて何か急にやる、という感じではないですね。
――「いつも通り」を教えていただけますか
佐藤 朝9時から基本的には朝練をやっています。
橋本 平日は夜7時からなんですけど、基本的には基礎練習として四股とか、すり足、ぶつかりとかをやって、そこからは自主的にみたいな感じが多いんですけど、みんな土俵にはいるんですけど、各自やりたいことを。
佐藤 四股、すり足、ぶつかりまでいったらあとは自分でやるんですけど、それぞれやっぱり反省点を生かしてやっていると思いますね。
橋本 各自しっかりやっているので。
――個人的に今フォーカスしてやっている、練習中に意識してやっていることはありますか
佐藤 自分は、足を速く出すことを意識していて。あと、最近は筋トレをするときは、腹筋、背筋とか、体幹系を意識してやっていますね。小さいので、すぐバッと負けてしまったりするので、そういうところをなくしたいなと思って、体幹系を鍛えています。
橋本 自分は、最初の他己紹介でもあったんですけど、ひたすら筋トレしてますね。結構ずっと上半身ばかり筋トレしていますね。見栄えが良くなるから(笑)。だいたいダンベル持っていることが多いですね。ウエイト場に行くときもあるんですけど、とりあえずダンベルやって、腕立てやって、あとは最後にちょっとすり足とか相撲チックなこともやってます。
――さっきも話が出たのですが、4年生の人数も多いですし、相撲の面でもプライベートでも引っ張ってくれていると思うのですが、4年生に対してどのような思いがありますか
佐藤 やっぱり最後の大会なので、少しでも悔しい思いというよりは、達成感とか気持ちよさを味わって引退してもらいたいっていうのはすごく強いですね。5人ともすごく大きい存在なので、引退が近づいてきているのが寂しいというのもだんだん強くなってきていますね。
橋本 入学したときから結構、人数的にも実力的にも、今の4年生が中心となってやっている部分がありました。引っ張っていく存在なので、今まではついて行くことしかしていなかったんですけど、最後なので、4年生の人たちには4年間頑張ってきてよかったなと思えるような、4年生でもけがして試合に出られない人もいるので、試合に出られるかわからないですけど、出られるなら、その人たちの気持ちも背負って、4年生全員が笑って引退できるようなインカレに向けて、頑張っていかなくてはなと思っています。
――ご自身の相撲の強みや、スタイルを教えていただきたいです
佐藤 自分は、小さいので、小さい人を嫌がる人も多いと思うので、小さいから逆にやりづらい、というところを、もっと前面に出していかなくてはいけないな、というのはすごく感じていますね。やっぱり小さい人に下にもぐられたりすると嫌なんですよ、大きい人からしたら。なのでやっぱり、下からどんどん攻めていく相撲であったり、中に入る相撲であったり、そういうところを強みにしてやっていきたいですね。
橋本 自分の強みといったらやっぱり、立ち合いの一発目の当たりです。あと、態勢も低くしようと思っていて、それで相手が嫌がって動いてきたりとか、それについていける対応力が自分の強みだと思っています。この間のリーグ戦とか、(立ち合いを)外されることもあったんですけど、それに対応できる「対応力」が自分の強みかな、と思っているのでそこを磨いていくしかないかなとは思っています。
――他の大学に個人的にライバルや意識している選手はいますか
橋本 同級生はいるっちゃいるんですけど、やっぱり実力的には今勝てないかもしれないんですけど、負けたくないなと。東洋大とか、結構同年代でも全国で優勝している選手もいます。高校時代も実力がトップクラスのやつとやってきたので、大学でも4年間やっていく上で、1回くらい勝ちたいな、と。ライバル意識と呼んでいいのかわからないですけど、一方的な目標みたいな感じですね。同年代のトップクラスに追いつきたいな、追いついて肩を並べたいな、という気持ちはありますね。
佐藤 トップクラスに勝ってみたいという思いもあるんですけど、大学に入って一気に出てきた選手とかも結構いて、大学に入ってから成績が伸びて急に有名になった選手とかもいるので、そういう選手を見ていると、自分もまだやれるな、というか、まだ伸びしろあるのかなって思っていて、やっぱりそういう選手になりたい、というか。自分も結構、あと一歩という感じなんですけど、追いつきたいなとは思っていますね。
――最後に、インカレに向けて意気込みをお願いします
佐藤 4年生が最後なので、自分が入れるかわからないんですけど、しっかり狙っていって少しでも力になれるようにしていきたいです。100周年ということなんですけど、100周年で終わりじゃないので、101年目とかあるので、まだ、ここで全て終わりっていう感じじゃなくて、次を見据えて頑張っていきたいと思います。
橋本 自分もやっぱり出るってなったら、勝つしかないので。最後のインカレなので、4年生は100周年と言われてプレッシャーも感じていると思うんですけど、自分たちからしたら、100周年ですけど自分はまだ2年しかいないので、そんなに実感がないっていうか。早稲田大学相撲部100周年というよりは、「4年生の最後の試合」という気持ちの方が大きいので、4年生を本当に気持ちよく笑顔で終わらせられるように、自分ができることを、精一杯やります。一番気楽なポジションだと思うので、2年生は。他の上の人に比べると楽だと思うので、自分ができることをやって、どんな形でも貪欲に勝ちにいきたいと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 小林理沙子、本田理奈)
4年生への思いを語る
◆橋本侑京(はしもと・ゆきひろ)
1998(平10)年1月8日生まれ。178センチ、125キロ。東京・足立新田高出身。スポーツ科学部2年。「自分磨き」に余念がないという橋本選手。体重別選手権の全国優勝や、団体戦での活躍など、ことしは大きく成長を遂げました。次代の相撲部を担う存在として、インカレでも期待が高まります!
◆佐藤太一(さとう・たいち)
1998(平10)年1月14日生まれ。167センチ、99キロ。大分・楊志館高出身。社会科学部2年。後輩の入部で意識が変化したという佐藤選手。リーグ戦の体重別の試合では実力を発揮しました。盟友・橋本選手も、その成長を認めています。