伸びしろ充分、新人2人が健闘

相撲

 相撲部の新入部員2人が存分に力を発揮した。宇佐での全国学生選抜(宇佐大会)でデビューを果たした佐藤太一(社1=大分・楊志館)は1回戦、立ち会いから積極的に攻め続け豪快に相手を押し出す。2回戦では同世代で名の知れた強敵と対戦。「1発狙いにいった」と振り返る強気な姿勢を見せたが、相手の勢いに圧倒され押し出された。橋本も1回戦で、この東日本学生新人選手権(新人戦)で準優勝した強敵とぶつかるが健闘むなしく引き落としで破れた。

 1回戦、佐藤は立ち合いから攻めの姿勢を貫く。相手は小柄でよく動き回る選手であったが、姿勢を崩さず常に土俵の中心から外に押し出すようにうまく立ち回る。「元々相撲が上手な子です」と室伏監督が言うセンスのある動きで危なげなく白星を挙げる。続く2回戦の相手は165キロの巨漢。しかし、佐藤は一歩も引くことなく果敢に攻める。あっけなく押し出されたが、これからは「力をつけることと、もっとスピードを速くすること」を重点に練習すると話し、敗戦から学べたことは多かったようだ。

佐藤は2試合とも果敢に攻めた

 橋本は惜しくも1回戦で敗退した。相手は高校最後の試合で負けた相手だったが、今回の取組を「勝てないことはなかった」と振り返る。力負けしてはいなかったが技術的な差が出た。押しに行くあまり足が前に出ず上体が前傾したところを引き落とされる。取組後、手応えがあっただけに悔しさをにじませながら土俵を後にした。

因縁の相手に再び敗北し、悔しい表情を見せる橋本

 結果は1回戦負けと2回戦負けと振るわなかったが誰も悲観はしていない。昨年に比べると取組の内容もチームの雰囲気も格段に良くなっている。そして新人も加わり成長の可能性を大いに残している。宇和島、宇佐大会で経験した全国レベルの空気と新人戦を通して出た課題の消化でチームは完成に近づく。6月の東日本学生選手権で今季の早大の形が見えてくるはずだ。

(記事 高橋団、写真 本田理奈)

結果

佐藤

1回戦

対片村初段(明大)押し出し○

2回戦

対城山参段(東洋大)押し出し●



橋本初段

1回戦

対深井参段(東洋大)引き落とし●




コメント

室伏渉監督(平16人卒=東京・明大中野)

――新人2人の出来はいかがでしたか

橋本(侑京、スポ1=東京・足立新田)に関しては、相手も準優勝している子で立ち合いは悪くなかったので、あとはこの間の全国大学選抜(宇和島大会、宇佐大会)でもそうでしたが、厳しさの点をもう一回やらしたいと思います。佐藤太一(社1=大分・楊志館)は初っ端の試合にしては非常によかったです。2回戦目もいい相撲を取っていましたし、3回戦も優勝した相手になんとか食らいつこうとしていたので、それはよかったと思います。

――佐藤選手は先日の宇佐大会にも出場していましたか

個人戦だけ出たんですけど、あまりよくなかったです。

――橋本選手が1回戦で敗退という結果でしたが、具体的な課題などはありますか

立ち合いは非常に圧力があるんですけど、その後の2歩目3歩目をもっと重点的にやらせたいと思います。

――2回戦まで進んだ佐藤選手の強みはなんですか

元々相撲が上手な子です。ただ上手といっても大学相撲の上のレベルになるとどうしても圧力がかかってうまさを出す前に負けてしまうので、圧力をつければ自分の良さがもっと出ると思います。

――宇和島大会の時に短い期間は精神面を鍛えるとおっしゃっていました、大会が続く中でメンタル面の強化は進みましたか

正直まだまだですね。やっぱり土俵に上がって精神が飲まれるという状況が多々見られたので、そこはまだまだもう一回鍛えなおさないといけないな、と思います

――きょうの結果を踏まえて、6月の東日本学生選手権(東日本リーグ戦)の団体戦のメンバーなどは決まりましたか

まだ(選手登録の)締め切りではないので、もう一回稽古をやって来週の土日の稽古で決められたらなとは思ってます。ある程度のメンバーの構想はありますけど、もう一回締めなおしてやりたいと思います。

――そこに1年生が入る可能性というのもありますか

はい、もちろんあります。十分あります。

――では6月の大会に向けて意気込みをお願いします

今回はAクラスのベスト8に残りその上をみんなで目指そうということが一番にあるので、もうそれしか考えていないです。それだけです。

佐藤太一(社1=大分・楊志館)

――きょうはどのような意気込みで試合に臨んだのですか

1年生ばかりなので、自分の名前を売るために一生懸命やりました。

――どのようなところを重点的に練習してきたのですか

先日の宇佐大会で全く自分の相撲が取れなかったので、思い切った相撲を取るために練習してきました。

――1回戦を振り返っていかがですか

相手の動きをしっかり見ることができて、自分的には良かったと思います。

――2回戦の相手は体が大きい選手でしたが、どう勝ちにいこうとしましたか

自分たちの代で強い人なので、一発狙いにいったんですけど、だめでした。

――きょうの収穫は何でしょうか

力不足がとても感じられて、一からやり直そうと思えたことが収穫です。

――今後どのようなところを練習していきたいですか

力をつけることと、もっとスピードを速くすることを同時にやっていきたいと思います。

――次の東日本リーグ戦への意気込みをお願いします

しっかりレギュラーを取るためにがんばって、自分らしい相撲が取れるようにやっていきたいと思います。

橋本侑京(スポ1=東京・足立新田)

――きょうの新人戦にはどのような思いで臨んだのですか

みんな同級生なので、ある意味負けられないなと思いながら、思い切り戦おうと思いました。

――ご自身の取組を振り返っていかがですか

高校最後の試合でも負けた相手で、自分の学年では個人的に実力がある選手でした。思い切りやってみて、勝てないことはなかったのですが負けてしまったので悔しいですね。

――先日の宇和島大会、宇佐大会から修正した点はありますか

宇和島大会、宇佐大会では右側の脇が開いてしまって突き落としされることが多かったので、右手を意識して相撲を取りました。

――きょうの収穫は何でしょうか

この前の大会から、立ち合い押して、最後に突き落としなり引き落としで落ちてしまうことが多かったので、足を出して相手の引き技で落ちないように練習して、仕上げていきたいと思いました。

――次の東日本リーグ戦への意気込みをお願いします

まずメンバーに入れるようにがんばりたいです。入れたら、去年1部リーグに上がったので、最低でも1部にしっかり留まって、そのまま上位を狙って上位陣を崩していきたいなと思います。