快晴のなか、靖国神社では第40回全国学生相撲個人体重別選手権が行われ、早大からは2名が出場した。トーナメント制の今大会は中田敦志(社3=埼玉・大宮)が一回戦で姿を消し、東日本学生個人体重別選手権三位入賞を果たした若林魁(スポ1=岐阜農林)は一回戦敗退という結果に終わった。
65kg未満級に選手変更として出場した中田選手。突然出ることが決まったが、「気負うことなく、固くならなかった」と振り返る。立ち合いでは思い切りよく相手に向かっていったものの、かわされてしまった。さらなる筋力アップや技術面の向上が今後の課題だ。
強敵に挑む中田
続いて100kg未満級に出場した若林は「ひとつでも多く勝つ」ことを目標に試合に臨んだ。序盤から勢いのある激しい戦いとなり、勝利したかに見えたが取り直しという判定に。再び取り組むと、なかなか決着がつかない接戦となった。若林は最後まで力強く粘ったものの、相手に右まわしをとられ寄り切りで敗北を喫する。「まわしを取られてのこしている時点で、自分の相撲ではないので、体が動いていなかったです」と悔しさをにじませた。
本領を発揮できない若林
室伏渉監督(平16人卒=東京・明大中野)は二人の試合について「正直悔しい。きょうは残念ながら日頃の稽古の成果が出ていない」と話した。若林は一週間ほど前から扁桃腺の腫れで十分に稽古ができていなかったこともあり、本来の動きができなかった点が悔やまれる。次の大会では万全な状態で試合に臨んでもらいたい。また今後の目標は先日のリーグ戦のように、インカレでもしっかり1部に上がること。「きょうの悔しさを忘れずに稽古に取り組んで、いい結果が残せるようにしたい」(若林)。11月の全国学生選手権(インカレ)にむけて、選手たちは熱い意気込みをみせた。この悔しさをきっと次につなげてくれるだろう。
(記事 大石藍、写真 平川さつき、廣田妃蘭)
結果
▽65kg未満級
中田初段
1回戦
対秋本弐段(日体大) はたき込み●
▽100kg未満級
若林弐段
1回戦
対平野弐段(慶大) 寄り切り●
コメント
室伏渉監督(平16人卒=東京・明大中野)
――二人の取り組みを振り返ってどうでしたか
正直悔しいですよね。特に若林は相手をなめていたわけではないのですが、一週間くらい前から扁桃腺が腫れてしまい稽古ができていませんでした。言い訳になってしまうのですが、本来の動きがまったく出せていなかったので、そこは可哀想でした。勝負の世界なので仕方ないです。
――9月のリーグ戦からの稽古はどのような意識で取り組みましたか?
あそこで自信がついたので、勝ち癖をつけることを意識して相撲をやらせました。
――日頃の稽古の成果はでましたか?
きょうは残念ながら出ていないです。11月のインカレに向けて、入れ替え戦に出て来年の選抜大会に出られるように頑張りたいと思います。
――今後の目標をお願いします
とにかく、まずはインカレです。この間のリーグ戦ではいいかたちで上がれたので、今度のインカレでもしっかりAに上がりたいと思います。
中田敦志(社3=埼玉・大宮)
――選手変更での出場となりましたが準備はいかがでしたか
準備は実際あまりしていなかったというか、出るつもりはあまりなくて、補欠3番目だったのであまりないだろうなと思って気楽な気持ちで来たら、突然出るよと言われて。なのである意味変に意識せずにできたかなと思います。
――全国大会ということでしたが緊張はなかったということでしょうか
そうですね、東日本でもすでに負けていたので、本当に気負うことなく、相手も強かったので、思い切っていこうと。あまり緊張感とか固くならずにできました。
――全国大会には他の大会とは異なる雰囲気などありますか
僕が出る大会は東日本体重別(東日本学生個人体重別選手権)と、勝ち上がって全国体重別(全国学生個人体重別選手権)、公式戦ではそれだけなので、他の試合だとなかなかメンバーに入れないので、体重別しかないので、東日本との比較になるんですけど、東日本はやはり絶対に勝たなくてはいけないというプレッシャーがたぶんどこかにあって。やはり東日本が予選のようなものなので絶対に勝たなきゃと思っていたんですけど、全国はもう本当に楽しんでいこうという気持ちになれますね。
――これまで意識してやってきたトレーニングはありますか
意識して、というよりはいつも通りの稽古をずっとやってきた、だからちゃんと四股を踏んで、ちゃんと低い姿勢で摺り足して、あと押す練習も。特に軽量級って低い姿勢で早い相撲を取るので、やはり常に腰を落としてやっていこうという、そういうのはありましたね。
――インカレに向けて改善していきたい部分はありますか
出場機会があるとしたらそれまでにもっと上の実力の人と対等に渡り合えるような力をつけたいなと思っています。筋力もそうだと思うんですけど技術的なこともそうですし低い姿勢で素早く動くっていう、そういう基本をもっと磨きたいです。
――今日の試合内容についてはいかがでしたか
一瞬だったので何とも言えないですが、相手が優勝候補だったんですよ。65kg級の優勝候補で。なので、負けて元々というのもどこかあったんですけど、それでもやるからには勝つつもりで思い切って当たることだけを考えたんですけど、立ち合いかわされてばたってついて。悔いは残りますね。不完全燃焼っていうのはあるんですけど、それでも立ち合いで思い切って当たろうと突っ込んだというのは自分の中で良かったなと思います。
若林魁(スポ1=岐阜農林)
――今日はどのようないきごみで試合に臨んだのですか
ひとつでも多く勝とうというのが目標でした。1回戦は勝てる相手だったし、勝たなくてはいけない相手でもあったので、3位以上は目標にして望みました。
――取り直しになりましたが、精神的に変化はありましたか
精神的に変化はなかったです。しかし、後から周りに体が動いていなかったと言われました。
――まわしを取られてから粘る姿がみられましたが、ご自身ではどうでしたか
まわしを取られてのこしている時点で、自分の相撲ではないので、体が動いていなかったです。
――敗因は何だったとお考えですか
やはり足が動いていなかったことだと思います。
――今後の目標をきかせてください
インカレがあるので、きょうの悔しさを忘れずに稽古に取り組んで、いい結果が残せるようにしたいです。