全国の強さ知る、惜しくも入賞ならず

相撲
上手を取られ厳しい表情の前川

上手を取られ厳しい表情の前川

  あと一歩勝ち切れない悔いの残る東日本学生リーグ戦から1週間。靖国神社相撲場では、全国学生個人体重別選手権(全国)が開催された。早大からは、8月末に行われた東日本学生個人体重別選手権で勝ち上がった3選手が出場。全国という舞台で入賞を狙いにいった選手たちだが、前川晋作(社1=早実・東京)は2回戦敗退。塚本直紀主将(スポ4=鳥取城北)と同好会所属の中田敦志(社1=大宮・埼玉)は1回戦敗退と悔しい結果に終わった。

 75kg未満級に出場した前川の初戦。緊張した様子だったが、前半から果敢に攻め、相手を土俵際に追い詰める。そして、しっかりと寄り切って勝利。続く2回戦では、低い姿勢から、相手のまわしを取る。しかし、相手の素早い動きで寄り切られてしまい、惜しくも2回戦で姿を消した。前川は「少し攻め急いでしまったので、もう少し粘りたかった」と試合を振り返った。  続いて登場したのは、85kg未満級の塚本。立ち会いから落ち着いて攻めていくも、両者一歩も譲らない状態が続いた。ところが、一瞬の隙をつかれ、相手に足を取られてしまう。そのまま寄り切られ、早々に土が付いてしまった。粘る相撲が持ち味の塚本。今回の試合でも前半は粘ったものの、相手のペースに持っていかれ敗戦。全国の強さを物語る試合となった。

相手に寄り切られる塚本主将

相手に寄り切られる塚本主将

 室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)は今大会を振り返って「本当は3位以内に入ってほしかった」と悔しさをにじませた。1カ月後には、ことしの集大成である全日本学生選手権(インカレ)が控えている。Bクラス(2部)でベスト4に入り、Aクラスとの入れ替え戦に挑む事が目標の早大。現役最後の大会となる塚本は「限界まで追い詰めた練習をする」とインカレに向けて意気込み十分。きょうの大会の無念さはインカレで晴らしてくれることだろう。

(記事 田々楽智咲、写真 加藤万理子)

結果

▽65kg未満級
中田(同好会)
1回戦
対古谷(京大)頭捻り●

▽75kg未満級
前川初段
1回戦
準々決勝
対田中初段(関学大)寄り切り●
※ベスト8

▽85kg未満級
塚本参段
1回戦
対知念初段(朝日大)寄り切り●

コメント

室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)

――出場全選手が早々と敗退してしまいました

残念ですね。塚本(直紀主将、スポ4=鳥取城北)もそうですが、前川(晋作、社1=東京・早実)も惜しかったです。本当は3位以内に入ってほしかったです。

――全国学生個人体重別選手権の舞台に立てたことは大きな成長につながると思います

(前川は)勝負度胸がついてきましたが、やはり経験が少ないので、もっと経験を積ませたいです。

――経験を積むための秘策などはありますか

やはり場慣れさせることです。試合にどんどん出なければいけないですし、ある意味強くなっているので自信をつけさせないといけません。出稽古に行くなど色々なことをやらせたいです。

――全日本学生選手権(インカレ)に向けて

あと1ヶ月ちょっとあるので、出稽古に行ったり、慶大が来てくれたりするので、色々やっていこうと思っています。

塚本直紀主将(スポ4=鳥取城北)

――きょうを終えて、いまのお気持ちを聞かせてください

悔しいですね。やってみて実力不足だと思いました。

――粘った相撲であと一歩だったように見えましたが

でも、やっている中で結構相手のペースに持っていかれてしまいました。やりながらしんどいなと思っていました。

――4年生で一つ一つの試合が最後となりますが、どのような気持ちで臨んでいるのでしょうか

特に意識はしていないのですが、1、2年生の時と比べたらとてもやりやすいです。なんでですかね(笑)。余裕ではないのですが、緊張せずにできているというのがあります。慣れてきたというのがあるとは思います。

――きょう出場して、また他の選手を見ていて、どのような点で全国学生個人体重別選手権の強さを感じましたか

やっぱりスポードが速いです。勝っていて強い人はみんなとにかく早いですね。自分みたいに長い相撲だと、いつもすぐ負けてしまいます。強くて勝つ人というのは、結構早い相撲で終わるので、そういったところが全然違うと思います。

――11月に行われる全日本学生選手権(インカレ)に向けての課題は何ですか

課題と言われると、どんどん出てくるのですが(笑)。個人個人でそれぞれ課題はあると思います。自分たちで分かっている部分だと思うので、そこはあと少ししかないですが、個人で直してもらいながらやっていきたいです。あとは、インカレでことしはもう終わりなので、それまではもう目一杯練習しようかなと思っています。

――塚本主将にとってインカレが現役最後となりますが、残りの練習はどのようにやっていきたいですか

特にそこまで思いを入れてやるという感じではなく、いままでと変わらずにやっていきたいです。でも最後なので、限界まで追い込みつつ練習を頑張ろうかなという感じです。

前川晋作(社1=東京・早実)

――いまのお気持ちをお聞かせください

東日本学生個人体重別選手権で3位でしたが、全国学生個人体重別選手権でも3位以上を狙っていたので正直悔しいです。

――試合前、緊張しているように見えましたがいかがですか

初戦は少し緊張してあまり動きが良くなかったですが、いつも通りの感じです。

――初戦での粘ってからの勝利、素晴らしかったですね

1回戦の相手は監督(室伏渉、平7人卒=東京・明大中野)にも普通に前に出れば勝てると言われていたので、そこはしっかり自分の相撲ができたと思います。

――2回戦での敗因は何ですか

少し攻め急いでしまいました。相手が上手から振り上がってくるのは分かっていましたが、もう少しそこで粘れれば良かったです。

――悔いが残る東日本学生リーグ戦だったようですが、反省を活かした試合はできましたか

前に出るというところはできたので、そこは良かったですが、勝ちにつながる試合はできなかったので、そこはまた反省点です。

――きょうの試合を経て、インカレへ向けて得たものはありますか

夏に試合が3回あって、そこでいろいろ経験をつんだので、そこでどれだけ自分の実力がついたか試せたので、その自分の実力を知った上で、どうやったら勝てるか。勝ちにつながる試合をインカレでしたいです。

――インカレへの意気込みをお聞かせください

団体戦が大事なので、そこで必ず勝って、チームに貢献できるようにしたいです。