この日、慶大日吉キャンパスにて関東学生新人大会が行われた。例年1、2年生の下級生たちが出場する今大会。早大からは8月末の合宿を経てレベルアップした拳士8人が出場した。単独有段の部で実力者の久保田羽菜(教2=東京・早実)が第2位に輝くなど、5人が入賞を果たし、11月に行われる全日本学生大会(全日本)に向けて幸先の良い結果となった。
審判の人数の都合により、運用法の開催はなく、演武のみの実施となった今大会。女子白緑帯の部には澁谷蒼佳(商1=東京・頌栄女学院)、山河千紘(法1=埼玉・早大本庄)組が登場。予選、本戦ともに息の合った演武を披露し、第2位に輝いた。男女白緑帯の部では本戦からの出場となった東知優(社2=埼玉・早大本庄)、今村千砂文1=埼玉・早大本庄)組も2位入賞を果たし、全日本にも出場予定の2組が好成績を残した。
男女白緑帯の部で第2位に輝いた東、今村組
単独演武では単独有段の部に原綜侑(商2=東京・早実)、高橋佑(スポ2=東京・城北)、久保田羽菜が出場。原、高橋は惜しくも予選敗退となったが、久保田はキレのある演武を披露し、2位入賞を果たした。単独白緑帯の部に出場した渡邉翔平(文構1=早稲田佐賀)も、入賞こそ叶わなかったものの、初陣でありながら本選出場を果たし、健闘を見せた。下級生たちの活躍に「後輩がこんなに頑張っていたら負けられないなという良い危機感を持つことができた」(宇田樹主将、教4=東京・早実)とチームとしても全日本に向けて気を引き締められる大会となった。
単独有段の部で2位入賞を果たした久保田
大会1週間前に行われた夏合宿を通して、「部員のみんなが自分について来てくれることに改めて感謝しなければいけないと思った」という宇田主将。そしてそんな部員たちに応えるには「(11月の全日本で)日本一を獲らせてあげるしかない」と熱く語る。全日本総合優勝に向けて、風向きは確かに早稲田に向いている。優勝杯を手にして「早稲田に入って幸せだ」というスローガンを体現することができるか。
(記事 玉置理沙子、写真 宮下幸)
※掲載が遅くなり、大変申し訳ありません
結果
▽演武
【単独有段の部】
久保田【第4位】
【単独白緑帯の部】
渡邉【本戦出場】
【男女白緑帯の部】
東、今村【第2位】
【女子白緑帯の部】
澁谷、山河【第2位】
コメント
宇田樹主将(教4=東京・早実)
――今大会にはどのような目標を掲げて臨まれましたか
新人大会は、全日本学生大会に向けてどうしていけばいいか、指針を分かるようにするという位置づけの大会だと思っています。負ければいい意味で「あと2か月危機感をもってやらなければいけないな」と思うと思いますし、逆に勝つことができればこのまま自分を信じて頑張ればいいかなというのが分かると思うので。なので全日本学生大会に向ける新たな再出発をする大会という位置づけでした。
――具体的な目標は定めていましたか
具体的な順位は定めていませんでした。今回は夏合宿が終わってから1週間経ってない中で臨んだ大会だったので、圧倒的に練習量が足りてない状態で、今の持っている実力を試すという気持ちで臨んだ大会でした。また、1年生にとっては個人種目に出場するという意味では初めての大会でした。
――今大会で得られた収穫、また反省点をそれぞれ教えてください
収穫としては、だいぶ良い再スタートを切れたと思います。全日本学生大会の総合優勝を目指す中で、本当に風向きが全部早稲田に向いているんじゃないかというくらいいい調子で来ていました。その中で臨んだ今大会で、全日本学生大会で行く組み合わせは本当にいい結果を出すことができていて本当に良かったですし、後輩がこんなに頑張っていたら負けられないなという良い危機感を持つことができた大会になったなと思いました。反省点としてはまだ1位ではないので、ここから圧倒的な練習量を以てして戦っていくだけかなと思います。
――全日本学生大会に向けての意気込みをお願いします
夏合宿を1週間やったんですが、きつい練習をする中で改めて部員のみんなに感謝しなければならないなという気持ちになりました。やっぱり部活なんで44部活ありますし、サークルに関しても200以上あるわけで、大学なんで何やっても良い自由な時間の中で、部員のみんなは僕たちの少林寺拳法部に入ってきてくれて。しかも入ったらお金がもらえるわけでもなく、毎週試合があって面白いわけでもないのに、11月(の全日本大会での総合優勝)という遠い目標に向けて週5で練習をして、過酷な夏合宿も乗り越えてくれて。その中でもともと思ってはいたんですが、そもそもすごく感謝しなければいけないなと感じるようになりました。体育会なのできついルールや練習もありますが、その中で部員のみんなが自分について来てくれるだけで感謝だなと思いました。そしてそれに応えて「ありがとう」を伝えるとしたらもう日本一を獲らせてあげるしかないなと思って。この合宿を経て日本一のチームになるしかないと強く感じました。僕らの今年の目標は「早稲田に入って幸せだ」と思ってもらうことだったんですが、内面的な幸福度はかなり増していて、あとは本当に結果だけついてくれば日本一の組織だなって自信をもって言えると思います。なので今のいい風向きをそのまま日本一の結果に持っていけたらいいなと思います。