新たな拳士を加え第55回関東学生大会に臨んだ早大。昨年惜しくも届かなかった松平杯獲得を目指した拳士たちは、全日本学生大会も開催される武道の聖地・日本武道館で輝きを放った。拳士たちは日々の鍛錬の成果を発揮し、多数の入賞者と共に念願の松平杯を獲得。昨年に引き続きOB杯も同時に獲得し、ワセダの威厳を示した。
演武の部では男子初段の部で、新人拳士の井上将(基理1=城北埼玉)・岩田悠一朗(人2=埼玉・川越東)組が優勝を果たした。岩田は昨年に引き続き連覇を達成。単独有段の部では大橋知直(文構2=東京・早実)が、男子二段の部では渋谷錬(法2=新潟一)・伊藤勇輝(政経2=東京・早実)組が共に1位に輝くなど下級生の成長が見受けられた。男女二段以上の部では1位となった村上健(人4=埼玉・川越東)・山口琴弓(教2=神奈川・桐蔭学園)組を筆頭に3位までを早大勢が独占し、圧倒的な実力を見せる。尾形桂吾主将(基理4=城北埼玉)も出場した三人掛の部でも優勝を果たし、尾形自身昨年の5位という順位からの快挙に「自分の中での成長は感じました」と語り喜びを見せた。男子団体の部も制覇し、部としての層の厚さが光った。
男子団体の部では見事優勝を果たした
続いて行われた立合評価法の部では、男子の部では鈴木隼副将(スポ4=埼玉・川越東)が1位、中村圭一郎(政経3=佐賀・龍谷)が5位に入賞。女子の部では山口が4位、田中知里(基理4=早稲田佐賀)が5位、鈴木七波(国教4=東京・早実)が6位と、女子の部では出場した全拳士が入賞した。その結果、男女ともに立合評価法団体の部において見事優勝を果たし、総合優勝の証である松平杯とOB杯を同時に受賞する快挙となった。
2つのトロフィーと共に記念撮影する拳士たち
『名実共に日本一』を目指す早大にとって最高のカタチで終えた初陣であったが、「本戦に出場できなかった組が数組あった」(尾形)と今後の課題を口にしたように、早大に慢心はない。悲願の全日本学生大会へ向け歩みをはじめたワセダ拳士たち。まずは関東を制した。次に出場する東京都大会でも、「後輩の育成に力を入れていこうと思っている」と育成にも力をいれる。実力のある拳士に加え、下からの底上げで真の日本一を目指す。
(記事、写真 涌井統矢)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
結果
▽単独段外の部
第1位 砂川侑花(商3=大阪・四天王寺)
▽単独有段の部
第1位 大橋
▽男子段外の部
第1位 安部宏哉(政経3=神奈川・麻布)・藤田元就(政経3=東京・早実)
▽男子初段の部
第1位 岩田・井上
▽女子初段の部
第4位 田中・幸村安里沙(商2=静岡・聖隷クリストファー)
▽男子二段の部
第1位 伊藤・渋谷
▽男女二段以上の部
第1位 村上・山口
第2位 市川可奈子(政経4=東京・早実)・常盤馨(商3=東京・城北)
第3位 鈴木七・水永章(社3=和歌山・神島)
▽男子三段以上の部
第2位 鈴木隼・刈屋壮基(人3=埼玉・川越東)
▽三人掛けの部
第1位 尾形・源川拓美(スポ4=東京・城北)・小林和真(先理3=東京・早実)
▽男子団体の部
第1位 尾形・源川・村上・鈴木隼・刈屋・水永・小林・岩田
▽女子団体の部
第4位 市川・田中・鈴木七・砂川・山口・幸村
▽立合評価法男子個人の部
第1位 鈴木隼
第5位 中村
▽立合評価法男子団体の部
第1位 鈴木隼・尾形・中村・渋谷
▽立合評価法女子個人の部
第4位 山口
第5位 田中
第6位 鈴木七
▽立合評価法女子団体の部
第1位 鈴木七・田中・山口
コメント
尾形桂吾主将(基理4=城北埼玉)
――松平杯とOB杯を両方に獲得獲得されましたが、率直なお気持ちをお願いします
素直に嬉しいという一言に尽きます。両方獲れたのが2013年以来ということで、そのことに関しても嬉しく思います。僕だけじゃなくて、後輩みんなの頑張りや周りの方の支えがあって獲ることのできた2つの賞なので、感謝の気持ちでいっぱいです。
――部全体としての出来はいかがでしたか
昨年の全日本学生大会のときの課題が、下級生と女子の勝利ということで、なかなか勝てなかったんですけど、今回は課題が解決できていたかなと思います。でも、中には負けてしまった組も何組かあったので、全日本ではみんなで勝って雪辱を晴らしたいと思います。
――個人としてはいかがでしたか
目標は立合評価法でも1位をとることだったので、そこに関してはすごく悔しく思います。三人掛の部と団体の部で1位をとれたというのは嬉しかったです。
――昨年と比べて成長は感じましたか
昨年も三人掛に出て、5位だったので自分の中での成長は感じました。部全体としては、最優秀賞の獲得者が飛躍的に伸びていて、松平杯とOB杯両方獲れたので、部全体のレベルは上がっていると思います。
――課題は見つかりましたか
本戦に出場できなかった組が数組あったので、その組を本戦まで進めるように鍛え上げるのが僕らのやることだと思っているので、全日本でみんなが優勝できるようにしたいと思います。
――目標の全日本制覇に向けて、今後どのようなアプローチをかけていきますか
この関東学生大会でも下級生の育成に力を入れてきたので、それは引き続きですね。有段者は油断することなく、このまま勝ち続けるということですね。
――新人拳士についてどう思われていますか
大学生活にもまだ慣れていない中での大舞台で、よくやれていたなと思います。井上(将、基理1=城北埼玉)なんかは突然1位を獲れてしまったので、慢心することなく4年間走り続けてほしいです。
――今年の部としてのスローガンがありましたらお願いします
『名実共に日本一』というのが今年のスローガンです。
――次の都大会への意気込みをお願いします
次の都大会でも、後輩の育成に力を入れていこうと思っているので、全日本に向けていいステップを踏めたらいいなと思います。