1年間の集大成となる全日本学生大会(全日本)が日本武道館で行われた。早大は男子団体の部でAチームが連覇、立合評価法の部中量級で堂脇周平(文構3=城北埼玉)が優勝するなど多くの選手が上位に入賞する活躍を見せた。
この全日本をもって4年生は引退となる。そんな4年生たちは、最後の大会に懸ける思いを結果というかたちで示した。男女初段の部では秋光萌(創理4=広島大附)・刈屋壮基(人1=埼玉・川越東)組が優勝。また、男子二段以上の部でも田部井祐介主将(創理4=東京・早実)・村上健(人2=埼玉・川越東)組が優勝。そしてチーム力が問われる団体の部。2チームのうち1チームは予選で姿を消したが、Aチームが本戦でも一糸乱れぬ演武を披露。見事連覇を果たした。特に田部井、森久輝副将(法4=東京・城北)、今井悠二(創理4=東京・芝)の3人は入学以来4年連続での出場で有終の美を飾った。
有終の美を飾った田部井主将
また、来年以降への収穫もあった大会だった。男子二段以上の部では2位に堂脇・鈴木隼(スポ2=埼玉・川越東)が入った。この2人や4年生とコンビを組み優勝した刈屋、村上そして優勝の団体のメンバーに名を連ねた尾形桂吾(基理2=城北埼玉)は来年以降にも大きな期待を持てる結果を残した。特に堂脇は立合評価法の部中量級において圧倒的な強さを見せつけた。相手が攻撃する間もなく試合が終了させてしまう完璧な試合運び。昨年の全日本ではあと一歩で涙をのんだが、ことしはリベンジを果たし見事栄冠を手にした。
多数の入賞者を輩出し、大会を締めくくった
「最高の気分」(田部井)、「充実感でいっぱい」(森)。この一年間早稲田大学少林寺拳法部をまとめ上げてきた主将と副将は最後の大会を終えこう語った。これまでの厳しい鍛錬、そしてそれを共に乗り越えてきた仲間への感謝。様々な思いを胸に4年生たちは最後の大会に死力の限りを尽くした。その思いは下級生に脈々と受け継がれていくに違いない。まずは来月の早慶戦。昨年は代表決定戦の末、敗れた。4年生の抜けた新生・少林寺拳法部がどのような戦いを見せてくれるか楽しみだ。
(記事 田原遼、写真 辻本紗支子)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
コメント
田部井祐介主将(創理4=東京・早実)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
経験者で入部した選手の活躍が目立った一方で大学から始めた選手が優勝しきれなかったので大学から始めた選手の底上げが必要かなと思っております。また立合評価法で昨年ほど良い結果を出せなかったのでそこの強化が必要かなと思っています。
――新人戦を終えての後輩の活躍はいかがでしたか
優勝は出来なかったんですけど大体の級拳士が入賞できて新人戦後のフォローアップが良かったのかなと考えております。まだまだ甘い部分もあったと思うので来年以降の反省も必要かなと考えております。
――主将としての1年間を振り返っていかがですか
関東学生大会、全日本学生大会という大きな2つの大会で結果を残せて目標を達成出来たので最高の気分ですね。
――早慶戦を控える後輩にひとことお願いします
例年負けているので気負わず精一杯やってほしいと思います。実力としては未だかつてない最高の実力者が3年生に揃っているので頑張ってほしいです。
森久輝副将(法4=東京・城北)
――今の率直な感想をお聞かせ下さい
充実感でいっぱいです。大学生活4年間、そして少林寺拳法をはじめて10年間なので、これで一区切りつけようと思っています
――ご自身の結果についてはどうですか
(三人掛けの部で)優勝できなかったのはすごく悔しいです。ただ途中で組替えがあったり、けがもあったりとさまざまな困難があった中で、どう勝っていくかを考えてやってきた結果なのである程度の満足感はあります
――団体の部での優勝はどうでしたか
すごく嬉しかったです。団体での優勝はみんなで勝ち取ったということなので、そこがよかったです
――団体の方にもかなり練習時間割いてきたということですね
今回はそうですね。団体にも力を入れてやってきました。
――団体では2チームが出場しましたが、1チームは予選で姿を消しました。そのチームの分まで、という部分も大きかったと思います
そうですね。もう一方のチームが勝てなかったのはすごく残念でした。
――学生として最後の大会でした。改めてこれまで振り返っていかがですか
辛いことばかりだったと思います。ただそれだけではなくて、賞を取ったり、何より先輩後輩含めみんなと過ごした4年間のお陰で充実した大学生活が送れました。みんなには感謝の気持ちでいっぱいです
――明日からは練習のない生活になりますね
そうですね。ただ早速社会人に向けて動き出します。そんなに余韻に浸ってる場合じゃないです( 笑 )。
――では最後に、後輩に向けてメッセージをお願いします
色々言いたいことはありますね。ただ、充実した大学生活を送ってほしいなということに尽きると思います。もちろん部活はしっかり最後までやり通してほしいですし、また少林寺だけでなく恋愛や勉強など部活以外のことも充実させてほしいなと思っています。