第53回関東学生大会がことしも日本武道館で行われた。昨年、この大会でOB杯を獲得したが、総合優勝の証ともいえる松平杯を逃している早大。悔しさを胸に新体制で臨んだ。早大勢は日頃の鍛錬の成果を遺憾なく発揮し、入賞者が多数出たと共に、欲しかった松平杯を獲得し、『覇者』としての威厳を示す結果となった。
演武の部では各々が力強い演武を披露し、女子二段以上の部で優勝した市川可奈子(政経2=東京・早実)・鈴木七波(国教2=東京・早実)組をはじめ、多くが入賞を果たす。そして圧巻の連覇を果たしたのが主将の田部井祐介(創理4=東京・早実)ら8人で臨んだ団体の部。昨年も優勝していているだけにことしも他大にその座を譲るわけにはいかない――。拳士たちからはそのような気迫が感じられた。会場の声援を背に一糸乱れぬ演武を見せつけ、無事に連覇を達成した。しかし「2位以下ともっと差をつけ圧勝したい」(田部井)とこれからのレベルアップを誓った。
最優秀演武披露を行う男子団体
立合評価法の部においても男女共に団体で優勝と文句なしの成績を収めた。個人の部においても、男子では昨年もこの部門に出場し、団体優勝を飾っている堂脇周平(文構3=城北埼玉)が3位、女子では秋光萌(創理4=広島大附)が2位になるなど、チームを引っ張った。
多数入賞し松平杯を獲得した
今回は関東地区の大学が一挙集結して行われた大会であり、全日本と比べるとやや規模は劣るものの、早大のレベルの高さ、層の厚さを実感できる大会であった。また、4月に入学した1年生が複数入賞するなど、これからにも期待が持てる結果となった。今後は全日本、そして昨年あと一歩のところで涙をのんだ早慶戦に向け照準を合わせていく。「まだまだ中途半端なので部全体で向上していきたい」と語る主将を先頭に、これからも日々鍛錬を積み重ねていく。
(記事 田原遼、写真 辻本紗支子)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
結果
▽単独段外の部
第1位 田中知里(基理2=早稲田佐賀)
▽単独有段の部
第3位 常盤馨(商1=東京・城北)
第5位 秋光萌(創理4=広島大附属)
▽男子茶帯の部
第2位 地元昇太(文3=埼玉・春日部)・谷部巧昇(創理3=東京・日比谷)
本選出場 植原靖裕(先理3=兵庫・淳心)・光山成宇(政経3=東京・早大学院)
▽男子初段の部
第2位 山本裕貴(先理4=千葉・渋谷幕張)・刈屋壮基(人1=埼玉・川越東)
第4位 赤岡拓(創理4=埼玉・川越)・鈴木隼(スポ2=埼玉・川越東)
▽男子二段以上の部
第1位 田部井祐介(創理4=東京・早実)・村上健(人2=埼玉・川越東)
第6位 居作和英(政経1=東京・早実)・水永章(社1=和歌山・神島)
▽女子二段以上の部
第1位 市川可奈子(政経2=東京・早実)・鈴木七波(国教2=東京・早実)
▽男女二段以上の部
第5位 山本祐加(社4=兵庫・姫路商業)・尾形桂吾(基理2=城北埼玉)
▽三人掛の部
第3位 今井悠二(創理4=東京・芝)・森久輝(法4=東京・城北)・堂脇周平(文構3=埼玉・城北埼玉)
第5位 久保田準(人3=埼玉・川越東)・源川拓美(スポ2=東京・城北)・小林和真(先理1=東京・早実)
▽団体の部
第1位 田部井・今井・森・堂脇
村上・鈴木・尾形・刈屋
▽立合評価法男子団体の部
第1位 今井・堂脇・久保田
▽立合評価法男子個人の部
第3位 堂脇
第5位 久保田
▽立合評価法女子団体の部
第1位 秋光・英日菜子(スポ3=東京・国立)
▽立合評価法女子個人の部
第2位 秋光
第5位 英
コメント
田部井祐介主将(創理4=東京・早実)
ーー組演武で1位になりましたが組演武についてはどうですか
男子二段以上の部は少林寺拳法の最高段位の部でして今まで日体大がずっと優勝していてワセダが今まで一度も優勝できなかったので、この部で絶対勝ちたいという思い入れがあって今回ついに優勝できて嬉しく思います。
ーー団体演武でも優勝されましたが団体演武についてはどうですか
連覇してはいるのですが、差を詰められていて他大と差をつけられていないので2位との実力差をつけて圧勝できるように精進したいです。
ーー全体として振り返っていかがでしたか
入賞数が多く、総合優勝もできたのですが過去の先輩方に比べて劣っている部分が多々あると思うので半年後の全日本と早慶戦に向けて部のレベルアップを目指して頑張ります。
ーー新入生が何人も入賞されたことに関してはどうですか
1年生が入賞するっていうのは少林寺拳法の世界では相当珍しくて期待の新人が入ったなと思っていて今後の活躍に僕自身も期待しております。
ーー課題はありますか
ワセダ全体のレベルの向上が見られないので半年後にはレベルアップできるように頑張ります。
ーー今後の全体の目標を教えてください
演武と運用法どちらもまだまだ中途半端なので確実に1位をとれるくらいの実力をつけたいです。