WEリーグ・アルビレックス新潟レディース(新潟)は6日、ブラフ・シャーン(スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)の加入内定を発表した。今季のア式蹴球部女子(ア女)からWEリーグクラブへの加入内定は、廣澤真穂(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ、8月8日に同リーグ・マイナビ仙台レディース加入が発表)に次ぎ2人目となる。
2000年6月13日生まれ。身長は167センチ。2019年にスフィーダ世田谷FCユースから早大に入学。ア女からは今季2人目のプロ内定者となった
スフィーダ世田谷FCユースで得た豊富な経験を糧に、ア女に加入すると1年目から即戦力として活躍。170センチに迫る体躯を存分に生かし、ボランチ、アンカー、センターバックにサイドバックと守備的ポジションのほぼすべてを高レベルでこなす。3年目は中盤の絶対的存在として、ア女の全日本大学女子選手権(インカレ)優勝に貢献。今季は最終ラインに主戦場を移すと公式戦26試合(12月6日時点)に出場し、ディフェンスリーダーとしてア女の堅守を支えている。
ボランチやアンカーとして躍動した昨季と打って変わって今季はCBでのプレーを中心にア女を支えている
「超大学生級」。彼女をこう形容して、異論のある者はおるまい。中盤に入ればスムーズなパスレシーブから高精度なパスを繰り出し、ビルドアップの中心になる。そうかと思えば守備時には恵まれたフィジカルでもって、相手FWを抑えにかかる。空中戦でも地上戦でも負け知らずの守備職人だ。4年生として責任感も増した今季はその冷静さに磨きがかかり、大学生とは思えない、ベテラン選手のような安定したプレーを披露し続けている。そのプレーぶりは全日本大学女子サッカー連盟の目にもとまり、今年7月には廣澤らと共に全日本学連選抜に選出された。ブラフをはじめ攻守に実力者が揃った今季のア女は、第44回全日本女子サッカー選手権大会(皇后杯)、第31回全日本大学女子選手権(インカレ)と2つの大きなコンペティションに挑んでいる。プロ入りに向けて、この2大会での結果を手土産にしたいところだ。
ブラフが加入する新潟は、昨年のWEリーグ開幕シーズンでは8位。今季は5試合未だ勝ち無しと苦しいシーズンを過ごしている。プロの世界は決して簡単なものではないが、ア女で得た4年間が彼女の足取りを支えてくれることだろう。あらゆる経験を積み上げてきたブラフの挑戦は、向上心あふれるWEクラブで再スタートする。
(記事・写真 大幡拓登、写真 前田篤宏)