第36回関東女子リーグ戦 前期2節 | ||||
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早大 | 3 | 1-2 2-1 |
3 | 日大 |
【得点】 (早大)24分:船木和夏、67分:廣澤真穂、85分:髙橋雛 (日大)13分、29分、71分 |
24日、延期されていた関東大学女子リーグ(関カレ)前期第2節でア式蹴球部女子(ア女)は、アウェーで日大と激突。13分に先制を許すが、24分にDF船木和夏(スポ4=日テレ・メニーナ)が逆にヘディングシュートでやり返し1-1。これで流れをつかんだかと思われたのもつかの間、29分に強烈なミドルシュートを食らい1点ビハインドで後半へ。67分、右サイドからFW廣澤真穂(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が決めて再び同点に追いつくが、71分に失点し3度目のリードを許す。しかし85分にスルーパスを受けたFW髙橋雛(社4=兵庫・日ノ本学園)が鮮やかにループシュートを決め3-3。思わぬ乱打戦となった雨の中の熱戦は、双方勝ち点1の痛み分けで幕を閉じた。
3点目を決めた髙橋。公式戦では2戦連発。21日に引き続き劇的なゴールを決めた
試合は互いに主導権を握り、チャンスを作り合う激しい展開となった。開始直後の3分、左サイドでボールを拾ったDF夏目歩実(スポ3=宮城・聖和学園)が中で待つ廣澤へピンポイントクロス。頭で合わせたシュートはまさにドンピシャだったが、クロスバーに嫌われる。ペースを握りかけたが13分、右サイドからのストレート性のクロスをニアで合わせられ失点。関カレでは2試合連続で、先制点を奪われてしまった。24分、DF木南花菜(スポ2=ちふれASエルフェン埼玉マリ)のクロスを船木が見事なヘッドで合わせ同点に追いついたが、29分にはミスからボールを奪われ鮮やかなミドルシュートを打たれ再び失点。1点のビハインドを負いながら前半を終えた。
8月に入ってから公式戦3試合で8失点。堅守がウリのア女にとって少しでも早く解決したい課題だ
後半に入ってもお互いに攻め合う展開は変わらない。7分にはカウンターからあわやというシーンで夏目が戻りブロック、15分にも自陣ゴール目の前でピンチを迎えたがGK近澤澪菜主将(スポ4=JFAアカデミー福島)が落ち着いて弾き出した。すると22分、パスでくずした右サイドから船木がマイナスにクロス。中で待っていた廣澤が一度は相手ディフェンスに阻まれるが、こぼれ球を豪快に突き刺し2-2。ゲームを振り出しに戻した。しかし26分、中盤でボールを失うと一気にショートカウンターを食らい失点。歓喜に沸く日大ベンチと裏腹に、ア女の勝ち点3に向けては暗雲が垂れ込めていた。それでもア女は諦めなかった。85分、中盤で球際の攻防に勝利したDF井上萌(スポ4=東京・十文字)から、目の覚めるようなロングスルーパスが前線へ。飛び出した髙橋がループシュートで冷静にキーパーとの一対一を制し3-3。辛くも同点に追いついたア女は、その後も攻め続けたがタイムアップの笛が吹かれ決着。21日、22日に続き劇的展開で試合を終えた。
公式戦では2試合連続で中盤に入っている廣澤。
「しんどい時こそ、レベルアップが必要」と語るのは、難しいタスクが求められるアンカーのポジションで奮闘を続ける井上。関カレにおいて前期は3失点で終えたア女だが、直近3試合で8失点とその堅守ぶりに陰りが見えている。なんとか勝ち点を拾えているとはいえ、ア女にとってここまでで最も苦しい時期を迎えているのかもしれない。それでも「負けない」ことに王者の風格が見て取れる。ひいき目で見なくとも、今季のア女はあまりに勝負強い。「負けていないのは、ピッチに立っている彼女たちの頑張りでしかない」と指揮官。逆境こそチャンスととらえ、勝利に向けて進もう。長く苦しい登攀(とうはん)の後には、きっと素晴らしい景色が待っているはずだ。
(記事 大幡拓登、写真 渡辺詩乃、前田篤宏)
20日から24日の5日間で3試合フル出場した井上。この270分で得た収穫、感じた課題は多かったようだ
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 近澤澪菜 | スポ4 | JFAアカデミー福島 |
DF | 2 | 夏目歩実 | スポ3 | 宮城・聖和学園 |
DF | 4 | 堀内璃子 | スポ3 | 宮城・常盤木学園 |
DF | ◎5 | 船木和夏 | スポ4 | 日テレ・メニーナ |
DF | 8 | 井上萌 | スポ4 | 東京・十文字 |
DF | 17 | 木南花菜 | スポ2 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
MF | 6 | ブラフ・シャーン | スポ4 | スフィーダ世田谷FCユース |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ4 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
FW | 10 | 髙橋雛 | 社4 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 11 | 吉野真央 | スポ4 | 宮城・聖和学園 |
FW | 27 | 生田七彩 | スポ1 | 岡山・作陽 |
◎=ゲームキャプテン |
――中2日で関カレアウェーで試合でしたけど2回追いついていかがでしたか
このあと皇后杯関東予選が始まって負けたら本戦出場を逃してしまう試合が始まるので、守備は私たちの根本なので今一度守備のところをチーム全体で、週末東洋戦がなくなったのをポジティブに捉えて1回見直して、もう1度準備したいと思うような試合でした。
――今その出た守備の部分ですが関カレの7月31日までの試合の中で10試合3失点というところを1試合で3失点という試合になってしまいましたがここの原因というものをわかっていたら直せると思いますが今考えられる要因はどのように捉えていますか
1つは3失点と前期抑えたという結果はもちろん(近澤)澪菜がだいぶ守ってくれた部分はありますし、ただ自分達の奪いの狙いどころの部分で取りきれてない、奪いきれてない、奪っても繋ぎきれてない部分だったり、ここ数試合特に東国と今日の試合で言うとカウンターですね。この2試合だけでもないのですが、カウンターもどこで食い止めるかで全然違います。自陣まで運ばれてしまうのかそれともハーフのところで、そこで拾って二次攻撃ができるのかで大きく違うので、結構色々改善するところはあります。直近で言うとリスクマネジメントや攻めている時のバランスだったりたくさんありす。後期はどうしても、私達もスカウティングしてますけど、私達の攻撃に対しても守備に対しても相手もスカウティングしてる訳ですから狙われるところは狙われます。奪われ方もポジティブじゃない奪われ方というか、危険なゾーンで奪われているシーンも前半特に多かったです。チームとしても修正するところもあるのですが、個人の部分で例えばスピードに乗った相手に対して1対1でカウンターだと守るシーンが増えてくるのですが、その時に本当にその距離感でいいのか、結局はゴールってキーパーと守ればいいので、しっかり外に外に追いやれれば別にそこで奪いに行かなくてもいいのになというシーンだったりやはり前半の最初の部分ですこんすこんとサイドで抜かれてしまうとそれは入りは悪くなりますよね。チームの修正ももちろんあるのですが、まず個のところで自分達の強みみたいなところが今すごくゆるくなっているところがあります。
――やはり夏季の合宿ができてない影響などは響いていたりしますか。
正直合宿3年間できてないので、どちらかというと、今日もひろ(廣澤真穂)がインサイドハーフに入って、(生田)七彩と(木南)花菜と、スタートとしてはあまりいなかったと思いますし、合宿というよりもメンバーが常に変動して常に新しいコンビで、特に練習が十分に詰めないままみたいなのは特にうちの子たちはしっかり頭整理しながら準備する部分もあるので、そういう意味では私自身がみんなが何をするべきなのかを整理しなければいけないです。そういう部分の方が難しいような気もします。メンバーが常に変動して練習を、11対11をしっかり詰めないまま試合が来るところの方が難しいとは思います。とはいえ、他のチームもそうかもしれないし、対応してしてかないと自分自身も含めて思います。
――前回の試合もそうでしたが廣澤(真穂)さんのインサイドハーフというトップ下的な中盤の位置に行くという所でそれに応じて髙橋(雛)さんも少し下のポジションで、利点としてはより早くボールを届けて収めることができることが利点の1つだと思いますが逆にその代わり守備の時に守備的な選手がいなくなると言うのはデメリットの1つであると思いますがこのメリットデメリットのバランスはどのように考えてますか
難しかったです。なにより前半はその2人の受け口が低くなってしまったのでそうすると(吉野)真央が孤立してしまうという状況が起こってしまったので、攻撃的に行きたい、攻撃的的な2人、だけど結果的に攻撃する時にも低い位置になってしまったというのが前半押し込まれた要因の一つです。それを例えば紅白戦の時にやるということをしていなかったので、よくハーフタイムの時に修正したなというところがあります。この3対3というのはもちろん修正しなければならない所、守備のところというのはたくさんあるのですが、まずはしっかり最後追いついたのをポジティブに捉えたいです。
――プラスマイナス色々な面がある中でシーズンとしては山あり谷ありの中で、今は谷の状況だと思うのですが、この時期の苦しさというのはどういうものがありますか。
最初に(船木)和夏も言ってましたけどそういう時期はシーズンの中で訪れるのでこれが谷なんだとしたら負けてないということは非常にすごくピッチに立ってる彼女たちの頑張りでしかないので、タイミングとしては絶対に悪くないし、シーズンの1年間の中でずっと山だったらそれはそれで越したことはないですけど、そんなこともないと思うのでここから後半戦は各チームこういう形で対策してくると思うのでそこはしっかりみんなで乗り切って行こうと思います。