筑波大相手にまた圧勝 盤石の戦いで勝ち点3積み上げる 

ア式蹴球女子
第28回関東女子リーグ戦 後期4節
早大 2-0
1-0
筑波大
【得点】
(早大)23分:生田七彩、38分:ブラフシャーン、53分:白井美羽
(筑波大)なし

 ア式蹴球部女子(ア女)は10日、リーグ戦では約4試合ぶりとなるアウェイでの一戦となった関東女子リーグ後期4節に挑んだ。対戦相手は今季ここまで9-0、3-0と圧倒している筑波大。ア女はまたも大差で勝ち点3を手にした。23分にFW生田七彩(スポ1=岡山・作陽)が快速を生かし得点すれば、38分には3バックの一角を担ったMFブラフ・シャーン(スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)がゴール前まで駆け上がりネットを揺らす。MF白井美羽(スポ2=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)の今季初ゴールが生まれた53分で早くも3点差をつけ、勝敗を決定づけた。

 

スピードを生かして得点を決めた生田だったが、この得点シーンで左足を負傷し交代を余儀なくされた

 

 気温は35度に達さずも強烈な日差しの下、試合はキックオフを迎えた。ア女は3ー5ー2のシステムで、前進を試みる相手を構えいつも通りのサッカーを展開。序盤から主導権はア女にあったが、今季対ア女の2大敗を払拭すべく筑波大も抵抗を見せる。19分にはFKからバー直撃シュートを許すなど、押され気味の展開に。それでも先制したのはア女。関東女子リーグ得点ランキングで2位につける生田が快足を飛ばし、髙橋からのスルーパスを足元に収める。ペナルティエリア内でDF2人に挟まれながらも右足を振り抜き、ゴールに突き刺した。これを機に攻勢を強めるア女。38分、MF三谷和華奈(スポ3=東京・十文字)のクロスは最終ラインからゴール前に飛び出したブラフへ。体を前に突き出して当てたボールはゴールに吸い込まれた。

 

 2点目を決めたブラフを始め、DF船木主将、GK近澤副将、FW廣澤、DF夏目が全日本大学選抜に選出された。7日と8日にそれぞれU-20韓国代表とU-20日本代表と対戦。またU-20日本代表にはGK石田が召集されていた。ポジションを見てもア女の堅守が評価されていることがわかる

 この週は今節1試合のみということもあり、いわゆる主力組が多くスタメンに並んだ。その中でスタートリストに名を連ねたのが白井。今季はここまで関カレ3試合0先発にとどまっているが、今節は主力と共にスタメンで出場すると53分、ペナルティエリア内でFW廣澤真穂(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)の落としに反応しダイレクトシュート。密集地帯と化したゴール前で相手DFにディフレクトしゴールに入った。「うずうずしていた」と今季はゴールがなかった白井に今季初ゴールが飛び出した。また、関カレではなじみのない選手がもう一人活躍を見せた。80分、相手の背後への飛び出しから1対1の局面でシュートストップを見せたのがGK丸山翔子(スポ2=スフィーダ世田谷FCユース)だ。丸山は85分にも際どいシュートを両手で弾きア女ゴールを割らせなかった。

 

白井は今後の躍進にはより得点に絡むことと守備力の向上が必要だと語った

 

 終盤のピンチも堅守で守り抜き、無事に完封勝利を飾った。今節は同週に関カレがなかったため主力も多く出場したが、白井や丸山など関東女子リーグを中心に戦ってきた選手の躍動も際立った。前半戦の関東女子リーグは残すところあと一戦。関カレでの出場機会に恵まれない選手にとっては公式戦で自身をアピールする絶好の機会となるだけに、次節にかける思いが強い選手は多いはずだ。今節はそんな選手を刺激する試合になったことは間違いない。

(記事、写真 前田篤宏)

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 21 丸山翔子 スポ2 スフィーダ世田谷FCユース
DF 夏目歩実 スポ3 宮城・聖和学園
DF 堀内璃子 スポ3 宮城・常盤木学園
DF 井上萌 スポ4 東京・十文字
→HT 15 田頭花菜 スポ2 東京・十文字
MF ブラフ・シャーン スポ4 スフィーダ世田谷FCユース
MF 三谷和華奈 スポ3 東京・十文字
→HT 廣澤真穂 スポ4 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
MF 18 白井美羽 スポ2 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
MF 26 宗形みなみ スポ1 マイナビ仙台レディースユース
FW ◎10 髙橋雛 社4 兵庫・日ノ本学園
FW 11 吉野真央 スポ4 宮城・聖和学園
DF 17 木南花菜 スポ2 ちふれASエルフェン埼玉マリ
FW 27 生田七彩 スポ1 岡山・作陽
→28分 船木和夏 スポ4 日テレ・メニーナ
◎=ゲームキャプテン

 

MF白井美羽(スポ2=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)

――まずは今季初ゴールを決めた感想をお願いします

点を取るポジションなのでずっとうずうずしていたけど、しっかり決め切ることができてうれしかったです。

――ゴールシーンを振り返っていただいてもいいですか

(廣澤)真穂さんが相手を抑えてキープしてくれて落としてくれたのをしっかりとミートして決めるだけという感じでした。それが相手に当たって決まりました。

――今季ここまでのご自身のプレーについてはどのように振り返っていますか

最初の方は(関カレに)出させてもらったりしてたんですけど、そこで見つかった課題、守備が弱かったり、関カレのメンバーに劣っている部分があったので、そこを関東リーグの方で頑張っていきたいなと思ってプレーしていました。

――成長はどのように感じていますか

少しずつだけど関東リーグで積み重ねたものとかを関カレの方で出していきたいなという感じです。

――南葛戦では解説者から「18番(白井)は危険」と注目されたりもしてました。関東リーグの方では核となってプレーできている手応えは感じていますか

自分が真ん中のポジションだからというのもありますけど、パスを打ったり攻撃の起点になれるようにとは意識しています。

――今節は中盤での球際が激しい時間帯もありましたけど、意識していたことはありますか

セカンドボールを拾うところは意識していたんですけど、やっぱりセカンドを拾った後に味方に繋げる部分では相手に渡ってしまった部分もあったので、そこは課題かなと思います。

――これからに向けて、今季の目標はありますか

今季は関カレでもっと試合に出れるように、自分の課題に向き合って頑張っていきたいというのと、点にも絡めるように頑張りたいです。