MF蔵田あかりのニッパツ横浜FCシーガルズ来季加入が決定!

ア式蹴球女子

 なでしこリーグ1部・ニッパツ横浜FCシーガルズ(ニッパツ)は8日、MF蔵田あかり(スポ4=東京・十文字)の2022シーズン加入を発表した。ア式蹴球部女子(ア女)からの加入決定者は、計3人となる。

 

インカレ初戦で1対1を仕掛ける蔵田(3年時)

 十文字高校2年時の高校女子選手権では、優勝メンバーの一人として脚光を浴びたが、3年時は2回戦敗退。涙を飲んだ蔵田が進学先に選んだのは、大学女子サッカーの名門・ア式蹴球部女子(ア女)がある早稲田大学だった。持ち前のスピードを生かしたサイド突破で、大学2年時にはスタメンに定着。しかしケガの影響で、3年時はほとんど出場機会を得られなかった。「うまくいかなくて悔しい思いもたくさんした」と苦笑する。それでもラストイヤーにピッチに舞い戻ると、全日本大学女子選手権(インカレ)でも躍動。日本一の『冠』奪還を成し遂げた。

 「一番レベルの高いリーグで、自分がどのくらい通用するのか知りたいし、実際そこに立ったら絶対に成長できると思う」。3年生の秋から就活を始めていた蔵田だったが、サッカーを続けたい思いがあることを再確認し、プレーヤーとして生きることを決断した。しかし、目標としていたWEリーグ所属チームから内定を得ることはできなかったと打ち明ける。「スピードが通用しなくなった時の強さが足りない」という自身の課題と向き合った結果、チームとしてWEリーグに参戦できる可能性を模索。最後は、ニッパツ横浜FCシーガルズを選んだ。

 

インカレ決勝で中央に切り込む蔵田(4年時)

 現在ニッパツは、なでしこリーグ1部6位。8勝7分7敗と、物足りない結果で2021シーズンを終えた。「まずは試合に出て、チームの勝利に貢献したい」。蔵田のチャンスメイク力は、必ずチームの白星につながる。横浜の地で、サイドの女神が会心の笑みを見せることはできるか。新章が幕を開ける――。

(記事、写真 手代木慶)

◆蔵田あかり(くらた・あかり)

1999(平11)年8月23日生まれ。160センチ。東京・十文字出身。スポーツ科学部4年。

 

MF蔵田あかり(スポ4=東京・十文字)

――いつサッカーを続けることを決めましたか

4月か5月に就活をきっぱりやめて、サッカーを続けるという決断をしました。3年の秋から就活を始めたのですが、サッカーを続けるか就職するか決めていませんでした。とりあえず自分の幅を広げるために就活を始めて、いろんな会社の面接を受けていました。でも、会社に入りたくてしているよりは、自己分析が楽しくて就活をしていたんです。面接をすれば人事の方から他己分析してもらえて、「自分はこう思われているんだ」ということが知れて楽しかったのですが、目的が違うなということに気がつきました。サッカーを辞めたいとは思っていなかったので、そこで自分はサッカーを続けたいと気づきました。

――今シーズンで引退される中條結衣選手(令2スポ卒=JFAアカデミー福島)が在籍するなど、ニッパツはア女のOGも活躍されているチームです

中條さんもですし、直接は面識がないのですが大島瑞稀さん(平28社卒=宮城・常盤木学園)や、同期で加入する渡部那月さん(令1社卒=兵庫・日ノ本学園)もいます。なつさん(渡部)が(ニッパツに)入ると知った時、すぐに「よろしくね」って連絡しました(笑)。

――ニッパツへの加入を決めた経緯を教えてください

最初にWEリーグ(所属チーム)に行きたいと思って練習参加しました。インカレの兵庫ラウンドをスカウトの方が見てくださったのですが、「足元の技術やスピードは通用する部分はあるけれど、線が細いからフィジカル的に難しい」ということでだめでした。スピードが通用しなくなった時の強さが足りないということだと思います。在学中に筋力アップの努力をしたのですが、あまり変わらなかったこともあり、個人で(WEリーグ)に行くことは難しいと思いました。競技人生が短いことは分かっていたので、自分がチームを選ぶときの軸にしていたのが、「WEリーグでプレーできるか」でした。その後、なでしこリーグ1部の2チームから内定をもらってとても迷いましたが、いつ参入するか明確にしているということで、WEリーグでできる確率が高いニッパツに決めました。

――プロになりたいということか、最もレベルの高いリーグでプレーしたいということか、どのような思いでWEリーグを目指しているのですか

一番レベルの高いリーグで、自分がどのくらい通用するのか知りたいし、実際そこに立ったら絶対に成長できると思うからこそ、WEリーグで戦いたいなとずっと思っています。

――ニッパツではどのような選手になることを目指しますか

大卒なので、育成年代ではないので即戦力として扱われると思います。まずは試合に出て、チームの勝利に貢献したいと思います。まずは試合に出続けることが目標です。

――最後に、早稲田に、ア女に入って後悔はないですか

…ないと思います(笑)。きっぱりないとは言えないですね。ケガもありましたし、うまくいかなくて悔しい思いもたくさんしました。「ア女に入って本当に良かったのかな」と考えることもありましたが、何事も自分のためになるので。やっぱり、後悔はないです!

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