第35回関東大学女子リーグ戦 後期第6節 | ||||
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早大 | 5 | 2-0 3-0 |
0 | 大東文化大 |
【得点】 (早大)32,36分 三谷和華奈、48,73分 廣澤真穂、76分 髙橋雛 (大東文化大)なし |
関東大学女子リーグ(関カレ)後期第6節、ホーム東伏見で過去三度戦っている(○3-2、○2-0、○4-0)大東文化大との一戦が行われた。後期開幕後、ア式蹴球部女子(ア女)は負けなしで迎えた今節。立ち上がりから試合を優位に進めると、MF三谷和華奈(スポ2=東京・十文字)、FW廣澤真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)、FW高橋雛(社3=兵庫・日ノ本学園)から得点が生まれ、5得点の大勝を収めた。
自身の2得点目を奪い、ブラフと抱き合う廣澤(9番)
強い日差しが照りつける中、キックオフの笛が吹かれるとすぐさま主導権を握ることに。DF船木和夏(スポ3=日テレ・メニーナ)が「テンポよく、ワンタッチツータッチで相手を動かしつつ、隙をついてシュートまで持っていくことを共通認識として持っていた」と話すように、細かなパスワークや浮き球のロングボール、そして個人技で崩しを試みる。たとえボールを失っても敵陣で奪回し、圧倒的なポゼッションを誇るア女。徐々に決定機を増やしていくと、均衡が破れたのは32分だった。左サイドから廣澤が浮いたクロスを供給すると、逆サイドを走り込んだ三谷が押し込んで先制。直後に、ミスからピンチを迎えるもポストに救われると、36分に再び三谷が追加点を決める。2点をリードして、折り返した。
後半も優勢は変わらなかった。48分、廣澤がDF加藤希主将(スポ4=アンジュヴィオレ広島)からエリア内でボールを受けると、相手DFを背負ったままシュートを決める。73分には、セットプレーの混戦から、こぼれ球を再び廣澤が詰めて4点目。さらに78分、ピンチを防ぐと、GK近澤澪菜(スポ3=JFAアカデミー福島)からのロングボールを走り込んだ廣澤が足元に収め、高橋にラストパス。「最近シュートの回数が少ないですし、チャンスも作れていないという感覚があったので、とにかくどんどん狙っていこうという気持ちで入った」と語る高橋がこれを冷静に流し込み、鮮やかなカウンターを成功させる。最終的には5得点を決め、快勝を成し遂げた。
公式戦で3週間ぶりに得点した髙橋
攻めては5点、守っては完封というパフォーマンスを見せたア女。得点力はもちろん、髙橋の「先のことを考えながらプレーする意識がみんな高かった」という言葉通り、リスク管理力が今節は際立っていた。しかし、選手たちに緩みはない。「個人個人の球際の強さは、今のレベルだと勝てないので、練習の時から突き詰めていきたい」と、積極的な攻撃参加を見せ、ビルドアップに大きく貢献した船木は振り返る。今後控える強敵との戦いに打ち克つべく、勝って兜の緒を締める。
(記事 青山隼之介、写真 手代木慶)
スターティングイレブン
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | ◎1 | 近澤澪菜 | スポ3 | JFAアカデミー福島 |
DF | 2 | 船木和夏 | スポ3 | 日テレ・メニーナ |
DF | 10 | 加藤希 | スポ4 | アンジュヴィオレ広島 |
DF | 22 | 夏目歩実 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
DF | 29 | 田頭花菜 | スポ1 | 東京・十文字 |
MF | 6 | ブラフ・シャーン | スポ3 | スフィーダ世田谷FCユース |
MF | 18 | 三谷和華奈 | スポ2 | 東京・十文字 |
→84分 | 26 | 木南花菜 | スポ1 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
MF | 19 | 笠原綺乃 | スポ2 | 横須賀シーガルズJOY |
→65分 | 28 | 白井美羽 | スポ1 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
MF | 30 | 築地育 | スポ1 | 静岡・常葉大橘 |
→88分 | 27 | 栗田彩令 | スポ1 | 静岡・藤枝順心 |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ3 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
FW | 11 | 髙橋雛 | 社3 | 兵庫・日ノ本学園 |
◎=ゲームキャプテン 監督:福田あや(平20スポ卒=神奈川・湘南白百合学園) |
DF船木和夏(スポ3=日テレ・メニーナ)
――本日の試合を全体的に振り返っていかがですか
自分たちが攻撃にまわる時間帯が長いことは、想定していたので、どれだけ耐えて、1点をこじ開けるかが課題でした。前半のうちに先制できて、その後もすぐに追加点を決められて、最終的には5点、そして完封できたことは非常にいい成果だったかなと思います。
――チーム内で事前に決めていたことはありましたか
テンポよく、ワンタッチツータッチで相手を動かしつつ、隙をついて、シュートまで持っていくことを共通認識として持っていました。また、ボールを失った後も、すぐに切り替えて奪い返して、攻撃につなげることもできていたかなと思います。
――積極的に攻撃に絡まれていた印象ですが、振り返っていかがですか
両サイドバックの攻撃参加が、ア女の攻撃の武器の一つになっているので、そこをしっかり生かして行きたいですし、もっとゴールをどん欲に狙っていけるな、と思います。
――課題等は見つかりましたか
これからの試合は、相手のレベルが上がると思うので、そのなかでいかにしてゴールに向かうか、が課題だと思います。また、個人個人の球際の強さは、今のレベルだと勝てないので、練習の時から突き詰めていきたいなと思います。
――次戦に向けては、いかがですか
難しい試合になるかなと思いますが、後ろは無失点で、攻撃陣は、焦らずにまずは1点とれるようにがんばっていきたいと思います。
FW髙橋雛(社3=兵庫・日ノ本学園)
――試合全体を振り返って感想を聞かせてください
相手とは今シーズン3回対戦していたので、特徴もわかっていて想定内でした。そのうえで引いてくるのはわかっていたので、準備してきたことを出すだけでした。その中でも点を決め切って、5-0で勝てたのは成果だなと思います。
――相手の特徴を具体的に教えてください
守備の時はラインを引いて固めてくるのと、攻撃ではカウンターですね。奪ったらすぐに裏に放り込んでくるのが特徴だと思っています。そこで攻撃していても守備を考えるというリスク管理を意識しました。今までよりも危ないシーンがなかったのはそこを徹底していたからだと思うので、特徴を理解したうえでの準備、それを体現出来たことが良かったと思います。
――5得点の攻撃に目が行きがちですが、リスク管理ができていたのが印象的でした。ピッチ内ではどんな声がけがされていましたか
今週1週間、カウンターで危ないシーンになるのは課題でもあったので、攻撃している時に守備のことを考える、先のことを考えながらプレーする意識がみんな高かったので、ピッチ内でもそういう基準があるから声がけができていました。
――ご自身は関東大学女子リーグ(関カレ)で久しぶりの得点でした
最近シュートの回数が少ないですし、チャンスも作れていないという感覚があったので、とにかくどんどん狙っていこうという気持ちで入ったので、それが1点につながって良かったです。
――次回は日体大ということでタフですが、いかがですか
ライバルなので、今のままでは自分自身もまだまだ足りないことだらけで、もっとやらなければいけないので、チームのこともそうですが、足りない部分や課題を修正しながら前向きに進んでいきたいです。一番は勝つことなので、勝ちに貢献できるように得点に関わるプレーを増やしていきたいという思いです。