第27回関東女子リーグ戦 前期第3節 | ||||
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早大 | 3 | 0-0 3-0 |
0 | 筑波大 |
【得点】 (早大)64分,78分 廣澤真穂、90+2分 笠原綺乃 (筑波大)なし |
暖かな春の陽が差す東伏見の地で関東女子リーグ(関東リーグ)前期第3節、筑波大戦が行われた。開幕から2連勝を果たし、この試合を迎えたア式蹴球部女子(ア女)。前半こそ無得点で折り返したものの、後半は途中から投入されたFW廣澤真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)の2得点をたたき込む活躍を含めて3点を挙げ、関東リーグ負けなしの3連勝を収めた。
起用直後に先制点を挙げた廣澤(左)と得点を喜ぶ並木
試合開始直後から、細やかなパスワークで主導権を握ったア女。多くの得点機を創出するが、点を取りきることができない。16分にはFW吉野真央(スポ3=宮城・聖和学園)がペナルティーエリア中央で相手DFを背負いながら、巧みなキープを見せる。このボールはFW髙橋雛(社3=兵庫・日ノ本学園)へ渡りシュートに結びつくが、惜しくもバーの上へ。対して筑波大は、ロングボールによりディフェンスラインの裏に抜け出す機会を作る。しかし、素早いプレスバックやGK石田心菜(スポ1=大阪学芸)の果敢な飛び出しなどで、ピンチの芽を摘む。事前から想定していたという筑波大のカウンターを防ぎつつ、多くのチャンスを作ったア女だったが、結果的には0ー0で試合を折り返した。
後半もア女が押し込む展開は続いたが、ゴールラインを割るには至らない。そんな流れを変えたのは、64分から投入された廣澤だった。「自分が1列剥がせればチャンスになると思っていた」と振り返るMF並木千夏(スポ4=静岡・藤枝順心)が、ハーフライン付近で受けると、そのままペナルティーエリア付近まで前進。ボールは右サイドのMF築地育(スポ1=静岡・常葉大橘)へ展開し、築地の絶妙なクロスに飛び込んだ廣澤が頭で合わせて、均衡を破ることに成功した。さらに78分、エリア付近で再び築地からのボールを受けた廣澤がそのまま前を向き、右足を振り抜いて追加点をねじ込んだ。この2得点によって、ア女は安定してその後の時間帯を進めることに。そして試合終了間際の90+2分には、「チャンスで決め切れていなかったので、絶対に点をとってやるという気持ちでいた」というMF笠原綺乃(スポ2=横須賀シーガルズJOY)がだめ押しの追加点を奪う。最終的には3ー0で零封し、勝ち点3を手にした。
3点目を奪取した笠原(手前)と抱き合う髙橋
廣澤は「相手を想定した練習の成果がしっかり出せていた」と振り返り、チーム全体として充実した試合運びができたことをうかがわせる。次戦はリーグが変わって、関東大学女子リーグ(関カレ)の日大戦。連覇を成し遂げるべく、今節までの白星で得た勢いそのままに勝利を飾りたい。
(記事 青山隼之介、写真 有川隼翔、手代木慶)
スターティングイレブン
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 石田心菜 | スポ1 | 大阪学芸 |
DF | 2 | 船木和夏 | スポ3 | 日テレ・メニーナ |
DF | 4 | 堀内璃子 | スポ2 | 宮城・常盤木学園 |
→90+1分 | 29 | 田頭花菜 | スポ1 | 東京・十文字 |
DF | 22 | 夏目歩実 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
MF | 6 | ブラフ・シャーン | スポ3 | スフィーダ世田谷 |
→90+3分 | 17 | 井上萌 | スポ3 | 東京・十文字 |
MF | 8 | 並木千夏 | スポ4 | 静岡・藤枝順心 |
MF | ◎10 | 加藤希 | スポ4 | アンジュヴィオレ広島 |
MF | 19 | 笠原綺乃 | スポ2 | 横須賀シーガルズJOY |
MF | 30 | 築地育 | スポ1 | 静岡・常葉大橘 |
FW | 11 | 髙橋雛 | 社3 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 15 | 吉野真央 | スポ3 | 宮城・聖和学園 |
→64分 | 9 | 廣澤真穂 | スポ3 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
◎=ゲームキャプテン 監督:福田あや(平20スポ卒=神奈川・湘南白百合学園) |
MF並木千夏(スポ4=静岡・藤枝順心)
――本日の試合を全体的に振り返っていかがですか
自分たちが練習してきたことや、事前に想定していたことをしっかりと発揮できたのでよかったと思います。
――前半はボールを保持する時間が長かったと思いますが、どのようなことを意識していましたか
相手が引いて守っていたので、そこからいかに崩していくかということが鍵になると思っていました。
――ハーフタイムではどのような切り替えを意識しましたか
前半も悪くなかったので、このまま畳みかけていればチャンスは絶対に来ると思っていて、同じことを続けようという感じでした。
――1点目を演出したときの振り返りをお願いします
相手が前がかりになっている場面で、自分がドリブルで1列剥がせばチャンスになると思っていました。その後、中でひろ(廣澤真穂、スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が呼んでいる感じでしたが、自分は角度がなくて出せませんでした。最終的には育(築地、スポ1=静岡・常葉大橘)がいいパスを出してくれて得点につながったので良かったと思います。
――後半はいかがですか
個人的には結構きつかったのですが、周りがサポートしてくれ、一人一人が頑張って勝つことができたと思うので、すごく良い試合をしたなと思います。
――次戦に向けた意気込みをお願いします
リーグが変わりますが、その初戦となるので、またみんなで一つになって頑張りたいと思います。
FW廣澤真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
――試合を振り返っていかがでしたか
筑波想定で練習してきたので、練習の成果がすごく出ていて相手が蹴ってきても対応ができていました。ピンチも何回かあったのですが、全体としてしっかり守ってしっかり攻めることができていたのかなと思います。
――どういう想定をして試合に臨んだのですか
絶対的エースの10番が真ん中にいて、そこを狙ってサイドや裏のスペースを使って蹴ってくるというのが分かっていたので、蹴って裏に走ってきたり前からどんどんプレスをかけてくることを想定していました。
――前半は無得点でしたが、焦りはありませんでしたか
焦りはなかったです。
――今季は途中起用での出場が多いですが、いかがですか
自分としては、選手として最初から出たいと思っています。でも、自分の役割は長所を生かして、限られた時間でチームが苦しい時に点を取ることです。なかなか点が取れない時期もあったのですが、今はそこが鍛えられていると思って、出た時には爆発しようと思っています。
――思いを爆発させるということですが、1得点目を振り返っていかがですか
ヘディングシュートが珍しいと言われるのですが、いろいろ指導してもらっていて、良いボールが上がってきたのでしっかり(頭で)合わせることができました。練習の成果が出て良かったです。
――2得点目を振り返ってください
攻撃に厚みが出て、リズムができていたので、スペースがあったところに走り込んで思い切り打ちました。あんまりゴールは気にしていなかったのですが、キーパーの股下を抜けて気持ちで入ってくれたので良かったです。
――次戦に向けて一言お願いします
関カレという大学同士の熱い戦いが始まります。去年も優勝して連覇をしたいので絶対負けられません。もう1回チームで一丸となって頑張りたいと思います。
MF笠原綺乃(スポ2=横須賀シーガルズJOY)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前半は点が入らなくて苦しかったのですが、後半は点が入って勝てたので良かったです。無失点で終えられたことも良かったです。
――先ほど言われたように前半は両チーム無得点でしたが、ピッチ内の雰囲気はどうでしたか
落ち込んだ雰囲気は全然なくて、声かけができていたのでずっといい雰囲気でした。
――ハーフタイムに何か指示はありましたか
監督からの指示はなかったのですが、選手同士で作戦の調整をしたりしました。それと相手の10番のカウンターがあるので注意するように確認しました。
――後半、自身で3点目を挙げましたが、振り返っていかがですか
チャンスで決められていなかったので、絶対に点を取ってやるという気持ちでいました。なんとか点が取れて良かったです。
――最後に次の試合に向けて抱負をお願いします
次の試合も難しい試合になると思います。だからチーム一丸で、今日のように全員の力で勝ちたいと思います。