早慶戦5連覇! 苦しみながらも伝統の一戦制す

ア式蹴球女子
第19回早慶定期戦
早大 0-0
1-0
慶大
【得点者】(早大)83‘笠原  

 昨年末、全日本大学女子選手権(インカレ)の予期せぬ敗戦で辛酸を舐め、手にした『頂』は関東大学女子リーグのみだったア式蹴球部女子(ア女)。4年生の引退試合で有終の美を飾るべく、緊急事態宣言下で無観客開催となった早慶定期戦(早慶戦)に臨んだ。前半は無得点で折り返したが、試合終盤にMF笠原綺乃(スポ1=横須賀シーガルズJOY)のゴールで先制。そのまま1-0で、画面越しにエールを送るア女サポーターらに勝利を届けた。

 寒風で頬を『朱』く染めたイレブンが、インカレ直前に前十字靭帯を損傷し、ベンチ入りすら叶わなかったGK鈴木佐和子主将(スポ4=浦和レッズレディースユース)の思いも背負ってピッチに立った。負けられない伝統の一戦。「(選手兼主務として)伝統を引き継がなければならない、早慶戦としての価値を今まで以上に引き出したい」と語るGK川端涼朱主務(スポ4=東京・十文字)、MF冨田実侑(スポ4=岡山・作陽)がスタメンに名を連ねた。

キャプテンマークを巻いて試合に臨んだ村上

 開始直後の7分、早速FW松本茉奈加(スポ4=東京・十文字)が相手GKと1対1の好機を作る。しかしシュートはわずかに枠を捉えきれず、先制点には至らない。逆に慶大に裏を取られる場面が散見され、守備と攻撃の調『和』に苦しむ。それでも最終ライン唯一の4年生、DF佐々木呼子(スポ4=宮城・常盤木学園)が体を張ったディフェンスを見せ、得点を許さない。さらにMF阪本未周(スポ4=大阪・大商学園)、MF村上真帆副将(スポ4=東京・十文字)が中盤でバランスを取り、徐々に攻撃のリズムを取り戻していく。前半を0-0で終えたものの、シュート数では慶大を圧倒。試合を『優』位に進め、後半に期待がかかる45分であった。

 迎えた後半、何としても白星を手にしたいア女は随所で気迫のこもったプレーを見せる。57分、FKのチャンスでMF加藤希(スポ3=アンジュヴィオレ広島)の放ったシュートは、惜しくもゴールポストを直撃。『貴』重な先制点に、待ったをかけられてしまう。その後も積極的にシュートを放つが、決定機は訪れないまま時間だけが過ぎていった。

 だが苦しい時間帯を経て、菅原貴幸トレーナー(スポ4=福岡・八女学院)から送り出された途中交代メンバーが攻撃を活性化する。そして83分、「こぼれ球がくることを狙っていたら、良いところにボールが転がってきたので、あとは気持ちで押し込みました」と、ア女の『未』来を担う笠原が先制点を獲得。ここで、最後の交代枠で出場したFW荻原優花(スポ4=宮城・常盤木学園)が村上、松本からキャプテンマークを託された。「ここまで私を信じてサポートし続けてくれたスタッフの皆さんにできる1番分かり易い恩返しの形」と、追『加』点を目指して最後まで攻撃の手を緩めない。結局スコアは動かなかったものの、早慶戦5連覇を成し遂げた。

短い時間ながら存在感を発揮した荻原

 「4年間の集大成というよりも、1年間の集大成として何が何でも勝って終わりたい」(鈴木)という言葉通り、最後は勝利で今季を締めくくったア女。異例の1年を乗り越えた4年生を称えるとともに、それぞれの新天地へ出『帆』する彼女たちの飛躍を期待したい。そして、思いは確『実』に継承される。来季こそ西が丘で歓『呼』の声を上げるべく、ア女はこれからも『頂』を目指して突き進む。

(記事 手代木慶 写真 外部提供)

ア女での4年間を終えた4年生たち

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 川端涼朱 スポ4 東京・十文字
DF 船木和夏 スポ2 日テレ・東京ヴェルディメニーナ
DF 佐々木呼子 スポ4 宮城・常盤木学園
26 笠原綺乃 スポ1 横須賀シーガルズJOY
DF 25 後藤若葉 スポ1 日テレ・東京ヴェルディメニーナ
DF 29 堀内璃子 スポ1 宮城・常盤木学園
MF 阪本未周 スポ4 大阪・大商学園
20 ブラフ・シャーン スポ2 スフィーダ世田谷FC
MF 冨田実侑 スポ4 岡山・作陽
MF 10 村上真帆 スポ4 東京・十文字
蔵田あかり スポ3 東京・十文字
MF 14 加藤希 スポ3 アンジュヴィオレ広島
FW 髙橋雛 社2 兵庫・日ノ本学園
FW 11 松本茉奈加 スポ4 東京・十文字
12 荻原優花 スポ4 宮城・常盤木学園
◎はゲームキャプテン
監督は福田あや(平20卒)
コメント

鈴木佐和子主将(スポ4=浦和レッズレディースユース)

――最後の早慶戦、勝利おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください

 最後勝って終われて良かったです。

――4年間の集大成ともいえるこの試合に向けて、どのような気持ちで臨まれましたか

 4年間の集大成というよりも1年間の集大成として何が何でも勝って終わりたいと思って望みました。しかし、インカレの敗戦を整理できていない選手が多く、少しでもモチベーションを上げて早慶戦を迎えたいと思いました。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

 サッカーができない時間が多くありましたが、それでも大きく成長できた4年間だと思います。最後は不甲斐ない結果になってしまったことはとても悔しいですが、それは次のステージに活かして行きたいと思います。

――後輩へのメッセージをお願いします

 今年一年間でたくさん考えて、色んなことを感じたと思うので、それを今後に活かしてもっと強いア女にしていって欲しいです。

――共に4年間戦った同期へのメッセージをお願いします

 たくさんの刺激をありがとう。

――主将としての1年間を振り返っていかがですか

 ア女を変えようと思って主将になって、何かを変えるなら大変なことも付いてくるとわかっていたのですが、予想外のことが多すぎて、結果としてはとてもやり切れない思いです。

――インカレ、早慶戦と出場機会がありませんでしたが、怪我をされたのでしょうか

 インカレ直前に前十字靭帯を切ってしまって、その時点で皆とサッカーができないことになってしまいました。悔しいというよりは、申し訳ないという気持ちでした。

――外から見るア女の選手たちの姿は、どう映りましたか

 特に後輩が頼もしく見えました。個人の悩み、チームの悩みを抱えていながらも体を張ってプレーしている姿が胸に来きました。もっと楽しくプレーしていい結果で終われるようにサポートしようと思いました。

川端涼朱主務(スポ4=東京・十文字)

――最後の早慶戦、勝利おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください

 率直にホッとしています。過去に一度も負けたことがない早慶戦で今年も勝利を重ねられたこともそうですが、今シーズンの締めとして勝利で終わることができ、早慶戦開催にあたりご尽力いただきまし学校関係者の皆様、日頃より支えてくださるOBOGの皆様へ最後に良い報告ができることを嬉しく思っています。

――4年間の集大成ともいえるこの試合に向けて、どのような気持ちで臨まれましたか

 4年間の集大成でもありますが、サッカー人生の最後の1試合でもあるのでとにかく楽しもうと思って臨みました。この仲間と戦える最後の時間を噛み締めたいと思っていましたが、実際は緊張していました。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

 本当に多くのことを学び気付かされた4年間でした。サッカーの楽しさや人のつながりの素晴らしさ、本気になるということ、喜怒哀楽の全てがありましたし数えきれないほどの経験をさせてもらいました。ア女にいてよかったなと思います。

――後輩へのメッセージをお願いします

 一緒にここまで駆け抜けてくれた後輩たちには感謝したいです。伝えたいことはたくさんありますが、良くも悪くも今年1年間のことを忘れないでほしいです。自ら進んで動くこと、より良い結果のために考えること、仲間とサッカーすること、こういったことの楽しさを追求して毎日を大切にしてほしいと思います。

――共に4年間戦った同期へのメッセージをお願いします

 この8人が同期でよかったと思います。たくさん迷惑をかけてしまい叱ってくれたこともありました。落ち込んでいる時にはそっと隣にいてくれる人がいたりいつも通りでいてくれる人がいたり、追い込まれる前に声をかけてくれる人がいたり、自分なりの意見を伝えてくれる人がいたり、それぞれの優しさに救われました。ありがとうとお疲れ様と伝えたいです。

――選手兼主務として臨む早慶戦には、やはり特別な思いがあったのでしょうか

 初の女子部単独開催ということもあり絶対に成功させるという思いはありました。伝統を引き継がなければならない、早慶戦としての価値を今まで以上に引き出したいという思いで準備をしてきました。忙しい時期にも重なり新型コロナウイルスにも影響され大変なことが多かったので、選手入場のときに頑張ってよかったと切実に思いました。選手兼主務として誰にもできない経験をさせてもらえたことに感謝したいと思います。

――試合前の選手のコメント(Twitterなど)では、”主務として頑張ってくれた川端さんのためにも”という思いが多く聞こえました。それについてはいかがですか

 直接LINEくれた子も直接感謝を伝えてくれた子もいて頑張ってきたことは無駄ではなかったと、誰かが見てくれているのだと嬉しく思いました。ですが、今年は運営に関わってくれる人がたくさんいて、みんながいなければ成り立たなかったと思うので私の方が一人一人に感謝したいと思います。慶應の主務をはじめとする多くの運営メンバーにも本当にたくさん助けてもらったので感謝の気持ちでいっぱいです。

村上真帆副将(スポ4=東京・十文字)

――最後の早慶戦、勝利おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください

 あまり終わった実感がないです。明日も練習に行ってしまいそうです。

――4年間の集大成ともいえるこの試合に向けて、どのような気持ちで臨まれましたか

 ここ最近の試合は勝ちきれていなかったからこそ、今日は絶対に勝つという強い気持ちで臨みました。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

 一言で言うと、あっという間過ぎました。今まで生きてきた中で1番濃くて充実した4年間でした。本当にみんなからもスタッフの方々からも、多くのことを学ばさせていただき、感謝しかないです。

――後輩へのメッセージをお願いします

 今シーズンは特に、試合に勝つことの難しさを痛感したと思います。来シーズンも決して簡単に勝てる試合は多くないと思いますが、今シーズンの試合で感じたことを来シーズンに活かしてほしいです。あとは、自分と仲間を信じて頑張ってください!

――最後に、共に4年間戦った同期へのメッセージをお願いします

 4年間本当にありがとう。みんなとだからほんとに毎日が楽しかったし幸せでした!これから離れるなんて信じられないけど、お互い頑張ろう!

冨田実侑(スポ4=岡山・作陽)

――最後の早慶戦、勝利おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください

 このような状況の中、両校主務はじめ多くの方のご尽力により伝統の一戦である早慶戦を開催することができたことに感謝しています。そしてみんなと早稲田を背負うことができる最後の試合を勝って終わることができたことにほっとしています。

――4年間の集大成ともいえるこの試合に向けて、どのような気持ちで臨まれましたか

 早稲田のユニホームを着る最後の試合ということで、今まで関わってくださった方々の顔や言葉を思い出し、臙脂の誇りを持って沢山の人への感謝の気持ちを体現するという気持ちで試合に臨みました。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

 4年間毎日同じような事をして同じような日々を過ごしているようで、多くの人の支えにより一日一日乗り越えて来れました。これからの人生に活せる経験をできたと思っているので、早稲田の4年間は価値あるものだった早稲田に来てよかったと思います。今まで早稲田で出会った方々、支えてくれた家族や友人に感謝しています。

――後輩へのメッセージをお願いします

 色々な想いを持っていても、チームのためにプレーし、何ができるのか考えアクションし続けてくれてありがとう。みんなと共に歩んでこれて幸せでした。本当にありがとう。これからまた新たなア女を創っていってください。一人一人を応援しています。

――最後に、共に4年間戦った同期へのメッセージをお願いします

 4年間お疲れ様でした。一人一人の個性が光る8人と一緒に1人もかけることなく引退を迎えることができて嬉しいです。本当に4年間ありがとう。

佐々木呼子(スポ4=宮城・常盤木学園)

――最後の早慶戦、勝利おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください

 ・最近は負けてばかりだったので、勝ててよかったなと思います。今日の試合は個人としてもチームとしても多くの課題が出ましたが、もうシーズンは終わりです。今日の試合が今後のア女にとって、また自分のこれからの人生において無駄にすることなく活かせればいいなと思います。このような状況の中、大会の開催にご尽力頂きました皆様に感謝申し上げます。最高の舞台をありがとうございました。

――4年間の集大成ともいえるこの試合に向けて、どのような気持ちで臨まれましたか

 終わった時に、悔いだけは残らないようにしようねと自分と約束して臨みました。悔いが残っているのかいないのか分かりませんが、まだ可能性を感じる試合をしてしまうと、これがサッカーを続けてきた理由なのかと、今日の試合で気がつきました。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

 しっかり前十字も切ったし、スタメンで試合にも出させてもらったこともあったし、メンバー外で遠征に行けないこともあったし、どう振り返っても長かったです。ア女では多くの人と出会い、様々な経験をさせてもらいました。出会ってくれたみんなや訪れてくれた境遇には感謝ですし、今後の財産として大切にしていきたいと思います。

――後輩へのメッセージをお願いします

 なかなか結果は出なかったけど、今シーズン伸ばした根がチームの揺るぎない絆となり、また原動力となり、大きな花を咲かせることを祈っています。「ここさん、ここさん」と毎日話しかけてきてはケラケラ笑うみんなが可愛かったです。一緒に戦ってくれてありがとう。みんなの活躍を期待しています。

――最後に、共に4年間戦った同期へのメッセージをお願いします

 巡り巡って同期になれたみんなに感謝すると共に、真っ直ぐで負けず嫌いなみんなを心から尊敬します。仲間に入れてくれてありがとう、楽しかったよ!これからのみんなの活躍を期待しています。

阪本未周(スポ4=大阪・大商学園)

――最後の早慶戦、勝利おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください

 まず何よりも開催が危ぶまれた中、大会を決行するために汗を流して動き続けてくれた仲間たち、決行を許可して下さった関係者の方々に心から感謝しています。結果に関しては勝てたというより、勝たせてもらったという感覚が大きいです。最後の最後でしたが、自分のプレーに納得がいかなかったことや、途中交代だったことにはすごく悔しさがあります。この個人的な想いは、次のステージに向かうための糧にしたいと思います。

――4年間の集大成ともいえるこの試合に向けて、どのような気持ちで臨まれましたか

 インカレ初戦で敗退した日からちょうど2週間。気持ちの整理をする暇もなく、自分の気持ちは置いてきぼりにしながら、とにかく今日までにチームを立て直さなければと思ってやってきました。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

 短いようで長かったです笑 たくさんの挫折と経験と喜びを味わえた4年間でした。4年間かけてやっと入学前に決意した目標を果たせて嬉しい気持ちもありますが、まだまだ上へと言う気持ちのほうが大きいです。次のステージへ進めるまでの成長を与えてくれてた早稲田という環境に、心から感謝します。

――後輩へのメッセージをお願いします

 一緒に戦ってくれてありがとう。みんなが「みちさーん」とか「みちを〜」って笑顔でかけよってくれて一緒にふざけて笑う時間が大好きでした。インカレで最高の景色を見せてあげられてなくてごめんね。サッカーもうまくて、熱い想いを持ってるみんなだからこそ、これからのア女に期待しています!

――最後に、共に4年間戦った同期へのメッセージをお願いします

 4年間本当にありがとう。一人一人を尊敬しています。インカレ後に立ち直れないけど次に進まないといけない時、みんながいたから最後まで頑張らなきゃって思えた。それぞれの場所でも頑張ろうね。

松本茉奈加(スポ4=東京・十文字)

――最後の早慶戦、勝利おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください

 無事に勝利を収めることができて安心しています。正直内容は納得いっていませんし、もっと面白いサッカーをみせたかったのが本音です。FWとしてチームを勝たせたかったし取るつもりで挑んでいたので個人としては悔しさが残る試合でした。ですが、37名+スタッフで早慶戦を迎えられることができ、勝利を収められて素直に嬉しいです。私にとっては、早慶戦は特別な試合であったし、憧れていた舞台でした。早稲田大学の名を背負って闘う最後の試合が早慶戦であって良かったです。

――4年間の集大成ともいえるこの試合に向けて、どのような気持ちで臨まれましたか

 勝つことだけを考えていました。相手の慶應には、高校時代一緒にプレーしていた選手が2人います。私のプレースタイルも特徴も全て知っている2人を相手に戦うことは難しいと思いましたが、自分の持っているもの全て出し切るつもりで挑みました。最後まで自分らしさを出すことを決めていました。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

 ありきたりだけど、楽しかったです。何が楽しかったか。苦しいことも辛いことも悔しいことも嬉しいことも全部です。全ての出来事には意味があって、自分を成長させてくれるものだと思っています。ア女は自分自身に向き合える最高の環境でした。だからこそ、全ての過程が大切であったし、必要なことだったと思えます。先輩たちの偉大さに気付かされる毎日だったけど練習では本気になれたし、もっと自分ならやれると思わせてくれました。早稲田で過ごした4年間は人生の財産です。

――後輩へのメッセージをお願いします

 この一年間、自分たちを信じて最後まで一緒に歩んでくれてありがとう。みんなのプレー、一つ一つに刺激を受けていたし、毎日の練習がすごい楽しかった。やってきたことに意味はあるし、サッカーも私生活も当たり前の基準は確実に上がってると思う。だから、やってきたことを忘れずにさらに高みを目指して楽しんで、サッカーしてね!後輩のみんなが大好きです!試合見にいきますね。1年間ありがとう。

――最後に、共に4年間戦った同期へのメッセージをお願いします

 個性強いって言われてるけど、その個性が自分は大好きです。まとまりがないって言われたし、四年生っぽくないって言われたけど、個人個人に役割があって、それがしっかり見えた1年間でした。四年の1人ひとりが悔しいことが多かった一年だったと思うけど自分はこれでよかったって思ってる。それは9人がいたからだし、1人ひとりの思いを知ってるから。もう生活する場所はバラバラになるけど、ちゃんと集まろうね笑4年間ありがとう。

荻原優花(スポ4=宮城・常盤木学園)

――最後の早慶戦、勝利おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください

 なんとか最後勝って終わることができて、ホッとしています。ゲーム展開的にインカレが頭をよぎってハラハラしましたし、またベンチで何もできずに終わるのかとちょっと思ったりもしてしまいましたが、苦しみながらも1点をもぎ取ることができ安心しました。何より、笑顔で終われたことが本当に嬉しいです。

――4年間の集大成ともいえるこの試合に向けて、どのような気持ちで臨まれましたか

 正直、インカレがあのような形で終わってしまって、早慶戦なんて。と思っていました。燃え尽きたように気持ちが途切れもしましたし、個人的には足に不安要素が山ほどあり、余計に乗り気になれませんでした。でも早慶戦が近づくにつれてやっぱりこの一戦の意義、価値をひしひしと感じるようになっていき、ア女での最後の試合ということも含めて、どんな結末であろうと最後の最後まで私らしく、勝つ為、ピッチに立つために最善を尽くそうという想いで今日の試合に臨みました。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

 ア女に入ってよかったなと思います。ア女という環境だったから私はここまでやってこられたんだろうなと。4年間耐える日々が圧倒的に多かった私にとっては、負けてられない、頑張ろうと思わせてくれる、このユニフォームをきてア女のみんなと一緒に戦いたいと思わせてくれる、このア女という環境が何よりも原動力でした。きっと、ア女じゃなかったら、とっくにサッカーを辞めていました。ア女で4年間サッカーと本気で向き合うことができて、本当によかったです。幸せ者です。

――後輩へのメッセージをお願いします

 私から学んで欲しいことをひとつだけ。「最後まで諦めなければ、必ずどこかで報われる日が来る。」ということ。報われ方は様々です。本来望んでいた形とは大きく異なるかもしれません。でも、本当に価値があるのは目に見える結果じゃないと私は思います。どれだけ目標に向かって今、その時々の自分の最善を尽くすことができるか。どんなに遠回りになったとしても、目標を見失うことなく、諦めることなく、愚直に一歩ずつでも前に進み続けることができるか。これがとても大切で、このプロセスが自分自身の財産になり、いつか実を結んでくれるはずです。だから、最後の最後まで諦めないで下さい。ただし無茶はしないこと。私みたいにならないで下さい。それだけは守ってね。

――共に4年間戦った同期へのメッセージをお願いします

 大好きです。大好きなんです。4年間この9人で戦えたこと、誇りに思います。本当に出逢えてよかった。私はこの4年間だけの関係で終わらせたくないので、卒業しても、離れ離れになっても、嫁に行っても、ちゃんと会いましょうね?

――最後に出場機会がありました。どのような思いでピッチに入りましたか

 元々、監督と相談してラスト5分だけの約束で試合に臨んでいました。なかなか点が入らなかったのでお預けかなとも思っていたのですが、ギリギリでなんとか決めてくれて、出場が叶って、それだけでもあぁ自分ついてるなぁって思いました。だからこそ、絶対点決めてやろうって思ってピッチに入りました。FWとして点を取ることが求められるし、ここまで私を信じてサポートし続けてくれたスタッフの皆さんにできる1番分かり易い恩返しの形だと思っていたので、どんなに短い時間であれ得点したかったです。

菅原貴幸(スポ4=福岡・八女学院)

――最後の早慶戦、勝利おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください

 勝利で終えることができたことに先ずほっとしています。

――4年間の集大成ともいえるこの試合に向けて、どのような気持ちで臨まれましたか

 関東リーグ最終節とインカレの敗北といった後輩たちに勝利を託す試合が多く、勝利で繋げる事ができたのは良かったなと思っています。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

 20年ちょっと生きてきた中で、最も悩み、決断してきた4年間でした。

――後輩へのメッセージをお願いします

 この記事が掲載されている頃には既に来シーズンに向けて新体制として始動しているかと思います。勝利を非常に重要とするチームであるからこそ、勝敗に対してだけではなく、日常の一挙手一投足までも振り返ることができる、そんなチームであって欲しいなと思います。

――最後に、共に4年間戦った同期へのメッセージをお願いします

サッカーもした事がないような人間の言葉に耳を傾けて、何度も折れかけた自分の心を最後まで支えてくれたのは皆でした。ありがとうの言葉以外見つかりません。

笠原綺乃(スポ1=横須賀シーガルズJOY)

――この試合に向けて、どのような思いで臨まれましたか

 早稲田大学に入学する前からずっと憧れていた早慶戦という舞台に立つこと、また4年生との最後の試合を絶対に勝利で終わらせるという思いで臨みました。早慶戦を開催するにあたって多くの方の支えがあったことを忘れず、出場するからには全力を出しきり、点を決めることも意識して試合に挑みました。

――得点シーンを振り返ってください

 いつものボランチではなく、サイドハーフでの出場の上、0-0で中々点が取れない状況だったので、常に点を決める意識を持っていました。松さんにボールが入った時にも、こぼれ球がくることを狙っていたら、良いところにボールが転がってきたので、あとは気持ちで押し込みました。公式戦での得点は初めてだったので、みんなが駆け寄ってきてくれたことがすごく嬉しかったです。

――最後に4年生へのメッセージをお願いします

 この1年は本当に色々なことがイレギュラーで大変な年だったけれど、頼もしすぎる4年生と一緒にプレーできたことがとても楽しかったです。一緒に戦える最後の試合を、勝利という形で終えられて本当に良かったです!
1年間本当にありがとうございました。