関東女子リーグ戦 | ||||
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早大 | 0 | 0-1 0-0 |
1 | 日テレ・メニーナ |
【得点者】(早大)なし |
関東女子リーグ(関東リーグ)優勝決定戦、勝てば12連覇を達成するア式蹴球部女子(ア女)は、関東大学リーグ戦(関カレ)と合わせて二つ目の『頂』を目指す一戦に挑んだ。インカレ(全日本大学女子選手権)前最後の公式戦ということもあり、勝って弾みをつけたいア女。しかし前半の早い時間帯に先制点を献上すると、終始押される展開が続く。結局最後まで相手を崩せず、今季公式戦4つ目の黒星を喫した。
皇后杯全日本女子選手権(皇后杯)では2回戦で姿を消すこととなり、辛酸を舐めたア女は、同じく2回戦で敗退した日テレ・メニーナと対戦。左サイドバックにDFブラフ=シャーン(スポ2=スフィーダ世田谷FCユース)、左サイドハーフにMF並木千夏(スポ3=静岡・藤枝順心)を置く4-4-2の布陣で臨んだ。試合は序盤から相手のペースで進む。そして8分、サイドチェンジに対応しきれなかったア女は、一瞬の隙をつかれ失点。ピッチ内外からのポジティブな声掛けで持ち直したかに見えたが、19分には相手のシュートがゴールポストを直撃するなど、何度も危機を迎えた。流れを変えるべく、DF後藤若葉(スポ1=日テレ・メニーナ)、MF加藤希(スポ3=広島アンジュヴィオレ)らが右サイドから果敢に攻め込み奮闘。それでも状況を打開できないまま、0-1で試合を折り返した。
後半途中から左サイドを活性化させた蔵田
迎えた後半も相手のスピードに圧倒され、防戦一方の時間帯が続く。だが、DF堀内璃子(スポ1=宮城・常盤木学園)が「狙いどころでサイドに追いやることを今週の練習からずっと意識してやってきた」というように、守備陣が追加点を許さない。そして54分に蔵田あかり(スポ3=東京・十文字)、64分に松本茉奈加(スポ4=東京・十文字)が起用されると、推進力を増したア女は徐々にリズムをつかむ。好連携も生まれ、DF船木和夏(スポ2=日テレ・メニーナ)、佐々木呼子(スポ4=宮城・常盤木学園)がゴールに迫った。しかしスコアは動かず、0-1で敗戦。関東リーグ12連覇を成し遂げることは叶わず、ホーム東伏見で行われる今年最後の戦いは幕を閉じた。
古巣に敗れた悔しさはインカレで晴らしたいところだ
GK鈴木佐和子主将(スポ4=浦和レッズレディースユース)は「勝つための試合ができなかったですし、守るプレーもできなかったですし、なんとなく試合が進んでしまった」と試合を振り返った。たしかに『頂』を目指す上で、今日の内容は評価できるものではない。しかし、これまで敗戦を糧にしてきたア女だからこそ、気持ちを切り替えて成長につなげてくれるだろう。インカレの舞台では、どんなプレーを見せてくれるだろうか――最後の『頂』への闘いはもう始まっている。
(記事 手代木慶 写真 稲葉侑也、足立優大)
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | ◎1 | 鈴木佐和子 | スポ4 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 4 | 船木和夏 | スポ2 | 日テレ・東京ヴェルディメニーナ |
DF | 20 | ブラフ・シャーン | スポ2 | スフィーダ世田谷FCユース |
→ | 3 | 佐々木呼子 | スポ4 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 25 | 後藤若葉 | スポ1 | 日テレ・東京ヴェルディメニーナ |
DF | 29 | 堀内璃子 | スポ1 | 宮城・常盤木学園 |
MF | 5 | 阪本未周 | スポ4 | 大阪・大商学園 |
→ | 8 | 蔵田あかり | スポ3 | 十文字VENTUS |
MF | 10 | 村上真帆 | スポ4 | 東京・十文字 |
MF | 14 | 加藤希 | スポ3 | アンジュヴィオレ広島 |
→ | 11 | 松本茉奈加 | スポ4 | 東京・十文字 |
MF | 6 | 並木千夏 | スポ3 | 静岡・藤枝順心 |
FW | 7 | 髙橋雛 | 社2 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ2 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
◎はゲームキャプテン 監督は福田あや(平20卒) |
コメント
GK鈴木佐和子主将(スポ4=浦和レッズレディースユース)
――試合を振り返っていかがですか
悔しいですね。
――この試合をどのように位置づけていましたか
12連覇を達成するためでもありますし、インカレ前での優勝決定戦ということで、勝負所で自分たちがどれだけ戦えるかっていう意味では重要な試合だったと思います。
――内容はいかがでしたか
良くなかったですね。勝つための試合ができなかったですし、守るプレーもできなかったですし、なんとなく試合が進んでしまったという印象があります。
――このような結果になってしまった原因は試合に臨む前の部分にあったのでしょうか
今振り返ってみると、多分試合の前からですね。
――皇后杯の敗戦からこの試合までの練習ということでしょうか
練習内容としてはそれほど悪くはなく雰囲気も良くできてはいたのですが、勝ちたいとか、試合で自分がやらなきゃいけないっていう根本の部分がまだまだ足りなかったのかなと思います。
――最後にインカレへの意気込みをお願いします
試合まで1週間もない中で、まず今日の試合を整理しないといけないですし、雰囲気もまた1からインカレに向けて作っていきたいです。
DF堀内璃子(スポ1=常盤木学園)
――関東リーグ戦の優勝を逃した試合となりましたが、そこについてはいかがですか
来週からインカレが始まる中で勝っていい流れで(インカレに)つなげたかったんですけど、勝つことができず、12連覇を逃してしまったことは課題です。ただ、悔しい思いはありながらもこれからインカレが始まるので、切り替えが大事かなと思います。
――失点の場面を振り返っていかがですか
何回かサイドバックの裏に抜け出されることがあって、そこのカバーが自分自身もそうだし、DFラインとしても流れの中でそういうところがうまく修正できなかったです。また、たらればにはなってしまうのですが、相手のクロスが入った場面に関しては、私が触っていれば失点は防げたと思います。
――試合全体を通して、自らの体を張ったプレーで危機を脱した場面が多く見られましたが、ポジショニングで意識していることはありますか
ポジショニングというよりは自分自身のプレースタイルが1対1やスピード、体の当たりだったりを強みとしているので、それをチームのために全て出すということを全試合、意識でやっています。
――チーム全体としてうまく機能していない中、給水タイムやハーフタイムで具体的にどのような指示やコミュニケーションがありましたか
(日テレ)メニーナはパスをつなぎながらきれいなサッカーをしてくるので、そういうところでFWに(送られるパスに)限定して、ボランチの狙いどころやOFラインの高さなどを常にチームで確認していました。でも、その中でもできていることはあったので、そうしたことは継続していこうと思いましたし、できなかったところは改善をしていきたいです。
――できているところとはどういったところでしょうか
相手が攻撃を中で常にアンテナを張って準備して、奪ってから攻撃につないでいくことはできていたと思います。
――後半は押される場面がありながらも無失点に抑えました。この点はご自身としてどう考えていますか
不利な状況で後半を迎えましたが、だからといって引いてはいけないと思っていたので、引かないでいかに前で奪え切れるかを考えながらプレーしていました。ただ、それでも裏にボールは転がってくるので、とにかく粘って粘ってディフェンスをしていました。
――最後に初めてのインカレにむけて意気込みをお願いします
日本一を取りにア女に入ったのでまず目指すべきところは勝って日本一になることです。個人としては自分が持っている力を全て出して少しでもピンチを救って、チームに貢献したいと思います。