関東大学女子リーグ戦 | ||||
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早大 | 1 | 1-0 0-0 |
0 | 大東文化大 |
【得点者】(早大)42’廣澤 |
関東大学サッカーリーグ(関カレ)第7節。4連勝で前節終了時に首位に浮上した早大は、首位・筑波大を下し勢いに乗る大東文化大と対戦した。序盤から大東文化大に苦しめられた早大だったが、前半終了間際にFW廣澤真穂(スポ2=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)のゴールで先制に成功する。その後は一進一退の攻防が続き、試合終了間際にはセットプレーを中心とした猛攻を受けたが、最後まで集中を切らさず守り抜き早大が勝利。関カレ5連勝で首位をキープした。
1本。これは早大が前半に放ったシュート数だ。直近3試合で9得点と好調だった攻撃陣だがこの日は停滞。「相手の蹴るサッカーに対応ができず、距離感が悪くなってしまった」と廣澤が振り返った通り、ロングボールを多用し早大陣内でプレスをかけ、ショートカウンターを狙う相手の戦術になかなか対応することができず、攻守にリズムをつかむことができない。決定機をほとんど作ることができず、無得点でハーフタイムを迎えるかと思われた。しかし前半終了間際の42分、MF加藤希(スポ3=アンジュヴィオレ広島)が右サイドからクロスをあげると中央で廣澤が右足で合わせネットを揺らす。前半唯一のシュートで得点を奪い、リードで前半を終えた。
得点を喜び合う廣澤(左)と加藤(右)
先制点の影響もあってか後半は落ち着きを取り戻し、開始から流れをつかんだ早大。得意のセットプレーやサイド攻撃を中心に攻撃を展開する。また、DF後藤若葉(スポ1=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)やDF船木和夏(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)の攻撃参加が増加し人数をかけ迫力のある攻撃が見られるようになった。さらに途中出場の4年生も存在感を発揮。MF阪本未周(スポ4=大阪・大商学園)は中央で落ち着きをもたらし、MF松本茉奈加(スポ4=東京・十文字)は投入直後のファーストプレーで迫力のあるプレスを見せ、チームに勢いを与えた。
攻撃にアクセントを加えた後藤
流れを引き戻しながらも得点を奪えずにいると、試合終了直前にはCKを中心とした大東文化大の猛攻を受ける。88分にはCKをフリーで合わせあわや失点というシーンを迎えたが、シュートはわずかに枠を外れ、難を逃れた。その後もギリギリのところで踏ん張り1-0で試合終了。終了間際の意思統一など課題も残ったが、苦しい試合を勝ち切り、優勝へ王手をかけた。
ここまでの4連勝はア女らしさ、ア女の強みを存分に発揮しての勝利だったが、この日の勝利は一味違った。思い通りの試合展開にならない中で得点を奪い、勝ち切るという“強さ”を感じさせる試合だった。主将のGK鈴木佐和子(スポ4=浦和レッズレディースユース)は「勝ち切る自信には繋がったが、満足できる試合内容ではなかった」と語るにとどめたが、決勝で敗れた皇后杯予選からは着実に成長を続けているだろう。2ヶ月後の全日本学生選手権、そして目前に迫った皇后杯を前に一層の成長を見せたア女。二つ目の『頂』は登りきる。
(記事 稲葉侑也 写真 栗林真子 杉原優人)
スターティングメンバー
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | ◎1 | 鈴木佐和子 | スポ4 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 4 | 船木和夏 | スポ2 | 日テレ・東京ヴェルディメニーナ |
DF | 29 | 堀内璃子 | スポ1 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 25 | 後藤若葉 | スポ1 | 日テレ・東京ヴェルディメニーナ |
DF | 28 | 浦部美月 | スポ1 | スフィーダ世田谷 |
MF | 10 | 村上真帆 | スポ4 | 東京・十文字 |
MF | 6 | 並木千夏 | スポ3 | 静岡・藤枝順心 |
→ | 5 | 阪本未周 | スポ4 | 大阪・大商学園 |
MF | 14 | 加藤希 | スポ3 | アンジュヴィオレ広島 |
MF | 27 | 三谷和華奈 | スポ1 | 東京・十文字 |
→ | 11 | 松本茉奈加 | スポ4 | 東京・十文字 |
FW | 7 | 髙橋雛 | 社2 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ2 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
◎はゲームキャプテン 監督は福田あや(平20卒) |
コメント
GK鈴木佐和子主将(スポ4=浦和レッズレディースユース)
――試合を振り返っていかがでしたか
かなり苦しい試合になりましたが、最後まで粘って勝てて良かったです。
――前節の勝利により首位となって迎えた一戦、そして相手は前節筑波大を下し勢いに乗る大東文化大でした。どのような準備、対策をして望みましたか
これまでまず目の前の1試合を勝ち切る気持ちでチーム全体でやってきたので、首位になっていることはあまり気にしませんでした。ただ対戦相手のことは気にしますし、大東文化大学は攻撃に勢いがある印象だったのでもう一度守備からしっかりやっていくことを意識しました。
――序盤は相手のプレスに苦しんでいる印象を受けたのですが、いかがですか
かなり苦しみました。相手のプレスを意識し過ぎて自分たちで難しくしてしまった部分がありました。
――終盤はセットプレーから猛攻を受けました。どのようなことを意識していましたか
神大戦でセットプレーで失点したことでセットプレーに対する意識はチーム内で強く持てるようになりました。そのなかで今回の試合もセットプレーがポイントになってくることは共有できてたので、あの時間も粘り強く守れたと思います。
――自分たちのサッカーができているとは言い難い展開の中、1点を奪い、勝ち切った点に「強さ」を感じました。インカレまで残り2ヶ月となった現在のチームづくりの手応えを教えてください
今回の試合で勝ち切る強さは自信になったかもしれませんが、満足はできない試合内容でした。このような試合があることは想定ですが、もう1段階チーム力を上げて行かないと関カレ優勝はできないと思いますし、インカレ優勝には繋がらないと感じています。
――次戦への意気込みをお願いします
次戦勝てば優勝が決まりますが、必要以上に意識せず、今回出た課題を改善してもっといい内容の試合にしていきたいと思います。
FW廣澤真穂(スポ2=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
――試合を振り返っていかがでしたか
優勝のかかった大事な試合をチーム全員で勝ちきれたことはよかったです。
――前半は相手に苦しめられる時間が長かったと思いますが、攻撃ではどのような狙いを待っていたのでしょうか
全体的に相手の蹴るサッカーに少し対応が出来ず距離感が悪くなってしまいミスも多くなってしまったのが原因だと思います。
――苦しい時間の中、先制点を奪いました。振り返ってください
加藤さんから練習の時に話していた形でいいボールが来たので思い切って足を振りました。
――後半は前半よりも攻撃の流れが良くなっていたように感じたのですが、いかがでしたか
後半はテンポや距離感を意識して挑みました。スペースを見つけて走るという動きを続けたことによって少し相手が崩れたのかなと思います。
――前節の勝利で首位に浮上しました。残り2試合ということで徐々に優勝を意識するかと思いますが、廣澤選手ご自身の目標を教えてください
昨年は準優勝に終わってしまったので残り2試合完全勝利で優勝をつかみとりたいです。
――次戦への意気込みをお願いします
時間はあまりないですが、チームで攻守にわたり連動したプレーを意識して優勝を決めたいです。応援よろしくお願いします!