関東女子リーグ戦第2節 | ||||
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早大 | 2 | 1-0 1-0 |
0 | 浦和レッズレディースユース |
【得点者】(早大)40、59松本 |
関東女子サッカーリーグ(関東リーグ)第2節、約1か月ぶりの公式戦となったア式蹴球部女子部(ア女)は、すでに2試合を消化し1勝1敗の浦和レッズレディースユースと対戦した。ラインを高く設定し前線から積極的にプレスをかけるア女と、その裏を狙う浦和。対照的な両チームの対戦は序盤から一進一退の攻防となったが、粘り強く戦い続けたア女が前半終了間際に先制すると、後半24分にも追加点を奪い2-0で勝利。特に後半は相手にほとんどチャンスを与えず、快勝で関東リーグ2連勝を飾った。
試合前半、主導権を握ったのは浦和レッズレディースユースだった。プレナスなでしこリーグの出場可能選手にも登録されているFW島田芽依を起点に攻撃を展開。5分に素早い切り替えからボールを奪いシュートを放つと、11分にはア女ディフェンスの裏に抜け出しキーパーと一対一に。このピンチはア女の守護神GK鈴木佐和子主将(スポ4=浦和レッズレディースユース)がセーブしたが、着実にア女ゴールに迫った。一方のア女はMF村上真帆(スポ4=東京・十文字)のボール奪取や両ウイングの突破から相手ゴールに迫るが得点には繋がらない。「特に前半は相手に対応しきれず思うような攻撃ができない時間があった」という村上の言葉通り、相手の素早いプレスに対応することができなかった。しかしクーリング・ブレイク後、試合は一気に動き出す。38分にFW廣澤真穂(スポ2=神奈川・東海大相模)のポストプレーから右サイドに流れた村上がクロスをあげると、中で合わせたのはDF船木和夏(スポ2=日テレ・メニーナ)。これは惜しくも枠を外れてしまったが、連動した攻撃で相手ゴールを脅かす。すると40分、村上がショートコーナーからリターンパスを受けると左足でクロス。中でFW松本茉奈加(スポ4=東京・十文字)が合わせついに先制に成功する。「自分は当てるだけでした」(松本)という言葉通り、クロスの質、飛び込むタイミングなどが完璧にかみ合ったゴールだった。ゴール後一気に流れはア女に傾いたが追加点は奪えず、1点リードでハーフタイムを迎えた。
随所で存在感を見せた村上
後半も先制した勢いそのままにア女が主導権をつかむ。47分、50分に立て続けに中央を崩しMF阪本未周(スポ4=大阪・大商学園)がシュートを放つ。これは惜しくも決まらなかったが、前半よりも中盤、前線のポジションが流動的になり、その動きに合わせて縦パスが入り始めたため、攻撃の迫力が増してきた。守備でもDF桝田花蓮(スポ3=ちふれASエルフェン埼玉)が「前線のプレスのかけ方を修正した」と語ったように、後半は島田にほとんど自由にボールを触らせず、修正力の高さを見せつけた。圧倒的に主導権を握りながらも追加点が奪えない時間が続いたが69分、中央でボールを受けた松本は前を向くと一気にスピードアップ。一瞬で相手ディフェンスを置き去りにしキーパーと一対一に。これを落ち着いて流し込み、欲しかった追加点を手に入れた。その後も選手交代や配置転換で流れを変えようとする相手チームに対して豊富な運動量と集中力で得点を許さず試合終了。スコア以上の差を感じさせる勝利で関東リーグ2連勝となった。
2ゴールの活躍の松本
関東リーグ2連勝を飾ったア女。関東リーグは今節で一時中断し、来月から関東大学女子リーグ、皇后杯予選と続いていく。9月以降は連戦が予想されるが、例年と違うスケジュールになるため、コンディション管理が重要になる。変則的な試合日程、連戦をチーム一丸となって乗り越え、目標達成に向けて突き進みたい。
(記事 稲葉侑也、写真 手代木慶)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
スターティングメンバー
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 鈴木佐和子 | スポ4 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 4 | 船木和夏 | スポ2 | 日テレ・メニーナ |
DF | 25 | 後藤若葉 | スポ1 | 日テレ・メニーナ |
DF | 28 | 浦部美月 | スポ1 | スフィーダ世田谷 |
MF | 13 | 桝田花蓮 | スポ3 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
MF | 5 | 阪本未周 | スポ4 | 大阪・大商学園 |
MF | 10 | 村上真帆 | スポ4 | 東京・十文字 |
MF | 14 | 加藤希 | スポ3 | アンジュヴィオレ広島 |
→81分 | 26 | 笠原綺乃 | スポ1 | 横須賀シーガルズJOY |
MF | 7 | 高橋雛 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
→81分 | 27 | 三谷和華奈 | スポ1 | 東京・十文字 |
MF | 11 | 松本茉奈加 | スポ4 | 東京・十文字 |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ2 | 神奈川・東海大相模 |
→89分 | 22 | 吉野真央 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
◎はゲームキャプテン 監督は福田あや(平20卒) |
コメント
MF松本茉奈加(スポ4=東京・十文字)
――試合を振り返っていかがですか
全員が90分間戦い抜いた結果、勝つことができたと思います。 組織的に攻守共にできていましたし、攻撃の種類が前節に比べて増えたので楽しかったです。
――前節から約1か月が空きましたが、どのような準備をしてきましたか
練習中、常にお互いプレーに関して求め合うようにしていました。常に要求をしていくことで、自分のやりたいことを相手に知ってもらうことができ、今回の試合でもプレー中に改善できるようになりました。
――得点についてお伺いします。先制点、追加点ともに得点が欲しい時間帯でのゴールでしたが。振り返っていかがですか
どちらも気持ちいいシュートでした。まず1点目ですが、練習の時からあの辺にボールが来ていたので、予測していました。真帆(村上)から良いボールが来たので、自分は当てるだけでした。2点目は、相手を1枚交わした後はもう点取れると思ってドリブルしました。
――1点リードでハーフタイムに入りましたが、どのようなことを話しましたか
監督から相手チームが後半から裏に蹴ってくる可能性があるといっていたので、それを踏まえて後半に入りました。また、前半にうまく噛み合わなかった部分をお互いに話し、すり合わせました。
――試合を通してクロスがあまり機能していないように見えました。それについていかがですか
今回の試合では、クロスからの起点が少なかったように感じましたが、他の攻撃の起点が増えたと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
最善の準備をして、予想外を作らず、常に想定内にできるように全員で毎日取り組んでいきます。
MF村上真帆(スポ4=東京・十文字)
――試合を振り返っていかがですか
公式戦ということで、やはり結果は重要視していたので、そこに関してはしっかり勝利を収めることができてよかったです。しかしその中でもやはり課題は多く見つかったので、これからの練習で改善していく必要があると感じました。
――相手チームに関するスカウティングや対策はしていましたか
スカウティング係が相手の特徴やフォーメーション、自分たちのタスクなどをまとめてくれて動画も見せてくれました。それをしっかり頭に入れながら試合に臨めたので、相手のストロングポイントを消しながらプレーできた部分が多くあったと思います。
――試合序盤は縦パスがなかなか入らない等、意図する攻撃があまりできていないように感じたのですが、いかがですか
相手は前から速いプレスをかけてくるというのは事前にスカウティングミーティングで話していたので頭ではわかってはいましたが、実際に試合をすると特に前半は対応しきれなくてなかなか思うように攻撃ができない時間がありました。もっとはやく相手の特徴を掴んで、それに対応していきたいと思います。
――後半は運動量で相手を圧倒していました
前半に点は取っていたから自分たちの方が有利な状況ではありましたが、後半に失点してしまう試合が多かったので、最後まで気を緩めないでしっかりハードワークしようというのは後半のキックオフ前に話していました。試合終盤は結構押し込まれてしまうシーンが多かったですが、キーパーを中心とした守備陣の安定した守備により無失点で終われたのでよかったです。
――試合を通して攻守の中心にいたと思います。ご自身の出来についてはいかがですか
運動量を活かして攻守に多く関わるのが自分のプレースタイルでもあるので、たくさん走って攻守に関われた印象はあります。しかしそこの質であったり、終盤は少しバテてしまったたりしていたので、質を向上させつつ、最後までしっかり走れるようにしなければいけないと感じました。
――次戦への意気込みをお願いします
今回は1ヶ月ぶりの公式戦でしたが、これから毎週のように公式戦が入ってくるので、しっかりコンディションを万全に整え、1試合1試合成長していきたいと思います。
MF桝田花蓮(スポ3=ちふれASエルフェン埼玉マリ)
――試合を振り返っていかがですか
2点取って勝てたことは純粋に嬉しかったですが、緊張感のあるハードな試合でした。ピッチ内ではもちろん、ベンチからも前向きな声かけが絶えず聞こえてきて、とてもいい雰囲気で試合ができ楽しかったです。
――前半は相手の2トップに苦しめられている印象でした。プレーしていていかがでしたか
相手の2トップはどちらもスピードがあり、一瞬たりとも気を抜けない状況でした。ただ、2トップの能力の高さは認識していましたし、試合前にDFラインの選手同士で、お互いにカバーし合うことを話していたので、もし1人が抜かれても大丈夫という気持ちをもって、落ち着いてプレーすることを心がけました。
――相手は明確にラインの裏を狙っていましたが、対応で意識したことはありますか
ラインが高い分、そこを狙われることは分かっていたので、まずは裏に蹴られないように前線の選手に声をかけて、相手へのプレスを強くするよう要求していました。個人的にも裏が狙われそうなときは早めに良いポジションを取ることや、もし裏に抜けられてもゴール前をしっかり守ることに集中しようと意識しました。
――前半とは対照的に、後半は守備が完璧に機能しているように見えました。ハーフタイムに何か対策や修正をしたのですか
選手同士で話したり、監督やコーチにアドバイスをもらったりして、前線のプレスのかけ方をよりはめやすいように修正しました。話し合ったことをすぐに実践し、かつチームとして狙い通りにプレーできていたので良かったです。
――無失点勝利でしたが、手ごたえはいかがですか
危ない場面はありましたが、味方同士でカバーし合いなんとか無失点で終わることができました。練習での強度の高さやお互いに厳しくやりあったことが、試合での粘り強いプレーに繋がったと思います。また、攻撃陣もチャンスをしっかり決めてくれたので、守備での集中力を保つことができました。これを継続して、試合で無失点を続けることで自信をつけていきたいです。
――次戦への意気込みをお願いします
今回の試合で、ポジティブな課題が見つかったので、練習で突き詰めていき、プレーの質を高めていきたいです。そして、次の試合でもチーム一丸となって、結果も内容も満足できるゲームにしたいと思います。