第33回関東大学女子リーグ戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 2 | 0-0 2-0 |
0 | 大東大 |
【得点】 (早大)60’源関清花、74’オウンゴール (大東大)なし |
台風の接近に伴い、キックオフ時刻が前倒しとなった関東大学女子リーグ戦(関カレ)第4節。前節慶大に快勝を収め(◯4−0)勝ち点を7に伸ばしたア式蹴球部女子(ア女)は今節、大東大と対戦した。ボールを支配しながら決定機に結びつかない時間帯が続いたが、60分と74分にセットプレーから得点を挙げ、2−0で勝利。3連勝を飾り、勝ち点を10に積み上げた。
「前からプレスをかけてなるべく相手陣地でプレーしようと心がけていた」(MF高瀬はな主将、スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースユース)と、立ち上がりから攻勢に出たア女。2分、スローインを受けたMF松本茉奈加(スポ3=東京・十文字)が反転し、ボックス内へクロス。ルーズボールに高瀬が反応しこの日のファーストシュートを放つ。これは相手GKに防がれたが、その後も前線から果敢にプレッシャーをかけ、敵陣でボールを奪うことで序盤の主導権をものにした。しかしア女がゴールネットを揺らせないでいると、大東大守備陣は強固なブロックを形成。バイタルエリアへのボール供給が困難になり、ア女は徐々にゴールから遠ざかっていった。逆に大東大の鋭いカウンターに手を焼き、MF猿澤桃佳(1年)に再三決定機を演出されるが、GK川端涼朱(スポ3=東京・十文字)のビッグセーブなどで事なきを得る。互いに攻撃のリズムをつかみきれないまま、前半の45分間を終えた。
先制ゴールを決め、ガッツポーズを見せる源関(写真中央)
後半開始と同時に、U19日本代表遠征からチームに復帰したFW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)を投入。これに伴い、1トップでのプレーが続いていたFW山田仁衣奈(スポ4=大阪・大商学園)はシャドー気味にポジションを移した。すると試合の流れは一転、再びア女へ傾く。最前線に廣澤という収めどころをつくり、それに山田やMF蔵田あかり(スポ2=東京・十文字)といったアタッカーが絡んでいくことで、流動的な攻撃を実現。敵陣でのプレー時間が増加し、ハーフコートゲーム気味に試合が進んでいく。すると60分、待望の先制点が生まれる。中盤の左サイドでFKを獲得すると、DF中條結衣副将(スポ4=JFAアカデミー福島)がボックス内にハイボールを供給。「誰かに当たれば、と思っていた」(中條)というボールはDF源関清花(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)の頭を経て、ゴールへと吸い込まれていった。74分には再びハーフウェーライン付近でFKを獲得。中條の蹴ったボールが相手のオウンゴールを誘い、理想的な時間帯に追加点を挙げた。その後ア女は試合を締めるべく、廣澤と同じくU19日本代表帰りのDF船木和夏(スポ1=日テレメニーナ)をはじめ、終盤に次々と選手を投入。危なげなく時計の針を進め、勝ち点3を獲得した。
シュートをブロックする川端。好セーブを連発し、クリーンシートに貢献した
これで第2節から3試合連続で完封勝ち。未だ細かいミスは散見されるが、試合を重ねるごとに守備面の課題が改善されている。またこの日は流れからの得点こそ生まれなかったものの、相手守備陣を崩す攻撃が多く見られた。特に廣澤投入後にア女が見せた数々の躍動感あふれる攻撃は、今後強豪校との対戦が控える関カレにおいて強力な武器となるはずだ。今節で一旦関カレは中断。次戦からは、皇后杯予選を兼ねた関東女子選手権を戦うことになる。何よりも結果だけが求められるトーナメント方式のこの大会。一戦必勝の態勢で、皇后杯への切符をつかんでみせる。
(記事 森迫雄介、写真 永池隼人、末次拓斗、山崎航平)
スターティングイレブン
関連記事
蔵田の2ゴール! 伝統の一戦制す(9/02)
小林が2戦連続弾! 勝ち点3を奪取(8/31)
関カレ開幕戦は厳しい結果に。終始劣勢に立たされ痛恨ドロー(8/26)
早大メンバー | ||||
---|---|---|---|---|
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 川端 涼朱 | スポ3 | 東京・十文字 |
DF | 5 | 源関 清花 | スポ4 | ちふれASエルフェン埼玉 |
→79分 | 2 | 冨田 実侑 | スポ3 | 岡山・作陽 |
DF | 4 | 小林 菜々子 | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 7 | 中條 結衣 | スポ4 | JFAアカデミー福島 |
→82分 | 35 | 船木 和夏 | スポ1 | 日テレ・メニーナ |
DF | 3 | 中田 有紀 | スポ4 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 11 | 松本 茉奈加 | スポ3 | 東京・十文字 |
MF | ◎8 | 高瀬 はな | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18 |
→89分 | 14 | 田中 実夏 | スポ4 | セレッソ大阪堺レディース |
MF | 10 | 村上 真帆 | スポ3 | 東京・十文字 |
MF | 13 | 蔵田 あかり | スポ2 | 東京・十文字 |
MF | 32 | 高橋 雛 | 社1 | 兵庫・日ノ本学園 |
→HT | 34 | 廣澤 真穂 | スポ1 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
FW | 9 | 山田 仁衣奈 | スポ4 | 大阪・大商学園 |
→88分 | 30 | 土居 明日香 | スポ4 | ちふれASエルフェン埼玉 |
リザーブ:GK33近澤澪菜(スポ1)、MF12並木千夏(スポ2)、MF17阪本未周(スポ3)、MF26加藤希(スポ2) | ||||
◎=ゲームキャプテン 監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘) |
コメント
MF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
――きょうの試合を振り返って
相手はこれまでの関カレは負けなしで来ていて、とても勢いのあるチームでしたが、そういった相手に無失点で勝利できたことはよかったと思います。
――きょうのゲームプランは
守備の面で、相手がどう出てくるかやってみないと分からなかったのですが、自分たちは前からプレスをかけてなるべく相手陣地でプレーしようということを心掛けていました。
――前半はチャンスをつくり切れない時間帯がありました
ボールを持っている時間は自分たちの方が長かったのですが、うまく自分たちのリズムに持っていくことがなかなかできませんでした。
――その中でシュート意識はチーム全体として高かった印象です
スカウティングでもロングシュートが効果的だという話が出ていて、この1週間その練習もしていました。結果としてそのかたちでのゴールシーンはありませんでしたが、今後の試合でもシュート意識を高く持ってプレーできればいいなと思いました。
――後半を振り返って
システムを少し変えたこともあり、前半よりも一人ひとりの距離感が近くなってプレーしやすくなりました。
点が取れず我慢の時間も続きましたが、焦らず粘り強く戦えた部分はよかったと思います。
――セットプレーから得点が生まれました
自分たちの強みの1つでもあるので今後ももっと質を高めていきたいですし、遠目の位置からだったり、流れの中でも点を取れるようにしていきたいと思います。
――廣澤選手が入ってから、前線がより機能するようになった印象です
ヒロ(廣澤)のところでボールを収めてくれて、攻撃に厚みを持たせることができたと思います。他の交代選手もいい流れを作るプレーが多くて、みんなで前半からの修正ができたかなと思います。
――きょうは前節と比べて両サイドをバランスよく使えていた印象です
両サイドともクロスまで上げる場面が増えましたが、クロスを決め切れないということも課題の1つだと感じています。
――また守備も含めて、フォーメーションや戦術がハマってきているように思えます
あまり攻め込まれる時間帯は多くなかったですが、まだ失点もののピンチが多かったです。いかにそういう場面を減らしていくかというのをもっと考えていく必要があると思います。
――これで関カレ3連勝です
試合を重ねるごとに手応えを得たり、成長を実感する部分もありますが、関カレはインカレ出場枠に入ることが目標ではないので、まだ何も満足はしていません。次節も気を引き締めて臨みたいです。
――最後に関東女子選手権に向けて意気込みをお願いします
今シーズン初めてのトーナメント戦となりますが、先を見過ぎず、まずは一戦一戦目の前相手に勝てるよう、全力で戦っていきます。
DF中條結衣副将(スポ4=JFAアカデミー福島)
――この1週間、チームで取り組んでいたことは
スカウティングを通じて、自陣にしっかり引く守備をしているという分析をしたので、ミドルシュートを積極的に狙うなど引いた相手を崩す練習をしていました。
――廣澤選手の投入で流動的な攻撃が見られました
ヒロは収めてくれたり前線をがむしゃらに走ってくれましたし、自分がボールを後ろで持っている時もはっきり動いてくれたので、攻撃の起点になってくれたと思います。
――中條選手のFKから2点をもぎ取りましたが、あれらの場面を振り返って
たまたまです(笑)。あそこらへん(ハーフウェーライン付近)のFKの時は(小林)菜々子とか(山田)仁衣奈が前にいるし、キヨ(源関)とか競れる人がいるので、誰かに当たればいいかなって感じでいつも蹴っています(笑)。
――だんだん守備が安定してきているように見えます
そうですね、今回も無失点で終われましたし。危ない場面もありましたが、集中していました。
――関カレも4試合が終わり、チームとしての方向性が定まりつつあるのでは
そうですね、自分もみんなもやっているポジションに慣れてきたのもあって、定まってきているように感じます。
――次戦へ向けて
皇后杯を挟んで期間は空きますけれど、戻ってきた選手でチームも強くなっていくと思うので、合わせられるようにしていきたいです。