今回登場するのは、MF大井美波(社4=大阪・大商学園)、MF八神友梨弥(スポ4=宮城・常盤木学園)、そしてトレーナーを務める卜部令菜(スポ4=栃木・幸福の科学学園)の3人。4年生としてチームを引っ張ってきた3人に、お話を伺った。
※この取材は12月19日に行われたものです。
「インカレは勝たなければいけない」(大井)
ケガを乗り越え、復帰した大井
――関東女子リーグ戦(関東リーグ)と関東大学女子リーグ戦(関カレ)を振り返っていかがですか
大井 関東リーグは、最後の試合で日テレ・メニーナに勝てたことが大きいです。前にやった時は負けてしまったので、そこから色々な試合があった中で、最後勝てたのはその期間に改善できたからかなと見ていて思います。全部の試合に出ていないので、ケガをしている間の感情と、ケガが治っているのにピッチの外で見ている感情は全然違います。ケガをしている時には絶対にサッカーができないので、ある程度割り切れるというか、みんなの良いところを見つけようと思うんですけど、自分以外のことを考えながら見たりとか。サッカーができるのに試合に出ていない時は、自分の感情が優先してしまったりしました。それをインカレに生かしたいと思います。関カレでは、自力優勝が無い状況が続いていて、そのままなんとかならずに終わってしまったので…。それでも2位になれたのは最初に勝ち点をしっかり取れていたからかなと。改善できなかったのをみんな感じていると思うので、インカレは勝たなければいけないと思います。
八神 関東リーグは、コンスタントに試合に勝てていたので優勝して良かったです。関カレでは強い大学相手に対していまいち結果が出なかったのは課題になったし、2位で終えたけど内容がついてこなかったのは残念でした。インカレでまたきっと当たる相手になると思うので、しっかりやり返せればいいなと思います。
卜部 関東リーグが始まって、最初は順調に勝てていたので今年もア女は強いかなと思っていました。関カレが始まって、なかなか無失点勝利も厳しくなってきたりして…。それでも逆転して勝ったり、勝負どころの強さは感じました。帝京平成大に負けてしまって、去年も関カレでは日体大に優勝を譲ってインカレでリベンジだったので、今年も帝京平成大にリベンジできたらいいなと思います。
――今年は監督が変わりましたが、何か変化を感じる点はありますか
八神 走りが減った(笑)。
一同 (笑)
大井 福島さん(廣樹前監督、昭45教卒=東京・独協)の時は、福島さんの中でぶれない何かがあって、それに沿って個人としてもチームとしてもやっていました。今年は、あんまり決まったものは無いので。以前から選手主体ではあったのですが、今年からほとんど個人の考えがチームの方針になったりもしたので、責任感は4年生は特に感じていたのではないかなと思います。
卜部 1年生の時から川上さん(嘉郎監督、昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘))はコーチだったので、元々「監督の下で支えてくれている方」というイメージが3年間でついていたので、あんまり「監督」というイメージがないです。川上さんの考え方としても、選手に任せるという感じなので特に4年生が主導でチームを引っ張っています。
「自分が責任を持って選手の安全を守る」(卜部)
トレーナーとしてチームを支える卜部
――4年生としてチームを引っ張って中で苦労したことは何かありましたか
大井 自分はグラマネ(グラウンドマネージャー)という練習メニューを決める役職なんですけど、良い意味で選手主体なので「これをしてほしい」という要求はあるんですけど、それをどう組み込むかも、監督の意見を取り入れる取り入れないもグラマネに任されているので、こちらからの意見が通るかたちだったので。選手の視点から足りないと思うところを練習に入れたかったんですけど、これをして勝てるかとかこのメニューで意識してほしいことを実行できるのかっていう点で、合っているか分からない点が多い時もあったので。そこは大変でした。
卜部 私はトレーナーなので、1、2年生の時よりはできることとか落ち着きとかもそれなりになってきたとは思います。ヘッドトレーナーさんがいなかったり、リハビリを見ている時にはピッチでも練習、試合を見るようにしていて自分が駆け付けられるようにしています。ヘッドトレーナーさん頼りだったところを、自分が責任を持って選手の安全を守れるようにしています。何かあった時に自分が行けるようにというのを意識していました。
――4年間で印象に残っている試合はありますか
大井 去年のインカレの準決勝です。2年生の時に、試合に出ていたのに実力不足でインカレの準決勝と決勝に出ることができなくて、悔しい思いをしました。3年生の時は、インカレの準決勝に出してもらったんですけど、2年生の時よりはステップアップしたなと思っていたのに、いざ西が丘のピッチに立ったら何もできなくて、今までで一番悪い試合でした。出ても何もできなかったのが、今の実力だなと痛感した試合でした。自分の実力のなさに納得したというか。パフォーマンスが悪かったので決勝は出ていないので、自分の中で納得してどうにかしないとって思った試合です。
八神 今年の関東リーグの神奈川大戦です。汐華(MF熊谷主将、スポ4=東京・十文字)がケガで出られなかったので、スタメンで出た唯一の試合なので印象に残っている試合です。
卜部 1年生の時のインカレは色々な思いが溢れました。初めてインカレを経験して日本一になって、それが単純に嬉しかったです。当時の4年生がすごく好きだったので、それが叶った時の喜びも大きかったです。朱里(FW河野、スポ4=静岡・藤枝順心)が得点を決めて、同期が得点を入れたのもすごく嬉しかったです。自分が4年生になった時も同じ景色を見たいというか、日本一になりたいと思って泣いて喜んだ試合でした。去年の関カレの東洋大戦も印象に残っています。春の尾瀬合宿で早大から2チーム出して、どちらも東洋大に負けたっていうことがありました。関カレで東洋大とやるとなった時に、勝てるかすごく心配になってしまったんですけど、無事に勝ってすごくほっとした試合が東洋大戦でした。
――大井さんのプレーの印象はどうですか
八神 相手にとっては、すごく嫌な位置にいるし味方にとってはすごく良い位置にいてくれる。
卜部 それは本当にそうだね。突破とかもすごいです。
――続いて八神さんのプレーはどうですか
大井 すごく上手です。言葉はあれですけど、いやらしいプレーとかが上手いです。テクニシャンなんです。
卜部 すごくテクニシャンというのはその通りで、私は見ていて「え、なに今の?」ってなってます。
――卜部さんの印象はいかがでしょうか
八神 かわいい。
一同 (笑)
大井 かわいくて、近寄りがたいようなオーラを出してるけど、仲良くなるとすごく話してくれる。
――卜部さんは、なぜア女に入部しようと思われたのですか
卜部 トレーナーをやろうと思った時に、元々そんなに力が無いので男子部に入部するつもりは元々ありませんでした。女子ラクロス部とア女で迷っていたんですけど、ア女の見学に来た時に本気で日本一を目指しているのを見て入りたいと思って、ア女に決めました。
「貪欲に勝利を目指して頑張りたい」(八神)
八神も集大成となるインカレに全力を尽くす
――インカレについての話題に移ります。みなさんにとってインカレはどのような存在ですか
大井 今年のシーズンの初めにケガをして、自分にとっては今のチームのみんなと戦える最初で最後の試合なので、まずはサッカーを楽しんで悔いの残らないようにしたいです。あとはケガをしたことで出会えたリハビリの先生やトレーナーの方、ア女でケガをしてリハビリを共に切磋琢磨(せっさたくま)しながら励まし合って戦った仲間などの支えてくれたたくさんの人への恩返しや、歩けなかった頃からサッカーをできるまでになれた成長をしっかり伝えて、感謝をプレーで表現する場だと思っています。
八神 1、2、3年生の時は、もちろん1年間で最後の大会なので大事な試合だと思っていたし、分かっていました。4年生になった今、本当に最後の大会なんだなってすごく今実感しています。最後の大事な試合であり大会です。
卜部 2年生の時にインカレを制覇した時に、自分らの代で絶対に4連覇しようと決めたので、去年の優勝は4連覇のための3連覇だったし、このために頑張ってきたところはあるので、本当に最後の集大成です。
――最後に4連覇に向けて意気込みを聞かせてください
大井 「4連覇」を同期と掲げた日から、この目標だけはどんなことがあってもぶれずにやってきました。4連覇を中心にこの学年も私もサッカーをやってきたと思っているから、今まで積み上げてきたものや思いを、しっかり内容としても結果としても残したいと思います。
八神 インカレはトーナメントで負けたら終わりなので、一試合一試合チーム一丸となって、貪欲に勝利を目指して頑張りたいです。
卜部 日本一になるためには日本一の練習をしなければいけないと思います。私はサポートしかできないですが、選手たちが毎回の練習を意味あるものにできるように一回一回のテーピングを巻いたり、チームのサポートを大切に頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 下長根沙羅)
インカレへの意気込みを書いていただきました!
◆大井美波(おおい・みなみ)(※写真中央)
1997年(平9)1月14日生まれ。157センチ。大阪・大商学園高出身。社会科学部4年。MF。今シーズン最初のケガから復帰された大井選手。真剣に質問に答えてくださる姿から、サッカーに対する熱い思いが伝わってきました。インカレでは、ピッチで支えてくれた人への感謝を表現します。色紙には「四連覇」の「連」を書いてくださいました。
◆八神友梨弥(やがみ・ゆりや)(※写真左)
1997年(平9)1月9日生まれ。162センチ。宮城・常盤木学園高出身。スポーツ科学部4年。MF。プレーを「テクニシャン」と評された八神選手。インカレでも相手を圧倒するようなプレーが見たいです!色紙には「四連覇」の「四」を書いてくださいました。
◆卜部令菜(うらべ・れな)(※写真右)
1995年(平7)12月24日生まれ。156センチ。栃木・幸福の科学学園高出身。スポーツ科学部4年。「チームのサポートを大切に頑張ります」と話してくれた卜部さん。一回一回のテーピングにも思いを込めて、4連覇を達成するべくチームを支え続けます。色紙には「四連覇」の「覇」を書いてくださいました。