ついに開幕した関東大学女子リーグ戦(関カレ)。初戦の相手は今年1部に昇格してきた山梨学院大。MF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)が試合後に話していたように、勢いのあった山梨学院大に苦しめられる場面もあり、FKから頭で合わせられ先制点を献上してしまった。しかし1点ビハインドで迎えた40分、コーナーキックから直接ネットに突き刺し決めたMF安部由希子(スポ4=宮城・聖和学園)のゴールで追いつき、試合は1−1の引き分けに終わった。
8月12日の早関定期戦から7人入れ替えて挑んだ関カレ初戦だったが、序盤はワセダが主導権を握る。4分にはこの試合初めてのCKを獲得し、キッカーの安部が右からクロスを上げ、DF小林菜々子(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)が頭で合わせるも相手にあたり、ゴール左脇へと逸れてしまう。その後8分、右サイドで相手にFKのチャンスを与えてしまい、オフサイドのように思える曖昧なゴールだったとはいえ頭で押し込まれ山梨学院大に先制された。早大ア式女子蹴球部(ア女)は20分にMF村上真帆(スポ2=東京・十文字)がシュートを打つもキーパーに阻まれ、36分には中央で受けたFW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)がシュートに持ち込むがなかなかゴールは奪えない。39分、CKを獲得してキッカー安部のクロスを村上が頭で合わせようとするもネットは揺れず、40分に再びCKへ。今度はキッカーの安部が、相手のキーパーに触られるも直接ゴールに突き刺し同点に追いつく。その後も粘り強く攻め続けて前半を終えた。
安部のCKがゴールに吸い込まれた
交代はせずに後半も積極的に点を取りに行く姿勢を見せたア女。後半序盤は左サイドを中心に果敢にクロスが上がるものの、なかなか決めきることができない。18分、DF中田有紀(スポ3=兵庫・日ノ本学園)が左サイドからクロスを上げ、河野が頭で合わせるもバー直撃。31分に熊谷が直接シュートを打つもキーパーに弾かれ獲得したCKではキッカーの安部がニアにいた15分にMF阪本未周(スポ2=大阪・大商学園)と代わって入ったMF松本茉奈加(スポ2=東京・十文字)へ合わせるもゴールにはならない。続く43分には、河野が左サイドでボールをキープしてクロスを上げ、中央にいた村上が頭で合わせるも相手DFにクリアされてしまう。しかし終盤には熊谷、河野、村上を中心に相手DFを上手く崩す場面も見られ、チーム力を感じさせるプレーがある中で試合は終了した。
果敢に攻め続けた村上
去年、一昨年と2年連続で準優勝に終わっている中で、何としてでも今年こそは優勝を狙っていきたいア女。試合後、河野が「次の試合からもっと高い意識を持ってやらないと優勝争いにも絡めないかなという風に考えています」と話したように、優勝のためには厳しい日程の中、勝ち点3を確実に積み重ねていくことが必至であると言えよう。今節は結果だけ見れば1−1のドローではあるものの、クロスバーに弾かれるなど惜しい場面もあった。また、何本もGKや相手DFに阻まれるなどゴール前での決定機は少なからずあったであろう。次節の武蔵ケ丘短大戦では「結果だけでなく内容にもこだわって」(熊谷)勝利を手にすることを期待したい。
(記事 堤春嘉、写真 町田華子、守屋郁宏)
スターティングイレブン
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開幕戦で完封勝利、最高のスタートを切る/第31回関東大学女子リーグ戦(2017.09.03)
第32回関東大学女子リーグ戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 1 | 1-1 0-0 |
1 | 山梨学院大 |
【得点】 (早大)40’安部由希子 (山梨学院大)9’小山由梨奈 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 鈴木 佐和子 | スポ2 | 東京・十文字 |
DF | 24 | 佐々木 呼子 | スポ2 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 32 | 小林 菜々子 | スポ3 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 23 | 源関 清花 | スポ3 | ちふれASエルフェン埼玉 |
DF | 3 | 中田 有紀 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 2 | 渡部 那月 | 社4 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 5 | 安部 由希子 | スポ4 | 宮城・聖和学園 |
MF | 25 | 阪本 未周 | スポ2 | 大阪・大商学園 |
→60分 | 17 | 松本 茉奈加 | スポ2 | 東京・十文字 |
MF | 7 | 村上 真帆 | スポ2 | 東京・十文字 |
MF | ◎11 | 熊谷 汐華 | スポ4 | 東京・十文字 |
FW | 10 | 河野 朱里 | スポ4 | 静岡・藤枝順心 |
◎=キャプテン 監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘) |
関東大学女子リーグ戦日程 | ||||
節 | 日にち | 時間 | 対戦相手 | 会場 |
---|---|---|---|---|
1 | 8月26日(日) | 15:00 | 山梨学院大 | 早大東伏見サッカー場 |
2 | 9月1日(土) | 11:00 | 武蔵丘短大 | 早大東伏見サッカー場 |
3 | 9月5日(水) | 11:00 | 東京国際大 | 早大東伏見サッカー場 |
4 | 9月9日(日) | 11:00 | 大東大 | 早大東伏見サッカー場 |
5 | 10月6日(土) | 15:00 | 神奈川大 | 早大東伏見サッカー場 |
6 | 10月6日(土) | 15:00 | 帝京平成大 | 早大東伏見サッカー場 |
7 | 10月21日(日) | 11:00 | 東洋大 | 早大東伏見サッカー場 |
8 | 10月28日(日) | 11:00 | 慶大 | 早大東伏見サッカー場 |
9 | 11月11日(日) | 13:00 | 日体大 | 早大東伏見サッカー場 |
コメント
MF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)
――関カレに向けて、どのようなことを練習してきましたか
関カレはインカレに繋がるリーグ戦でもあるので、合宿などでフィジカル面を鍛えることもそうですし、チーム力という所で今まで前半の関東リーグ(関東女子リーグ戦)は個に頼ってしまった部分があったので、そこをチームでどう戦うかということを求めてやってきました。
――山梨学院大は昇格してきたチームですが、どのような印象でしたか
すごく勢いがあるチームで、2部から上がってきているということもあるし、初戦ということもあったと思うんですけど、相手のその勢いに乗らせたままだと怖いなという印象がありました。
――引き分けについて、どのように捉えますか
まず初戦は必ず勝たなければいけなかったし勝つべき試合だったので、そこで勝ちきれなかったことはすごく残念だったと思います。
――失点のシーンを振り返っていかがですか
オフサイドかなっていう所もあったんですけど、その前に自分たちがしっかり守れていれば良かったところなので、オフサイドのせいにするっていうところを言い訳にはしたくない失点でした。前日のセットプレーの練習でも少しやられてしまう部分があったので、それが少し出てしまったのかなっていうのはあります。
――全体を通してどうでしたか
相手に先制されてしまったこともそうですし、決めきるところで自分たちが決められなかったということが5点ぐらいはあったと思うので、そこで決められなかったことがこういう結果につながってしまったと思いますし、しっかり自分たちで原因を捉えてこの結果を重く受け止めないといけないなという風に思います。
――ハーフタイムではどのような指示がありましたか
最初は結構相手も自分たちに順応してたんですけど、徐々にそれがずれてきているからこのまま粘り強く攻め続けて点を狙いにいこうというふうに監督から話をされていましたし、その勢いで後半点を取ってひっくり返していこうという話になりました。
――来週の武蔵丘短大戦に向けて、意気込みをお願いします。
まず勝ち点1しか取れなかったので、必ず勝つことは前提で、結果だけではなく内容にもしっかりこだわった試合をしていきたいと思います。
FW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)
――きょうの試合全体を振り返っての感想をお願いします
相手は1部に上がってきたばかりのチームなので勢いを持って来るというのは分かっていたのですけれど、自分たちが勢いで負けたという印象があります。
――昇格してきたばかりの山梨学院に対してどのような対策をしましたか
攻略という面では、相手が4-4-2をディフェンスの時に敷いてくるので、相手のディフェンスをミッドの間で受けて、食いつかせて裏というやり方が全体ミーティングであったのですけれど、それを意識できる選手やそういう意識をしたパスを出す選手がいなかったので、自分たちの思い描いていたプレーができなかったという印象です。
――関カレに向けてはどのようにチームとして準備してきましたか
去年、おととしと準優勝で終わっているということで、「日体大戦前に全勝であれば日体大戦を残して優勝が決まる」ということを監督がおっしゃっていたので、ある程度頭に入れてやっていたのですけれど、それができなくなってしまったことは大きな痛手ですし、次の試合からもっと高い意識を持ってやらないと優勝争いにも絡めないかなという考えです。
――引き分けという結果についてはどのように感じていますか
負けなくてよかったというのは最低ラインとしてありますけれど、勝たないといけない立場ですし、実力差でも勝てると思います。実力を出す技術をつけないとこれから先インカレでも負けると思うので、自分を主軸にチームとして意識づけをしていかないといけない思います。
――序盤の失点シーンについて振り返っていかがですか
フリーキックでマークをとるのがまず遅くて、ディフェンスラインで困っているうちにフリーの選手が出来てしまいました。オフサイドだったかもしれないですけどレフェリーがオフサイドじゃないと言っている時点でオフサイドではないので、そこで切り替えられなかったディフェンスラインも、指示できなかったキーパーも、それから前にいた自分も指示できなかったですし、全員の意識が途切れた時にああいうプレーが生まれてしまったと思うので、全員のミスだと思います。
――それを受けてハーフタイムにはどのような指示がありましたか
まだ時間があるということを言われて、落ち着かせるというのがコーチ陣の動きでした。相手がこちらのMFに対しての寄せが速いので、それをどういなすかというのがハーフタイムで上がっていたんですけれど、後半の終盤にペナルティーエリア辺りでダイレクトプレーができたというのは、少しは改善ができたということかなと思います。でもまだサポートが足りないなという課題があります。
――後半の終盤は少し手ごたえがあったというお話ですが、後半のプレー全体を振り返っていかがですか
自分が一番シュートを外していたと思うんですけれど、何本もシュートを打った中で相手のキーパーやディフェンスにはじかれるというのは、コースが甘かったり、打つタイミングを間違えていたりするので、ゴール前の意識がまだまだ甘いなというのが自分にとってもチームにとっても課題だと感じた内容でした。
――最後に来週の武蔵丘短大戦に向けての意気込みをお願いします
武蔵丘短大も関東リーグでは当たっていないですし、どういうプレースタイルなのかある程度は予想できますけど、人によってプレースタイルが変わっていくチームなので、映像があったら分析しながらも、自分たちのカウンターサッカーだったりポゼッションサッカーだったりを織り交ぜられるようなプレーを全員が発揮できたらもっといい試合ができると思うので、時間がないですけれど、自分を中心にきょうよりはいい試合をしたいなと思います。