厳しい暑さに見舞われた東洋大板倉グラウンド。猛暑日かつ敵地というア式蹴球部女子(ア女)にとって厳しい条件の中で、関東女子リーグ戦(関東リーグ)第9節が行われた。MF並木千夏(スポ1=静岡・藤枝順心)の2試合連続ゴールで先制点を奪うが、その後は何度も訪れるチャンスをものにすることができずになかなか追加点が生まれない。相手に攻め込まれる時間帯があったものの、82分に待望の2点目を追加。関東リーグ連勝で、7月7日に行われる早慶女子定期戦(女子早慶戦)に向けて弾みをつけた。
パスを回してくる東洋大に対して、ア女はセンターバック陣を中心に対応する。試合を通してディフェンスラインからロングボールを前線に供給することでチャンスをつくる展開となった。6分には、MF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)が左サイドで粘って、ボールを中央に送る。しかし、MF村上真帆(スポ2=東京・十文字)には通らず惜しくも得点とはならなかった。25分、またも好機を演出したのは熊谷。左サイドからクロスを上げると、これに反応したのは並木。左足を振りぬき、GKの頭上を越えるボールで先制点を奪い、1-0とした。また相手のパスミスを見逃さずにカットし、シュートにつなげる場面も。相手のシュート数を1におさえるなど、懸命な守備が功を奏するかたちとなった。
1点目を決めた並木(左)に駆け寄る熊谷(右)
後半は、息を吹き返した相手の勢いに押されてしまう展開に。47分には村上がこぼれ球を押し込もうとするが、ボールがクロスバーを直撃。「ただ入れるだけというシュートを外してしまった」と悔しさをにじませた。追加点を奪えない中で、55分にはピンチが訪れる。わずかなミスから相手にボールを奪われシュートを放たれるが、これはGK木付優衣(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)がファインセーブ。なんとか失点を免れた。待望の追加点が生まれたのは、82分だった。右サイドを駆け上がったDF中田有紀(スポ3=兵庫・日ノ本学園)がアーリークロスを供給。村上がこれに飛び込み、2点目を追加した。その後、相手にシュートを打たれる場面もあったが、しっかりと対応し試合終了。2試合連続の完封勝利を挙げた。
2点目をアシストした中田
勢いのある相手に押される時間もあったが、しっかりと勝ち点3を獲得した早大。関東リーグ首位をキープしている。猛暑日ということもあり、体力的にも厳しい戦いとなった中で勝ち切ったことは大きな収穫だ。来週に控える女子早慶戦、そして関東リーグ第10節という連戦に向けて一つ自信となったことだろう。結果だけではなく内容にもこだわり、来週の連戦に挑む。
(記事 下長根沙羅、写真 石塚ひなの、柴田侑佳、下長根沙羅)
スターティングイレブン
関連記事
ルーキーが2得点!後期リーグは白星でスタート/第24回関東女子リーグ戦(2018.06.26)
第24回関東女子リーグ戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 2 | 1-0 1-0 |
0 | 東洋大 |
【得点】 (早大)25’並木千夏、82’村上真帆 (東洋大)なし |
早大メンバー | ||||
---|---|---|---|---|
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 木付 優衣 | スポ4 | |
DF | 24 | 佐々木 呼子 | スポ2 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 4 | 三浦 紗津紀 | スポ4 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 23 | 源関 清花 | スポ3 | ちふれASエルフェン埼玉 |
DF | 3 | 中田 有紀 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 5 | 安部 由希子 | スポ4 | 宮城・聖和学園 |
→60分 | 6 | 柳澤 紗希 | スポ4 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 2 | 渡部 那月 | 社4 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 37 | 並木 千夏 | スポ1 | 静岡・藤枝順心 |
→72分 | 12 | 山田 彩未 | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18 |
MF | 7 | 村上 真帆 | スポ2 | 東京・十文字 |
MF | ◎11 | 熊谷 汐華 | スポ4 | 東京・十文字 |
FW | 10 | 河野 朱里 | スポ4 | 静岡・藤枝順心 |
◎=キャプテン 監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘) |
コメント
GK木付優衣(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
――久しぶりの実戦復帰となりましたがコンディションはいかがでしたか
教育実習で抜けていたのですが、一応毎日部活には参加していましたし、毎日高校生相手に練習していたこともあってある意味初心に戻れた気がします。コンディションと言うよりはフレッシュな気持ちになることが出来たと思います。
――きょうの戦術としてはどのようなことを意識しましたか
東洋大は結構ボールをまわしてくるのでそれに対する指示で対抗することを意識しました。初めは少し手こずっていたのですが、CBを中心にうまく対応できたなと思います。まだまだ改善点はありますけど、結果としてはゼロで抑えられたので良かったと思います。
――前半を振り返ってみていかがでしたか
前半の初めの方ははっきりしたプレーができなくて抑え込まれた状態だったりとか、相手の中盤にこちらの守備が上手く対応できなくてピンチを作ることが結構あったんですけど、そこで皆で声を掛け合いながら修正することができたので良かったと思います。この状態が攻め込まれる前にできたらより良いと思います。
――後半はゴール前まで攻め込まれるシーンもありました
そうですね、特に最終盤は東洋大は「失うものは何も無い」というような感じでした。実際に監督から「一点取ったら試合が変わるぞ」と指示が出ていたのでその勢いに押されてしまいました。またこちらも暑さによる消耗など体力面の問題もあるのかもしれませんが、終了間際にはっきりとクリアしなければならないボールを曖昧なところに出してしまっていました。なんとかゼロに抑えることが出来て良かったです。
――無失点に抑えられた要因はどのようなところだとお考えですか
CBを中心にしっかり声を出して相手に対応できたことだと思います。相手チームは監督からの指示が多くでていましたが、自分たちはコートの中から出ているものが多かったのでそこが1番大きいと思います。前がしっかり決めきってくれたことも大きいです。
――最後に来週に迫った早慶戦への意気込みをお願いします
無失点で勝ちます。
MF村上真帆(スポ2=東京・十文字)
――きょうの試合を振り返って
(関東リーグ)前期は結構相手の戦術を分析してそれが上手くはまって勝てたんですけど、(東洋大とは)結構関東リーグの最初の方に戦っていました。(関東リーグを)戦うにつれて、ぎりぎり(で勝つような展開)の試合とか、やりたいことが上手くできなかったりっていうのでチームで話し合っていました。慶大戦も、勝てたんですけど納得のいく内容ではなかったので、きょうは納得いくような試合をやろうと臨みました。
――東洋大に対しての戦術はどのようなものでしたか
前期ほどではなかったんですけど、きょうも相手はラインを高く取っていました。前期では(ラインを)高く取って2列目から飛び出すシーンがあったんですけど、きょうはそれを東洋大がケアしてきていたので、1枚が裏に飛び出して、1枚が間でもらってっていうように、相手の嫌なとこをついていこうと話をしました。
――きょうはかなり暑かったですが、体力面はいかがでしたか
今年は試合でこんなに暑くなるのは初めてで、結構きつかったんですけど、まだ15時だっただけましでした。最後まで走り切ろうと思って、無我夢中でやりました。
――惜しい場面も多かったですが、前半を振り返っていかがでしたか
相手にボールを持たれたりというのはありましたが、前の方でボールを取ったりだとか後ろからのロングフィードで結構良い流れをつくれたんですけど。1点決まったからよかったですけど自分が一番外してしまったので、そこをしっかり決めないと試合展開が後々厳しくなってくるのでちゃんと決めるところは決めていきたいです。
――後半はいかがでしたか
後半の方がチャンスがあって、ゴール前のただ入れるだけってシュートを外してしまったので、徹底的に練習します。
――2点目決められましたが得点シーン振り返っていかがでしたか
練習でサイドのポジションになるシーンは一回あって、その時は逆サイドが持ってるときは疲れてても頑張って走ろうと思っていました。(きょうは)ちょうどそのシーンがあったので中に走ったら有紀さん(中田)から良いボールがきたので、入ってよかったです。
――早慶戦に向けて意気込みをお願いします
やっぱり早慶戦は独特の雰囲気があるので、その雰囲気に飲まれることなく、結果にも内容にもこだわった試合にしたいです。