5発完勝!関東リーグ3連勝を飾る

ア式蹴球女子

 強い日差しの中、関東女子リーグ戦(関東リーグ)第3節がホーム早大東伏見グラウンドにて行われた。リーグ2連勝と調子を維持しているア式蹴球部女子(ア女)は関東学園大と対戦。10分にMF山田仁衣奈(スポ3=大阪・大商学園)のゴールで幸先よく先制し、前半を折り返す。後半はサイドからの攻撃をより意識し、MF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)のゴールなどで4点を追加した。ほとんど相手にシュートを打たせず、5-0と相手を圧倒したア女。見事関東リーグ3連勝を飾った。

 ア女は開始早々から好機を迎える。1分、スローインからDF渡部那月(社4=兵庫・日ノ本学園)とMF村上真帆(スポ2=東京・十文字)のワンツーで左サイドを崩すと、渡部がゴール前にクロスをあげる。これにFW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)が反応するも、うまく合わせることができない。3分には渡部からのアーリークロスを熊谷が足で合わせるが、相手DFにブロックされてしまう。さらにMF安部由希子(スポ4=宮城・聖和学園)のパスから右サイドを崩し、最後はリーグ戦初スタメンとなったDF佐々木呼子(スポ2=宮城・常盤木学園)がクロスをあげるも、ラインを割った。ボールを保持するもなかなかシュートに持ち込むことができないア女。この流れを断ち切ったのは山田仁であった。10分、右サイドに開いた河野がファーサイドにアーリークロスを供給。そこに走り込んだ山田仁がボレーシュートを狙う。左足から放たれた鋭いシュートは見事ゴール左に突き刺さり、ア女は先制に成功した。山田仁は得点後、左サイドからのクロスで多くの好機を演出し、攻撃の起点となった。31分には村上のパスを胸でトラップし、相手DFを冷静にかわしてシュートを放つも、相手GKに片手でセーブされ惜しくも得点とはならず。「相手が真ん中に密集していてそこに自分たちがボールを入れてしまった」(熊谷)、「攻撃のスイッチが入らなかった」(山田仁)とその後は単調な攻撃で、なかなか決定機をつくることができなかったア女。前半を1-0で折り返した。

山田仁の豪快なボレーシュートで先制した

 後半はDF冨田実侑(スポ2=岡山・作陽)を投入し、攻撃の活性化を図るア女。その冨田がいきなり魅せる。49分、村上のパスを受けるとエリア内の熊谷へラストパス。熊谷がこれをダイレクトで合わせると、コントロールされたシュートはゴール左に吸い込まれた。53分には冨田のカットインから村上がミドルシュートを狙うも、ゴールとはならず。「トミー(冨田)が入って前への勢いが出た」(熊谷)とア女は徐々にリズムをつかむ。58分のCKから山田仁がヘディングシュート。これは相手GKのファインセーブに阻まれるが、そのこぼれ球を河野が押し込みゴール。さらに71分のCKでは、山田仁が完璧なタイミングでヘディングシュートを決めた。83分にはショートカウンターから相手に右サイドを崩されたものの、GK木付優衣(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)が冷静に対応しピンチを脱する。すると90分にファウルを受けた熊谷のFKを河野が頭で合わせ試合を締めくくった。「両サイドからいい攻めができた」(熊谷)と後半は相手を引き出してから攻めることを意識し4ゴールを奪ったア女。結果5-0で見事勝ち点3を獲得した。

公式戦初スタメンの佐々木。フル出場を果たした

 今節も強化してきたアーリークロスで得点を奪い、3連勝を飾ったア女。しかし相手が引いて守ってくる中で、なかなか攻撃がかみ合わない場面も見られた。それでも後半に戦術をしっかりと修正し、追加点を奪ったのは大きな収穫であろう。さらに守備面では被シュート数をわずか1本に抑え、2試合連続のクリーンシートを達成。「ずっと集中を切らさずに無失点で終わることができた」と佐々木は手応えを口にする。次節は5月12日の浦和レッズレディースユース戦。少し間隔が空くものの、ア女はこの勢いを維持し、連勝街道を突っ走る。

(記事 永池隼人、写真 石井尚紀、守屋郁宏)

スターティングイレブン

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第24回関東女子リーグ戦
早大 1-0
4-0
関東学園大
【得点】
(早大)10’、71’山田仁衣奈、49’熊谷汐華、58’、90’河野朱里
(関東学園大)なし
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 木付 優衣 スポ4 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 24 佐々木 呼子 スポ2 宮城・常盤木学園
DF 32 小林 菜々子 スポ3 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 三浦 紗津紀 スポ4 浦和レッズレディースユース
DF 渡部 那月 社4 兵庫・日ノ本学園
MF 13 高瀬 はな スポ3 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18
→46分 15 冨田 実侑 スポ2 岡山・作陽
MF 安部 由希子 スポ4 宮城・聖和学園
→69分 23 源関 清花 スポ3 ちふれASエルフェン埼玉
MF ◎11 熊谷 汐華 スポ4 東京・十文字
MF 村上 真帆 スポ2 東京・十文字
→65分 12 山田 彩未 スポ4 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18
MF 山田 仁衣奈 スポ3 大阪・大商学園
→76分 25 坂本 未周 スポ2 大阪・大商学園
FW 10 河野 朱里 スポ4 静岡・藤枝順心
◎=キャプテン
監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)
コメント

MF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)

――きょうの試合を振り返って

前半はあまりいい攻撃のかたちをつくることができなくて、相手が引いていたっていうのもあるんですけど、それに対して自分たちが工夫して攻めることができませんでした。そこを後半に修正して点を取れたのは良かったですし、無失点で終われたことも良かったかなと思います。

――きょうはどのような戦術で挑まれましたか

いつもやることをチームで共有していることがあるのでそれをしっかりやることと、無失点で抑えて勝ち切るということを意識して入りました。

――アーリークロスが目立ちましたがやはり意識されてるところですか

そうですね。リーグ戦が始まってからけっこうアーリークロスで点を取れることが多いんで、チームとして狙っていますし、練習の中でも割とアーリークロスを取り入れているので、そこはいい意識づけができているのかなと思います。

――前半はクロスなどで多くのチャンスメイクをされていましたが振り返って

そうですね、クロスはいいの入れてたんですけど、もうちょっと自分でいくプレーを増やせたかなとは思います。

――前半あまり点を取ることができませんでしたが連携はいかがでしたか

連携自体はあまり悪くなかったんですけど、相手が真ん中に密集していてそこに自分たちがボールを入れてしまっていたので。もう少しサイドにシンプルに振ってということができれば良かったかなと思います。

――後半に2点目を取られましたが振り返って

あれはまあごっつぁんゴールというか(笑)でも決めきれて良かったです、点取りたかったので。

――またFKから5点目を演出されましたが振り返って

あれはもうあそこらへんに蹴ったら誰か合わせてくれるだろうと思っていたので、アシストになって良かったです。

――後半に4点を奪いましたが連携や戦術は前半よりも良かったですか

前への勢いが増しましたし、トミー(冨田)が入って勢いが出たので。両サイドからいい攻めができたと思います。相手を引き出してから攻めることもできました。

――最後に今後の目標をお願いします

これでいったん春合宿が入ってリーグ戦間空いちゃうんですけど、疲労もあるんですけど、しっかりパワーアップしてリーグ戦に向けてやっていけたらなと思います。

MF山田仁衣奈(スポ3=大阪・大商学園)

――きょうの試合を振り返って

関東リーグ10連覇がかかってる中で、しっかり3戦目も勝てたことが良かったと思います。

――関東学園大はどのような印象ですか

スカウティングでもありましたが、縦に早く攻撃をしてくるチームだったので、攻守の切り替えを意識して臨みました。

――きょうの戦術はどのようなものでしたか

相手もボランチの位置が1枚で、ボランチの横のスペースが空くのでそのスペースをどのようにするのかということを話し合いました。

――前半、早い時間帯でボレーシュートを決めましたね

当てるだけだったので(笑)。点を取れて良かったです。

――前半は、1点が入った後なかなか点が入りませんでしたが

あまり攻撃のスイッチが入らなくて、単調にずっとボールを回しててという感じだったので、誰かが(相手を)引き出すプレーだったりとか、変化のつけられるプレーができればバリエーションを増やせたかなと思います。

――それに比べて後半は点がたくさん入りましたが、何か変えたことはありましたか

攻撃のバリエーションが少ないという話を聞いて。意識的にFWが抜け出してその後をつくったりとか、関わりを前半よりは意識をしてやれたかなと思います。

――次節への意気込みをお願いします

次も大事な試合になってくると思うので、しっかり全員で勝ちきれるように頑張りたいと思います。

DF佐々木呼子(スポ2=宮城・常盤木学園)

――公式戦初スタメンでフル出場しました。いかがでしたか

スタメンとなると、最初の入りとかも緊張はしました。でもチームの人が「いつも通り、いつも通り」というような声掛けをしてくれたので、ある程度いつも通りのプレーはできたかなと思います。

――試合前に監督から何か言葉をかけられましたか

監督に「どうしたらいいですか」みたいなことを言ったら、「好きにやっていい」と。じゃあ好きにやろうかな、という感じでしたね(笑)。

――ご自身の強みは出せましたか

前もって(周りを)見ておいて、自分にボールが来た時にはタッチ数少なく次の人にすぐ離せるように、早いゲーム展開を繰り広げられたらといつも思っています。今日も何本もそういうシーンがあったので、良かったと思います。

――試合を全体的に振り返っていかがですか

ワセダがボールを持っている時間の方が結構長くて、もっとハードワークできたんじゃないかということは全体的にあったと思うんですけど、次からは相手のレベルに合わせないような、ア女が持っている力が出せるようなサッカーをしたいと思っています。

――守備の選手としては無失点で終えたことは大きいのではないですか

毎回気が緩んで1失点とかしてしまうんですけど、今日はずっとディフェンスラインで「ここから締めていこう」とか、そういう声掛けがあったので、ずっと集中を切らさずに無失点で終わることができました。

――合宿も挟みますが、どんな準備をしていきますか

新しく入ってきた1年生とコミュニケーションが取れる場だとも思っていますし、チーム全体でフィジカル的にもメンタル的にも、全体的に向上できたらいいなと思います。