世界一負けられない戦い『早慶女子サッカー定期戦』がいよいよきょう、開幕する。昨年度、3年ぶりに勝利を手にしたア式蹴球部女子部(ア女)。一方、定期戦での史上初の勝利に燃えるケイオー。大観衆の中で両校がどのような戦いを繰り広げてくれるのか、楽しみでならない。
3年ぶりの勝利を手にした昨年の定期戦
関東女子リーグ(関東リーグ)の後期第3節を終えて現在首位に立つア女。このリーグ8連覇中の女王だが、ことしは苦戦を強いられている。しかし、前期中盤から新しく導入した4−1−4−1のシステムが徐々にうまくはまってきており、ア女のこれからの巻き返しに期待だ。
ア女の注目選手は何と言っても最後の早慶戦となる4年生だ。MF松原有沙主将(スポ4=大阪・大商学園)を筆頭に頼もしい最上級生がチームを引っ張る。司令塔・MF中村みづき副将(スポ4=浦和レッズレディース)の華麗な球裁き、MF平國瑞希(スポ4=宮城・常盤木学園)のドリブル突破、そして最終ラインで鉄壁の守りを敷くDF奥川千沙副将(スポ4=静岡・藤枝順心)。引き分けの悔しさと勝利の味、両方を知る4年生が最後の早慶戦に思いをぶつける。そして現在関東リーグの得点ランキング1位タイにつけているFW河野朱里(スポ3=静岡・藤枝順心)にも注目だ。好調なア女のエースは、チームを勝利に導くヒロインとなれるだろうか。
司令塔・中村、ことしもMVP獲得なるか
対するケイオー、今年度の関東リーグは2部で戦っており、チームは現在4位。今季から伊藤洋平新監督が就任し、スタメンも大きく入れ替わった。4年連続で早慶戦のゴールマウスを守る野村智美主将(4年)を始めとする守備陣は粘り強く、かなり手強い相手だ。そして小川愛(1年)などフレッシュなメンバーが顔をそろえる攻撃陣の勢いのあるプレーにも要注意だ。
今年度の両校の対決はこの定期戦、一度きりになるかもしれない。だからこそ、両校ともすべての思いをこの一戦にぶつけてくる。ア女の選手たちは口をそろえてこう言う。「ケイオーには負けたくない。いや、負けられない」。夕焼けに空が染まる時、歓喜しているのは果たしてどちらのチームか。多くの観客が見守る中、伝統の一戦の幕が上がる。
紺碧をとどろかせろ
(記事 篠原希沙、写真 進藤翔太氏、高橋弘樹)